2012-03-16

福島県教育委員会と福島県知事



正力松太郎というリトマス試験紙


【福島原発事故 その時私は】双葉病院長 鈴木市郎さん(77)

 続きを書く。情報の吟味、精査、検討という観点から正力松太郎〈しょうりき・まつたろう〉をリトマス試験紙にすべきである。

 元読売新聞社社主にして「原子力の父」と謳(うた)われた人物だ。

原発導入のシナリオ 冷戦下の対日原子力戦略
戦後、CIAは正力松太郎氏と協力して日本で原子力の平和利用キャンペーンを推進

 福島原発事故以降、国民感情としては反原発・脱原発に傾いていると思われるが、如何せん国民の意志を表明するシステムがない。解散総選挙となった場合、政治家は原発が争点になることをずる賢く回避すると思う。

 また国民投票や住民投票が実施されそうな気配もない。

 とすれば、だ。反原発・脱原発を表明する最も現実的で効果が高い行動は、読売新聞の購読を中止することだと私は考える。併せて日本テレビを見ないようにする。たったこれだけで日本の現状を動かすことは可能だ。

 関東大震災(1923年)が起こった際、朝鮮人が「井戸に毒を入れ、また放火して回っている」という流言が飛び交った。このデマを流布した首謀者が、時の警視庁官房主事で後に読売新聞社主となる正力松太郎であった。

関東大震災の日
読売新聞 3月11日付「編集手帳」

【福島原発事故 その時私は】双葉病院長 鈴木市郎さん(77)

置き去りにされた 救助の遅れ 亡くなった高齢者50人

 地震で停電になったが、すぐ復旧すると思っていました。原発が危ないと知ったのは翌12日の早朝。「急いで避難しろ」と大熊町の防災無線の放送があった。町役場に助けを求めるとバスが来て、患者209人と全職員が乗り込みました。

 残されたのは患者129人と私一人。職員には「残ってくれ」と言いたかったが、津波で家が流された人もいた。「自分は最後の一人を送るまで残る」と笑って見送った。すぐに後続のバスが来ると思ってました。

 ところが午後に1号機が爆発した。役場を見に行くと、人の気配がない。「置いていかれた」と思った。

 近くに系列の介護老人保健施設「ドーヴィル双葉」があって、入所者98人と職員二人も取り残された。電話もテレビも使えません。不安でしたが、夜になって自衛隊員が来て「明日には車を手配できる」と言ってくれました。

 一晩ならなんとかなる。でも、停電で真っ暗だから、顔色も分からない。頬に自分の頬を寄せて無事を確認しました。患者のそばを離れられなかった。

 翌日、救助は来ませんでした。車で助けを求めて周辺をさまよっていると、パトカーに出合った。「早く助けてくれ」と頼んだ。また裏切られるかも…と思い、名前や車のナンバーを確認した。

 後で双葉署長が病院に来てくれました。でも、車の手配が難しいからと、「今日の救出は無理」って告げられた。思わず「このままでは100人亡くなる」と怒鳴っていました。

 その夜、衰弱で一人目の患者が亡くなりました。翌朝には二人。このままだと本当に数十人単位で亡くなると思いました。

 14日朝。突然、自衛隊から救助のバスが来ました。患者34人とドーヴィルの入所者98人全員が避難した。隊員は「すぐに後続が来る」と言ってくれた。だけど、3号機が爆発。隊員は「(現地対策拠点の)オフサイトセンターに行かなくては」と言っていなくなり、また約束は破られました。

 このバスが避難所のいわき光洋高校に到着したのは夜です。直線で30キロの距離を230キロ、10時間かけて移動しました。バスの車内で3人、到着後の高校の体育館で11人が亡くなった。除染のためいったん北上した後、100人を超える患者を収容できる施設を求めて原発を避けるように移動したためだと、後で聞きました。

 結局、全員が避難したのは翌15日から16日にかけて。当時、私は警察から「緊急避難だ」と原発から20キロ離れた割山峠まで連れ出されていた。「2号機が危ない」という情報が福島県警に入っていたそうです。

 救助後、県は私たちが「患者を置き去りにした」と発表した。

 私は1号機の爆発も3号機の爆発も気付きませんでした。とにかく無我夢中だった。

 31日までにドーヴィルと合わせて、436人の高齢者のうち50人が亡くなりました。原発から5キロ圏には、ほかに双葉厚生病院と大野病院がありますが、両方とも13日までに避難している。どうしてうちの救助が遅れたか。どうして230キロの移動になったか。

 あの後、弁護士に依頼して調査を始めましたが、いまだに分からない。50人は救えた命だった。もう1年たちますが、まだ現在進行形なんです。

TOKYO Web 2012-03-12

 高度情報化社会における情報の重要度は言うまでもない。ましてや災害時においては「情報が命」に直結する。かような局面で「救助後、県は私たちが『患者を置き去りにした』と発表した」。

 このようなケースを法的に裁くシステムが求められる。そうでないといつまで経っても権力者やメディアはデマを流し続けるからだ。嘘は罪である。嘘を言った者は重罪に科し、嘘を広めた者も罪に問うべきだ。

 twitterを始めとするインターネット情報は拡散しやすい。であれば情報が誤っていた場合、デマ元にさかのぼる動きを心掛けたい。拡散に対して収束という方向性も必要だ。

◎正力松太郎というリトマス試験紙

フォトジャーナリスト・広河隆一氏 記者会見 2011年12月1日












暴走する原発  チェルノブイリから福島へ これから起こる本当のこと 福島 原発と人びと (岩波新書) チェルノブイリ報告 (岩波新書) パレスチナ新版 (岩波新書)


 嘘まみれの世界に慄然とした。結局のところ情報の隠蔽・管理・操作によって民主主義は骨抜きにされているのだ。質問をしているのはフリーランスばかりで大手新聞社は皆無だ。ここに日本の原発を取り巻く情況があらわれていると思う。

2012-03-15

中村元、田辺和子、國分康孝


 2冊読了。

 15冊目『ブッダ物語』中村元〈なかむら・はじめ〉、田辺和子(岩波ジュニア新書、1990年)/良書である。児童向けの書籍でありながら記述が正確だ。人物や歴史、概念のアウトラインをつかむには岩波ジュニア新書が有益である。ただし2ヶ所だけ、余計な印象と思える文章があった。詳細は書評にて。

 16冊目『カウンセリングの技法』國分康孝〈こくぶ・やすたか〉(誠信書房、1979年)/よもやこんなところに、という場所に隠れていた。このため読了まで1年以上もかけてしまったことになる。30年前に刊行された本だが内容は全く色褪せていない。名著。國分康孝のプレゼンテーション能力は天才的だ。教育関係者、マネジメントを行う管理職、後輩を育成する学生などは座右に置くべき一書である。更に子を持つ親にも勧めたい。私はコミュニケーション論として読んだ。

カタールがフランスを買う





 2012年1月30日放送。フランスの同盟国カタールはリビア戦争で叛徒へ資金提供し現地に軍隊を送りNATO軍の側で戦った。カタールのテレビ局アルジェジーラも偽装報­道で情報戦争に加わった。シリア内乱でも反対派へ資金援助している。アラブ系移民の多いフランス郊外へのカタ-ルの支援投資は、中東紛争に関してイスラム教徒を懐柔する意­図もあろう。付録カタール首長のイスラエル訪問。

チャベス 銀行を国の発展に奉仕させよう





 2012年1月29日。ベネズエラ大統領ウゴ・チャベス。

9.11テロ 第7ビル崩壊に関してシルバースタインへ質問





翻訳訂正

 誤訳の指摘を頂きました。

1.あなたの答えはより多くの人を呼ぶ
→あなたの答えはもっと多くの疑惑を呼び起こしました。

2.あなたの公式な答えは消防士がやったということでした
→あなたの説明は「消防士のことを言ったんだ」でしたが、あ­なたが建物(を爆破すること)を意味したのは明らかです。消防士たちは、送水管が壊れていたので正午までにはビルの外に出ていたんですから。

2012-03-14

入佐明美

1冊読了。

 14冊目『地下足袋の詩(うた) 歩く生活相談室18年』入佐明美〈いりさ・あけみ〉(東方出版、1997年)/泣いた。私の嫌いな大阪とキリスト教がセットになっているにもかかわらず。入佐は釜ヶ崎でケースワーカーをしている女性だ。25歳から18年間にわたってドヤ街を歩き回り、男たちの話に耳を傾け、病院やアパートの世話をしてきた。描かれる様々な人間模様は「詩」そのものである。入佐はもともと看護師で将来、ネパールへ渡ることを夢見ていた。それがひょんなことから釜ヶ崎で働くこととなる。いつしか夢を実現する舞台は釜ヶ崎に変わっていた。10代、20代の人は必読のこと。奈路道程〈なろ・みちのり〉のイラストも実に素晴らしい。

The Kony 2012 論争





◎KONY 2012/ジョゼフ・コニー逮捕キャンペーン
◎コニー 2012の正体~アフリカ侵略心理作戦
◎ウガンダ反政府勢力の蛮行告発映画、「真実と違う」と地元民は猛反発
◎KONY2012を支持する人々

「どうする?対アフガニスタン政策~対テロ支援か?民生支援か?」伊勢崎賢治













 2009年放送。

◎『武装解除 紛争屋が見た世界』伊勢崎賢治
◎「私たちは大量虐殺を未然に防ぐ努力を怠ってきた」/『NHK未来への提言 ロメオ・ダレール 戦禍なき時代を築く』ロメオ・ダレール、伊勢崎賢治

2012-03-13

雪景色


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 まるでスクリーンだ。広い開口部が外と内との境界を曖昧にする。自然を取り込もうというあざとさは感じられない。ただ四季の移ろいを愛(め)でようとしたのだろうか。暗がりの中で緋毛氈(ひもうせん)が紫色に見える。茶器が二つ。言葉ではなく、時間を共有するコミュニケーション。作法や手順にはそんな意味があったはずだ。京都・大原の里、宝泉院

大野晋、宮本常一、岩波貴士、岩田義一、中村元、三枝充悳

4冊挫折。

東日本と西日本 列島社会の多様な歴史世界』大野晋〈おおの・すすむ〉、宮本常一〈みやもと・つねいち〉、ほか(日本エディタースクール、1981年/洋泉社MC新書、2006年)/論文の寄せ集めだった。大野晋の著作に当たるべきであった。

人にはちょっと教えたくない「儲け」のネタ帳』岩波貴士(青春文庫、2008年)/良書。200ページほどで様々な情報を網羅。ウェブ情報まで掲載されており有益。ただ、五十の坂に届こうとする私が読むべき本ではない。

偉大な数学者たち』岩田義一〈いわた・ぎいち〉(ちくま学芸文庫、2006年)/これも良書。文章がいい。横書きなのでやめた。

バウッダ[佛教]』中村元〈なかむら・はじめ〉、三枝充悳〈さいぐさ・みつよし〉(小学館、1987年/講談社学術文庫、2009年)/入門書であった。500ページ近くあり、堅牢な内容だと思われる。

■(サイ)の発見/『白川静の世界 漢字のものがたり』別冊太陽


 ・■(サイ)の発見
 ・文字は絶対王朝から生まれる

 そろそろ白川静〈しらかわ・しずか〉に手をつけねば、と本書を選んだ。

 この手の雑誌もどきの本はおしなべてレイアウトがよくない。ヴィジュアル中心のため文字の読みやすさが置き去りにされている。特に私が憎悪の対象としているのは『別冊ニュートン』だ。

 はっきり言えば総花的で散慢な印象を受けた。白川静という人間に迫っていない。企画が一つの焦点に向かっておらず、杜撰(ずさん)なパッチワークとなっている。だが、それでも写真を見るだけの価値がある。

 1970年、そのことは、広く世間に知られることとなった。
■(サイ)〕の発見である。
 岩波新書としてその年、出版された『漢字』という一冊の本は衝撃的な■(サイ)のデビューとなる。
 ■(サイ)は、1970年を遥かに遡る時代に発見されている。
 発見者はもちろん「白川静」。

【『白川静の世界 漢字のものがたり』別冊太陽(平凡社、2001年)以下同】

sai
(甲骨文におけるサイ)

「白川静」と言えば、〔■(サイ)〕の発見である。現在の漢字の「口」は、口耳の「口」のみの意であるが、古代中国においては、「口」には二つの意があり、口耳の“口”に対して、もう一つ神への申し文(もうしぶみ/人が神に願事〈ねぎごと〉をするために書かれた手紙)を入れる“器”という意味があった。
 それが白川静、曰(い)うところの〔■(サイ)〕である。
 この〔■(サイ)〕の発見は、従来の漢字の意味を解く法を完全にひっくり返した。
 そればかりではない。その〔■(サイ)〕という“器”を通すと、漢字の背後のものがたり、民俗が象(かたち)として見えてくる。

「祝詞(のりと)を収める箱の形」と口部を読むことで漢字の統一的解釈が可能になる――と白川は独創した。古代中国は宗教社会の面持ちで新たな姿を現した。

 ■(サイ)――この象(かたち)を何と呼ぶか、何と読むか。
 その名付け親も白川静である。

 何が凄いかって、数千年間にわたって誰も読むことができなかった文字を、白川ただ一人が「読んだ」のである。これはもう「悟り」としか言いようがない。

 甲骨文は最古の漢字で(いん/紀元前17世紀頃-紀元前1046年)の時代に使われた。次に登場するのが金文である。これらの文字から白川は「■(サイ)」を導き出した。

 白川によって現代人と古代中国人のコミュニケーションが可能となったのだ。私はその偉業に「縁起的世界」を感じてならない。彼が開いた扉は新しい漢字世界に通じていた。

縁起に関する私論/『仏教とはなにか その思想を検証する』大正大学仏教学科編

zomon

 神々は、花に坐す。木に坐す。風に坐す。山に坐す。川に坐す。海に坐す。
 食事の器にも時々降って宿っています。あなたの掌の中にもいます。
 古代人は、神々をそう捉えてきた。神はスピリット、精霊、総ての“もの”に宿っている、と。
 だから病も神。
 白川静曰(いわ)く、
「風邪も、“ふうじゃ”という神さんです」

 日本に根づいているアニミズムの源流が窺える。仏教が漢字で翻訳された時点でアニミズムの影響は避けられなかったことだろう。そして白川は漢字の本質をこう言い切る。

 白川静の或る言葉とは――
【「呪的儀礼(じゅてきぎれい)を文字として形象化(けいしょうか)したものが漢字である」】

 これ、マンダラである。もともと「呪」と「祝」は同じ意味であった。また「呪(まじな)い」とも読む。「呪」の起源が定かではないが、人々の強い情念、願い、希望などが混じり合った意味を感じる。

白川●本来は「道」そのものが、そのような呪術的対象であった訳。自己の支配の圏外に出る時には、「そこには異族神がおる、我々の祀る霊と違う霊がおる」と考えた、だから祓いながら進まなければならん訳です。

梅原猛●実際に生首を持って歩いた。生々しいなあ。

 これは「道」のツクリが文字通り生首を示すという話。物語とは「その時代の合理性」であることを見失ってはなるまい。古代の人々を支配していた恐怖感が伝わってくる。未知とは恐怖の異名なのだ。文明や科学の発達が恐怖を解消する役目を担ってきた。

 ■(サイ)に祝詞(のりと)を入れた形が「曰」となる。「曰(いわ)く」。言葉には神への誓いが込められていた。「呪」(じゅ)なる世界を失うことで、我々の言葉は木の葉のように軽くなってしまった。そんな気がしてならない。

教育の機能 1/『子供たちとの対話 考えてごらん』J・クリシュナムルティ

白川静の世界―漢字のものがたり (別冊太陽)漢字―生い立ちとその背景 (岩波新書)常用字解 第二版新訂 字統

占いは未来への展望/『香乱記』宮城谷昌光

自称リビア解放者ベルナール=アンリ・レヴィの傲慢・偽善・反イスラム





◎ベルナール=アンリ・レヴィ

パレスチナを買うユダヤ人大富豪アーヴィング・モスコビッチ イスラエル


 エルサレムのアラブ人地区(パレスチナ領)の家や土地を次々に買い取りユダヤ人を入植させるアメリカのカジノ経営者アーヴィング・モスコビッチ。エルサレム分割を望まない­この人物の活動は中東和平への大きな障害となりつつある。2010年。

シリア ロシア外相、米欧の欺瞞を批判



2012-03-12

コニー 2012の正体~アフリカ侵略心理作戦





 アレックス・ジョーンズ。

◎KONY 2012/ジョゼフ・コニー逮捕キャンペーン
◎The Kony 2012 論争
◎ウガンダ反政府勢力の蛮行告発映画、「真実と違う」と地元民は猛反発
◎KONY2012を支持する人々

読売新聞 3月11日付「編集手帳」


 使い慣れた言い回しにも嘘(うそ)がある。時は流れる、という。流れない「時」もある。雪のように降り積もる◆〈時計の針が前にすすむと「時間」になります/後にすすむと「思い出」になります〉。寺山修司は『思い出の歴史』と題する詩にそう書いたが、この1年は詩人の定義にあてはまらない異形の歳月であったろう。津波に肉親を奪われ、放射線に故郷を追われた人にとって、震災が思い出に変わることは金輪際あり得ない。復興の遅々たる歩みを思えば、針は前にも進んでいない。いまも午後2時46分を指して、時計は止まったままである◆死者・不明者は約2万人…と書きかけて、ためらう。命に「約」や端数があるはずもない。人の命を量では語るまいと、メディアは犠牲者と家族の人生にさまざまな光をあててきた。本紙の読者はその幼女を知っている。〈ままへ。いきてるといいね おげんきですか〉。行方不明の母に手紙を書いた岩手県宮古市の4歳児、昆愛海(こんまなみ)ちゃんもいまは5歳、5月には学齢の6歳になる。漢字を学び、自分の名前の中で「母」が見守ってくれていることに気づく日も遠くないだろう。成長の年輪を一つ刻むだけの時間を費やしながら、いまなお「あの」ではなく「この」震災であることが悔しく、恥ずかしい◆口にするのも文字にするのも、気の滅入(めい)る言葉がある。「絆」である。その心は尊くとも、昔の流行歌ではないが、言葉にすれば嘘に染まる…(『ダンシング・オールナイト』)。宮城県石巻市には、市が自力で処理できる106年分のがれきが積まれている。すべての都道府県で少しずつ引き受ける総力戦以外には解決の手だてがないものを、「汚染の危険がゼロではないのだから」という受け入れ側の拒否反応もあって、がれきの処理は進んでいない。羞恥心を覚えることなく「絆」を語るには、相当に丈夫な神経が要る◆人は優しくなったか。賢くなったか。1年という時間が発する問いは二つだろう。政権与党内では「造反カードの切りどきは…」といった政略談議が音量を増している。予算の財源を手当てする法案には成立のめどが立っていない。肝心かなめの立法府が違法状態の“脱法府”に転じたと聞くに及んでは、悪い夢をみているようでもある。総じて神経の丈夫な人々の暮らす永田町にしても、歳月の問いに「はい」と胸を張って答えられる人は少数だろう◆雪下ろしをしないと屋根がもたないように、降り積もった時間の“時下ろし”をしなければ日本という国がもたない。ひたすら被災地のことだけを考えて、ほかのすべてが脳裏から消えた1年前のあの夜に、一人ひとりが立ち返る以外、時計の針を前に進めるすべはあるまい。この1年に流した一生分の涙をぬぐうのに疲れて、スコップを握る手は重くとも。

「編集手帳」/読売新聞 2012-03-11

 読売新聞は異例の紙面となっていた。いつもより長文の「編集手帳」が一面トップに配され、以下の画像が紙面を覆った。

多くの人が訪れた荒浜地区の慰霊碑。雪の降る中、しゃがみ込み祈る人もいた

 コラムというよりは叙情に傾いた散文というべきか。

「羞恥心を覚えることなく『絆』を語るには、相当に丈夫な神経が要る」との一文に膝を打った。福島で原発事故が発生した際、大手新聞社の記者は一人残らず退避した。



 そして記者クラブはフリーランスを記者会見から排除し、官僚と東電の広報と化している。

 そもそも日本に原子力発電を導入したのは正力松太郎(元読売新聞社社主)である。

 ああ、そうか。コラム子(し)は自分の太い神経を自慢したのだな。

 言葉というものは実に便利である。いつでも自由に嘘を書くことができる。

【追記】確か4面だと思ったが、石原伸晃(自民党幹事長)のインタビュー記事があり、中央に「政治をリセット」という見出しが付いていた。1~3面で震災を強調し、自民党支持へ誘導するような紙面づくりに呆れ果てた。

正力松太郎というリトマス試験紙

アフガン米兵乱射に住民激怒、「酔って遺体に火」との証言も

 アフガニスタン南部カンダハル州で11日未明に発生し、16人が死亡した米兵による銃乱射事件で、父親と姉妹1人を殺害されたジャン・アグハさん(20)らが、当時の様子を証言した。

 アグハさんによると、父親はカーテンの合間から外の様子を見ていたところ、突然喉と顔を撃たれ即死。その後、複数の米兵が自宅に侵入してきた。米兵が自宅にとどまっている間、アグハさんは床に寝そべり、死んだふりをしていたという。

「とても怖かった」と語るアグハさんは「母は目と顔を撃たれた。見た目で母と分からないほどだった。兄弟は頭と胸を撃たれ、姉妹も殺された」と説明した。

 アグハさんの証言では、「複数の」米兵が事件に関与しており、酒に酔った複数の米兵が事件を起こしたとの別の目撃者の証言もある。これに対し、ワシントンの米国防総省高官は、単独犯の可能性が高いとしている。

「私に向けて銃を撃ってきた。弾は壁に当たった」。こう話すアグハ・ララさんは、米兵の様子について「彼らは笑っていた。普通の状態ではなく、酔っているように見えた」と証言した。

 その上で「これは大量虐殺だ。多くの銃弾を浴びた遺体が散乱していた。カーテンか毛布と一緒に燃やされたようだった」と怒りをあらわにし、「これが米国人が言う支援部隊なのか。彼らは野獣で人間性のかけらもない。タリバンの方がまだましだ」と非難した。

 子ども9人と女性3人を含む計16人が死亡した今回の事件で、北大西洋条約機構(NATO)が主導する国際治安支援部隊(ISAF)は、事件に関与したとして米兵1人を拘束し、取り調べを続けている。

ロイター 2012-03-12


アフガン乱射の米兵はイラクに3度派遣、子ども3人の父親=当局

 アフガニスタン南部カンダハル州で11日未明、米兵が民家3軒で銃を乱射し、アフガン当局によると、子ども9人と女性3人を含む計16人が死亡した。コーラン焼却をめぐり反欧米感情が高まっているアフガンで、新たな火種となる可能性がある。

 米軍は事件に関与した容疑で米兵1人を拘束した。複数の当局者によると、この兵士はワシントン州の部隊に所属する陸軍2等軍曹で、イラクで3度の任務を務めた後、アフガンに派遣された。結婚しており、3人の子どもがいるという。

 事件は午前2時ごろ、同州西部のパンジワイ地区で発生。現場周辺の住民や犠牲者の親族によると、複数の米兵が民家に次々と侵入し、銃を乱射したという。兵士は酒に酔った状態で笑いながら犯行に及んだとの証言があるほか、子どもを殺害されたという男性は、兵士が薬品を遺体に火を付けたと語った。

 一方、ワシントンの米国防総省高官は、複数の酔った米兵が事件に関与しているとの目撃者証言を否定し、単独犯との見方を示した。北大西洋条約機構(NATO)が主導する国際治安支援部隊(ISAF)の広報官は、拘束された米兵は歩いて基地に戻ってきたと明らかにした。

 この事件を受け、アフガンのカルザイ大統領は「意図的な殺人だ」と激しく非難し、米国側に説明を要求。また、オバマ米大統領も声明を出し、「この悲劇的でショッキングな事件は、米軍の優れた特性とわれわれがアフガンに対して抱く尊敬の念を示すものではない」と憂慮した。また、オバマ大統領はカルザイ大統領に電話をかけ、早急に真相を究明し、「関与した者の責任を完全に追及する」と約束した。

 アフガンでは駐留米軍基地でのコーラン焼却をめぐる反欧米感情が高まっており、米軍などを狙った攻撃や抗議行動で少なくとも30人が死亡。カブールの米大使館は、今回の事件で新たな報復攻撃が起きる可能性があるとしている。

 反政府武装勢力タリバンはメディアに宛てた電子メールで、事件への報復攻撃を行うと表明した。

ロイター 2012-03-12

2012-03-11

ハワード ジン


 1冊読了。

 13冊目『学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史(上) 1492-1901年』ハワード ジン、レベッカ・ステフォフ編:鳥見真生〈とりみ・まさお〉訳(あすなろ書房、2009年)/第二次世界大戦以降を「アメリカの時代」とすれば、世界の病根はアメリカの歴史に尋ねるべきであるというのが私の持論だ。本書はまさにうってつけの基本テキスト。上巻ではインディアン虐殺、黒人奴隷制度、文明の発達に伴う格差社会をスケッチしている。文字が大きく、ルビも丁寧に振られているので中高生向けと思われる。ハワード・ジンはアメリカの良心であると言ってよい。

東日本大震災から一年 死者1万5846人、行方不明者3317人


ルワンダ大虐殺の爪痕 - ジェームズ・ナクトウェイ

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【James Nachtwey(ジェームズ・ナクトウェイ撮影)】


『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』レヴェリアン・ルラングァ
ジェノサイドが始まり白人聖職者は真っ先に逃げた/『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』レヴェリアン・ルラングァ
強姦から生まれた子供たち/『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』写真、インタビュー=ジョナサン・トーゴヴニク
ルワンダ大虐殺を扇動したラジオ放送
ルワンダの子供たち 1994年