2013-05-19

米国の不快な歴史/『人間の崩壊 ベトナム米兵の証言』マーク・レーン


 ・米兵は拷問、惨殺、虐殺の限りを尽くした
 ・米国の不快な歴史

『動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか』ニック・タース
『アメリカの国家犯罪全書』ウィリアム・ブルム

◆米報道官、慰安婦発言「不快だ」 橋下氏は反論

【ワシントン=共同】米国務省のサキ報道官は16日の記者会見で、従軍慰安婦は必要だったとした、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による発言について「言語道断で不快だ」と非難した。

 橋下市長の発言をめぐっては、在日米軍に風俗業者の利用を求めたことに絡んで米国防総省のリトル報道官が、米軍が買春を拒否するのは「言うまでもない」と述べていたが、米政府当局者が公式の場で正面から批判したのは初めて。

 これに対し、橋下市長は17日、「米国は日本占領期に日本人女性を活用した。(日本人を)特殊な人種と批判するが、それは違う」とツイッターで反論した。

 サキ報道官は従軍慰安婦について「性を目的に人身売買された女性たちの身に起きた出来事は嘆かわしく、とてつもなく重大な人権侵害であることは明白だ。犠牲者に心から同情する」とも指摘した。

 その上で報道官は「日本が過去に起因するこれらの問題の解決に近隣諸国と共に取り組み続け、前に進むことができるような関係を構築することを期待する」と述べ、日本が歴史認識問題を克服するよう促した。

 報道官が強い表現で橋下市長の発言を批判した理由について、国務省当局者は「非常に不快な発言についてコメントを求められたからだ」と説明。「(国務省の)建物の中にいるみんなが腹を立てている」と述べた。

 サキ氏はヌランド氏の後任の女性報道官で、13日に初の定例記者会見に臨んだ。

日本経済新聞 2013-05-17

 更に同日付の日経にはご丁寧に「日米関係に詳しい米外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員」とのインタビュー記事も掲載した。「例えば、環太平洋経済連携協定(TPP)など米議会が関係する問題に影響が出てくるだろう。従軍慰安婦問題は米議会内でも関心が高い。この問題で第1次安倍政権の際には非難決議が可決された。こんな動きが出てくればTPP交渉に日本が参加することへの支持は得られないだろう」(日本経済新聞

 敗戦は70年前の歴史ではない。日本の現在と未来をも規定し続ける重力なのだ。アメリカ人の居丈高な調子は「歴史を規定するのは我々だ」と言わんばかりだ。シーラ・スミスの発言を読むと、日本の政治的前提や民意をも彼らが決めているように感じる。

 ではアメリカの言語道断で不快な、あまりにも不快な歴史的事実を見てみよう。彼らはベトナムで何をしたか? いずれも米兵による証言である。

 私が負傷する直前の10月の末に、われわれはカンボジア国境から約135マイルから140マイル離れた町にいた。町の名はドンタンで、私の分隊はそこの小さな村から18マイルほどはずれたところにあるトンネルに送りこまれた。
 分隊には9人の者がいて、8人がトンネルの中に入った。中に入って、われわれは9人の北ベトナム軍の負傷兵と3人の北ベトナムの看護婦を発見した。分隊の7人の兵隊が担架から捕虜を追い出し、ギブスをはめていた捕虜をベッドからひっぱり出した。そして彼らをトンネルの片隅にほうり出した。
 そのあと兵隊たちは3人の看護婦につかみかかった。看護婦は18歳から25~26歳ぐらいだったと思う。看護婦は殴られ、衣服をはがされた。娘たちがその場に崩折れると、彼らはその胸をつかんで引き起こし、また殴って、打ちのめした。
 それから一人の娘が引き出された。2人の兵隊があとの2人の娘に銃を突きつけたので、その2人は動けなかった。ほかの5人の兵は最初の娘をマットの上に押し倒した。2人がその腕を身体のうしろにまわして押え、あとの2人が脚をひろげさせた。残りの1人がその娘を犯した。
 その男が終わると、別の兵隊が彼女を犯した。娘は悲鳴をあげた。兵隊は彼女を殴り、おとなしくしろと言った。娘は「チュウホイ」と言いつづけた。つまり降伏したいという意味だ。
 5人全部がその娘を犯すと、あとの2人が彼女を犯し、その間2人の者が残りの2人の娘に銃を向けて見張りをした。それから、その2人の娘についても同じことがくりかえされた。それぞれの娘が何度も強姦されたのだ。彼女らはその間ずっと泣き叫んでいた。
 強姦がすむと、GIたちの3人が投擲照明弾を取り出し、娘たちの性器につっこんだ。彼女らはその時には意識を失っていた。どの1人ももはや押えつけておく必要がなかった。娘たちは口や鼻や顔、そして性器から血を流していた。
 そのあと、彼らは照明弾の外の部分をたたき、それは娘たちの身体の中に入っていった。胃袋が急にふくれあがったと思うと、弾は身体の中で爆発した。胃袋が破裂し、内臓が身体の外に垂れ下った。

【『人間の崩壊 ベトナム米兵の証言』マーク・レーン:鈴木主税〈すずき・ちから〉訳(合同出版、1971年)以下同】

 アメリカは建国以来、今日に至るまで虐殺に次ぐ虐殺を繰り返してきた。まさしく血塗られた国家といえよう。彼らはインディアンを殺し、黒人を殺し、朝鮮人を殺し、ベトナム人を殺し、イラク人を殺し、アフガニスタン人を殺した(アメリカの戦争と外交政策)。

 しかもただ殺すだけではない。神に抑圧されたアメリカ人の精神は信仰の力で限りなく反動する。キリスト教こそ人類の業病(ごうびょう)だ。あいつらの正義はいかなる残虐行為をも正当化してしまう。すべては神のために行われるのだ。

答 一人の若い娘がベトナムのレインジャー兵に拷問された。その娘はきわめてゆっくりした拷問を受けていた。死ぬまでに3日を要した。
問 彼女はどんな拷問を受けたのか?
答 彼らはその娘の着物をはいだ。そのあと脚のかかとのうしろのあたりに鉤をひっかけ、脚をひろげて木にぶら下げた。肉屋につるされている豚のようにだ。鉤でひっかけて、そんなふうに股をひろげた格好のままつるしたわけだ。
 それから彼らは長さ3フィートで、大人の手首ほどの太さがある竹の棒を取り出し、その娘の身体に突っこんだ──その性器に、さらに竹の切れ端を乳房や、身体のその他のあらゆる部分に突き刺した。腋の下とか胃にも。そのまま3日たって、彼女は死んだ。

 アメリカは現在に至るまで日本に対して原爆使用の謝罪すらしていない。原爆資料館を見学したチェ・ゲバラがこう言った。「きみたち日本人は、アメリカにこれほど残虐な目にあわされて、腹が立たないのか」と(『チェ・ゲバラ伝』三好徹)。

 敗戦で日本はたぶん去勢されたのだろう。日本政府はアメリカの宦官(かんがん)も同然だ。

人間の崩壊―ベトナム米兵の証言 (1971年)
マーク・レーン
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米国による拷問の歴史(前半):アルフレッド・W・マッコイ
米国による拷問の歴史(後半):アルフレッド・W・マッコイ
拷問:ウィリアム・ブルム(『アメリカの国家犯罪全書』)
米帝国の血塗られた道 ウィリアム・ブルムとのインタビュー:デービッド・ロス
アメリカン・ヒストリー

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