2016-02-18

継母への溢れる感謝/『新編 知覧特別攻撃隊 写真・遺書・遺詠・日記・記録・名簿』高岡修編


『国民の遺書 「泣かずにほめて下さい」靖國の言乃葉100選』小林よしのり責任編集
『大空のサムライ』坂井三郎
『父、坂井三郎 「大空のサムライ」が娘に遺した生き方』坂井スマート道子

 ・継母への溢れる感謝

『今日われ生きてあり』神坂次郎
『月光の夏』毛利恒之
『神風』ベルナール・ミロー
『高貴なる敗北 日本史の悲劇の英雄たち』アイヴァン・モリス

日本の近代史を学ぶ

少尉 第77振武隊 昭和20年5月4日出撃戦死 宮城県 18歳 相花信夫

 遺書
 母を慕いて
 母上お元気ですか
 永い間本当に有難うございました
 我六歳の時より育て下されし母
 継母とは言え世の此の種の女にある如き
 不祥事は一度たりとてなく
 慈しみ育て下されし母
 有難い母 尊い母

 俺は幸福だった
 遂に最後迄「お母さん」と呼ばざりし俺
 幾度か思い切って呼ばんとしたが
 何と意思薄弱な俺だったろう
 母上お許し下さい
 さぞ淋しかったでしょう
 今こそ大声で呼ばして頂きます
 お母さん お母さん お母さんと
(注:ノート2頁に楷書でペン書き)

【『新編 知覧特別攻撃隊 写真・遺書・遺詠・日記・記録・名簿』高岡修編(ジャプラン、2010年/村永薫編、ジャプラン、1991年『知覧特別攻撃隊 写真・遺書・日記・手紙・記録・名簿』改題)】

 検索したのだが高岡修編と村永薫編の違いが判明せず。副題も微妙に異なる。

 沖縄戦では知覧(ちらん/鹿児島県)と都城(みやこのじょう/宮崎県)から特攻隊は飛び立った。

 特別攻撃隊といえば誰もが真っ先に神風(「しんぷう」が正式名称)特攻隊を思い浮かべることだろう。250kg爆弾を搭載し敵艦に体当たりを決行する攻撃を採用したのは大西瀧治郎海軍〈おおにし・たきじろう〉中将であった。物資が乏しくなる中で阿吽(あうん)の呼吸で生まれた作戦といってよい。決して上から一方的に命じたものではない。「特攻を行えば天皇陛下も戦争を止めろと仰るだろう。この犠牲の歴史が日本を再興するだろう」と大西は語った。祖国を守るための犠牲であったことは疑う余地もない。大西の壮絶な最期については以下のページが詳しい。

【号泣必至】特攻の生みの親、大西瀧治郎海軍中将の凄絶なる生涯。

 DVDのリンクが切れているが、まだ販売されている→『あゝ決戦航空隊



 しっかりとした筆跡で継母(けいぼ)への「残した思い」を記している。大きく伸びたお母さんの「ん」の字に涙を禁じ得ない。私は彼らの遺言に対して何かを書こうとする気が起こらない。ただ、「彼らが守ろうとした」祖国で生きることに尽きせぬ感謝を覚える。そして兵器も兵士もなくなった祖国が、国家の未来を担う十代の少年たちに旧式の戦闘機で死ねと命じた事実は忘れまい。

 各人が自分の眼で見て、読んで、彼らの思いに触れて判断すればいいだろう。ただしイデオロギーに基づく非難・政治利用はやめるべきだ。本当に日本が嫌いな共産主義者であれば、さっさと中国かロシアに移住すべきだろう。














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