【ロンドン(CNN)】女性の権利拡大などの運動を進めるイラクの非政府組織(NGO)は10日までに、2003年の米軍主導のイラク軍事作戦開始後の最初の7年間で、推定約4000人のイラク人女性が行方不明になっていると述べた。
このうち5分の1が18歳以下。正確な情報入手は難しいとしながらも、消息を絶ったこれら女性の多くは犯罪集団により国内外で売買されて性的な強制労働を強いられているほか、家族が命じる強制結婚などの犠牲になっているとみられると指摘した。
強制結婚や虐待、家庭内暴力を逃れた若い女性を専門に狙った人身売買組織もあるという。
イラクでは軍事作戦により数十万人規模の国民が自宅を失ったり、避難民になったりしている。男性が家族の生計を立てるため女性の近縁者に売春を強要する例もあるとみられる。
一方、中東地域での教育改善や社会改革を要求するNGO「SCEME」(本部ロンドン)は軍事作戦の開始以降、10~12歳のイラク人少女がシリア、ヨルダン、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアに送られ、性的搾取を受けているとの報告書をまとめた。
また、イラク内で売られた犠牲者はナイトクラブや売春宿での労働を強いられていると指摘。一部の売春宿の客はイラクで活動する米国関係者と主張した。
この報告書作成を担当したSCEMEの女性は英国上院での公聴会でも証言したが、イラク人女性の性的搾取は03年前にも存在したが、軍事作戦が招いた社会混乱で一層悪化したとも主張した。イラク内での女性の人身売買には多数の女性も関与し、本人が性的搾取の犠牲者だった例もあるという。
【
CNN 2011-11-10】
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