現在の宇宙空間が「タテ・ヨコ・高さ」の三つの次元からなる姿になった仕組みを、日本の研究グループが、世界で初めて、スーパーコンピューターによる計算で説明することに成功し、どこかに存在する可能性が指摘されている「別の宇宙」の研究にもつながるものとして注目されています。
私たちの宇宙の姿は「タテ・ヨコ・高さ」の三つの次元から出来ていますが、現代物理学の理論では、137億年前にビッグバンによって宇宙が誕生する前の極めて微小な空間には、ほかに六つの次元があったとされ、なぜ三つの次元になったのかが謎になっています。茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構などのグループは、ビックバンが起きる前に、九つあった次元がどのように変化したのか調べるため、独自の計算式によって、ことし2月から京都大学にあるスーパーコンピューターで分析を進めてきました。その結果、九つの次元のうち、「タテ・ヨコ・高さ」の三つだけが急速に膨張して、残りの六つの次元は膨張せずに小さいままとどまったことを、世界で初めて計算によって説明することに成功したということです。
次元は宇宙空間の広がり方を決める基本的な材料とも言える存在で、さまざまな次元の実態が解明できれば、私たちの宇宙以外にも「別の宇宙」が存在するのかという謎にも迫れる可能性があります。研究グループは、今回の計算方法を発展させると残りの六つの次元の解明につながる可能性もあるとして、研究を進めることにしています。この研究成果は、来年1月4日にアメリカの科学誌「フィジカル・レビュー・レターズ」のオンライン版に掲載されます。
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NHKニュース 2011-12-22】
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光は年をとらない/『エレガントな宇宙 超ひも理論がすべてを解明する』ブライアン・グリーン
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