オランダの独立調査委員会は16日、国内のカトリック教会で1945年から2010年までの間に数万人の未成年者が神父、修道士らの教会関係者から性的虐待を受けていたことが判明したとの報告書を発表した。子どもの被害者は数千人。
加害者約800人の身元も確認し、うち少なくとも105人は生存していると述べた。聖職の座に依然就く人数は不明。
悪質なものから軽微なものまでの虐待の被害者は後遺症に数十年悩み、専門的なカウンセリングが必要な場合もあると指摘した。オランダ人の信仰宗教では3割を占めるカトリックが最大宗派。
今回調査は教会関係者による性的虐待問題が増大していることを受けて開始された。独立調査委によると、1795件の虐待情報を入手し、加害者の身元に関する手がかりも得た。発表した報告書は昨年3月から同10月までの間に得た具体的なデータに加え、教会の公文書分析からの情報などを基に作成した。
性的虐待が広がった背景について、教会側は1950年代までにもさかのぼるこの問題の存在を知らなかったわけではないと指摘。ただ、多くの場合、教会は防止のための適切な措置や被害者への配慮に欠けていたと主張している。未成年者の性的虐待がオランダ社会で広範に起きていることも作用したとし、教会の公文書の分析では聖職者が若い時に虐待の犠牲者だった例もあったと指摘した。
虐待の被害者の救済方法については金銭的な賠償が必要と強調、教会側の真剣な対応を求めた。加害者と犠牲者の会合もここ数年設けられ、多くの場合、加害者や教会責任者が遺憾の意を表明していると説明。謝罪や賠償の表明は2000年以降に増えているという。
【
CNN 2011-12-17】
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