2冊挫折、1冊読了。
『
錯覚の科学』クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ:木村博江訳(文藝春秋、2011年)/二人の著者は「見えないゴリラ」の実験を考案した心理学者だ。認知科学入門といっていいだろう。値段も良心的だ。文章の構成が悪く、もったいぶった論調となっているのが難点。成毛眞〈なるけ・まこと〉の解説も余計だ。各所に後味の悪さを覚えた。
『
奇跡の生還へ導く人 極限状況の「サードマン現象」』ジョン・ガイガー:伊豆原弓〈いずはら・ゆみ〉訳(新潮社、2010年)/絶体絶命の極限状況で正体不明の味方が現れ、困難を打開する力を与えてくれる現象があるという。これが「サードマン現象」だ。あまり興味が湧かなかった。いてもいいし、いなくてもよい。ただ、「いる」と信じた場合、サードマンを求める気持ちが生じるところに問題があると思う。幼い頃から守護天使を刷り込まれた影響もあるに違いない。とてもじゃないがクリシュナムルティと併読でき得ず。
25冊目『
真理の種子 クリシュナムルティ対話集』J・クリシュナムルティ:五十嵐美克〈いがらし・よしかつ〉、武田威一郎〈たけだ・いいちろう〉、大野純一訳(めるくまーる、1984年)/原題は「Truth and Actuality」。デヴィッド・ボームとの対談、講話、質疑応答の三部構成。『
自我の終焉』か『
恐怖なしに生きる』あたりと内容が重複しているような気がした。調べてはいないが。読みやすく、しかもわかりやすい内容であった。大野純一による40ページ近い「あとがき」は読む必要なし。クリシュナムルティ本はこれで51冊読了。
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