2012-07-03
山口知事選 脱原発候補が大躍進
自民から共産まで幅広い支持
山口知事選(12日告示、29日投開票)が、面白い展開になってきた。自民党がほぼ独占状態の保守王国・山口では当初、元国交省官僚の山本繁太郎氏(63)=自民・公明推薦=が勝利確実とみられてきたが、分からなくなってきた。先月22日に急きょ、出馬表明したNPO法人「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也氏(53)の支持が急拡大しているのだ。
飯田氏は言わずと知れた脱原発知識人の代表格。折しも関西電力は1日、大飯原発3号機を再稼働した。官邸前では先週末、脱原発で15万人がデモ行進した。こうしたうねりが山口県にも波及しているのだ。
飯田氏は1日、山口市で事務所開きを行った。県内各地で開いているミニ集会には毎回、30~50人が集まっている。宇部市で開いた集会には150人が集まった。
「選挙運動を支えるボランティアは女性や若者など、組織や地縁血縁、政党の枠組みを超えた人たちばかりです。こうした勝手連の動きが県内中に急速に広がっていて、各地で、政策ビラやチラシを求める声が上がっています」(選挙を取材したジャーナリストの横田一氏)
選挙プロの票読みはこうだ。
「飯田氏は橋下徹・大阪市長のブレーンとしてエネルギー問題を担当、大飯原発の再稼働を目指していた関西電力が唱えた電力不足の“ウソ”を論理的に指摘して、知名度を高めた。この実績から『大阪維新の会』の“基礎票”が見込めるのに加え、脱原発の社民、共産票が入るのも確実です。飯田氏は聖教新聞でエネルギー問題の連載をしたこともあり、公明党票もある程度切り崩せる。民主党県連は自主投票で、民主票の半分くらいは期待できます。自民党支持者でも、飯田氏が唱える『再生エネルギー普及拡大に伴う雇用創出』に理解を示す人が多い。相当な票が出そうです」
県民は毎年、光熱費で1000億円を払っている。多くはエネルギーの輸入代で消えてしまうが、自然エネルギーに転化すれば地元に金が回っていく。それが飯田氏の掲げる政策のひとつだ。 加えて、対立候補の山本繁太郎の評判が悪い。とにかくエラソーなのである。山口で地殻変動が起きれば、それは全国に波及していく。
【日刊ゲンダイ 2012-07-12】
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