2015-03-28
高橋昌一郎、デイヴィッド・マレル、下田ひとみ、他
2冊挫折、3冊読了。
『ケガレ』波平恵美子〈なみひら・えみこ〉(東京堂出版、1985年/講談社学術文庫、2009年)/「穢(けが)れ」(不浄)思想についてまとめて読もうと思ったのだが、モチベーション低下により挫ける。穢れ→差別→いじめ→進化科学という順序で一応考えてはいたのだが。書籍のピックアップはしてあるので、やる気が出たら再挑戦する。
『仁義なき世界経済の不都合な真実』三橋貴明、渡邉哲也(ビジネス社、2014年)/軽い。二人は共に元2ちゃんねらーである。さしずめ旧交を温めたといったところか。渡邉の著作との重複が目立つ。
23冊目『勝海舟とキリスト教』下田ひとみ〈しもだ・ひとみ〉(作品社、2010年)/こいつあ、いかさまだ。勝海舟ならきっとそう言うに違いない。言葉づかいから察するに下田はクリスチャンだろう。クリスチャンが書いたキリスト教礼賛本を、よくもまあ作品社が刊行したものだ。『勝海舟の嫁 クララの明治日記』(上下)の解説本みたいな代物で、73ページという小品となっている。息子の嫁に白人をもらうくらいだから、当然、勝はキリスト教に対して一定の理解はあったことだろう。終盤ではキリスト教への傾倒ぶりを露骨に紹介し、あたかもクリスチャンになったかのような脚色が施されている。典型的な宗教プロパガンダ作品だ。
24冊目『ランボー3/怒りのアフガン』デイヴィッド・マレル:沢川進訳(ハヤカワ文庫、1988年)/再読。読まなけりゃよかった。確かに巧い。でもなー、トラウトマン大佐にここまで尽くすこたあないだろーよ。ランボーの動機が見えず、漫画のような安っぽい展開となっている。ランボーはアフガニスタン人と一緒にソ連軍と戦うわけだが、さすがのマレルも冷戦崩壊後、アメリカがアフガニスタンと戦争をすることは予見できなかったようだ。イスラム教の描き方も実に巧い。
25冊目『ノイマン・ゲーデル・チューリング』高橋昌一郎〈たかはし・しょういちろう〉(筑摩選書、2014年)/つぶやけば必ず返事をくれる高橋先生の新著。面白かった。ただし3本の論文は飛ばした(笑)。天才はまったく新たな分野を創造し、時代を変える。チューリングの暗殺説は知らなかった。高橋の限界シリーズを読んだ人は必読のこと。
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