2015-10-23
加瀬英明、原田伊織、スティーヴン・キング、平塚俊樹
1冊挫折、4冊読了。
『アドラー心理学入門 よりよい人間関係のために』岸見一郎(ベスト新書、1999年)/『嫌われる勇気』を読んだ後では必要ないと思う。文章もよくない。注目すべきはクリシュナムルティを引用していること。
133冊目『証拠調査士は見た! すぐ隣にいる悪辣非道な面々』平塚俊樹(宝島社、2012年)/必読書。特に不動産購入予定がある人は読んでおくべきだ。資本主義と悪徳企業には親和性がある。弁護士の大半はくず人間、女性専用マンションは強姦犯のターゲットになる、見に覚えのない借金を背負わされる、など。法の庇護が当てにならないかような情況に追い込まれれば、頼ることができるのは政治家か暴力団しかない。悪徳企業が淘汰されるシステムをネット上に構築する必要があるだろう。ただしGoogle八分という言葉があるように、Googleは巨大企業に与(くみ)する傾向がある。
134冊目『キャリー』スティーヴン・キング:永井淳訳(新潮社、1975年/新潮文庫、1985年)/キング作品を読むのは『ファイアスターター』以来のこと。本書がデビュー作である。下積みが長かったとはとても思えない。母親から抑圧され、学校ではいじめられている少女の怒りがサイコキネシスとなって荒れ狂う。単なるホラー作品として扱うのは誤りだ。抑圧された少年少女の怒りには社会を破壊するほどの力が秘められているに違いない。DVDも見る予定。
135冊目『明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』原田伊織(毎日ワンズ、2012年/歴史春秋出版、2015年1月/毎日ワンズ改訂増補版、2015年)/完全に予想が外れた。びっくりするほど面白かった。近頃こういう読書体験は珍しい。ただし原田は広告屋なので注意が必要だ。一言でいえば「司馬史観に物申す」との内容である。原田のいうテロリズムとは武士道に悖(もと)る殺生行為を意味する。とはいうものの先祖が武士である原田のダンディズムは青臭くて好きになれない。広告屋の物議を醸(かも)す目的は見事に果たされている。磯田道史あたりが本書をどう読むか気になるところだ。
136冊目『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明(ベスト新書、2015年)/加瀬の父・俊一は外交官で、連合国軍の戦艦ミズーリ上で行われた降伏文書調印で重光葵外相に随行している。戦後は初代国連大使を務める。本書を読んでびっくりしたのだがオノ・ヨーコが従姉であるという。生前のジョン・レノンとも親しくしていた。全体的によくまとまっている。出典を明示していないところが難点。東京裁判史観を脱却するためにも本書が国民の常識となることを願う。
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