2015-12-02
坂井三郎、副島隆彦、他
4冊挫折、2冊読了。
『山川 世界史総合図録』成瀬治、佐藤次高、木村靖二、岸本美緒監修(山川出版社、1994年)/843円なのだから、もちろん印刷に期待はしていない。たくさんの図が掲載されているがドキドキワクワクするものが少ない。個人的に図録は体質に合わないようだ。今のところ『ニューステージ世界史詳覧』が最強である。
『詳説日本史研究』佐藤信、 五味文彦、高埜利彦、鳥海靖編集(山川出版社、2008年)/図表写真がオールカラーという大盤振る舞い。高校生の参考書といった内容で通史を学ぶにはうってつけだろう。執筆者の一人に加藤陽子の名前がある。彼女は左翼だ。西尾幹二らが『自ら歴史を貶める日本人』批判をしている(※動画)。
『スッタニパータ[釈尊のことば]全現代語訳』荒牧典俊、本庄良文、榎本文雄訳(講談社学術文庫、2015年)/読了することあたわず。原典に忠実な翻訳が日本語を滅茶苦茶にしている。それでも尚、本書は必須テキストで参照用の副読本として中村本の隣に置くことが望ましい。
『寝たきり老人になりたくないならダイエットはおやめなさい 一生健康でいられる3つの習慣』久野譜也〈くの・しんや〉(飛鳥新社、2015年)/『寝たきり老人になりたくないなら大腰筋を鍛えなさい』の二番煎じ。女性読者層の拡大を狙ったものか。文章もわかりやすく説明も巧みなのだが発展性に欠ける。前著を読んだ人には不要な本だ。
161冊目『日本の秘密』副島隆彦〈そえじま・たかひこ〉(弓立社、1995年/新版、PHP研究所、2010年)/好著。副島本はおすすめできるものが殆どないのだがこれは例外。吉田茂、安保闘争など。片岡鉄哉と田中清玄〈たなか・きよはる〉の名前を知ったことが最大の収穫であった。
162、163冊目『大空のサムライ 死闘の果てに悔いなし(上)』『大空のサムライ 還らざる零戦隊(下)』坂井三郎(講談社+α文庫、2001年/光人社、1967年『大空のサムライ かえらざる零戦隊』改題)/一気読み。フィクションありということを知り躊躇していたが読んで正解だった。戦記ものとしては驚くほど悲惨な場面が少ないのも空の男ゆえか。躍動する青春記といってよい。戦闘シーンが単純に堕していない表現力の妙がある。白眉は「あとがき」だ。恐ろしいまでの修練を課してきたことを赤裸々に綴る。零戦が強かったのはその性能もさることながら、パイロットたちの技量によるものであることがよくわかった。
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