2016-10-19
橘玲、海外投資を楽しむ会、菅沼光弘、但馬オサム、溝口敦、他
3冊挫折、3冊読了。
『世界を騙し続けた[洗脳]政治学原論 〈政「金」一致型民主社会〉へのパラダイム・シフト』天野統康〈あまの・もとやす〉(ヒカルランド、2016年)/分量が増えて2分冊となっている。前篇が『世界を騙し続けた[詐欺]経済学原論 「通貨発行権」を牛耳る国際銀行家をこうして覆せ』である。巻末の方に仏教とキリスト教の興味深い比較論あり。
『省庁のしくみがわかると政治がグンと面白くなる 日本の内閣、政治、そして世の中の動きが一気に読める!』林雄介(ナツメ社、2004年)/非常に丁寧に書かれているのだが如何せん各トピックが平凡で読む意欲が湧いてこない。若い人にはおすすめできる。
『対話 人間の原点』小谷喜美、石原慎太郎(サンケイ新聞社出版局、1969年)/『巷の神々』(『石原愼太郎の思想と行為 5 新宗教の黎明』)の後に出された対談集で、小谷喜美〈こたに・きみ〉は霊友会の第2代会長を務めた女性。創設者の久保角太郎が戦時中に死去していることもあって霊友会といえば小谷の印象が強い。後半は飛ばし読み。石原が政治家となったのは前年の1968年のこと。霊友会のバックアップを受けたことは広く知られているが、この時点で入信していたかどうかは不明だ。石原は30代後半だが単純に若いと思っては判断を誤る。大学在学中に芥川賞を受賞し、大物評論家として恐れられた小林秀雄に対して平然と意見をするような若者であったのだから。その石原が小谷を「会長先生」と呼ぶ。苛烈な修行をしてきた小谷は実に鷹揚で人柄に幅がある。当時67~68歳だろう。小谷の宗教性から私が学ぶべきものは一つもない。石原が魅了されたのはやはり人間性であったのだろう。
151冊目『池田大作 創価王国の野望』溝口敦(紀尾井書房、1983年)/溝口の創価学会批判は悪意が強く、読み手のマイナス感情を煽る傾向が見られる。彼の風貌や話しぶりにも卑屈な性質を感じる。所詮、雑誌記事ライターと言ってしまえばそれまでだが、牽強付会な手法に疑問が残る。教団を好き嫌いのレベルで論じても仕方がない。
152冊目『ヤクザと妓生(キーセン)が作った大韓民国 日韓戦後裏面史』菅沼光弘、但馬オサム(ビジネス社、2015年)/聞き手である但馬オサムの名前がないのは片手落ちである。しかも各章の解説まで書いているのだから。タイトルの「ヤクザ」とは在日ヤクザで、妓生(キーセン)とは韓国のインテリ芸者のこと。現在に至るまで日本の政治家もかなり籠絡(ろうらく)されている模様。日本語もペラペラとのこと。全斗煥大統領時代は芸能界もまるごと起用されたらしい。そういう歴史もあるせいか、韓国芸能界では現在も枕営業(性上納)が慣行となっていて時折自殺する女性が出てくる。「日本の近代史を学ぶ」に追加。『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』増田俊也を読んだ人は必読のこと。
153冊目『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』橘玲〈たちばな・あきら〉、海外投資を楽しむ会編著(講談社+α文庫、2003年/海外投資を楽しむ会、メディアワークス、1999年『ゴミ投資家のための人生設計入門』を文庫化)/再読。かつて公明党が主導した「100年安心プラン」なるものの欺瞞がよく理解できる。本書は経済的自立を論旨としているが、税制のデタラメを炙(あぶ)り出すことで説得力を増している。今となってはやや古い印象を拭えないが、その発想に学ぶべきことは多い。政治的に眠らされている情況が自覚できる。『黄金の羽根』と差し替えたが、再び「必読書」に入れた。
0 件のコメント:
コメントを投稿