古本屋の殴り書き(旧)

「ただ独り、不確かな道を歩め」エリアス・カネッティ

2001-04-07

目撃された人々 2

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 人の好い親父さんだった。  年の頃は還暦を越えたほどであろうか。小太りの身体に赤ら顔が乗っかっていた。商売っ気抜きの笑い声が豪快な人だった。以前、私が勤務していた会社の下請けの社長さんだ。誰からも好かれていた。いなくなった途端その人の陰口を叩くような手合いとは全く違ってい...
2001-03-22

目撃された人々 1

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 とあるデパートで昼食をとっている時だった。  一つ置いたテーブルの向こうに男二人が腰を下ろした。友人同士ではなさそうだ。年上の方が下手に出ているところを見ると、多分、仕事関係だろう。敬語を使われている方は40歳前後だろうか。少し長めの髪、白い肌におっとりした目鼻立ちの、ど...
2001-01-27

「わしら奴隷は、天国じゃ自由になれるんでやすか?」/『奴隷とは』ジュリアス・レスター

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・ 『奴隷船の世界史』布留川正博  ・「わしら奴隷は、天国じゃ自由になれるんでやすか?」  ・ 奴隷は「人間」であった  ・ 人間が人間に所有される意味 ・ 『砂糖の世界史』川北稔 ・ 『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス ・ 『ナット・ターナ...
2000-08-10

オオルリと世一/『千日の瑠璃』丸山健二

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・ 『メッセージ 告白的青春論』丸山健二  ・ 20世紀の神話  ・ 風は変化の象徴  ・オオルリと世一  ・ 孤なる魂をもつ者 ・ 『見よ 月が後を追う』 丸山健二 ・ 必読書リスト その一  こんな商売をするようになり読書量がぐっと減った。それは、読み...
2000-08-05

風は変化の象徴/『千日の瑠璃』丸山健二

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・ 『メッセージ 告白的青春論』丸山健二  ・ 20世紀の神話  ・風は変化の象徴  ・ オオルリと世一  ・ 孤なる魂をもつ者 ・ 『見よ 月が後を追う』 丸山健二 ・ 必読書リスト その一  千日の物語は「風」から幕を明ける。まほろ町に吹く一陣の風が運...
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