2015-02-02

【佐藤優氏の分析】イスラム国邦人人質事件(東京大地塾 2015年1月例会)



ロバート・A・バートン、井上順孝、安冨歩、成瀬雅春、他


 5冊挫折、1冊読了。

ハタ・ヨーガ完全版』成瀬雅春〈なるせ・まさはる〉(BABジャパン出版局、2009年)/飛ばし読み。あまりピンと来なかった。実践してみないことには判断が難しい。いくつかのポーズを行ったのだが熱意が湧かず。

排除の現象学』赤坂憲雄〈あかさか・のりお〉(洋泉社、1986年/ちくま学芸文庫、1995年)/文章に独特の気取りがあって読者を選ぶ。私はついてゆけなかった。目の前にいたら、ぶん殴っているレベルだ。

境界の発生』赤坂憲雄〈あかさか・のりお〉(砂子屋書房、1989年/講談社学術文庫、2002年)/というわけで、こちらも読む気が失せた。

生きるための論語』安冨歩〈やすとみ・あゆむ〉(ちくま新書、2012年)/わかりやすい上に閃きがある。ただし、これまでの説との対照が多いため初心者向きではない。もう少し勉強してから読み直すことに。

21世紀の宗教研究 脳科学・進化生物学と宗教学の接点』井上順孝〈いのうえ・のぶたか〉編、マイケル・ヴィツェル、長谷川眞理子、芦名定道〈あしな・さだみち〉(平凡社、2014年)/悪い本ではないが特によくもない。巻頭にある井上の「宗教研究の新しいフォーメーション」はわかりやすい文章で説明能力が高いのだが明らかに勉強不足だ。たぶん検索能力が低い。宗教学の世界は科学のように積極的な情報交換も行われていないのだろう。この程度の内容で肩をそびやかすべきではない。他の論文も目を惹くものはなく、季刊誌にするような代物である。

 5冊目『確信する脳 「知っている」とはどういうことか』ロバート・A・バートン:岩坂彰訳(河出書房新社、2010年)/既に書評で紹介した通り、脳神経科学の傑作本。終盤はややまだるっこしく感じるが、中庸やフェアの精神とはそういうものだ。ロバート・A・バートンの強靭な意志は常に抑制となって働いている。唯一の瑕疵(かし)は本人の立場を名言していないところ。スティーヴン・ジェイ・グールドの言葉を引用しているところから察すると信仰者の可能性が高い。私の眼を侮ってもらっては困る(笑)。

2015-02-01

高血圧にプーアル茶


 ・高血圧にプーアル茶

『日本茶の基本』

 緑茶、ウーロン茶、紅茶に共通するものは何かご存じだろうか? 答え――茶の葉。実は同じ素材。初めて知った時は面食らったものだ。異なる製法でこれほど別々の顔になるのだから凄いものだ。緑茶が不発酵茶でウーロン茶が半発酵茶、紅茶が完全発酵茶となる。

サントリー:お客様センター

 数日前に黒茶(後発酵茶)なるものを知った。プーアル茶が代表選手のようだ。「ミネラル濃度が極めて高く、血圧が下がり、血液循環がよくなる」とある。これを試さない手はない。数年前から血圧が高くなり、何とかしなくてはと思っていたところだ。渡りに船とはこのこと。

 アマゾンで52包入り397円という品を見つけた。早速、昨日から飲んでいるが私の口にはよく合う。ウーロン茶や麦茶よりいい。素人からすれば番茶っぽい味で、色が黒いせいかコクを感じる。ま、安いので香りはない。

 コーヒーを減らすべく、紅茶とココアを買ったのだが既に人にあげてしまった。私は極度の面倒臭がり屋で一定の価値を認めない行為は徹底して避ける。紅茶を飲まくなったのはティーバックの始末が煩わしかったためで、ココアに至っては開封する前に「こねる時間がもったいない」と判断を下した。そんな私でもこれなら愛飲してゆける。現時点で血圧云々は二の次である。口に合うのだから体にいいに決まっている。

 脂っこい料理やお菓子を食べた時に試すとよい。私の言葉にひれ伏すことだろう。

2015-01-31

黒人はサンタになれない? 教員の発言で物議


 米ニューメキシコ州のハイスクールに通うアフリカ系米国人の中学生が、教員から肌の色を理由にサンタの服装を否定されたと訴えている。

 CNN系列局のKOATによると、同州クリーブランドハイスクール1年生、クリストファー・ロッジ君は、学校の仮装大会でサンタの服装をしていたところ、男性教員から、サンタは白人なのでロッジ君はサンタにはなれないと言われたという。

 父親のマイケルさんは、息子が恥をかかされ、クリスマスを楽しめなくなったと憤る。問題の教員は謝罪の電話をかけてきたが、それだけでは不十分だと主張、教員の解雇を求めると語った。

 学校区はこの教員の発言について、「不適切であり、言ってはならないことだった」との見解を発表した。教員本人も「愚かな過ち」を犯したと認め、校長に報告して本人と両親に謝罪し、懲戒処分を受けたという。学校側は、別の担任のクラスに替えてほしいという求めにも応じたと説明している。

 サンタの肌の色を巡っては、白人として描かれるサンタ像に疑問を投げかける意見をフォックスニュースが取り上げたことをきっかけに、ちょっとした論争が起きていた。

CNN 2013-12-17

アイディアにストーリーが引き摺られて失敗/『RUBICON 陰謀のクロスワード』


 見覚えのある顔だった。おお、キンバリー・バウアーの恋人(『24 -TWENTY FOUR-』)ではないか。坊主頭じゃなかったので気づくのが少し遅れた。ザイアンスの法則に導かれて、ついつい1シーズン13話を見てしまった。

 オープニングの映像がよくできてシナプスを刺激する。クロスワード・パズルというアイディアもよい。ただしそこまで。2時間にまとめれば秀作となったことだろう。初めにアイディアありきで、ストーリーが引き摺られてしまっている。

 とにかく冗長で場面展開が遅く、登場人物の色分けが曖昧で、尚且つ一つひとつのエピソードがきちんと完結しないというお粗末ぶりを露呈している。視聴率が低迷し、シーズン1で打ち切られたのも大いに頷ける。

 APIというアメリカのシンクタンクを描いた陰謀ものだがプロットに斬新さはない。かつて『24 -TWENTY FOUR-』ではアメリカ大統領までもが陰謀に加担したという設定があり、これを超えるストーリーをひねり出すことは難しいだろう。主役の天才性も巧く描けていない。

 アメリカの多くの国民が9.11テロに政府首脳の関与があったことを疑っている(Wikipedia)。戦争やテロで巨利を得る人々が存在する。彼らが絵を描けば直ちにメディアが後押しする。映画やドラマが視聴者の感情をコントロールするように彼らは国民感情をわけもなく操作する。

 インテリジェンス(諜報)といえば聞こえはいいが、「すべてを知る」ことへの欲望は全知を目指したもので、欧米が神となって全能を果たす構造となっている。つまり「神に取り憑かれた病」なのだろう。

 腐敗した首脳陣がマッチで火を点けてはポンプから水を放つ。しかも彼らは国益を語りながら私企業の利益獲得に狂奔する。そこに私はアメリカの凋落(ちょうらく)を見る。やがて衰退し滅び去ることだろう。新しい文明がどこから誕生するかはわからないが、その兆しとして必ず新しい文化の台頭が起こるはずである。