2018-05-25

旅をするならランドナー


 ロードバイクは走ること自体を目的としているため荷物を積むような設計になっていない。旅をするならランドナーというタイプのバイクになる。こちらは最初から泥除けや荷台が付属しているのも多い。タイヤがやや小振りで太く、上体を起こして走るジオメトリーになっている。ま、百聞は一見に如かずだ。各ページを参照せよ。

【2018最新】ランドナーおすすめ8選!日本縦断「後」に知って後悔したその魅力
【2018年最新版】自転車旅行専用!失敗しない「ランドナー」の選び方・おすすめ車種まとめ
ツーリング用バイク
ロードバイクとの違いは?ランドナーってなに?
ロードバイクとランドナーの違いの概要(1)
スポルティーフおすすめ6選!ランドナーとの違いや特徴・魅力も解説!

2018-05-24

ロードバイクを走らせる前に必要な準備


走る、歩く、駆ける
中年は奥多摩湖を目指す
大垂水峠を制覇

 ・ロードバイクを走らせる前に必要な準備

ロードバイク 後輪の外し方
ひょっとして電池よりも安い!? 中国製激安サイクルコンピュータ
ロードバイク~乗る前に必ずマスターしておくべきこと
ネット通販で購入したロードバイクの防犯登録とTSマーク(自転車向け保険)

 私がロードバイクに興味を抱いたのは高千穂遙〈たかちほ・はるか〉の『自転車で痩せた人』(NHK出版生活人新書、2006年)を読んでからのこと。当時はサスペンション付きのマウンテンバイクに乗っていた。たぶん重さは15kg以上あったと思う。パンク修理をした際、自転車屋から「長距離を走るなら重さが10kg以下じゃなきゃダメだね。膝に負担が掛かるから」と教えられた。

 安い買い物ではないゆえ1年前からあれこれと調べてきた。私は全くの初心者なので参考情報をメモしておこう。

 まず自転車の種類であるが、ロードバイク(ドロップハンドル)、クロスロード(ストレートハンドル)、クロスバイクと三つある。ロードと付くものは走ることに特化しているためタイヤが細く付属品(ペダル、ライト、スタンド、荷台など)がない。タイヤサイズは700-650×23-28cである。前者が直径で後者が幅だ(フランス規格で単位はmm)。タイヤが細ければ細いほどパンクするリスクが高まる。特にロードバイクの場合、リム打ちといって縁石などの段差にぶつかった衝撃でホイールによってチューブを傷つけるケースが多い。つまり空気圧が低いとパンクする可能性が高くなる。

 次にフレームの素材はにクロモリ、アルミ、カーボン、チタンの4種類がある。私は最初からクロモリと決めていた。軽量化という点では不利だが頑丈で細いフレームが好みに合う。また長距離ではしなやかさを発揮するのも特長だ。アルミの場合、長く走ると振動で手が痛くなるようだ。カーボンは高級機種で軽いのだが横からの力に弱い。チタンは手の届くレベルではないため調べもせず。

 ロードバイクの価格は重量とコンポーネントで決まる。フレームとタイヤを除いた部分(ブレーキ、レバー、クランクセット、スプロケット、チェーン)をコンポと呼ぶ。釣り具で有名なシマノ社のほぼ独占状態と知って驚いた。下のランクからTourney(ターニー:7段)、Claris(クラリス:8段)、SORA(ソラ:9段)、Tiagra(ティアグラ:10段)、105(イチマルゴ:11段)、Ultegra(アルテグラ:11段)、DURA-ACE(デュラエース:11段)となる。ま、大雑把に言ってしまえばティアグラ以上は10万円超えと考えてよろしい。変則段数は後ろのスプロケット(ギヤが付いた歯車)で前のクランク(ペダル部分の歯車)が2段になると倍になる。下位モデルでは3段もある。シフターはSTIレバーが主流でブレーキレバーを操作する。


 セール品の旧モデルだとダブルレバーが多いので要注意。

 私が参照したページを挙げておこう。

クロモリは一生物?アルミの旬は短い、急に破断する
軽量アルミフレームはカーボンより寿命が短い
初心者自転車乗り必読!シマノの変速機ギアのランクとは?
転がり抵抗を比較 23Cと25Cのタイヤは違うのか?
初めてロードバイクを買うなら3万円の安いロードバイクの方がむしろ良い理由
Amazonで2万円の格安ロードバイクを買って1年使った感想。
鍵の選び方と用途別おすすめの鍵5点
ロードバイクのネット通販詐欺に要注意!
自転車関係の通販の詐欺サイトについて

 真っ先に考えるべきは盗難である。高価なロードバイクほど軽いので盗難リスクが高まる。しかもロードバイクは簡単にタイヤを外すことができる。フレームとタイヤ、更に地球ロックをするのが普通であるが、盗む意志を持った人間であればどうにでもできる。以下はロンドン警察による囮(おとり)捜査の模様である。


 つまり選択肢は二つだ。室内保管ができれば高価なバイクを、できないなら安物を選ぶ。厳粛ではあるがこれが実際的判断となる。通勤・通学であればクロスロードで十分だろう。少し前まではGIANT(世界最大の台湾メーカー)のESCAPE R3か、GIOS(イタリア本社だが台湾で生産)のMISTRALの二択とされてきたが、ここに来てシマノコンポ搭載の格安5万円モデルが陸続と登場している。私も当初はMISTRALを買うつもりだった。

 5万円以下であれば、「アートサイクルスタジオ」をお奨めする。送料も格安である。室内保管が可能であればネット通販だと関西のカンザキバイクが一番安い。105以上であれば個人輸入するという手もある。「海外通販なら自転車パーツが激安で買える!」の右カラムにリンクあり。送料は1万円ほど。

 5~10万円の予算であればMIYATAのフリーダムシリーズがよい。スーパービバホームが展開するサイクルスタジアムなどでかなり安く売っている。そしてMIYATAには盗難補償が付いているのだ(ブリヂストンが展開するANCHORにもある。申し込みが必要)。保険会社による盗難保険もあるのだが中途半端な値段のロードバイクだとコストが見合わない。

 で、やっと本題に入る。ロードバイクを走らせる前に必要な準備だ。まずポンプ(空気入れ)。ママチャリなどのバルブは英式(空気圧が測れない)だがロードバイクは殆どが仏式である(バルブの種類と空気入れの使い方)。次に遠出をする場合はパンクに備える必要がある。携帯用ポンプは作業が結構大変なようだ。手っ取り早い方法としては替えチューブとCO2ボンベを用意する。他にもタイヤ応急修理キットはあった方がいいだろう。加えて鍵とサドルカバーを買った。〆て1万2735円である。しばらくの間は夜間走行を控えるので前後のライトは入っていない。サドルバッグはゆくゆく見繕うつもりだが手持ちのデイパックで間に合わせる。室内保管のためサイドスタンドは付けず。ボトルゲージも後回し。

 ロードバイクは移動手段ではない。走ること自体が目的となっている。長時間の駐輪を想定するなら輪行バッグに収納するのが正しい(ロングライドへ行こう!~その2 輪行袋編~)。

 最初は安物を買って、脚力がついたら買い直そうと思っていたのだが、自分が今年55歳になることをすっかり失念していた。5年後は60歳だぜ。「お前は日本一周でもするつもりなのか?」――いやあ実はそうなんスよ(笑)。私の頬は既に心地よい風を感じている。自転車はまだ届いてないけど。




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【加計学園問題】 福山哲郎氏と玉木雄一郎氏は「100万円の政治献金で義理堅く働く先生」だった!? 加戸前愛媛県知事がチクリ

2018-05-20

文学者の本領/『西洋一神教の世界 竹山道雄セレクションII』竹山道雄:平川祐弘編


『昭和の精神史』竹山道雄
『竹山道雄と昭和の時代』平川祐弘
『見て,感じて,考える』竹山道雄

 ・文学者の本領
 ・ナチスという現象を神学から読み解く必要性
 ・人間としての責任

『情報社会のテロと祭祀 その悪の解析』倉前盛通
『剣と十字架 ドイツの旅より』竹山道雄
『ビルマの竪琴』竹山道雄
『人間について 私の見聞と反省』竹山道雄
『竹山道雄評論集 乱世の中から』竹山道雄
『歴史的意識について』竹山道雄
『主役としての近代 竹山道雄セレクションIV』竹山道雄:平川祐弘編
『精神のあとをたずねて』竹山道雄
『時流に反して』竹山道雄
『みじかい命』竹山道雄
『戦国日本と大航海時代 秀吉・家康・政宗の外交戦略』平川新

キリスト教を知るための書籍
日本の近代史を学ぶ
必読書リスト その四

 いつの世にも残虐な事件はあった。戦争が長びいて生活が苦しくなれば、人心は荒廃してモラルは低下する。軍隊が戦闘の後に殺気をおびたまま都会を占領したり、ことに敗けて逃げるような際には、むざんなことがおこる。人々は正気を失っているのだから、その心理を正常の標準から律することはできない。こうしたことは、人間のすべてが確実な向上をつづけているという楽天的な信仰を裏切って幻滅をあたえるものではあっても、とくに異常不可解とはいえない。非人道は原則としては否定されているのだけれども、一時の錯乱に対して規制の力が及ばなかったのである。
 ところが、ナチスの焚殺やソ連の裁判や中国の洗脳などは、国家がその目標を遂行するためにやったことである。それを行った人々は、かれらとしてはよき良心をもって行った。ある歴史の必然的実現のごときものが確信されて、そのための努力であった。犠牲者たちは歴史の進行を阻む悪であるとて、抹殺された。一種の消毒だった。かれらはもはや人間として認められなかった。抽象的理念の前に人間が消えうせた。
 国家がその世界観にしたがって、最高の首脳が国策として決定して、公的の機関が行ったことだった。(「妄想とその犠牲」)

【『西洋一神教の世界 竹山道雄セレクションII』竹山道雄:平川祐弘〈ひらかわ・すけひろ〉編(藤原書店、2016年)】

「妄想とその犠牲」は『文藝春秋』1957年11月号、1958年1~4月号に掲載された。経済企画庁が「もはや戦後ではない」と経済白書の結びに書いたのが1956年(昭和31年)のこと。竹山は戦前において東大の前身である一高の教授を務めながら翻訳家として知られた。戦後、『ビルマの竪琴』で毎日出版文化賞を受賞してから精力的に評論を発表するようになる。決して時代に流されず、時代を上から見下ろす視点をもち、自分の立つ位置を揺るがせにすることがなかった。

 私は50代で竹山を知ったのだが、その衝撃を一言で申せば「これほどの日本人がいたのか」ということに尽きる。無論、竹山は英雄タイプの人物ではない。だからこそ尚更深い感興を覚えるのだ。昨今は「文学者」といえば他人を嘲(あざけ)る言葉として用いられることが多い。だが激動の時代を生きた竹山の言葉に触れれば、文学者の本領を理解することができる。その思索の深さは認知科学をも志向し、キリスト教やキリスト世界に対する批判の鋭さはリチャード・ドーキンスも比ではない。

 竹山道雄についてはいくらでも書きたいことがあるのだが、書こうとすれば自分の語彙(ごい)の貧しさが先立ってしまう。私にとっては保守とか自由主義者とかいうよりも、古きよき日本人の善良さを体現した人物である。

昭和の精神史』(1956年)を発表した後でキリスト教世界に迫ったのも、極めて良識的な順序といえよう。

 ナチスによるホロコーストを社会主義国の悪行として並べるのも日本人ならではの視点だろう。西洋世界では歴史的事実としてのナチ・ホロコーストがザ・ホロコーストとして絶対視され神聖化されている(『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』ノーマン・G・フィンケルスタイン)。

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ポスト・ドル体制の青写真/『ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!』ジェームズ・リカーズ


『円高円安でわかる世界のお金の大原則』岩本沙弓
『新・マネー敗戦 ――ドル暴落後の日本』岩本沙弓
『21世紀型大恐慌 「アメリカ型経済システム」が変わるとき』山崎養世
『超帝国主義国家アメリカの内幕』マイケル・ハドソン
『資本主義の終焉と歴史の危機』水野和夫
『通貨戦争 崩壊への最悪シナリオが動き出した!』ジェームズ・リカーズ

 ・ポスト・ドル体制の青写真

『金価格は6倍になる いますぐ金を買いなさい』ジェームズ・リカーズ
『ペトロダラー戦争 イラク戦争の秘密、そしてドルとエネルギーの未来』ウィリアム・R・クラーク

必読書リスト その二

 本書はドルの終焉(しゅうえん)について論じる本だ。その延長線上で、国際通貨制度の崩壊の可能性についても論じることになる。なぜなら、ドルに対する信認が失われた場合、他のどの通貨も世界の準備通貨というドルの地位を引き継ぐ用意はできていないからだ。ドルは基軸である。ドルと国際通貨制度は表裏一体なので、ドルが崩壊したら、それとともに国際通貨制度全体が崩壊する。このダブル崩壊は恐ろしい可能性だが、これから説明していく理由により、ますます避けがたくなっているように見える。

【『ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!』ジェームズ・リカーズ:藤井清美訳(朝日新聞出版、2015年)以下同】

 SDR(特別引出権)の意味を初めて理解できた。「FRBがドルを捨てる方向に動いている」というのが真意である。SDRは事実上、世界通貨であり、ゆくゆくはSDR建てでアメリカの大型株が発行される可能性を示唆する。ゴールドの価値は不変であり、価格の上下はドルの価値が動いているに過ぎない、との指摘に目から鱗が落ちる。アベノミクスについても触れており、アメリカ経済の今後を日本の金融政策(金融緩和)が占うという。基本的には緩和マネーが資産バブルを形成し、首が回らなくなるという見立てである。ドル基軸通貨体制崩壊後に関しては三つのシナリオが描かれているが、ゴールドを裏付けとするSDR基軸通貨が実現するような気がする。デフレという化け物に紙幣が敗れる日はそう遠くない。

 ドルに対して使われる【崩壊】という言葉が世界の終わりのように響くとき、それは100パーセント実際的な意味を持っている。崩壊とは、簡単に言うと、ドルの未来の購買力に対して市民や中央銀行が信認を失うということだ。その結果として、ドルを持っている者たちは、通常より速いペースで支出したり実物資産を購入したりすることによってドルを手放すことになる。この急激な行動変化は、当初は金利の上昇やインフレ率の上昇、それに資本形成の崩壊を引き起こす、最終的な結果は(1930年代のように)デフレのこともあれば、(1970年代のように)インフレのこともあり、その両方になることもある。

 米10年債の金利がいよいよ3.0%を超えてきた。実際は今までの低金利が異常事態であって、年利が2%であれば国債のリスク・プレミアムはインフレ上昇分と相殺されてしまう。つまりリターンが低すぎて投資家はリスクを取る意味がない。で、なぜ低金利だったかというとFRB(連邦準備理事会)が量的緩和政策(QE)を行い国債を買い漁ってきたためだ。QEが終了すれば金利は当然上がる。

 今年はリーマン・ショックからちょうど10年目に当たる。もはや経済は企業や人々が自然に織りなす営みとは言い難い。人為を過信してマネーを水道の供給みたいに考えている節(ふし)がある。氾濫(はんらん)したマネーが逆流すれば次は津波のような被害が世界を襲うに違いない。リーマン・ショックは100年に一度の金融危機と言われたが、次なる危機は「1000年に一度」となる可能性が高い。

ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!
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朝日新聞出版 (2015-06-05)
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