2015-07-26
小林よしのり、甲野善紀、レヴィ=ストロース、他
4冊挫折、2冊読了。
『国民の文明史』中西輝政(扶桑社、2003年/PHP文庫、2015年)/前置きが長すぎる。延々と文明史についての解説が続き中々本題に入らない。「国民の文明史」でもなければ「日本の文明史」でもなく、ただの「文明史論」となっている。構成がまずい。「日本の近代史を学ぶ」に入れてあったのだが外した。
『無名の人生』渡辺京二(文春新書、2014年)/もったいぶった文体が鼻につく。やたらと石牟礼道子を引っ張りだすのも嫌らしい。韜晦(とうかい)を気取っている印象あり。
『悲しき熱帯 I』『悲しき熱帯 II』レヴィ=ストロース:川田順造訳(中公クラシックス、2001年)/一つの言葉を探すために読んだのだが見つからず。ネットで検索したところ何と最終章にあることが判明した。つまり最初と最後しか読んでいない。哲学とは言葉をこねくり回すことと見たり。「はじめに言葉ありき」(新約聖書「ヨハネによる福音書」)というキリスト教ロゴス世界は形而上の果てに何を見出すのか?
86冊目『実践! 今すぐできる 古武術で蘇るカラダ』甲野善紀(宝島社文庫、2004年/新装版、宝島SUGOI文庫、2009年)/本書のわずか数ページによって一本歯下駄がブームとなった。私も近々買う予定である。写真が小さくてわかりにくいのが難点。ただし古武術入門としての出来は決して悪くない。甲野の体のキレのよさも伝わってくる。養老孟司との対談もあり。
87冊目『保守も知らない靖国神社』小林よしのり(ベスト新書、2014年)/小林の著書を読むのは初めてのこと。ずっと嫌いであった。まず声が悪い。次に「わし」という言葉づかいが社会性を欠いている。そして自分自身を美化する漫画の作風に嫌悪感を覚えていた。だが慰安婦捏造問題や靖国問題を通る時、小林を避けて通ることはできない。彼は1980年代から論戦の中に身を置いてきた。最初はオウム真理教が相手であったと記憶する。続いて薬害エイズ問題、そして慰安婦捏造問題、大東亜戦争擁護、沖縄問題、靖国問題へと至る。本書の前に中西輝政著『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』を読んでおくべきだ。小林は靖国神社が奉慰顕彰の施設であることに注意を促し、「不戦の誓い」を表明した安部首相を徹底的にこき下ろしている。小林はリアリストの立場から左翼はもとより右翼をも批判し抜く。
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