2007年制作。ポーランド映画。どうもアンジェイ・ワイダの文体が肌に合わない。『
灰とダイヤモンド』(1958年)もそうだが私はドラマ性を感じなかった。はっきり言えば、ぶつ切りの映像にしか見えない。主役のアンナは木村カエラみたいな顔で魅力を欠いているし、キャストというキャストがどうも冴えない。
例えば甥っ子がソビエトのプロパガンダポスターを剥がす行為や、大将夫人が映画に抗議する場面など、見るからに拙い行為であり、正義よりも安易さが目立つ。
唯一感動したのはポーランド人将校の収容所で大将が厳(おごそ)かに演説を行い、静かに皆で合唱をした場面だ。
アンジェイ・ワイダの父親も
カティンの森事件の被害者であった。構想に50年、製作に17年を要したらしいが、時間のかけ過ぎであると思う。
現在ではカティンの森事件の被害者は22000人とされる。ドイツ軍が遺体を発見すると、ソ連は「ドイツの仕業だ」と喧伝(けんでん)した。共産主義と嘘はセットになっていると考えてよろしい。社会主義国家や共産党は病的な嘘つきである。
思えば我が日本も大東亜戦争の終戦間際に日ソ中立条約があったにもかかわらず満州や北方領土を攻撃され、ソ連軍は虐殺、強姦、強盗の限りを尽くした。それどころではない。推定65万人もの日本人をシベリアに抑留し、強制労働をさせたのである。ソ連の行為はまさしく侵略戦争そのものであった。
尚、カティンの森事件を知らない人のために動画を貼りつけておく。
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