2017-12-31

映画『アンノウン』:ジャウム・コレット=セラ監督(2011年)


 ・映画『アンノウン』:ジャウム・コレット=セラ監督(2011年)

映画『フライト・ゲーム』ジャウム・コレット=セラ監督(2014年)

 行く当てもなく自転車を走らせて佳景と巡り合うことがある。そんな気分が蘇る映画作品だ。記憶喪失ものといえば『ボーン・シリーズ』(原作はロバート・ラドラム著『暗殺者』)が有名だが、主人公のマーティン・ハリス博士は交通事故前後の記憶が欠落している。4日間の昏睡状態を経て、一緒にドイツを訪れた妻の元へゆくと、見知らぬ男性が自分を名乗っていた。妻も自分のことを知らないと言う。パスポートは事故で無くしてしまっていた。物語は突然カフカ的様相を帯びる。

「オチがつまらなかったら承知しないぞ」と誰もが思うタイミングで主人公は命を狙われ、続いて旧東ドイツの秘密警察シュタージの一員であったエルンスト・ユルゲンという老人が登場する。この色合いの変化こそが本作品の醍醐味であるといってよい。

 男は自分が自分であることを探し求め、遂に見つける。そして男は生まれ変わった。アメリカ映画らしからぬ傑作だ。

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2017年に読んだ本ランキング


2015年に読んだ本ランキング
2016年に読んだ本ランキング

 ・2017年に読んだ本ランキング

2018年に読んだ本ランキング

 今年手をつけたのは400冊ほどで読了本は120冊前後だと思う。まずは再読本から紹介しよう。「必読書」たり得るかどうかの検証を兼ねている。

『脳はいかにして〈神〉を見るか 宗教体験のブレイン・サイエンス』アンドリュー・ニューバーグ、ユージーン・ダギリ、ヴィンス・ロース/再読。

『あなたの知らない脳 意識は傍観者である』デイヴィッド・イーグルマン/再読。

『狂気のモザイク』ロバート・ラドラム/6回目。個人的には『暗殺者』よりも好きな作品だ。

ものぐさ精神分析』『続 ものぐさ精神分析』岸田秀/3回目。

『孟嘗君』宮城谷昌光/再読。

『楽毅』宮城谷昌光/再読。やはり『孟嘗君』の続篇として読むのがいいので必読書入り。

『ボーン・コレクター』ジェフリー・ディーヴァー/再読。

 膝痛本は十数冊読んだが一押しがこれ。

ひざの激痛を一気に治す自力療法No.1』マキノ出版ムック『安心』特別編集

 具体的な対処法がコンパクトにまとめられていて、健康本にありがちな誤謬もかなり少ない。

七帝柔道記』増田俊也
北の海(上)』『北の海(下)』井上靖
VTJ前夜の中井祐樹』増田俊也

 七帝(高専)柔道シリーズ。『北の海』は飛ばし読み。井上靖が経験者だとは知らなんだ。ランクインというわけではないのだが若い人に読んで欲しい。

 次に番外。

『台湾高砂族の音楽』黒沢隆朝

 飯嶋和一と宮城谷昌光はどれもオススメできる。

出星前夜 』飯嶋和一
狗賓童子の島』飯嶋和一
管仲(上)』『管仲(下)』宮城谷昌光
湖底の城』宮城谷昌光
草原の風』宮城谷昌光

 では、ランキングを。郡司ペギオ幸夫はまだ途中までしか読んでいない。

 15位『いま沖縄で起きている大変なこと』惠隆之介

 14位『春宵十話』岡潔

 13位『カルトの子 心を盗まれた家族』米本和広

 12位『群れは意識をもつ 個の自由と集団の秩序』郡司ペギオ幸夫

 11位『『闇の奥』の奥 コンラッド・植民地主義・アフリカの重荷』藤永茂

 10位『大東亜戦争とスターリンの謀略 戦争と共産主義』三田村武夫

 9位『日本教の社会学』小室直樹、山本七平

 8位『「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》』橋本毅彦

 7位『人類を変えた素晴らしき10の材料 その内なる宇宙を探険する』マーク・ミーオドヴニク

 6位『世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史』スティーブン・ジョンソン

 5位『デジタル・ゴールド ビットコイン、その知られざる物語』ナサニエル・ポッパー

 4位『しらずしらず あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』レナード・ムロディナウ

 3位『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ

 2位『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』ケヴィン・ケリー

 1位『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福
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サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福
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テクノロジーは人間性を加速する/『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』ケヴィン・ケリー


『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル
『AIは人類を駆逐するのか? 自律(オートノミー)世界の到来』太田裕朗
『Beyond Human 超人類の時代へ 今、医療テクノロジーの最先端で』イブ・ヘロルド
『われわれは仮想世界を生きている AI社会のその先の未来を描く「シミュレーション仮説」』リズワン・バーク
『インフォメーション 情報技術の人類史』ジェイムズ・グリック
『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ
『デジタル・ゴールド ビットコイン、その知られざる物語』ナサニエル・ポッパー

 ・テクノロジーは人間性を加速する

必読書リスト その五

 現在の生活の中のどんな目立った変化も、その中心には何らかのテクノロジーが絡んでいる。テクノロジーは人間性を加速する。テクノロジーによって、われわれが作るものはどれも、何かに〈なっていく〉(ビカミング)プロセスの途中にある。あらゆるものは何か他のものになることで、【可能性】から【現実】へと撹拌(かくはん)される。すべては流れだ。完成品というものはないし、完了することもない。決して終わることのないこの変化が、現代社会の中心軸なのだ。
 常に流れているということは、単に「物事が変化していく」以上の意味を持つ。つまり、流れの原動力であるプロセスの方が、そこから生み出される結果(プロタクト)より重要なのだ。過去200年で最大の発明は、個別のガジェットや道具でなく、科学的なプロセスそのものだ。ひとたび科学的な方法論が発明されれば、それなしでは不可能だった何千ものすばらしいものをすぐに創れるようになる。方法論として常に変化し進歩するというプロセスは、ある特定のプロダクトを作り出すより100万倍も優れ、おかげで何世紀にもわたって100万もの新しいプロダクトを生み出してくれた。現行のプロセスを正しく使えば、それは今後も利益を生み出していくだろう。われわれの新しい時代には、プロセスが製品(プロダクト)を凌駕するのだ。
 プロセスへと向かうこうした変化によって、われわれが作るすべてのものは、絶え間ない変化を運命づけられる。固定した名詞の世界から、流動的な動詞の世界に移動していく。

【『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』ケヴィン・ケリー:服部桂〈はっとり・かつら〉訳(NHK出版、2016年)】

 飛行機に乗ったスー族は空港で魂が到着するのを待った(『裏切り』カーリン・アルヴテーゲン)。そしてエネルギーを使えばつかうほど時間が早く進む(『「長生き」が地球を滅ぼす 現代人の時間とエネルギー』本川達雄)。新たなテクノロジーがエネルギーを最大化する。ここにイノベーション(技術革新)の本質がある。

「まえがき」がまだるっこしくて読むのを躊躇(ちゅうちょ)したが、本文に入るやいなや独創性あふれる視点と文体に引きずり込まれた。「プロダクトよりもプロセスが重要だ」という指摘はツイッターを見れば明らかだ。新聞やブログなどの固定した記事よりも、返信・引用・リツイートという「流れ」に人々は注目する。かつての掲示板(BBS)は議論することが目的だった。ところがツイッターは基本的につぶやき(独語)である。情報の取捨選択は自分に委ねられている。膨大な数のツイートがあたかも脳内のシナプスのように発火し、つながり、回路を形成してゆく。いつの日か優れた知性と感情が世界を覆い尽くすようになれば、その流れは「神」と呼ばれてもおかしくはない(『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル)。

 ここでクリシュナムルティの『人はどのようにして変容し、「なる」(ビカミング)から「ある」(ビーイング)ことへのこの根源的変化を起こしたらいいのでしょう?』(『自由とは何か』J・クリシュナムルティ)との提起を引用するのは場違いだ。ケヴィン・ケリーが指摘する「ビカミング」は人類全体が種(しゅ)として変化する様相を指すのだ。

 ヒトは言葉を生み、文字を発明した。紙、印刷技術、通信、ラジオ、テレビ、そしてコンピュータ、インターネットに至るイノベーションは「人類が一つになる」方向を目指している。邪悪と凡庸は恐るべきスピードで淘汰(とうた)されてゆくことだろう。

 誰かに言われた一言や一冊の本が人生を変えることは決して珍しいことではない。新しい時代はそれが日常的かつ連続的に起こるのだ。融合することで個の影は薄くなる。これがネット時代の諸法無我だ。「私は変わった」ではなく、「変わり続ける流れが『私』」となる。

 つまり大脳新皮質の外側を覆うべく、インターネットを介して大脳超新皮質が誕生するのだ。

2017-12-29

スズキ バーディー50(BA42A):エアフィルター&クリップ(プッシュリベット)


 部品を調達するのに難儀したので記録を残しておく。

 エアクリーナー内のフィルター位置については以下の記事を参照せよ。

スズキバーディーいじりブログ 小鳥の巣箱:エアフィルターの清掃

 最初の画像は左側に前輪がある。レッグシールドと後ろのカバーを外すと、フロントフェンダー上部の真後ろにある。私の愛車は22900kmの走行距離だが干からびて洗う段階をとっくに過ぎていた。尚、部品は全てBA42Aのもの。それ以外に関してはパーツカタログを入手して部品番号を確認されたし。

スズキ フィルタ 13780-36G00

 クリップ(プッシュリベット)は後部カバーを留めるナイロンおよびプラスチック製の鋲(びょう)である。左右で合計4ヶ所あるが前後の大きさが違う。外し方は真ん中をプラスドライバーなどで突っつく。

スズキ クリップ(ブラック) 09409-08308-5ES
スズキ クリップ(ブラック) 09409-06314-5PK

 ついでにバッテリーも紹介しよう。値段がかなり違うがモノタロウは3000円以上で送料無料、ヤフーショップは1000円近い送料が発生する。どちらも注液・充電済み。

GSユアサ YT4L-BS 12V高性能VRLA(制御弁式)バッテリー(電解液注入済タイプ)
GS YUASA 二輪車 VRLAバッテリー YT4L-BS

 バッテリーが消耗してくるとウインカーの点滅がおかしくなる。点(つ)きっぱなしになることもある。

 今回カバーを外してビックリしたのだが、左側に取扱説明書とメンテナンスノートが備えられていた。もちろんずぶ濡れだ。バッテリーを押さえてあるバンドも切れ掛かっている。尚、バッテリーは台湾YUASAの廉価版もある。




 20:00前に寝たのだがウトウトしていたところにバッテリーが届いた。というわけで早速バッテリーを交換した。

バイクのバッテリーを外しましたが、ネジがとまらない!

 確かにわかりにくい。ボルトと四角いナット(四角ウエルドナット)で端子を留めるのだが、ナットの位置を定めるのが意外と難しい。マイナス側がどうしても上向きにならないので面倒になって横向きに付けた。ウインカーの点灯も問題なし。少し走らせてきたが絶好調である。ちょっと心配なので年明けにでも近所のバイク屋で電圧も含めて見てもらおうと思う。

 以下ページの「8」の画像が参考になる。

バッテリーの交換方法|バイク編

【追記】モノタロウにバッテリーバンドもあった。3000円以上にするべく、全部2点ずつ購入した。

スズキ バンド 09462-00043

2017-12-28

読み始める

宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)
ローレンス クラウス
文藝春秋 (2017-01-06)
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ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 (ハヤカワ文庫NF)
ヴィトルト リプチンスキ Witold Rybczynski
早川書房
売り上げランキング: 59,472

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 (文春新書)
井上 智洋
文藝春秋
売り上げランキング: 1,191

読書について 他二篇 (岩波文庫)
ショウペンハウエル
岩波書店
売り上げランキング: 5,646

読書について (光文社古典新訳文庫)
光文社 (2015-09-25)
売り上げランキング: 407

ニーチェ みずからの時代と闘う者 (岩波文庫)
ルドルフ・シュタイナー
岩波書店
売り上げランキング: 244,504

ひとはなぜ戦争をするのか (講談社学術文庫)
アルバート アインシュタイン ジグムント フロイト
講談社
売り上げランキング: 12,689

大乗仏教概論 (岩波文庫)
鈴木 大拙
岩波書店
売り上げランキング: 69,137

イザベラ・バードの日本紀行 (上) (講談社学術文庫 1871)
イザベラ・バード
講談社
売り上げランキング: 11,574

イザベラ・バードの日本紀行 (下) (講談社学術文庫 1872)
イザベラ・バード
講談社
売り上げランキング: 20,077

イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む (講談社学術文庫)
宮本 常一
講談社
売り上げランキング: 153,953

チベット旅行記(上) (講談社学術文庫)
河口 慧海
講談社
売り上げランキング: 246,613

チベット旅行記(下) (講談社学術文庫)
河口 慧海
講談社
売り上げランキング: 261,629

昭和の精神史 (中公クラシックス)
竹山 道雄
中央公論新社
売り上げランキング: 602,433

三国志〈上〉 (岩波少年文庫)
羅 貫中
岩波書店
売り上げランキング: 35,232

三国志〈中〉 (岩波少年文庫)
羅 貫中
岩波書店
売り上げランキング: 37,408

三国志〈下〉 (岩波少年文庫)
羅 貫中
岩波書店
売り上げランキング: 37,429

聖の青春 (角川文庫)
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大崎 善生
KADOKAWA/角川書店 (2015-06-20)
売り上げランキング: 3,163

2017-12-17

膝痛の本当の原因は半月板の亜脱臼/『半月板のズレを戻せばひざ痛は治る!』中村昭治


 ・膝痛の本当の原因は半月板の亜脱臼

『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』

 実は私自身がひざ痛で悩まされていました。災い転じて福となす――自らの痛みのおかげで、ひざ痛の原因と治療法を確立できたのです。
 確率したのはもう20年以上前のことです。そして、この二十数年の間に延べ10万人のひざ痛患者さんを治療させていただきました。驚かれると思いますが、この患者さんすべての方に半月板のズレが認められました。

【『半月板のズレを戻せばひざ痛は治る!』中村昭治〈なかむら・まさはる〉(メタモル出版、2011年/ほほえみ出版、2017年年)】

「仰々しいタイトル」は避けるのがセオリーではあるが本書はオススメできる。中村は静岡県で鍼灸接骨院を営んでおり、アトピーの治療も積極的に行っている。

 半月板のズレを戻すための「パンストベルト」が素晴らしい。膝固定バンド(以下画像)より効果がありそうな気がする。


 パンストベルトは膝の上下を支え、膝バンドサポーターほど締め付けないのがミソ。ま、大の男がパンストを買うのは少々抵抗があるが、これを乗り越えるところに膝痛打開の一歩があると信じる(笑)。

半月板のズレを戻せばひざ痛は治る!
中村昭治
ほほえみ出版 (2017-08-02)
売り上げランキング: 69,000

教義とは鳥かごのようなもの/『オープン・シークレット』トニー・パーソンズ


『わかっちゃった人たち 悟りについて普通の7人が語ったこと』サリー・ボンジャース
『これのこと』ジョーイ・ロット

 ・教義とは鳥かごのようなもの

悟りとは

 言葉で表せないものを教義という形に置き換える試みは、そのどれもが必然的に不正確な表現に終わるように私には思えた。もともとの美しく繊細な自由の歌を、際限なく語られ続ける制限の教義に変えてしまう。完璧さをめぐる矛盾した考え……。鳥が飛び立ったとき、その歌の本質はたいていは見失われ、そこには空の鳥かごだけが残される。

【『オープン・シークレット』トニー・パーソンズ:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ナチュラルスピリット、2016年)以下同】

「覚醒ブックス」というネーミングセンスに鼻白むのは私だけではあるまい。本を読んで覚醒できるなら私が教祖になっていてもおかしくないのだが(笑)。

 あまりいい本ではない。翻訳もこなれておらず、「――に――に」や「――は――は」が目につき、理解に苦しむ文章が多い。トニー・パーソンズはノンデュアリティの大物で、彼に導かれた悟りを開いた人々が相当数いる。

「なぜ自転車に乗ることができるか」を言葉で説明することはできない。悟りや啓示を言語化することは、自転車を知らない人に対して自転車に乗ることを説明するようなものだろう。

 言葉はシンボルに過ぎない。教義や憲法の解釈が異なるのも当然である。コミュニケーションの手段である言葉を経典化する営みは必ず人間を隷属させる方向に動く。

 言葉は「使う」ものだ。「しがみつく」ものではない。

オープン・シークレット(覚醒ブックス)
トニー・パーソンズ Tony Parsons
ナチュラルスピリット (2016-12-15)
売り上げランキング: 96,365

読み始める

三国志読本 (文春文庫)
宮城谷 昌光
文藝春秋 (2017-05-10)
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増補 日本語が亡びるとき: 英語の世紀の中で (ちくま文庫)
水村 美苗
筑摩書房
売り上げランキング: 66,318

神の肉体 清水宏保
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吉井 妙子
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売り上げランキング: 414,272

養老孟司の人間科学講義 (ちくま学芸文庫)
養老 孟司
筑摩書房
売り上げランキング: 19,113

鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫NV)
ジャック ヒギンズ
早川書房
売り上げランキング: 37,290

2017-12-14

巧妙に左方向へ誘導する本の数々/『「知的野蛮人」になるための本棚』佐藤優


『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』小林よしのり
・『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論 2』小林よしのり
・『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論 3』小林よしのり
『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』小林よしのり
『戦争論争戦』小林よしのり、田原総一朗

 ・巧妙に左方向へ誘導する本の数々

『打ちのめされるようなすごい本』米原万里
佐藤優は現代の尾崎秀実

 ――つまらない本の見分け方を教えてください。
 その前に、どうしてつまらないスカ本が出版されると思いますか?
 ――書き手に才能がないからですか?
 それもありますが、重要なのは、本は「有価証券」だということ。出せばお金に換えられるということです。
 出版社で社員が20人を超えると、編集者が作りたくなくて、営業も売りたくなくて、取次(出版社と書店の間をつなぐ流通業者)もありがたがらない、本屋も起きたくない本がどうしてもできてしまう。資本主義ですから。
 だから、読者は「スカ本と、そうでない本を見分ける方法」をちゃんと学んでおかなくてはいけません。
 どうするかというと、本の「真ん中」をまず読むのです。
 ――本のど真ん中を開いて、何を確かめるのですか?
 なぜ真ん中を読むか。時間が足りずに雑に作って出している本は、真ん中あたりに誤植が多い。
 それから、自分が知っている分野の固有名詞がでたらめな場合もダメ。そんな本を出している出版社は、いい加減な本を作る傾向があるから、警戒した方がいいでしょう。(聞き手 小峯隆生)

【『「知的野蛮人」になるための本棚』佐藤優(PHP文庫、2014年)】

 冒頭で佐藤が推す「本読み」巧者として松岡正剛〈まつおか・せいごう〉、斎藤美奈子鹿島茂立花隆佐高信〈さたか・まこと〉の5人を挙げる。松岡・佐高は言わずと知れた極左で、斎藤はフェミニズム左翼である。

 私程度の読書量でも「巧妙に左方向へ誘導する本の数々」とわかる。山口二郎や大田昌秀の名前を見て読むのをやめた。

 佐藤優が山口二郎を絶賛したのは新党大地が立ち上げた直後の講演であったと記憶する。当時、山口は北大教授だった。その後、山口は半安倍の急先鋒となり、佐藤は巧妙に沖縄の世論形成をリードしてきた。2015年に行われた辺野古基地反対の沖縄県民大会でのスピーチこそが佐藤の行ってきた工作の目的であろう。

「東京の窓から」は石原慎太郎が都知事をしていた時の番組である。YouTubeからは削除されている。私はこれを見て佐藤優という人物が信用できなくなった。


 石原慎太郎が4歳年上である。佐藤優とよく比較してもらいたい。菅沼光弘はまさしく国士である。インテリジェンスに通じた二人だが決定的な違いだ。私は菅沼の著書は全て読んできたが国士であるという一点がブレることはない。尚、菅沼がCIAに殺害されないのは山口組がガードしているため。戦後、東大を卒業しドイツに留学。ゲーレン機関(連邦情報局)で諜報教育を受ける。ラインハルト・ゲーレンにも一度会っている。








「知的野蛮人」になるための本棚 (PHP文庫)
佐藤 優
PHP研究所 (2014-05-02)
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2017-12-12

スズキ バーディー50 修理費用


 走行距離:22644km

 チェーン交換     2000円
 フロントスプロケット 1260円
 リアスプロケット   4410円
 ハブダンパー      840円
 工賃         8000円

 リアタイヤ(処分代含む)8000円
 工賃 2500円

 重複工賃値引き  ▲1500円

 パーツクリーナー等油脂材料費 700円

 部品代合計17210円 工賃合計9000円 部品送料データ通信費400円

 合計金額 26610円+消費税2129円=28739円



 格安のチェーンルブ・グリス・クリーナーも紹介しておこう。






正しいチェーンメンテナンスできてる?これがバイク屋さんがやっている方法だよ
ドライブチェーンのグリスアップ
チェーン給油&メンテってホントに必要?メーカーは教えない秘密の知識




【12月14日】新車になったかと思うほど走行が滑らかになり、シフトチェンジもスムーズに行える。最高速付近での振動も解消した。

田原総一朗の正体は反戦主義者/『戦争論争戦』小林よしのり、田原総一朗


『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』小林よしのり
・『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論 2』小林よしのり
・『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論 3』小林よしのり
『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』小林よしのり

 ・田原総一朗の正体は反戦主義者

『「知的野蛮人」になるための本棚』佐藤優

 最近、私は、信頼する親しい大学教授や評論家たちから、「自分は真ん中よりやや左だったが、このところ右よりになってきた」という話をよく聞く。どう見ても左派の菅直人までが、朝鮮半島の有事の際には自衛隊の米軍後方支援を支持すると、自民党すらいわないことを口にするくらいだ。世の中は、どんどん右へ、右へと動いている。
 これは、やはり50年続いた戦後日本の世の中が、ひたすら「個」中心へと向かった結果、人びとが「国」や「公」の危うさに気づきはじめたということなのだろう。
 しかし、この前の戦争の末期を体験した私にとって、生きるということは、いってみれば、あのような戦争を二度と再び起こさないことだった。最近は、それが私の役割だとすら思えるようになってきた。そこで小林よしのりとは、さまざまな論点で激突し、徹底的に闘うはめになってしまったのだ。

【『戦争論争戦』小林よしのり、田原総一朗(ぶんか社、1999年)】

 田原総一朗の後書きを読んだ瞬間に私は悟った。「この男は単なる反戦主義者なのだ」と。疑問の雲が吹き払われた。田原の周囲に左翼およびシンパが多いのはその反戦主義が共鳴しているためだ。

 彼は必ず「ジャーナリストの田原総一朗です」と名乗る。やはり言論をプロレス化しただけのテレビ屋という自覚があるのだろう。テレビマン時代には衆人環視のもとで性行為をやってのけた人物である。映画監督にも作家にもなることができなかった劣等感を「過激さ」で撥(は)ね退けようとしたのだろう。

 田原に近い人物の一人に佐藤優がいる。佐藤は田原のラジオ番組で再三にわたって小林よしのりを批判してきた。また小林を攻撃する記事も幾度となく書いている。小林はこれに応じた。ほんの2~3年前までの出来事だ。ところが小林は女系天皇論を表明した後、先の総選挙では辻元清美や山尾志桜里を担ぎ上げるまでに大きく旋回した。その後の佐藤との論争を私はフォローしていないのだが、たぶん佐藤は小林批判を控えているのではないか。

 今から7~8年前に行われたシンポジウムで佐藤優が田原総一朗を痛罵する場面があった。会場から湧いた拍手を聞いて「ああ、田原が持てはやされる時代は終わったな」と感じた。


文字起こし:【佐藤優】田原総一朗は官僚支配を促進している

 ジャーナリストの田原総一朗氏は、「権力党員」である。「権力党」とは、民主党とか自民党という、既成政党と関係ない。「権力党員」とは、常に時の権力の内側にいて、事実上、国家の意思形成に加わっている人を指す。「権力党員」は時の政権の手先であるという単純な図式は成り立たない。むしろ時の政権とは、少し距離を置きつつも権力の内側にいて、建設的批判を行った方が「権力党員」としての影響力が拡大することがある。田原氏は、「権力党」の文法に通暁している。それだから、政府の顧問や諮問委員に就かないのだ。

佐藤優の眼光紙背:「権力党員」田原総一朗氏と国民の真実を知る権利 2010年10月25日

 このシンポジウムに田原は遅れて登場したのだが、実はその前に元読売新聞大阪社会部の大谷昭宏も佐藤からの攻撃を受けていた。テレビで活躍する二人をこき下ろすことで佐藤は自分の株価を上げてみせた。結果的にというよりは意図的に行った可能性が高いと私は見る。

 少国民世代である田原が戦争を忌み嫌うのは理解できる。ただし個人の経験というミクロな視点で安全保障や外交を捉えるのは誤っている。日本が70年以上にわたって平和を享受し得たのは憲法9条によるものではなくアメリカの核抑止力に守られてきたからだ。近代国際法の道を開いたウェストファリア条約(1648年)も勢力均衡という思想に基づく。

 もしも日本が大東亜戦争で立ち上がっていなければ、白色人種による帝国主義(植民地主義)は数世紀も長く続いたはずだ。アジア、中東、アフリカ諸国が第二次世界大戦後に独立したのは日本が白人の土手っ腹に風穴を開けたからだ。これが歴史の事実である。

戦争論争戦―小林よしのりVS.田原総一朗
小林 よしのり 田原 総一朗
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2017-12-11

少国民世代(昭和一桁生まれ)の反動/『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』小林よしのり


『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』小林よしのり
・『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論 2』小林よしのり
・『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論 3』小林よしのり

 ・少国民世代(昭和一桁生まれ)の反動
 ・天皇は祭祀王

『戦争論争戦』小林よしのり、田原総一朗
・『ゴーマニズム宣言SPECIAL パール真論』小林よしのり
『世界史で読み解く「天皇ブランド」』宇山卓栄
『〔復刻版〕初等科國史』文部省

日本の近代史を学ぶ

 ところが本土においても、戦後のマスコミや左派知識人はこう言ってきた。

 戦前の天皇は「神」として君臨していた。国民は誰もが「現人神」(あらひとがみ)と教えられ、絶対神だと思っていて、「天皇陛下」の名前が出たら直立不動だった。

 天皇の名において戦争したのだから、天皇に戦争責任がある。
 だから戦後はGHQによって「人間宣言」をさせられた。

 天皇は戦後、人間になった。(中略)

 しかしどうやら上のように言う左派知識人たちは「少国民世代」の人たちなのだと、気づいた。

「少国民」(しょうこくみん)とは、昭和16年(大東亜戦争開戦の年)に「小学校」を「国民学校」に改称したのと同時に、「学童」を改称した名称である。
 ヒトラーユーゲントで用いられた「Jungvolk」の訳語らしい。

「少国民世代」を厳密にいうならば、「国民学校に行っていた世代」つまり「大東亜戦争中に小学生だった世代」ということになる。

 田原総一朗(終戦時11歳)
 筑紫哲也(当時10歳)大江健三郎(当時10歳)
 本多勝一(当時13歳前後)
 大島渚(当時13歳)井上ひさし(当時10歳)
 石原慎太郎(当時12歳)西尾幹二(当時10歳)
 この辺が「少国民世代」である。わしの母もこの世代に入る。

 少国民世代は、戦時中は大人たちから「日本は神国だ! いざとなれば神風が吹く!」…と教えられ軍人に憧れた者が多かった。

 戦後、その同じ大人たちが豹変して、「これからは民主主義の時代です。天皇は人間です。象徴に過ぎないんです!」…と教え始めた。
 その大人たちの露骨な態度の変化を見て、国家や天皇というものに懐疑的になった者が少国民世代には多いようだ。(中略)

 実を言うと、天皇を心底「神」と思い込んでいたのは「少国民世代」だけなのだ。

【『ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論』小林よしのり(小学館、2009年/平成29年 増補改訂版、2017年)】

「ゴーマニズム宣言SPECIAL」シリーズは『戦争論』で花火のように舞い上がり、『昭和天皇論』に至るまで鮮やかな色彩を空に描き、そして『新天皇論』で跡形もなく消えた。女系天皇容認を表明した『新天皇論』で小林から離れていったファンが多い。

 私が小林の漫画や著作を読んだのは最近のことで、よもやこれほどのスピードで転落するとは予想だにしなかった。元々自分自身を美化する小林の画風が好きになれなかった。甲高い声も耳障りだ。公の場で「わし」という言葉遣いも大人とは言い難い。それでも一定の敬意を抱いたのは早くから慰安婦捏造問題に取り組むなど、期せずしてオピニオンリーダーの役割を果たしてきたように思えたからだ。その姿は文字通り孤軍奮闘であった。

 一時期小林と親(ちか)しかった有本香は「先生」と小林を呼んでいた。かつてはそれほどの見識を持っていた。そして有本も小林の元から去っていった。

「昭和一桁生まれが戦争を知っていると語るのは誤りだ」という指摘は少なからず他にもある。だが「少国民世代」と名づけたのは卓抜なセンスだ。

 終戦後、「神も仏もあるものか」という言葉が人口に膾炙(かいしゃ)した。その一方で精神の空隙(くうげき)を埋めるべく雨後の筍(たけのこ)みたいに現れた新興宗教に日本人は飛びついた。これまた「反動」と言ってよい。大半の知識人が左傾化したのも同じ現象であろう。

 日本は戦争に敗れたもののまだ亡んではいなかった。だが国体を見失って経済一辺倒に走り出した時、この国は国家であることをやめたのだろう。敗戦から半世紀以上に渡って「愛国心」という言葉はタブーとされた。

 昭和一桁世代には不破哲三(昭和5年生まれ)や池田大作(昭和3年生まれ)もいる。戦後、大衆を糾合し得た共産党と創価学会のリーダーがこの世代であるのも興味深い。

2017-12-10

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