2011-12-31

月は沈みぬ


 2011年よ、さらば。

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 歯を食い縛りながら写真に見入る。



ペットボトルのサンダル

2011年に読んだ本ランキング


 うっかりしていた。例年だと11月後半からランキング作成に着手するのだが、今日の今日まで失念していた。はてなから引っ越したことも影響したのだろう。というわけで時間がないため、「ベスト30」を紹介する。尚、クリシュナムルティは除いた。読書は年季によって選球眼が高まる。私は文才もなければ学識があるわけでもない。そんなことは自分が一番よくわかっている。強みは感受性と直観のみだ(笑)。だから書評には自信がないが、本を選ぶ眼には過剰なまでの自信がある。かつて私よりセンスのある人物を見たことがない。ま、そんなわけでご参考になれば、これ幸い。それでは皆さん、よいお年を。

2010年に読んだ本ランキング
2011年に読んだ本

 ・2011年に読んだ本ランキング

2012年に読んだ本ランキング

番外『まんが パレスチナ問題』山井教雄

番外『旅行者の朝食』米原万里

番外『「私たちの世界」がキリスト教になったとき コンスタンティヌスという男』ポール・ヴェーヌ

番外『自動車の社会的費用』宇沢弘文

30位『超マクロ展望 世界経済の真実』水野和夫、萱野稔人

29位『襲われて 産廃の闇、自治の光』柳川喜郎

28位『トランクの中の日本 米従軍カメラマンの非公式記録』ジョー・オダネル、ジェニファー・オルドリッチ

27位『スリー・カップス・オブ・ティー 1杯目はよそ者、2杯目はお客、3杯目は家族』グレッグ・モーテンソン、デイヴィッド・オリヴァー・レーリン

26位『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』写真、インタビュー=ジョナサン・トーゴヴニク

25位『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール

24位『絶対製造工場』カレル・チャペック

23位『最悪期まであと2年! 次なる大恐慌 人口トレンドが教える消費崩壊のシナリオ』ハリー・S・デント・ジュニア

22位『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー

21位『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子

20位『緑雨警語』斎藤緑雨

19位『リサイクル幻想』武田邦彦(文春新書、2000年)

18位『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編

17位『逝かない身体 ALS的日常を生きる』川口有美子

16位『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要

15位『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン

14位『哲学、脳を揺さぶる オートポイエーシスの練習問題』河本英夫

13位『イタリア抵抗運動の遺書 1943.9.8-1945.4.25』P・マルヴェッツィ、G・ピレッリ編

12位『一神教の闇 アニミズムの復権』安田喜憲

11位『アウシュヴィッツは終わらない あるイタリア人生存者の考察』プリーモ・レーヴィ

10位『イエス』R・ブルトマン

9位『ナット・ターナーの告白』ウィリアム・スタイロン

8位『歴史とはなにか』岡田英弘

7位『歴史とは何か』E・H・カー

6位『孟嘗君』宮城谷昌光

5位『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス

4位『日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか』小室直樹

3位『小説ブッダ いにしえの道、白い雲』ティク・ナット・ハン

2位『宗教を生みだす本能 進化論からみたヒトと信仰』ニコラス・ウェイド

1位『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル

武田邦彦


 1冊読了

 76冊目『リサイクル幻想』武田邦彦(文春新書、2000年)/遅れ馳せながら武田の著作を初めて読んだ。「武田邦彦」というカテゴリーを設けていることからもわかるように、私は武田の大ファンである。まず朗らかである。そして明快である。歯切れがよく、声に響きがある。3.11の大震災を期に武田は原発推進派から否定派に方向転換する。それは原発事故を踏まえた上での合理的判断であり、学問に忠実な生きざまを示したものだ。被災直後から武田は毎日のようにメッセージを発信し続けている。今日も尚。本書はリサイクル問題というよりも、合理的思考の教科書として広く読まれるべきである。相関関係=因果関係ではないことが実によく理解できる。その意味で「ものの見方」が変わる一書である。一方、武田批判もかまびすしい。『サンデー毎日』(2011年10月2日号)では佐高信〈さたか・まこと〉が書いたようだ。他人の悪口ばかり書いている左翼野郎だ。古新聞みたいな顔つきをしている。誰かが回収して然るべきだ。じゃあ、てめえは何かやったのか? エッ、佐高よ。この愚か者は物事の大小や長短も見分けがつかないのだろう。ま、せいぜい排泄物のような文章を書くがいい。以下の動画を見て、私はますます武田が大好きになった。先生と呼ぶに相応しい人物だ。

2011-12-30

蝶結び

2011-12-29

落合博実


 1冊挫折。

徴税権力 国税庁の研究』落合博実(文藝春秋、2006年/文春文庫、2009年)/矢野絢也著『乱脈経理 創価学会 vs. 国税庁の暗闘ドキュメント』で引用されていた本。第一章の「金丸信摘発の舞台裏」が出色。その後明らかにトーンダウン。最終章の「国税対創価学会」も尻すぼみの感が拭えない。文章が巧みであるにもかかわらず、腰が据わっていないため内容がフラついている。落合は元朝日新聞の記者。記者クラブという権力機構に身を置きながら、国税庁の権力と対峙することは考えにくい。限りなく「隣」に近い斜めの位置といったところだろう。抜いた抜かれたというスクープの体験談も綴られているが、狭い世界の物語であって一般人にはピンと来ない。スクープと発行部数の相関関係って証明されているのかね?

ブルース・リー「学ぶことは、はじまりも終わりもないひとつの動きなのだ」


Bruce Lee.Enter the Dragon

2011-12-28

山井教雄


 1冊読了。

 75冊目『まんが パレスチナ問題』山井教雄〈やまのい・のりお〉(講談社現代新書、2005年)/イスラエル問題(※私の認識ではパレスチナ側に問題はない)のアウトラインがよくわかる内容でパレスチナ入門にはうってつけ。文献や根拠が明示されてないため最初は胡散臭く感じたが、片方に与(くみ)するところがなくリベラルな立場が窺える。ただし、様々な人物のセリフとして書くのは問題があるだろう。ユダヤ人とパレスチナ人の少年、そして猫の三者による鼎談(ていだん)として進行する。ラストで信じ難いほどの感動が待ち受けていた。「あとがき」も爽やかで清々(すがすが)しい。

ハゲと生足

2011-12-27

リビア政府スポークスマンが現地報告「シルト虐殺始まった」


 2011年10月1日。リビア政府代弁者イブラヒム・ムッサがシリアのテレビ局アライのインタビューに応じ戦況を報告。

フランス支配者層のイスラム教恐怖症 ブルカ禁止法


 2009年9月22日。イスラム教・イスラム教徒の悪魔化・侮辱的扱いはメディアだけでなく法律にも見られる。学校でのヴェ-ル禁止、ブルカ禁止法は、それに関する無数の­討論(番組も含め)や記事でイスラム教徒を強く問題視し貶める結果になった。この法律案の運動の裏にはフリーメイソンの存在が大きい。


ブルカ禁止法施行後、初の拘束 フランス

 顔全体を覆うベールの着用を禁止する法律が11日に施行されたフランスで同日、首都パリでの抗議行動中、体をすっぽりと覆い目だけを出す「ニカブ」を着用した女性2人が警察に一時拘束された。

 ただし女性たちはベールの着用ではなく、ノートルダム寺院(Notre-Dame Cathedral)前で発生したデモに参加したことが、無許可の抗議行動への参加とされ拘束された。しかし、同法の施行後であるため法律上では、公共の場で顔を見せることを拒否するイスラム女性に当局は罰金を科すことができる。

 拘束された1人、ケンザ・ドリデル(Kenza Drider)さん(32)は「わたしたちについてどうするか検察官が決めるまでの間、警察署に3時間半、拘束された。その後『いいでしょう。行っていい』と言われた」と語った。
 
拘束されるも罰金科されず

 ドリデルさんとは別に、実業家で活動家のラシド・ネッカ(Rachid Nekkaz)氏も、ニカブをかぶった女性の友人と一緒にいて、大統領府前で警察に拘束されたと語った。ネッカ氏はAFPの取材に「わたしたちはニカブをかぶっていたことで罰金を科されたかったが、警察のほうが罰金を科したがらなかった」と語った。

 ネッカ氏は今回の禁止法に反対しており、ベールをかぶっていて罰金を科された人の肩代わりするために、200万ユーロ(約2億4000万円)相当の自己資産を競売にかけ、基金を設立すると宣言している。

 一方、フランス警察は、同法に違反した人がいても強制的にベールをはがす権限は与えられておらず、さらにすでに緊張関係にある移民居住区で抵抗に遭う恐れもあり、施行はされたものの、同法の執行には困難があると懸念している。

AFP 2011-04-12

burqu

ダニエル・C・デネット

1冊挫折。

自由は進化する』ダニエル・C・デネット:山形浩生〈やまがた・ひろお〉訳(NTT出版、2005年)/前々から池谷裕二〈いけがや・ゆうじ〉以外の根拠を探す必要に駆られていた(「人間に自由意志はない」こと)。デネットの本はどれも厚いので正月に取り組もうと考えた。数ページ読んで「どうも文章がしっくりこないな」と思ったら、山形浩生の翻訳であった。彼の名前を見て潔くあきらめた。文体が問題なのははっきりしているのだが、自分でもよく把握していない。主語と述語の距離感かもしれない。とにかく肌が合わない。山形訳で読み終えたことがあるのは、ミルグラムの『服従の心理』のみである。興味があるテーマだけに残念極まりない。他だと自由意志で参考になりそうなのは、『量子力学の反常識と素粒子の自由意志』『量子力学の哲学 非実在性・非局所性・粒子と波の二重性』の2冊くらいしか見当たらない。決定論だと『行為と必然性 決定論的世界観と道徳性』か。生命現象の本質は「反応」であろう。「能動性」ではない。

本を裁断しデータ化する「自炊」を、まるごと否定できる人は幸せな人だ

僕は本を手で持てなくなってから、長いこと読書を諦めていました。でもその後、スキャンしてデータ化することを始めて、今では読書の喜びを取り戻しました。それができたときは、うれしかった。
Dec 26 via webFavoriteRetweetReply


痛ましく裁断なんかしなくても本が読めたら、どんなにいいか。大切な本を本棚に置いて蔵書できること、手にとって紙の感触を感じながらページをめくることができたら、どんなにいいか。 本を裁断しデータ化する「自炊」を、まるごと否定できる人は幸せな人だ。
Dec 26 via webFavoriteRetweetReply

2011-12-26

松井孝典、イングリッド・ベタングール、高岡英夫


 5冊挫折。

松井教授の東大駒場講義録 地球、生命、文明の普遍性を宇宙に探る』松井孝典〈まつい・たかふみ〉(集英社新書、2005年)

宇宙生命、そして「人間圏」』松井孝典〈まつい・たかふみ〉(ワック、2005年)

宇宙で地球はたった一つの存在か』松井孝典〈まつい・たかふみ〉(ウェッジ選書、2005年)/松井の著書は予想した内容ではなかったため後回し。文明論と思いきや、天文学であった。

それでも私は腐敗と闘う』イングリッド・ベタンクール:永田千奈〈ながた・ちな〉訳(草思社、2002年)/麻薬組織と癒着するコロンビアで不正を糾弾し続けた女性議員の手記。どれほど凄まじいかというと、本書を著した直後に著者が誘拐されている。 これは良書。ただし私が今読むタイミングではない。

だれでも「達人」になれる! ゆる体操の極意』高岡英夫(講談社+α文庫、2005年/運動科学総合研究所、2003年『カガヤクカラダ』改題、新版)/twitterで五十肩の痛みを訴えたところ、後輩が「ゆる体操」を教えてくれた。半分ほど飛ばし読み。発想が斬新。直ちに実践している。メソッドと呼吸法も読む予定。

NATO共犯のコソボ民族浄化と米軍事基地建設


 2002年ミシェル・コロンのドキュメンタリー映画抜粋。

フランス・メディアの「オーウェル化現象」


 仏記者リシャール・ラベヴィエール。2008年にイスラエル大使館の要請でラジオ・フランス・インターナショナルから解雇されたラベヴィエールは、シオニズムロビーの圧力でメ­ディアが単一思想を強制するオーウェル現象を告発する。

苛酷な美


 鍛冶職人の手である(インド)。厳粛なる生から苛酷な美が生まれる。左手の指が真っ直ぐにならないのは過去に折ったためだろうか。物語の重量が桁外れだ。

Blacksmith hands, India

ここに総ての人類が住んでいる


 ここに総ての人類が住んでいる
 愛する人も、知り合いも、友達も
 今までに存在した総ての人が
 ここで人生を送っている
 喜びも、悲しみも
 宗教も、思想も、経済主義も
 狩りをする人も、牧場で働く人も
 英雄も、卑怯な人も
 文明を築く人も、破壊する人も
 王も、農民も
 愛し合う夫婦、両親、目を輝かせている子供も
 発明家も、探検家も
 人の道を説く先生も、汚職する政治家も
 スーパースターも、偉人も
 聖者も、罪人も
 人類の歴史上すべての人が
 ここに住んでいる

(カール・セーガン)

楽しい!クリエイト作品!」より転載】

今年最も強烈だったのはこれ

2011-12-25

シオニスト弁護士クラースフェルド vs 「表現の自由」メナール


 2003年1月。ナチス狩りで有名なクラースフェルド夫妻の息子アルノ・クラースフェルドと国境なき記者団創始者ロベール・メナールによる討論。シオニストの冷笑的な態度が露呈している。

仏イスラエルロビーがメディアに圧力をかける


 9.11テロに関しアルカイダ説を否定する本を出版したティエリ・メサンを出演させた番組の司会者を仏ユダヤ人団体CRIFの代表が批判する。


 傲岸不遜な態度に反吐(へど)が出そうだ。

フランスの国会議員とイスラエルロビーがパレスチナ国家承認反対運動


 2011年9月20日。イスラエル支持の国会議員110人が国連のパレスチナ国家承認に反対する請願書をサルコジ大統領に提出した。


 植民地宗主国の思い上がりを見よ。

サルコジ

他者の苦痛に対するラットの情動的反応/『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』フランス・ドゥ・ヴァール


『迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか』シャロン・モアレム、ジョナサン・プリンス
『なぜ美人ばかりが得をするのか』ナンシー・エトコフ
『徳の起源 他人をおもいやる遺伝子』マット・リドレー

 ・“思いやり”も本能である
 ・他者の苦痛に対するラットの情動的反応
 ・「出る杭は打たれる」日本文化

『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール
フランス・ドゥ・ヴァール「良識ある行動をとる動物たち」
『道徳性の起源 ボノボが教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール
『ママ、最後の抱擁 わたしたちに動物の情動がわかるのか』フランス・ドゥ・ヴァール
『人類の起源、宗教の誕生 ホモ・サピエンスの「信じる心」がうまれたとき』山極寿一、小原克博

「他者の苦痛に対するラットの情動的反応」という興味ぶかい標題の論文が発表されていた。バーを押すと食べ物が出てくるが、同時に隣のラットに電気ショックを与える給餌器で実験すると、ラットはバーを押すのをやめるというのである。なぜラットは、電気ショックの苦痛に飛びあがる仲間を尻目に、食べ物を出しつづけなかったのか? サルを対象に同様の実験が行なわれたが(いま再現する気にはとてもなれない)、サルにはラット以上に強い抑制が働いた。自分の食べ物を得るためにハンドルを引いたら、ほかのサルが電気ショックを受けてしまった。その様子を目の当たりにして、ある者は5日間、別のサルは12日間食べ物を受けつけなかった。彼らは他者に苦しみを負わせるよりも、飢えることを選んだのである。

【『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』フランス・ドゥ・ヴァール:藤井留美訳(早川書房、2005年)】

 既に二度紹介しているのだが、三度目の正直だ。

ネアンデルタール人も介護をしていた/『人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」』三井誠

 カラパイアで米シカゴ大学チームの実験動画が紹介されていた。

ネズミは仲間を見捨てない(米研究)

 興味深い映像ではあるが、実験手法の有効性には少々疑問が残る。っていうか、わかりにくい。

 動画より下に書かれているカラパイアの記事は完全な誤読である。フランス・ドゥ・ヴァールが明らかにしたのは、共感や利他的行為も本能に基づいている事実である。つまり、群れ――あるいは同じ種――の内部で助け合った方が進化的に有利なのだ。

 もちろん、これを美しい物語に仕立てて本能を強化することも考えられるが、実験結果を読み誤ってはなるまい。

チンパンジーの利益分配/『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール

 強欲は子孫を破滅させる。世紀末から現在に至る世界の混乱は、白人文化の終焉を告げるものだと思う。



英雄的人物の共通点/『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
ラットにもメタ認知能力が/『人間らしさとはなにか? 人間のユニークさを明かす科学の最前線』マイケル・S・ガザニガ
マネーと言葉に限られたコミュニケーション/『お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」』大村大次郎
大塩平八郎の檄文/『日本の名著27 大塩中斎』責任編集宮城公子

光あれ


 闇を裂いて曙光が射す。2012年に光あれ。

Großmutter

2011-12-24

大橋力


 1冊挫折。

音と文明 音の環境学ことはじめ』大橋力〈おおはし・つとむ〉(岩波書店、2003年)/安田喜憲著『一神教の闇 アニミズムの復権』で世界的な評価を受けていると紹介されていた一冊。プロフィールを見てびっくりしたのだが、大橋は芸能山城組の主催者であった。映画『AKIRA』の音楽も手掛けている。定価4400円の大冊でよほど腰を据えてかからないとダメ。ビタミン同様、人間には「必須音」があるという。森で安らぎを感じるのは意識に上らぬ音が心地よいためであった。そして実は都会よりも森の方が音が賑やかであるとのデータには驚愕した。「音の環境学」の嚆矢(こうし)にして決定版といってよい。耳根得道(にこんとくどう)を考える上でも重要な資料だ。

国家崇敬に差異はあるのか?

仏シオニスト偽装人道的介入「SOSシリア」


 2011年7月4日。ベルナール=アンリ・レヴィの主催したシオニスト著名人を集めたパリの会合は、シリア政権打倒へ人道的介入という口実を与えるために他ならない。


 魔法使いみたいな顔つきをしている。これほどまでに自我が肥大した人物を見たことがない。

ベルナール=アンリ・レヴィ

ウゴ・チャベス カダフィからの書簡 2011年8月1日


 ベネズエラ大統領はリビア指導者ムアンマル・アル・カダフィから受け取った書簡を発表し、NATO軍事介入批判とカダフィ、リビア国民への支持を新たに表明する。

2011-12-23

石川知裕


 1冊読了。

 74冊目『悪党 小沢一郎に仕えて』石川知裕〈いしかわ・ともひろ〉(朝日新聞出版、2011年)/「人間・小沢一郎」が飾らぬ言葉で綴られている。石川は見るからに好青年である。畏敬の念が行間から滲み、時折盛り込まれる「当たり前だろうが」などといった本音がまた面白い。小沢の素顔を描いて出色の出来。小沢との巻末対談に至っては編集の手すら入っておらず、テープ起こしと思われる文章がそのまま掲載されている。小沢は実に素っ気ない態度で写真に収まっている。好き嫌いは分かれるだろうが、やはり大人物だ。何らかの政治信念を持つ政治家はいるだろうが、小沢のように確固たる原理・原則を有する政治家はまずいない。

光の道


 湖であろうか。光の雫(しずく)が水面(みなも)に一筋の道をつくる。光があり、水があり、空気がある。これが縁起である。それは依存ではなく、互いが互いを照らし合う関係だ。フィルターの掛け具合がちょっとあざとく、ありのままの美しさを損なっている。

I believe in father Xmas...ON EXPLORE

大川隆法総裁が金正日氏の霊と金正恩氏の守護霊を招霊


【スクープ】大川隆法氏がメモリ不足でフリーズ「自分の生き霊呼び出して…」

ルワンダの大量虐殺で2被告に終身刑 国際犯罪法廷


 アフリカ中部ルワンダで80万人あまりが殺害された大量虐殺事件の首謀者らを裁く国連のルワンダ国際犯罪法廷は21日、ジェノサイド(集団虐殺)や人道に対する罪に問われた同国の元閣僚2人に終身刑を言い渡した。

 当時のルワンダ与党幹部だったカレメラ元内相ら被告人2人は、ジェノサイドを扇動し、強姦や暴行、殺人などに関与したとして有罪判決を言い渡された。国際犯罪法廷は、両被告が犯罪集団を組織して民兵や殺人部隊を雇い、武器などを供給したと認定した。

 ルワンダの大量虐殺事件では、1990年代にフツ人の一部政治エリートが少数派のツチ人に対する憎しみをあおるプロパガンダを展開、94年4月6日にフツ人の大統領を乗せた航空機が撃墜された事件が引き金となって、フツ人によるツチ人の大量虐殺が始まった。

 国連の推計では20万人がこの虐殺に加担し、ツチ人を中心に女性と子どもを含む80万人あまりが殺害された。穏健派のフツ人も犠牲になった。

CNN 2011-12-23

Rwanda: 15 years on - photostory 3

『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』レヴェリアン・ルラングァ
『生かされて。』イマキュレー・イリバギザ、スティーヴ・アーウィン
ルワンダ大虐殺の始まり/『ジェノサイドの丘』フィリップ・ゴーレイヴィッチ

チェコのハベル前大統領、75歳で死去 ビロード革命を主導


 旧チェコスロバキアで共産政権を無血で崩壊させた「ビロード革命」を主導したバツラフ・ハベル前チェコ大統領が18日、死去した。75歳だった。

 報道担当者の声明によると、同氏は夫人に見守られながら、眠るように息を引き取った。

 ハベル氏は劇作家から反共産政権の活動家に転じ、4年半に及ぶ収監を経て1989年のビロード革命を率いた。同年チェコスロバキアの大統領となり、93年のスロバキア分離後にチェコ初代大統領も務めた。

 思索の深さや演説の長さで知られる一方、ユーモアのセンスも持ち合わせ、大統領在任中は官邸の廊下をスクーターで走り回っていた。ロック音楽を愛し、同国のバンド「プラスティック・ピープル・オブ・ザ・ユニバース」の逮捕をきっかけに、共産党政権の人権侵害に抗議する「憲章77」を起草したとされる。

 ノーベル平和賞の候補者として何度も名前が挙がり、昨年受賞した中国の民主化運動家・劉暁波氏への支援でも中心的な役割を果たした。

 96年に肺がんの切除手術を受け、余命数年の宣告を受けていたとされる。今年3月にはCNNとのインタビューで、中東の民主化運動「アラブの春」と20年余り前の中・東欧民主化との共通点を指摘。自由へのあこがれが雪だるま式に成長し、「雪崩」を起こしたと話していた。

 英国のヘイグ外相は同氏を「冷戦下で東欧民主化への扉を開いた英雄」とたたえた。米国のオバマ大統領は声明で「世界何百万の人々と同様、私もハベル氏の言葉と指導力に影響を受けた」と述べた。

CNN 2011-12-19

Vaclav Havel, Klaus Schwab, Prince Charles - World Economic Forum Annual Meeting 1992

Goodbye VH!

Mourning for the Republic

Vaclav Havel Memorial

2011-12-22

矢野絢也


 1冊読了。

 73冊目『乱脈経理 創価学会 vs. 国税庁の暗闘ドキュメント』矢野絢也〈やの・じゅんや〉(講談社、2011年)/これは面白かった。何といっても読み物としてよくできている。単なる暴露本で終わっていない。抑制された筆致がストーリーの幅を膨(ふく)らませているのだ。マンモス教団の乱脈経理もさることながら、最大の問題は公明党が創価学会の私党と化していることだ。矢野は自ら行った各所への口利きを赤裸々に綴っている。それにしてもこれほどの汚れ仕事をやらせておきながら、10年後には聖教新聞で罵倒の限りを尽くし、切り捨てるのだから恐ろしい。本書を先に読んでから、『黒い手帖 創価学会「日本占領計画」の全記録』を開くことをお勧めする。税務調査を手加減させた最大の功績者である竹下登元首相を裏切る場面には衝撃を受けた。公明党は「政治と金」を糾弾する前に「宗教と金」の問題を明らかにするのが筋だ。

治安維持の強化


 治安維持の強化という動向が世界規模で見受けられる。要は「大衆が暴動を起こさざるを得ない情況」がこれから現れることを意味するのだろう。大学生は既に就職氷河期によって牙をもぎ取られている。それゆえ1960年代の学生運動は起こり得ない。環境史では地球の寒冷期に戦争が起こることが判明している。地球温暖化は操作されたデータによる国際規模の詐欺と考えられるが、経済格差という心理的な寒冷が世界各地で擾乱(じょうらん)を招くに違いない。警察という暴力装置が権力者の走狗となって国民に暴力を振るう様をしかと見よ。

イスラエルの人権侵害・戦争犯罪に加担する企業


 2010年12月16日、ラッセル法廷がイケアボルボヴェオリアなどの企業をイスラエルの権利侵害行為の共犯と定めた。

9.11テロ ペンタゴン演出に関わったタクシー運転手


 タクシー運転手ロイド・イングランドは、飛行機が南側から来たとする公式説の証拠とされた街灯の破損を裏付ける証言を行っていた。ところが、目撃者は全員「飛行機」がそれ­とは異なるルートでペンタゴンに向かっていたことを証言した。ロイドはかつての証言を正当化するため、自分の車に街灯が突入したのは街灯の立っていた橋から遠いペンタゴン­の近くだったと主張する。

目撃された人々 25


 めじろ台駅の前の道を城山方面へ向かうと山王坂がある。我が家からだと上り坂だ。殆どの人が坂の下で自転車を降りて押してゆく。私の自転車は「バイク」と呼べるほどの代物ではないが、21段変速なので何とか必死で漕(こ)いでゆく。ほぼ体力の限界に近い。

 昨日、坂の下で3人の小学生が自転車を降りた。私は彼らを追い越した。坂の中ほどに掛かった時、私は自転車を押す小学生に抜かれた。少なからずショックを受けた。まだ低学年と思われる彼らは、半ズボンに長袖という軽装であった。まったく信じ難い話だ。私はといえばヒートテック上下、靴下2枚重ね、タートルネックの上にポケットがたくさん付いたベスト、ネックウォーマー、厚手の手袋とウールの帽子、そして防寒ズボンとダウンパーカーを着用していた。八王子の寒さはかくも手強いものだ。

 私は二重のショックを受けた。3日間ほど寝込んでやりたい心境だ。太い溜息を吐いて呟いた。「わかったわかった、俺の負けだよ」と。そして「君らに譲るよ。未来を」と。

 坂の上に栄光はなかった。少し心地よい敗北感が空に向かって広がっていった。

目撃された人々(旧)

宇宙が3次元になった仕組みを説明


 現在の宇宙空間が「タテ・ヨコ・高さ」の三つの次元からなる姿になった仕組みを、日本の研究グループが、世界で初めて、スーパーコンピューターによる計算で説明することに成功し、どこかに存在する可能性が指摘されている「別の宇宙」の研究にもつながるものとして注目されています。

 私たちの宇宙の姿は「タテ・ヨコ・高さ」の三つの次元から出来ていますが、現代物理学の理論では、137億年前にビッグバンによって宇宙が誕生する前の極めて微小な空間には、ほかに六つの次元があったとされ、なぜ三つの次元になったのかが謎になっています。茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構などのグループは、ビックバンが起きる前に、九つあった次元がどのように変化したのか調べるため、独自の計算式によって、ことし2月から京都大学にあるスーパーコンピューターで分析を進めてきました。その結果、九つの次元のうち、「タテ・ヨコ・高さ」の三つだけが急速に膨張して、残りの六つの次元は膨張せずに小さいままとどまったことを、世界で初めて計算によって説明することに成功したということです。

 次元は宇宙空間の広がり方を決める基本的な材料とも言える存在で、さまざまな次元の実態が解明できれば、私たちの宇宙以外にも「別の宇宙」が存在するのかという謎にも迫れる可能性があります。研究グループは、今回の計算方法を発展させると残りの六つの次元の解明につながる可能性もあるとして、研究を進めることにしています。この研究成果は、来年1月4日にアメリカの科学誌「フィジカル・レビュー・レターズ」のオンライン版に掲載されます。

NHKニュース 2011-12-22

光は年をとらない/『エレガントな宇宙 超ひも理論がすべてを解明する』ブライアン・グリーン

人間はパンドラの箱をこじあけ、原子力を盗み出してしまった


 人間にガイガーカウンターがついていないのは、地球上に放射能の危険がないからである。ところが、人間はパンドラの箱をこじあけ、原子力を盗み出してしまった。そして、広島と長崎に原子爆弾を投下し、福島第1原発のメルトダウンを引き起こした。日本は2度の放射能汚染にさらされたのである。最初はアメリカによって、2度目は日本人自らの手によって。

週刊スモールトーク

2011-12-21

縁起と人間関係についての考察/『子供たちとの対話 考えてごらん』 J・クリシュナムルティ


自由の問題 1
自由の問題 2
自由の問題 3
欲望が悲哀・不安・恐怖を生む
教育の機能 1
教育の機能 2
教育の機能 3
教育の機能 4
・縁起と人間関係についての考察
宗教とは何か?
無垢の自信
真の学びとは
 ・「私たちはなぜ友人をほしがるのでしょうか?」
 ・時のない状態
 ・生とは
 ・習慣のわだち
 ・生の不思議

 ランスケさんとの出会いは、レヴェリアン・ルラングァ著『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』によってであった。一冊の本を通して人と人とが邂逅(かいこう)する。何と不思議なことか。最初にコメントがあり、ランスケさんのブログで私の記事を紹介していただいた。

「ルワンダ大虐殺」及び「ルワンダの涙」

 我がブログは反応らしい反応が乏しいこともあって、大変ありがたかった。また私が綴る諸法無我についても敏感に応じてくださった。感受性の鋭い人は侮れない。彼の文章に私も思うところがあった。

 そこで議論、というよりは私自身の考えを確認する意味でこの一文を書いておこう。

 諸法無我という言葉(キーワード)が、重苦しい閉塞感の先に光明を見出す切っ掛けとなるだろうか?
 自我という実体が幻想なら、私という記号は人やモノとの関係性のなかで常に変化するのなら、
 私は「自我の地獄」から解放される。
 それは地球上のすべての生物種がそうであるように、
 人も生命の循環のなかに組み込まれた一つの生物種であることの証明だろう。
 人だけが自我という主体を持つ別個の存在という発想の方が歪に思えてくる。
 その関係性は「縁起」であり「慈悲」へと辿り着くのなら、これは幸福のかたちではないだろうか?

Landscape diary ランスケ ダイアリー

「自我の地獄」とは言い得て妙である。「地」は最低を意味し、「獄」には束縛の義がある。我々は生命を自我に閉じ込めてしまった。

 欲望を巡って幸不幸が位置する。大衆消費社会における幸福とは欲望の充足である。矢沢永吉は「愛も金で買える」と嘯(うそぶ)いてみせた(『成りあがり』)。

 で、欲望は「私」に基づいている。もう一歩踏み込もう。私とは「私の欲望」である。

 自我は版図(はんと)の拡大を目指す。我々がこれほど所有に執着するのは、所有物をもって自我を延長・拡大するためと考えられる。財産はもとより学歴、家柄、氏素性に至るまで他人との差別化を図れるものは全て自我に収束される。

 人が権力に憧れる理由もここにある。より多くの大衆を「手足のように」コントロールするところに権力の本質がある。男性にメカマニアが多いのも頷ける。機械は正確に応答するからだ。拳銃は機能性や様式美もさることながら、離れた場所に位置する人物の生殺与奪を決定する力が男の本能に強く訴えるのだろう。

 縁起=諸法無我とは具体的にいえば「コントロール性から離れる」ことを意味する。仏典では権力に潜む魔性を「第六天の魔王」と説く。これを略して天魔と称する。第六天とは有頂天のこと。天は人間界の上に位置する。別名を「他化自在天」(たけじざいてん)とも。他人を化すること自在というのが権力現象とってよい。

 これは本能に基づいたコミュニティがヒエラルキー構造を避けられないことを示していると思う。ブッダが生まれる以前からカースト制度は存在した。それゆえ弱肉強食からの超脱と考えることも可能だろう。

 もう一つ付け加えておくと、仏法が理解されにくいのは我々が幸福を求めるのに対して、ブッダは苦からの解放を説くという微妙な擦れ違いがあるためだ。厳密にいえばブッダが教えたのは幸福になる道というよりは、自由への直道(じきどう)であった。

 前置きが長すぎた。本論に入ろう。

 ただし、私は縁起は人との関係性を含むと思います。世界との繋がりは、生けるもの全てを呑みこんだ連綿と続く循環だと信じたい。

Landscape diary ランスケ ダイアリー:コメント欄

 私は次のように書いた。

 生は諸行無常の川を流れる。時代と社会を飲み込んでうねるように流れる。諸法無我は関係性と訳されることが多いが、これだと人間関係と混同してしまう。だからすっきりと相互性、関連性とすべきだろう。「相互依存的」という訳にも違和感を覚える。

自我と反応に関する覚え書き/『カミとヒトの解剖学』 養老孟司、『無責任の構造 モラル・ハザードへの知的戦略』 岡本浩一、他

 また次のようにも書いた。

 最近になって気づいたのだが、ここで説かれる関係性とは「能動的な関わり」を勧めたものではない。ただ、「これがあれば、あれがある」としているだけである。すなわち教育的な上下関係ではなくして、存在の共時性を示したものと受け止めるべきだろう。

クリシュナムルティの縁起論/『人生をどう生きますか?』J・クリシュナムルティ

 大抵の人間関係は自我に基づいている。国家とは自我である。アイデンティティを規定するのは所属である。「私」が空虚であれば、最終的にしがみつくものは国家しかない。すなわち「私は日本人である」ということが自我の規定となる。

 大阪高等学校寮歌に「君が愁いに我は泣き 我が喜びに君は舞う」との美しい一節がある。かくの如き友情でありたいと私も願う。だが醒めた目で見つめると、その同一性、一体性が戦争の原因ともなり得ることに気づく。

 私が32歳の時、わずか半年の間で6人の後輩を喪ったことがある。文字通り涙が涸(か)れるまで泣いた。その後私は泣くことができなくなったほどである。それこそ身体の一部をもぎ取られるような感覚に陥った。ご家族の哀しみは想像にあまりある。私は彼らの死を力任せに引きずって生きてきた。彼らは私の胸で生き続けた。

「生きとし生けるものは必ず死ぬ」――そんな当たり前の真理に目をつぶりながら賃金を得るため身を粉にして働き、どうでもいいものに金をかけ、刺激を求めることに余念がなく、人の役にも立たない趣味にうつつを抜かし、のんべんだらりとブログを綴っているという寸法だ(※最後のは私のことね)。

諸君は永久に生きられるかのように生きている/『人生の短さについて』セネカ

 そして自我に基づいた人間関係は必ず依存へと向かう。

 現在、自由というようなものはないし、私たちはそれがどのようなものかも知りません。自由にはなりたいけれども、気づいてみると、教師、親、弁護士、警察官、軍人、政治家、実業家と、あらゆる人がおのおのの小さな片隅で、その自由を阻むことをしています。自由であるとは単に好きなことをしたり、自分を縛る外の環境を離れるだけではなく、依存の問題全体を理解することなのです。依存とは何か、知っていますか。君たちは親に依存しているのでしょう。先生に依存して、コックさんや、郵便屋さん、牛乳を届けてくれる人に依存しています。このような依存はかなり簡単に理解できるのです。しかし、自由になる前に理解しなくてはならない、はるかに深い種類の依存があるのです。つまり、自分の幸せのための、他の人に対する依存です。自分の幸せのために誰かに依存するとはどういうことか、知っていますか。それほどに人を縛るのは他の人への単なる物理的な依存ではなくて、いわゆる幸せを招来するための、内面の心理的な依存です。というのは、誰かにそのような依存をしているときには、奴隷になってゆくからです。年をとるなかで、親や妻や夫や導師(グル)、ある考えに情緒的に依存しているなら、すでに束縛が始まっているのです。私たちのほとんどは、特に若いときには自由になりたいと思うけれども、このことを理解していないのです。
 自由であるには、内的なすべての依存に対して反逆しなくてはなりません。そして、なぜ依存するのかを理解しなければ、反逆はできないでしょう。内的な依存のすべてを理解して、本当に離れてしまうまで、決して自由にはなれません。なぜなら、その理解の中にだけ自由はありうるからです。しかし、自由は単なる反動ではありません。反動とは何か、知っていますか。もし私が君を傷つけるようなことを言ったり、悪口を言うなら、君は私に対して怒るでしょう。それが反動で、依存から生まれた反動です。自立はさらに進んだ反動です。しかし、自由は反動ではありません。反動を理解して、それを超えるまで、決して自由ではないのです。
 君たちは、人を愛するとはどういうことか、知っていますか。樹や鳥やペットの動物を愛するとはどういうことか、知っていますか。何も報いてくれないかもしれないし、木陰を作ってくれたり、ついてきたり、頼ってくれたりしないかもしれないけれども、世話をし、餌をやり、大事にするのです。私たちのほとんどはそのように愛していないし、私たちの愛はいつも心配や嫉妬や恐怖に閉ざされているために、それがどういうことかもまったく知りません。それは、私たちが内的に人に依存していて、愛されたがっているということを意味しています。私たちはただ愛して、放っておかず、何か報いを求めます。そして、まさにその求めることで、依存するのです。
 それで、自由と愛は伴います。愛は反動ではありません。君が愛してくれるから愛するのでは、単なる取り引きで、市場で買える物なのです。それでは愛ではありません。愛するとは、何の報いも求めないし、与えていることさえも思わないことなのです。そして、自由を知りうるのはそのような愛だけです。しかし、君たちはこのための教育を受けていないでしょう。君たちは数学や化学や地理や歴史の教育を受けて、それで終わりです。なぜなら、親の唯一の関心は、君たちがよい仕事を得て、人生で成功するように助けることですから。親がお金を持っているなら、君たちを外国に行かせてくれるかもしれません。しかし、親のすべての目的は世間と同じで、君が豊かになり、社会の中で立派な地位を得ることなのです。そして、上に昇れば昇るほど、君たちは他の人々にもっと多くの悲惨を引き起こします。なぜなら、そこにたどり着くために競争し、非情にならなくてはならないからです。それで、親は野心と競争があり、まったく愛のない学校に子供を送ります。そのために、私たちのところのように社会は絶えず腐敗してゆき、絶えまない闘いの中にあるわけです。そして、政治家や裁判官、いわゆる土地の貴族が平和について語っても、何の意味もないのです。
 そこで、君と私はこの自由の問題全体を理解しなくてはなりません。愛するとはどういうことかを自分自身で見出さなくてはなりません。なぜなら、愛していなければ、決して思慮深く、注意深くなることはできないからです。決して思いやることができないからです。思いやるとはどういうことか、知っていますか。大勢の素足が歩く道に尖った石が落ちているのを見たら、それをどけるのです。頼まれたからではなく、他の人を気づかうのです。その人が誰であろうと問題ではありません。その人にはまったく会わないかもしれません。木を植えて大事にしたり、河を見て地球の豊かさに歓喜する。飛んでいる鳥を観察し、その飛翔の美しさを見る。この生というとてつもない動きに敏感で、開いている――これらには自由がなくてはなりません。そして、自由であるには、愛さなくてはなりません。愛がなければ自由はありません。愛がなければ自由は単に、まったく価値のない考えにすぎません。それで、自由がありうるのは、内なる依存を理解して離れ、そのために愛とは何かを知る人だけなのです。そして、新しい文明、違う世界をもたらすのは、彼らだけでしょう。

【『子供たちとの対話 考えてごらん』J・クリシュナムルティ:藤仲孝司〈ふじなか・たかし〉訳(平河出版社、1992年)】

 同一化とは依存であり、依存は形を変えた所有である。そして自我は蓄積物でいっぱいになる。

あらゆる蓄積は束縛である/『生と覚醒のコメンタリー 2 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ

 2年前に父が死んだ。まともに会話をするようになったのは私が結婚してからのことだった。「もう少し……」という思いは確かにある。もう少し教えてもらいたかったこともあるし、もう少し親孝行もしたかった。だが父は死んだ。私は生きている。私は父と共に生きている。やがて私も死ぬ。

 我々は自分の周囲の死を嘆き悲しむ一方で、他人の死を深く心にかけることがない。世界が不幸に覆われている原因はその辺りにあるのだろう。



Krishnamurti with Students, Rishi Valley, India.

死者数が“一人の死”を見えなくする/『アラブ、祈りとしての文学』岡真理

プラズマ状態はどうなった状態ですか?


ベストアンサーに選ばれた回答

 校庭に小学生を集めたとします。きちんと整列してる状態が「固体」、並ばずに適当にその辺でワイワイやってるのが「液体」、みんな自分勝手に散らばって遊んでるのが「気体」、半狂乱になってスッポンポンで走り回ってるのが「プラズマ」です。プラズマ状態では原子についてた電子が取れ、イオンの状態で飛び回っています。

saiphysさん

東北地方太平洋沖地震 発生地点・規模・時刻分布図(2011/10/15)


2011年1月1日00:00~10月15日00:00に日本周辺で発生したM3.0以上の地震まとめ

 この分布図は個人が作成した非公式な情報です。気象庁が公表した資料を参照しています。M3.0以上の地震をまとめています。



写真集 THE DAYS AFTER東日本大震災の記憶TSUNAMI3・11: 東日本大震災記録写真集報道写真全記録2011.3.11-4.11 東日本大震災河北新報特別縮刷版 3.11東日本大震災1ヵ月の記録

DVD 東日本大震災の記録〜3.11宮城〜東日本大震災 被災ケーブルテレビ局が捉えた魂の記録映像 (秘蔵映像DVDムック)海上保安官が見た巨大津波と東日本大震災復興支援(海上保安庁DVDシリーズVol.1)プレス盤3.11 東日本大震災の真実 ~未曾有の災害に立ち向かった自衛官「戦い」の現場~ [DVD]

プリーモ・レーヴィ


 1冊読了。

 72冊目『アウシュヴィッツは終わらない あるイタリア人生存者の考察』プリーモ・レーヴィ:竹山博英訳(朝日選書、1980年)/『溺れるものと救われるもの』に向かって、まずは一合目をクリア。27歳の若者が地獄を謳い上げた事実に驚嘆する。それにしても何と美しい文章なのだろう。思わず書き写したい衝動に駆られた。原題は『これが人間か』。瑞々しい言葉で描かれる地獄と死が人間の闇と光を示す。

2011-12-20

脳を若く保ちたいなら食事は少なめに、米研究


 少なめの食事を続けると脳を若く保てる可能性があることがマウスの実験で明らかになったとする論文が、19日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。

 カロリー制限をしたマウスはカロリー制限をしなかったマウスに比べ、認知能力と記憶能力が高く、攻撃性が少なく、アルツハイマー病を発症しないか発症が遅れる傾向があることは知られていたが、その詳しい理由は分かっていなかった。

 イタリア・ローマ(Rome)の聖心カトリック大(Catholic University of Sacred Heart)医学部のジョバンバッティスタ・パーニ(Giovambattista Pani)氏のチームは、長寿と脳の活発な働きに関連した遺伝子群を活性化させるタンパク分子「CREB1」に着目し、マウスで実験を行った。CREB1は記憶、学習、不安抑制などの重要な脳機能を制御し、その活動は加齢とともに低下することが知られていた。

 今回の研究で、CREB1を持ったマウスとCREB1を持たないよう遺伝子を改変したマウスに通常の約70%の量の食事を与え続けたところ、後者のマウスは記憶力で前者に劣った。CREB1を持たないマウスの脳機能は食べ過ぎのマウスの脳の場合と同じだった。

 パーニ氏は、「この発見を基に、脳を若く保って脳の退化や老化を防ぐための治療法が確立されるかもしれない」と話した。

 米ニューヨーク(New York)にあるザッカーヒルサイド病院(Zucker Hillside Hospital)の神経科長、マーク・ゴードン(Marc Gordon)氏は、中年時代に肥満だった人が後になって認知症を発症することがあるが、その原因を探る上で今回の結果は有意義だと指摘した。

AFP 2011-12-20

貧富の差

今年一年のハリウッド映画感がハンパなさすぎる

ええ!ビンラディンとカダフィと金正日が死んで日本で大地震と大津波が起こって原発がメルトダウンしてEUが経済危機でウォール街でデモが起こるとか、今年一年のハリウッド映画感がハンパなさすぎるのかい?今頃トム・クルーズが陰謀と戦ってたりするのかい?
Dec 19 via webFavoriteRetweetReply

CIAのサルコジ作戦


 CIAがいかにしてその諜報員をフランス共和国大統領に据えたか。ニコラ・サルコジの素性と経歴から明らかになるアメリカ、コルシカ、ロスチャイルド(イスラエル)のコネ­クション。2008年7月19日発表政治評論家ティエリ・メサンの論文より。


サルコジ

強姦された女性「加害者と結婚するしかない」、アフガニスタン


 アフガニスタンのグルナス(Gulnaz)さんは、親類の男に性的暴行を受けて姦通罪で有罪となった後、赦免され釈放された。だがグルナスさんは、兄弟から殺害の脅しを受けており、自分に性的暴行を加えた男と結婚せざるをえなくなっている。

 自分の正確な年齢を知らず、20~21歳くらいだというグルナスさんは、青いブルカ(イスラム教徒の女性の顔や体を覆う衣装)を身につけて、静かな口調でAFPの取材に応じた。取材中、グルナスさんの足もとの床では、加害者との間に生まれた娘が遊んでいた。

「私は、彼と結婚しなければならない。子どもの父親が必要です。娘の世話をして、私たちに住むところを与えてくれる人が必要です」と、グルナスさんは語った。

「住むところがありません。私の兄弟たちは、私と私を襲った男と娘を殺すと誓いをたてました」

性的暴行受け、「道徳上の罪」で有罪に

 グルナスさんはいとこの夫に性的暴行を受け、「道徳上の罪」をおかした罪で2年間服役し、13日に釈放された。アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領が1日、国際社会からの批判を受けてグルナスさんの赦免を決定したが、実際の釈放までにはそれからさらに2週間がかかった。

 グルナスさんは現在、超保守的なアフガニスタン社会で、娘と自分の安全を確保し、家族の名誉を取り戻すために、自分を襲った男と結婚することを余儀なくされている。

 グルナスさんを支援する活動家らは、アフガニスタンにありふれているこういった迫害を「(旧支配勢力の)タリバン(Taliban)時代の遺物」と呼び、アフガニスタンの民主化を目指して行われた米軍主導の進攻から10年が過ぎても続く、女性の権利の低さを訴えている。

 グルナスさんは、警察に性的暴行を受けたことを申し立て、拘束された。

「男を逮捕してと政府に請願したけれど、捕らえられたのは私だった。私は無実なのにどうして拘束されたの?」と、グルナスさんは語る。

「加害者と結婚」が唯一の選択肢か

 グルナスさんはカブール(Kabul)の刑務所内で赤ちゃんを育てた。釈放後の今も、身の危険をおそれ、非公開の場所にある女性用の避難施設の中での生活を強いられている。

 グルナスさんの弁護士を務める米国人のキンバリー・モトリー(Kimberley Motley)氏は、「(グルナスさんは)自分自身と娘を守るための最善の方策を模索している」と語る。だが、加害者の男は5年先まで服役中の見通しで、男と結婚して先に進むことも難しい。

「不幸なことに、女性が暴行された被害者だったとしても、自分を襲った男を受け入れて結婚することが、女性が自分の身を守るための最善の方策であると考える文化がある」と、モトリー氏は語る。「残念ながら、このようなタリバン時代の遺物が今もなおアフガニスタン文化に影響力を持っているのだ」

 国際NGOオックスファム(Oxfam)が10月に発表した報告書によると、アフガニスタン女性の87%が、肉体的・精神的・性的暴力または強制結婚の被害に遭っている。

 モトリー氏は、赦免を決定したことで、カルザイ大統領や検察当局は、性的暴行の被害者の女性たちを起訴するべきでないと認識したことになると指摘する。

「娘を学校に通わせたい」

 グルナスさんは、自分の事件に関心が寄せられたことに感謝しているという。多くの女性はそのような幸運に恵まれない。

「私は恐れていません。彼は私を受け入れました。私も彼を受け入れました」と、グルナスさんは語る。

「娘を学校に通わせたい。彼女に医師になってほしい」

AFP 2011-12-20

独裁者が69歳で死亡説デマ。数字遊びは洗脳に誘い込む入口


 しかし、少し危険性を感じるのは、カルト宗教はこのような人間の習性をとことん熟知して、それをカルトに引きずり込む「道具」にしているということだ。

 このような「数字遊び」はカルト宗教の独壇場なのである。

 つまり、ありもしない数字の意味を解析しようとするのは、カルトの手口になっていることを知ったほうがいいということだ。

鈴木傾城〈すずき・けいせい〉

人間は偶然を物語化する/『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ
相関関係=因果関係ではない/『精神疾患は脳の病気か? 向精神薬の化学と虚構』エリオット・S・ヴァレンスタイン
神は神経経路から現れる/『脳はいかにして〈神〉を見るか 宗教体験のブレイン・サイエンス』アンドリュー・ニューバーグ、ユージーン・ダギリ、ヴィンス・ロース

大川小の行方不明者捜索自衛官に勇気を与えた小学生の手紙


 東日本大震災では10万人もの自衛官が派遣された。救った人名は2万人にも上る。だが、彼らの奮闘はこうした数字だけでは推し量れないものも数多く存在する。そこでSAPIOは多くの自衛官にインタビューし、その埋もれたエピソードを発掘した。今回は宮城県石巻市立大川小学校で行方不明者の捜索に携わった自衛官たちに話を聞いた。



 石巻を襲った津波による最大の悲劇の一つが大川小学校の壊滅だった。石巻市立大川小学校は、児童108人のうち74人が死亡または行方不明となった。学校周辺や校舎内では、自衛隊による必死の不明者捜索が行なわれ、瓦礫や汚泥が取り除かれた。そして震災から約1か月後。
「すいません!」
 4月6日、大川小学校近くの追波川河川運動公園に設けられた宿営地内を歩いていた第14戦車中隊(岡山)の石井宣広3曹は、突如、背後から声を掛けられた。
 その可愛らしい声の主は、ワンピースを着た小さな女の子だった。少女は、振り向いた石井3曹にこう言った。
「これ、読んでください……」
 石井3曹に封筒を渡した少女は、名前も告げずに走り去っていった。少女は、母親と思しき女性の運転する車でやってきて、偶然近くを歩いていた石井3曹に手紙を渡したのである。
 そこには、覚えたてのたどたどしい文字でこう綴られていた。
〈じえいたいさんへ。
 げん気ですか。
 つなみのせいで、大川小学校のわたしの、おともだちがみんな、しんでしまいました。でも、じえいたいさんががんばってくれているので、わたしもがんばります。
 日本をたすけてください。
 いつもおうえんしています。
 じえいたいさんありがとう。
  うみより〉
 石井3曹は込み上げるものを必死で堪えた。
「胸がいっぱいになりました……。あの頃は、発災から1か月が経とうとしており、疲れもたまっていたのですが、あの手紙で、『明日からも頑張るぞ!』と皆、勇気が湧いてきたのです。そして自分たちのやっていることが人々のためになっているんだ、とあらためて認識しました」
 その後、この手紙は第14旅団長・井上武陸将補の陣取る女川の指揮所に届けられ、たちまち各派遣部隊に伝わった。
 井上旅団長は言う。
「手紙を見た時は、もう体中の血が逆流するほどの思いでした。『よし、どんなことがあっても全員を捜し出すぞ!』という思いが漲ってきましたよ。うみちゃんは、どんな思いでこの手紙を書いてくれたんだろうと思うと……」
 少女が自衛隊に寄せた『日本をたすけてください』という切実な祈りに全員が奮い立った。中には、手紙のコピーを手帳に挟んで災害派遣活動に励む隊員もいた。同県利府町の加瀬沼公園に宿営地を設営した北海道の第1高射特科群のある中隊指揮所にも、この手紙のコピーがボードに貼り付けられた。
 東日本大震災から49日目にあたる4月28日、飯野川第二小学校の体育館で、大川小学校の犠牲者の合同慰霊祭が営まれた。祭壇には74の可愛らしい児童の顔写真が並んだ。その中には、いまだ行方不明の6人の児童の写真もあった。
 その間も、第14旅団の隊員たちは、うみちゃんの手紙を胸に、行方不明の児童を捜し続けていたのである。

【※SAPIO 2011年8月17日・24日号

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DVD 東日本大震災の記録〜3.11宮城〜東日本大震災 被災ケーブルテレビ局が捉えた魂の記録映像 (秘蔵映像DVDムック)海上保安官が見た巨大津波と東日本大震災復興支援(海上保安庁DVDシリーズVol.1)プレス盤3.11 東日本大震災の真実 ~未曾有の災害に立ち向かった自衛官「戦い」の現場~ [DVD]

TSUNAMI3・11: 東日本大震災記録写真集報道写真全記録2011.3.11-4.11 東日本大震災闘う日本 東日本大震災1カ月の全記録

写真集 THE DAYS AFTER東日本大震災の記憶

被災地で酔い潰れた自衛官
東日本大震災で記憶に残った写真
被災小学生が発行した壁新聞/『宮城県気仙沼発! ファイト新聞』ファイト新聞社

2011-12-19

世界を不安定化させるアメリカ


 しかし、アメリカは2011年に入ってから、現行の社会システムを意図的に破壊しようとしている。

 これは北アフリカ・アラブ圏の安定していた政権を2011年にすべてひっくり返したことで分かる。

 イラクも不安定化した。アフガンも不安定化した。パキスタンも不安定化した。

 そして、チュニジアも、エジプトも、リビアも、イエメンも、シリアも、すべてドミノの駒を倒すかのように不安定化していっている。

鈴木傾城〈すずき・けいせい〉

soldiers pledge

【TPPの真実】米国の狙いはやっぱり267兆円の郵貯マネー


下院公聴会でも、日本の財産を“米国のサイフ”にする魂胆丸出し

 今月14日、米下院でTPPに関する公聴会が開かれたが、米国の重要ターゲットのひとつが日本郵政であることがハッキリした。出席者の多くが「日本郵政問題が重要事項」と発言。「農業や自動車ではなく、日本郵政が本丸じゃないか」(市場関係者)という見方まで飛び出している。
 TPPは金融サービス分野も対象としている。「米国はTPPに乗じて、郵貯マネーを奪いにきている」(経済評論家・黒岩泰氏)のだ。
 ゆうちょ銀行の預金残高は174兆6532億円(11年3月末)、簡易保険(かんぽ生命)の保険契約準備金は92兆8178億円。いわゆる郵貯マネーは267兆円を超えている。ひと頃の350兆円に比べれば減少したとはいえ、三菱UFJフィナンシャル・グループの124兆円をはるかにしのぐ規模だ。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストが言う。
「米国は日本の金融市場は閉鎖的だと主張し、開放を求めています。しかし具体的な要求が見えてきません。小泉・竹中チームが進めた完全民営化を実行しろということでしょう」
 野田政権は郵政株式売却凍結法を成立させ、政府が3分の1超を保有する方向で動いている。米国はこれを「暗黙の政府保証が続く」「公正な競争条件ではない」と批判。TPPで、完全民営化を要求してくる。
 だが、米国の本当の狙いは金融市場の開放などではない。国民の財産を根こそぎ奪う謀略だ。「日本郵政を上場させ、米金融機関を大株主として送り込む。日本郵政は現在、日本国債で多くを運用していますが、運用利回りの有利な米国債など外債に変更させる。米金融機関の増資に応じてもいいし、国際的なM&Aに投資させる手もある。大株主として次々と提案してくるでしょう。要するに郵貯マネーを米国のサイフにしたいのです」(黒岩氏)
 庶民がコツコツと貯めてきた267兆円が、米国救済のために使われる。そんな馬鹿なことを許していいはずがない。だから野田無能シロウト政権によるTPP参加は、怖いのだ。

ゲンダイネット 2011-12-17

中野剛志

バッハをキリスト教に閉じ込めてはならない/『J・S・バッハ』礒山雅


 私は、バッハにおけるキリスト教の役割を軽視する考えには、絶対に反対である。バッハにとってこれほど大切だったものを尊重し、その内容を知り、その影響を考えることは、正しいバッハ理解のための不可欠の条件であると思う。その意味では、聖書の勉強がたいへん役に立つ。
 だが、だからといってバッハを、キリスト教に閉じ込めてはならない。バッハを教会で聴くのはいいものだが、演奏の場を教会に限るべきではないだろう。それと同じように、バッハのメッセージも、当時の教会の教えにすべて還元されるべきではない。むしろわれわれは、バッハがその教えの上に立ちながら、いかに国境と時代を超えた作品を作り出したかに、目を注ぐべきである。
 バッハの人間理解に深さが感じられるのは、彼が人間の概念を、いつも人間を超えたものとの関係においてとらえているからではないだろうか。

【『J・S・バッハ』礒山雅〈いそやま・ただし〉(講談社現代新書、1990年)】

 我が音楽の嗜好は20代でロックからブラックミュージックへと進み、ワールドミュージックを経て沖縄ポップスに辿り着いた。そして40代の後半になってTha Blue HerbとSIONの歌声に耳を委ねている。そんな私だが「一曲だけ選べ」と言われたら、迷わず『マタイ受難曲』と答える。バッハと出会ったのは丸山健二の小説でのこと。

丸山健二と『マタイ受難曲』/『虹よ、冒涜の虹よ』丸山健二

 直ちに名演との誉れ高いカール・リヒター指揮の1958年盤を取り寄せた。丸山の形容は決して大袈裟なものではなかった。

 礒山のリベラルな精神が見事にバッハを捉える。リベラルとは中途半端を意味しない。常に別の可能性を模索し得る柔軟な精神性を指すのだ。

 世界はイデオロギーという絵の具で色分けされている。つまり「所属」を通して人間を判別するのだ。どの国家、どの宗教、どの政党、どの学校、どの企業、どの地域に所属しているのか? 氏素性(うじすじょう)というのも一緒である。

 我々はありのままの人間を見つめる前に敵か味方かを問うのだ。これは多分本能に基づいているのだろう。石器時代であれば、「騙(だま)される」ことは死を意味する。

 それゆえ世界の挨拶は「味方であること」を示すサインとなっている。握手は利き腕に武器を持っていない証拠であるし、日本のお辞儀は人間の急所である頭部を相手に差し出す行為だ。ハグも攻撃され得る距離に身を委ねる営みである。

 例えば礒山とは反対にクリスチャンとしてのバッハを論じることも可能だろう。しかしバッハという人物の幅を狭めることで、多くの共感を獲得することは困難であろう。

 礒山が見つめるのは「人間バッハ」である。視点の高さがバッハという地平を豊かに広げる。

J・S・バッハ (講談社現代新書)バッハ:マタイ受難曲

バッハはリズム、モーツァルトはメロディ、ワーグナーはハーモニー/『J・S・バッハ』礒山雅
バッハ「マタイ受難曲」カール・リヒター指揮
「ヨハネ受難曲」「マタイ受難曲」バッハ

名作のタイトルに一文字足すとよく分からなくなる

パコ・ラバンヌ(Paco Rabanne) 2012年春より


 後ろ姿、ではない。帽子から目が覗(のぞ)いている。メタリックカラーがぴったりと身体にフィットする。近未来というスタイル。機能を兼ね備えた美しさが性的なメッセージを斥(しりぞ)けている。足元を軽くしたセンスがまた憎い。

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Paco Rabanne - Paris Fashion Week: Spring 2012

「シリア政権打倒への西洋諸国の戦略」ティエリ・メサン


 シリアではイスラエル安定のための現政権打倒計画が進んでいる。2011年6月13日。

2011-12-18

過去65年で未成年者数万人が性的虐待被害、オランダ教会


 オランダの独立調査委員会は16日、国内のカトリック教会で1945年から2010年までの間に数万人の未成年者が神父、修道士らの教会関係者から性的虐待を受けていたことが判明したとの報告書を発表した。子どもの被害者は数千人。

 加害者約800人の身元も確認し、うち少なくとも105人は生存していると述べた。聖職の座に依然就く人数は不明。

 悪質なものから軽微なものまでの虐待の被害者は後遺症に数十年悩み、専門的なカウンセリングが必要な場合もあると指摘した。オランダ人の信仰宗教では3割を占めるカトリックが最大宗派。

 今回調査は教会関係者による性的虐待問題が増大していることを受けて開始された。独立調査委によると、1795件の虐待情報を入手し、加害者の身元に関する手がかりも得た。発表した報告書は昨年3月から同10月までの間に得た具体的なデータに加え、教会の公文書分析からの情報などを基に作成した。

 性的虐待が広がった背景について、教会側は1950年代までにもさかのぼるこの問題の存在を知らなかったわけではないと指摘。ただ、多くの場合、教会は防止のための適切な措置や被害者への配慮に欠けていたと主張している。未成年者の性的虐待がオランダ社会で広範に起きていることも作用したとし、教会の公文書の分析では聖職者が若い時に虐待の犠牲者だった例もあったと指摘した。

 虐待の被害者の救済方法については金銭的な賠償が必要と強調、教会側の真剣な対応を求めた。加害者と犠牲者の会合もここ数年設けられ、多くの場合、加害者や教会責任者が遺憾の意を表明していると説明。謝罪や賠償の表明は2000年以降に増えているという。

CNN 2011-12-17

性的暴行受けて姦通罪で服役させられた女性が釈放 「報復が懸念」 アフガン


 アフガニスタンで性的暴行の被害者でありながら姦通罪に問われて服役させられていた女性が14日、カルザイ大統領の命令により釈放された。

 グルナズさんは2年前、いとこの夫に暴行され、その後妊娠が発覚。「既婚男性と性行為を行った」という理由で姦通罪に問われ禁錮12年を言い渡された。グルナズさんは当時19歳だった。

 グルナズさんは釈放後、女性のための救護施設に娘(加害者の子ども)とともに収容された。だがこれで彼女の苦難が終わったわけではない。

 加害者は犯行を否認したまま有罪判決を受けて現在服役中で、その一族からの報復が懸念されている。また、一族の名誉を汚したという理由で自らの親族から命を狙われる可能性もあるからだ。

CNN 2011-12-15

9.11アメリカ同時多発テロの真実 ティエリ・メサン


 9.11テロはブッシュ大統領へ政策を強制するための米軍・石油ロビ-の陰謀か。仏ジャーナリスト、ティエリ・メサン。2002年3月16日放送。



戦争好きブッシュとアメリカブッシュの「聖戦」―宗教、ビジネス、闇のネットワーク石油の隠された貌終りなき狂牛病―フランスからの警鐘