2011-12-22

矢野絢也


 1冊読了。

 73冊目『乱脈経理 創価学会 vs. 国税庁の暗闘ドキュメント』矢野絢也〈やの・じゅんや〉(講談社、2011年)/これは面白かった。何といっても読み物としてよくできている。単なる暴露本で終わっていない。抑制された筆致がストーリーの幅を膨(ふく)らませているのだ。マンモス教団の乱脈経理もさることながら、最大の問題は公明党が創価学会の私党と化していることだ。矢野は自ら行った各所への口利きを赤裸々に綴っている。それにしてもこれほどの汚れ仕事をやらせておきながら、10年後には聖教新聞で罵倒の限りを尽くし、切り捨てるのだから恐ろしい。本書を先に読んでから、『黒い手帖 創価学会「日本占領計画」の全記録』を開くことをお勧めする。税務調査を手加減させた最大の功績者である竹下登元首相を裏切る場面には衝撃を受けた。公明党は「政治と金」を糾弾する前に「宗教と金」の問題を明らかにするのが筋だ。

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