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2021-11-08

骨盤体操/『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子


『究極の身体(からだ)』高岡英夫
『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス
『運動能力は筋肉ではなく骨が9割 THE内発動』川嶋佑
『ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う』日野晃、押切伸一
『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編
『武学入門 武術は身体を脳化する』日野晃
『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴
『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇
『気分爽快!身体革命 だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』伊藤昇、飛龍会編

 ・骨盤体操

『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編
『火の呼吸!』小山一夫、安田拡了構成
『ストレス、パニックを消す! 最強の呼吸法システマ・ブリージング』北川貴英
・『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』佐々木繁光監修、橋本馨
・『仙骨姿勢講座 仙骨の“コツ”はすべてに通ず』吉田始史

身体革命

・やりづらい動きは回数を増やして
・筋肉を押す、揉む、叩くは厳禁
・「吐く」呼吸を意識して

【『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子〈なつめだ・みなこ〉(KKKKベストセラーズ、2011年)】

 慣れないうちはどうしても息を止めてしまう。吸うことは誰でも自然にできるので吐くことに意識を集中する。


 真向法を行ったことがあれば、この体操の意味を理解できよう。


 私の場合、ストレッチは必ず真向法(まっこうほう)から始める。植芝盛平や中井祐樹も実践してきた体操である。


 本書にはDVDが付いているので大変わかりやすい。一通りできるようになってから再度視聴することで、最初は見えなかったものが必ず見えてくることだろう。

2021-11-07

股関節で地面をとらえる/『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇


『究極の身体(からだ)』高岡英夫
『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス
『運動能力は筋肉ではなく骨が9割 THE内発動』川嶋佑
『ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う』日野晃、押切伸一
『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編
『武学入門 武術は身体を脳化する』日野晃
『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴

 ・「すべての身体表現の源は、胴体にあり」
 ・股関節で地面をとらえる

『気分爽快!身体革命 だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』伊藤昇、飛龍会編
『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子
『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編
『火の呼吸!』小山一夫、安田拡了構成
『ストレス、パニックを消す! 最強の呼吸法システマ・ブリージング』北川貴英
・『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』佐々木繁光監修、橋本馨
・『仙骨姿勢講座 仙骨の“コツ”はすべてに通ず』吉田始史

身体革命

 私は「胴体の動きを磨き続ければ、60代で動きのピークを迎える」とつねづね言ってきた。これは理想論ではない。これまで私が出会った武道の名人たちには、その年齢で若い者たちを寄せつけない動きが確かにあった。胴体を使った動きは、意識して創り上げていくもので、さまざまな経験が蓄積されていく。中途半端に“ナマの体力”(磨いていないもともとの力)があると、胴体で動こうという意識が薄くなってしまうという面があるのだ。(中略)
 そして、胴体の動きの土台となるのが、「股関節で地面をとらえる」([股関節のとらえ])ことである。もちろん、これは私の感覚に基づいた造語だが、これは動く前の、「究極のニュートラル・ポジション」である。簡単に言ってしまえば、「股関節と脚の骨(大腿骨など)が正しい角度にある状態」となるのだが、“正しい角度”は万人にとって同じではない。これについては後で説明するが、立ったとき、座ったときにかかわらず、股関節でとらえることができれば、全身は解放され自由な動きが可能に楽になる。意識的に股関節でとらえられるかどうかは、レベルの高い動きかどうかを見分けるキーポイントであり、股関節でとらえた状態で胴体のトレーニングをすれば上達も早い。

【『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇(マガジンハウス、1998年/改訂版、2011年)】

 あれこれと運動を試行錯誤してゆく中で肩甲骨と骨盤の意識が芽生えてきた。日常生活でも「肩甲骨を動かす」ことと「骨盤を起こす」ことを心掛けている。最初に骨盤を意識したのは大転子ウォーキングを行った時である(みやすのんき)。 「60代で動きのピークを迎える」とは俄(にわか)には信じがたいが、甲野善紀が50代の時に「今までで一番体が動く」と語った言葉が蘇る。

「子曰く、吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして或(くぎ)らず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(したが)ふ。七十にして心の欲する所に従へども、矩(のり)を踰(こ)えず」(『論語』「為政」)の金言を思えば、60代は反発することがなくなるわけだ。つまり体内の力が環境と完全に適応した状態と言えようか。何かを倒す、何かを克服するといった状態から、水が流れるようなバランス感覚が開花するのだろう。スピードやパワーが衰えても、平衡感覚や判断力が研ぎ澄まされることは十分あり得る。

 で、股関節の位置である。

「股関節(こかんせつ)がどこにあるのか、知っていますか? 股(また)という言葉から、いわゆる股間のあたりを連想する人が多いようです。実際にはもう少し奥のお尻に近いあたりで、太ももの骨が骨盤と接する部分の関節が、股関節です」(股関節(こかんせつ)を鍛えてスムーズな歩きを | オムロン ヘルスケア)。


 想像以上に上である。長時間坐ったままの生活をしているため我々の股関節は眠ったままだ。まずは股関節の感覚を覚醒めさせる必要がある。今ここに心を砕いて、様々な運動を試しているところである。

「股関節で地面をとらえる」ためには、骨を積み木のように意識すればよい。筋肉を脱力して骨の位置を確認する。なかなか自覚することが難しいのだが、立ち上がってから踵を持ち上げてストンと落とすと股関節に衝撃が伝わる。坐位や臥位(がい)で股関節を動かすのも有効である。何でもそうだが最終的には自分なりに工夫するしかない。

 この箇所については読んだ時はそれほどピンと来なかった。それがどうだ。少しばかり意識が高まると全く別の意味が現れてくるのだ。まるで炙り出しだ。この味わい深さは経典のレベルに近い。

2021-11-05

骨盤の細分化/『天才・伊藤昇の「胴体力」 伊藤式胴体トレーニング入門』月刊「秘伝」編集部編


『究極の身体(からだ)』高岡英夫
『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス
『心をひらく体のレッスン フェルデンクライスの自己開発法』モーシェ・フェルデンクライス
『運動能力は筋肉ではなく骨が9割 THE内発動』川嶋佑
『ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う』日野晃、押切伸一
『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編
『武学入門 武術は身体を脳化する』日野晃
『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴
『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇
『気分爽快!身体革命 だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』伊藤昇、飛龍会編
『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子

 ・柔軟性よりも胴体力
 ・動きの「細分化」
 ・骨盤の細分化

『火の呼吸!』小山一夫、安田拡了構成
『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃
『ストレス、パニックを消す! 最強の呼吸法システマ・ブリージング』北川貴英
・『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』佐々木繁光監修、橋本馨
・『仙骨姿勢講座 仙骨の“コツ”はすべてに通ず』吉田始史
『誰にでもわかる操体法』稲田稔、加藤平八郎、舘秀典、細川雅美、渡邉勝久

身体革命
必読書リスト その二

【『天才・伊藤昇の「胴体力」 伊藤式胴体トレーニング入門』月刊「秘伝」編集部編(BABジャパン出版局、2006年/新装改訂版、2021年)】

 運動はしているがスポーツをしていないことにはたと気づいた。バドミントンはもう2~3年やっていない。本当は近接格闘術をやりたいのだが、58歳のオヤジを受け入れてくれる道場があるのかどうかわからない。

 何が問題かというと、運動は単調な動きの反復となりやすい。決まりきった単純な動きなのだ。極めて狭い範囲の動きは鍛えられるが、それが逆に体の自由度を失わせる場合がある。更に全身の筋肉の連係を考えるとバランスが悪くなりそうな気がする。

 ウォーキングも単調だ。本来であればインターバル速歩が望ましいが時計やタイマーを持つのが面倒だ。自転車に乗っていたこともあって身軽にする癖がついてしまった。私は外出する際、小銭も持たないように心掛けている。例えばサイドステップや後ろ向き歩行、立ち幅跳びやフロントランジ・バックランジ、腿上げなどを加えれば体全体が連動する。

 そこで伊藤式胴体トレーニングをしようと思いついた。で、「骨盤の細分化」をやってみた。全くできなかった。いやあ本当に泣きそうになったよ。まず前に出した足を伸ばすことができない。その状態で丸める・反るをやろうとしたところ胴体が全く動かないのだ。「あれ?」と思った。何度やっても首しか動かない。「われ泣きぬれて蟹とたはむる」という気分になった。一応探したが蟹はいなかった。

柔軟性よりも胴体力」だと都合のいいように解釈してきたが、やはり最低限の柔軟性は必要だ。しばらくの間、ストレッチを重点的に行うことを決意した。


 新装改訂版の動画を見つけたのだが実に参考になる。画像だけだと動きがつかみにくい。これをつまらない体操だと思ったら大間違いだ。天才伊藤が辿り着いたエッセンスが凝縮しているのだ。還暦までは肩甲骨と骨盤を集中的に行うつもりである。ここには指の届かない動脈が走っている。

2021-07-29

動きの「細分化」/『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編


『究極の身体(からだ)』高岡英夫
『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス
『心をひらく体のレッスン フェルデンクライスの自己開発法』モーシェ・フェルデンクライス
『運動能力は筋肉ではなく骨が9割 THE内発動』川嶋佑
『ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う』日野晃、押切伸一
『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編
『武学入門 武術は身体を脳化する』日野晃
『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴
『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇
『気分爽快!身体革命 だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』伊藤昇、飛龍会編
『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子

 ・柔軟性よりも胴体力
 ・動きの「細分化」
 ・骨盤の細分化

『火の呼吸!』小山一夫、安田拡了構成
『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃
『ストレス、パニックを消す! 最強の呼吸法システマ・ブリージング』北川貴英
・『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』佐々木繁光監修、橋本馨
・『仙骨姿勢講座 仙骨の“コツ”はすべてに通ず』吉田始史
『誰にでもわかる操体法』稲田稔、加藤平八郎、舘秀典、細川雅美、渡邉勝久

身体革命
必読書リスト その二

伊藤●胴体の三つの動きの質がよくなると、身体の動きが、全く変わります。それは、力が出るようになるとか、元気になるとか、動きが速くなる等、ただ動けるようになるだけではありません。胴体が動くようになると、肩、胸、骨盤が更に動くようになり、動きの「細分化」が生まれます。そこまでゆくことがひとつのポイントなのです。
 骨盤や肋骨をどう動かすか、鎖骨と肩甲骨はどうするのか、といったことが分かってくると、身体の軸が分かってくるようになります。軸が分かるようになると、身体の緊張がスーッととれて、人との距離関係がハッキリしてくるので、気配や間合いなどが簡単に感じられるようになります。逆にこの感覚がなければ、格闘技としても、護身術としても不完全なわけですから。

【『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編(BABジャパン出版局、2006年/新装改訂版、2021年)】

 朗報である。明日(7月30日)、新装改訂版が出る。しかも1760円と価格も据え置き。伊藤昇は55歳で逝去した。努力の果てに才を花開かせた人物だ。少林寺拳法と沖ヨガを通して独創的な運動理論に辿り着いた。アスリートが体幹トレーニングに注目する遥か以前から胴体力を解明した。

 意識するのは筋肉ではなく骨である。細分化とは骨を動かすことだ。すると全身は鞭のようにしなりが出る。我々の意識は手足という抹消に向かいがちだが、胴体から力を伝えることで筋肉に負荷をかけない動きが実現する。

 丹田を中心に骨盤・胸骨・肩甲骨を自在に動かすことができれば水中を泳ぐ魚のようにしなやかな体を手に入れることができる。

2019-11-20

柔軟性よりも胴体力/『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編


『究極の身体(からだ)』高岡英夫
『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス
『心をひらく体のレッスン フェルデンクライスの自己開発法』モーシェ・フェルデンクライス
『運動能力は筋肉ではなく骨が9割 THE内発動』川嶋佑
『ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う』日野晃、押切伸一
『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編
『武学入門 武術は身体を脳化する』日野晃
『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴
『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇
『気分爽快!身体革命 だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』伊藤昇、飛龍会編
『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子

 ・柔軟性よりも胴体力
 ・動きの「細分化」
 ・骨盤の細分化

『火の呼吸!』小山一夫、安田拡了構成
『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃
『ストレス、パニックを消す! 最強の呼吸法システマ・ブリージング』北川貴英
・『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』佐々木繁光監修、橋本馨
・『仙骨姿勢講座 仙骨の“コツ”はすべてに通ず』吉田始史
『誰にでもわかる操体法』稲田稔、加藤平八郎、舘秀典、細川雅美、渡邉勝久

身体革命
必読書リスト その二

伊藤●ストレッチは、胴体に関係なく伸ばすことが多いです。中には連続性で動かすものもありますが、伊藤式の場合、あくまで胴体が動いて手足が動くムチのような身体作りを前提にしているのです。
 むしろ意味もなく、身体を伸ばしてはいけないのです。身体組織は、胴体が動いて四肢が動くわけですから、背中が硬いのに脚を無理に完全開脚して、回し蹴りなどをやっていれば、股関節や膝を悪くしてしまいます。無理のない動きを作るために行うのが伊藤式胴体トレーニングですから、柔軟性を求めるストレッチとは似て非なるものですね。人間の身体は、無理にでも伸ばしていれば、伸びてしまうものなのです。でも、武道的に見た場合、いくら動いてもそこに威力が伴わなければダメですね。

 人は、そんなに可動性って、必要ないですから。スポーツでもそうなのですが、別にタコのような柔軟性がなくてもなんとかなるものが多いのです。ですから、ヘタに可動域を広げるよりも、いかに胴体をなめらかに動かすかを考えるのが先決だと思います。

【『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編(BABジャパン出版局、2006年/新装改訂版、2021年)】

 月刊『秘伝』の1999年9月号から2006年3月号にかけて掲載された記事をもとに再編集し、大幅な描き下ろしを加えたB5判ムック本。伊藤式胴体トレーニングの決定版といってよい。様々なトレーニング法の写真も多く眼(まなこ)が開く思いがした。読み終えて直ちに再読した。ベースとなるのは単純な動作である。
「私が求めていたのはこれだ」と確信した。単純な動作には体をパーツごとに動かす目的がある。胴体の細密にして微妙な動きこそが胴体力なのだ。

 私は内旋運動を意識してアイソメトリックス効果を出すべく7秒キープを心掛けている。また伊藤式を実践してみると高岡英夫のゆる体操が同じ視線の角度で身体を見つめていることがわかる。

 鍛えるだけでは壊れる。調(ととの)えることを忘れてはなるまい。

2019-10-28

感じる力が高まる/『気分爽快!身体革命 だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』伊藤昇、飛竜会編


『究極の身体(からだ)』高岡英夫
『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス
『運動能力は筋肉ではなく骨が9割 THE内発動』川嶋佑
『ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う』日野晃、押切伸一
『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編
『武学入門 武術は身体を脳化する』日野晃
『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴
『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇

 ・感じる力が高まる

・『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子
『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編
『火の呼吸!』小山一夫、安田拡了構成
『ストレス、パニックを消す! 最強の呼吸法システマ・ブリージング』北川貴英
・『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』佐々木繁光監修、橋本馨
・『仙骨姿勢講座 仙骨の“コツ”はすべてに通ず』吉田始史

身体革命

 胴体の三つの動き(1.伸ばす・縮める 2.丸める・反る 3.捻る)のトレーニングを続けていると、身体の【“感じる力”】が高まります。感じる力とは、具体的には危険察知能力、瞬時の状況判断力、病気、異常の感知能力といえます。
 動物を見るとよくわかります。犬でも猫でも、人間がなにかしようと近づこう(ママ)とするだけで逃げだします。身体に合わないものは食べません。具合が悪ければ、何も食べずにジッと寝て、自分の力でなおします。動物はこの力がなければ生きてはゆけません。
 ところが、現代人は考える力や記憶する力にたよりすぎて、感じる力が著しく低下しています。これでは、自分の身体の異常や病気にも気がつかず、自分の体験したこと、本などで勉強して得た知識以外の出来事が起こると、まったく対応できなくなってしまいます。いわゆる“マニュアル人間”はこれにあてはまります。
 感じる力は、生きていくうえでもっとも大切な能力です。この力があれば、頭でいちいち考えなくても、食べ物、運動など、自分の身体が、必要なものは何かを感じることができます。

【『気分爽快!身体革命 だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』伊藤昇、飛竜会編(BABジャパン、2005年/ベストセラーズ、1993年『気分爽快!身体(からだ)革命 一日三分で痛みを消しさる』改題)】

 私は30代から酒を呑み始め、あっという間に体重が80kg近くなった。運動不足と深夜の飲食は不健康への近道だ。肥大するウエストのために毎年ズボンを買い替えた。腹が出てくれば当然ズボンは下がりがちとなる。私はしょっちゅうベルトを外してファスナーを下ろしてはシャツをたくし込んだ。女性の前でも平然と行ったため随分とひんしゅくを買った。ウエストが92cmに落ち着いてからはサスペンダーを愛用してきた。

 40代で無呼吸症候群が発覚し、その後アルコールを飲むと不整脈が起こるようになった。48歳で生まれて始めて肩凝りを経験したあたりから体への意識が芽生え始めた。五十肩はチューブトレーニングを行い1週間で治した。日常的には歩くことを心掛けた。50代でバドミントンをやったら立て続けに三度もふくらはぎの肉離れを起こした。で、昨年から自転車に乗り始めた。保有しているのはスピンバイク、懸垂マシン、腹筋ローラー、バイクの古チューブである。食べ物もかなり気をつかっている。

 身体のピークは60代と伊藤は言い切る。更に性格も体操で変えられるとまで語る。見上げた確信だ。ベストセラーズ版が絶版となり本書は「幻の」と噂されるまでに至った。とはいうものの内容がベーシック過ぎて素人にはピンと来ない。その意味では瞑想とよく似ている。本気で取り組まないと変化を実感することは難しい。

 体幹を極めると胴体力になる。骨盤を中心とした胴体のしなやかな動きが手足の筋力を最大限に活かすのだ。単調な筋トレは体を壊しやすい。動きを変えるためには全身のバランスを調える方が望ましい。

2019-10-08

「すべての身体表現の源は、胴体にあり」/『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇


『究極の身体(からだ)』高岡英夫
『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス
『運動能力は筋肉ではなく骨が9割 THE内発動』川嶋佑
『ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う』日野晃、押切伸一
『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編
『武学入門 武術は身体を脳化する』日野晃
『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴

 ・「すべての身体表現の源は、胴体にあり」
 ・股関節で地面をとらえる

『気分爽快!身体革命 だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』伊藤昇、飛龍会編
『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子
『月刊「秘伝」特別編集 天才・伊藤昇と伊藤式胴体トレーニング「胴体力」入門』月刊「秘伝」編集部編
『火の呼吸!』小山一夫、安田拡了構成
『ストレス、パニックを消す! 最強の呼吸法システマ・ブリージング』北川貴英
・『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』佐々木繁光監修、橋本馨
・『仙骨姿勢講座 仙骨の“コツ”はすべてに通ず』吉田始史

身体革命

 胴体から出る力=胴体力は、しなやかで強い。
 そして、一度身につけてしまえば、なかなか衰えることがない。
 スポーツマンやダンサー、俳優だけでなく、自分の「身体能力」に限界を感じている人はすべて、胴体の動きを変えていけば、これまで以上の力を必ず発揮できる。
 ただ、胴体の動きは手や足に比べて、見えにくいのが難点だ。(中略)
「すべての身体表現の源は、胴体にあり」
 人間の、そしてあなたが持っている胴体の能力に驚き、自信を持っていただきたい。

【『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇(マガジンハウス、1998年/改訂版、2011年)】

 体の動きは、伸ばす・縮める、丸める・反る、捻(ねじ)るの三つに集約される。これが伊藤式胴体トレーニングの要諦である。基本的な動きは簡単だ。正座をして頭の後ろで手を組み上半身を左右に動かす。両手を下ろして胸骨を前後に動かす。そして両手を振って左右後方に捻る。「エ?」と思うのが普通の反応だろう。「それがどうした?」と私も思った。

 実際にやってみると直ぐに気づくことだが驚くほど私の胴体は不安定だ。そこでゆっくりとストレッチを行う要領で取り組んだ。更に吉田始史〈よしだ・もとふみ〉が教える動き(『仙骨姿勢講座 仙骨の“コツ”はすべてに通ず』)を取り入れた。体の内側からはまだ声が聞こえてこないが、胴体力とはでんでん太鼓の原理なのだろう。


 持ち手が脚で玉付きの紐が腕と考えれば下半身と胴体のしなやかな動きが高らかな太鼓の音につながる。

 本書はスーパースターの胴体力を解説した内容で具体的な胴体力の手引書ではない。それでも伊藤の目のつけどころが身体(しんたい)への意識を確実に変える。