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2022-02-03

ケトルベルの教科書本/『動ける強いカラダを作る! ケトルベル』花咲拓実


『ロシアンパワー養成法』足立弘成
『新トレーニング革命 初動負荷理論に基づくトレーニング体系の確立と展開』小山裕史
『身体を芯から鍛える! ケトルベルマニュアル』松下タイケイ

 ・ケトルベルの教科書本

身体革命

 砲丸にハンドルがついた形状をしているケトルベル。ハンドルがついた形状がヤカン(英語でケトル:ketlle)に似ていることからこの名がついたとされています。
 その歴史は古く、1704年にロシアの辞書に初めて登場しています。流行り廃りのあるフィットネス市場において、有酸素性能力と無酸素性能力などを省スペースで向上させることができる利便性から再び注目されています。

【『動ける強いカラダを作る! ケトルベル』花咲拓実〈はなさき・たくみ〉(日東書院、2020年)以下同】

 無酸素は「ハードスタイル」、有酸素は「ギレヴォイスタイル」というらしい。有酸素運動の代表はクリーン&ジャークである。


 とても有酸素運動には見えない(笑)。競技では10分間の回数を競う。ランナーズハイと似た状態(ケトラーズハイ)が現れることもあるらしいので、やはり有酸素運動なのだろう(ケトルベル・スポーツ)。因みにランナーズハイは「狩猟のご褒美」として進化した可能性が研究で指摘されている。やや強い負荷が続くと現れる。

 ケトルベルは、重心が球体の真ん中にありハンドルから距離があります。この特異な形状から遠心力を扱ったトレーニングも行えますので、重量を重くしなくても動作スピードを速めて負荷を高めることができるといった特徴があります。また、重心が離れているためにバランスを取りづらく、より多くの筋肉を動員する必要があります。

 自然界に完全な球体は存在しない。西洋美術はシンメトリー(左右対称)を好んだが、日本文化は非対称の歪みを愛(め)でた。日本は自然志向なのだろう。筋肉よりも骨の動きを活用したのも日本武術の特長であり、山林が国土の70%を占める地理的背景が関わっている。


 ヒンジの姿勢をよく覚えておくこと。最初のうち私は上体を真っ直ぐに起こしていた。腰痛を恐れて。コツは背筋と腰の上下運動でケトルベルを振ることだ。持ち上げる時の初動負荷を意識して、後は浮いたケトルベルに手を添えているだけの状態である。これが出来るようになると20回程度のスイングが可能だ。

 集合住宅の場合は布団の上で行った方がよい。落とした場合のことを想定して。握力が弱くなっている中高年はしっかりと脚を開いて、甲部分に落とさぬよう警戒心を100%発揮すること。

 個人的には単調な運動しか思いつかなかったのだがそうでもないようだ。私は「primal.swoledier」をフォローするためだけの目的でInstagramに登録した。


2022-02-01

ケトルベル入門/『身体を芯から鍛える! ケトルベルマニュアル』松下タイケイ


『ロシアンパワー養成法』足立弘成
『新トレーニング革命 初動負荷理論に基づくトレーニング体系の確立と展開』小山裕史

 ・ケトルベル入門

『動ける強いカラダを作る! ケトルベル』花咲拓実

 ケトルベルの歴史は古く、16世紀初頭には、ロシアでギラ(Girya)という名称で存在していました。この時代は、日本においては宝永年間(西暦1704~1710年)、あの有名な忠臣蔵事件の直後の時期にあたると言えば、その歴史の古さが実感できます。

【『身体を芯から鍛える! ケトルベルマニュアル』松下タイケイ(日貿出版社、2016年)以下同】

 ケトルベルの特長は動的な筋トレが行える点にある。私は予予(かねがね)システマの動画を見る中で静的な筋トレに対して否定的な見解を持つに至った。なぜなら実際の運動において単調な上下運動など存在しないからだ。そこでチューブトレーニングに関心が向いたのだが、これまた負荷が抜けない不自然な動きであることに気づいた。じゃあ、ブルワーカーはどうだ? と考えたのだが、アイソメトリックに道具は必要ないとの結論に至った。

 私がケトルベルに注目したのは必然であった。ケトルベルトレーニングは初動負荷理論とも合致している。緩急、強弱、メリハリによって筋繊維は鍛えられ、鍛えられた筋肉が有酸素運動をも可能にする。

 ケトルベル・インストラクターコースの合格基準はいろいろあり、全部に合格しなければなりません。
 参考までにレベル1の認定コース合格基準の一部を以下に抜粋します。

【50歳未満体重60kg以上の男性の場合】
●ワンアーム・スイング 24kgケトルベル 左右10回ずつ
●ゲットアップ 24kgケトルベル 左右1回ずつ
●ミリタリープレス 24kg左右5回ずつ
●クリーン 24kg左右5回ずつ
●ダブル・フロント・スクワット 24kg×2 5回
●スナッチ 5分以内に24kgで100回

 私が持っているのは40ポンド(18.1kg)である。最初はあまりの重さに「失敗したかな」と思ったが直ぐに慣れた。上記の基準はどれ一つとしてクリアできない。ま、58歳だから勘弁してもらおう。現在はスイングを30回できる程度である。クリーンアンドプレススナッチは1回だ。いずれにせよ、無理をする必要はない。


 スイングのコツはケトルベルを指に引っ掛けるように浅く持ち、なるべく重量を感じないように振ることだ。また、スクワットではないため膝を深く曲げる必要はない。更に腰痛を恐れて上半身を倒さないのも誤りだ。急いで持ち上げ、ゆっくり下ろす意識で行うと、かなり楽にできる。

 当院でケトルベルトレーニングを採用した事例としては、90歳女性で路上歩行中に転倒して膝の皿を骨折した方へのリハビリが挙げられます。このケースでは、日常生活の中での上半身の運動性が、極めて少なくなることが予想されたので、ケトルベル・デッドリフトを提案しました。結果として、転倒による負傷以前以上に肩甲骨の可動領域がまして動きが向上し、下肢のリハビリも順調に進みました。(小野卓也:おの整骨院院長、SFGケトルベルインストラクター)

 デッドリフトは床からケトルベルを両手で持ち上げるだけの簡単な動きである。はっきり言ってやる気も起きない。だが体力の衰えた老人であれば、それなりに効果があるのだろう。足に落とす危険性も少ない。

 入門書としての出来は悪くないのだが、如何せん横書きのため嫌悪感を払拭することができない。尚、若い頃にある程度の運動を経験している男性であれば18.1kgをおすすめする。40代までなら迷うことなく24kgだろう。片手用であれば8~10kgを二つ用意すればいい。女性は6~12kgが目安となる。重ねて注意しておくが足に落とせば骨折は確実である。指なら確実に潰れることだろう。絶対に無理は禁物だ。


 

2021-06-10

ロシアのサンボ選手は筋トレで反動を使う/『ロシアンパワー養成法』足立弘成


 ・ロシアのサンボ選手は筋トレで反動を使う

『新トレーニング革命 初動負荷理論に基づくトレーニング体系の確立と展開』小山裕史
『身体を芯から鍛える! ケトルベルマニュアル』松下タイケイ
『動ける強いカラダを作る! ケトルベル』花咲拓実

 技術練習は学生と一緒に何とかこなしましたが、大学でのトレーニングは綱上りや懸垂など、専門的体力を鍛える負荷の強いものが多く、指を骨折していた私には無理な内容でした。この時ばかりは、ひたすら見学するしかありませんでしたが、ふとあることに気づきます。
 「あれーっ、めちゃくちゃ反動使ってる!」
 私がウェイトトレーニングの本から得ていた知識では、例えば、懸垂をする際は広背筋に刺激を集中させるため、反動を使わないのが常識でした。しかし、反動を使った方法を行っている選手は一人だけではありません。
 「もしかすると、日本の常識は非常識なのではないのか」――そんな思いが、私の心の中に芽生え始めました。

【『ロシアンパワー養成法』足立弘成〈あだち・ひろしげ〉(英知出版、2006年/晋遊舎復刻版、2010年)】

 読んだ瞬間、腑に落ちた。ケトルベルスイングがまさしく反動を使っているのだ。ボディビルダーが腕立て伏せを解説する際に、「腕を伸び切らせると負荷が抜けてしまう」とよく言うが、運動の実際を踏まえると持続的な負荷は悪影響しかない。彼らの目的は筋肥大であって運動能力の向上ではないのだ。

 上記テキストは初動負荷理論をも示唆している。ただし本書ではチューブトレーニングを採用しており、折角の「反動理論」が台無しになっている。

 体操選手は筋トレをしないという。彼らの筋肉は体操で自然についたもので負荷と解放の減(め)り張りが、しなやかな身体性を支えているのだ。運動をリードするのは骨と腱であると私は考える。