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2022-03-18

プロテインは腎臓病の原因/『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
『日本人には塩が足りない! ミネラルバランスと心身の健康』村上譲顕
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二

 ・プロテインは腎臓病の原因

プロテイン再考/『心と体を強くする! メガビタミン健康法』藤川徳美
『医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」』三石巌
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

身体革命
必読書リスト その一

 肉や魚、大豆製品などに多く含まれるタンパク質は、食事から摂った後、アミノ酸に分解されます。そして、分解されたアミノ酸はさまざまに合成され、筋肉やコラーゲンなど体の組織をつくります。となれば、「どんどん摂らないと筋肉が落ちてしまう」と思われそうですが、案外そうでもないのです。
 というのは、「アミノ酸プール」というメカニズムが働いているからです。
 私たちの体には、筋肉に約23グラム、血液中に約2グラムのアミノ酸が溶けた状態で常にプールされています。
 このプールは、新たに食べたタンパク質によるものだけでなく、壊された筋肉やコラーゲンからのものが再利用されます。だから、食べ物から摂れなくてもすぐには大変なことにならないのです。
 逆に、【摂りすぎには注意が必要です】。日本腎臓学会のガイドラインでも、慢性腎臓疾患者には厳しいタンパク制限を指示する一方で、健常者にも過剰摂取をしないように注意喚起しています。
 また、日本腎臓学会(厚生労働省)は2012年に、腎臓への負荷を軽減するために1日のタンパク質摂取量を「0.9グラム/体重キログラム/日」という指針を出しています。
 プールされるアミノ酸の濃度は、常に一定に保たれるようになっています。過剰な分はすべて分解されて腎臓でろ過されて尿として排出されます。
 そのため、タンパク質を過剰摂取をすると、腎臓もハードワークを強いられます(これを医学的に過剰ろ過状態と言います)。それによって腎臓の内圧が上がり、その状態が長く続くとCKD(慢性腎臓病)になります。
 現在、日本にはなんと1330万人のCKD患者がおり、2017年時点で約33万人以上が人工透析を受けています。これは台湾に次いで世界第2位の数字です。
 腎臓が悪くなると、血圧が挙がって動脈硬化も進みます。しかし、腎臓も肝臓と同様に沈黙の臓器であり、初期の段階では自覚症状はありません。そのため知らずに過ごしていることが多いのです。
 もっとも、【食事でタンパク質を摂り過ぎてしまうことは滅多にありません】。後ほど述べますが、問題なのはプロテインです。

【『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二〈まきた・ぜんじ〉(ダイヤモンド社、2019年)以下同】

 筋肉野郎の話は当てにならんな。どいつもこいつもプロテインを推奨してやがるよ。大体、日本人の殆どは鎌倉時代以前から一汁一菜だったのだから、タンパク質信仰が本当だったら我々の先祖は絶滅していてもおかしくないことになる。典型的なフードファディズム(高橋久仁子)と言ってよい。

 前著でもプロテインは良くないと書きました。しかし、今、筋肉をつける目的でプロテインを摂っている人が多くいます。スタイリッシュに決めたい若者はもちろん、高齢者が通うスポーツクラブでも、トレーナーからすすめられて「健康のため」に飲んでいるケースが見受けられます。レッスンの終了後に「みんなで飲んでから帰る」という方法をとっているクラブもあるくらいです。
 そこでは、「運動をする人にはとくにタンパク質が必要なんです」といった説明がなされています。
 しかし、それを真に受けてはなりません。プロテインを摂れば、90分後くらいにアミノ酸濃度が上がり、過剰な分を排泄するためのろ過作業も増え腎臓に大きな負担がかかり腎臓病を起こすことが教科書にも載っています。(中略)
 50代でも10%、70歳を超えると30%の人がCKDの状態なのですが、その多くは自分の腎臓が悪くなっていることに気づいていないのではないかと思います。
 このように、すでに危険な状態に置かれている人たちが、健康維持のために行っているスポーツクラブでプロテインをすすめられ、ますます腎臓機能を悪化させている可能性があるのです。さらにタンパク質を過剰に摂ると、尿中に窒素として排出されるとき、尿中カルシウム増加を伴い腎結石や骨粗しょう症のリスクが増大します。
 アスリートではない成人の場合、【運動したからといってタンパク質の摂取量を増やす必要はありまえん】。体重60キログラムの人なら、運動していても1日60グラムで足ります。
 さらに女性の場合、男性よりも腎臓を悪くしやすい傾向にります。腎臓が心配ならば、体重50キログラムに対し、30グラムを目安にしていいくらいです。

「CKD(慢性腎臓病)とは、腎臓の働き(GFR)が健康な人の60%以下に低下する(GFRが60mℓ/分/1.73㎡未満)か、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を言います。年をとると腎機能は低下していきますから、高齢者になるほどCKDが多くなります」(NPO法人 日本腎臓病協会)。

 腎臓を鍛えるには有酸素運動と筋力トレーニングがいいようだ(NHK健康チャンネル)。結局、食事と運動に尽きるわけだ。

 宗教に限らず、我々の脳は思い込みに支配されがちである。「これだ!」と思った瞬間から周りが見えなくなるのだろう。もっと緩やかに俯瞰する視点が必要だ。



「プロテインを飲んではいけない」健康のために運動する人に多い根本的勘違い タンパク質摂取で筋肉はつかない

2022-01-17

100年以上の伝統がある乾布摩擦/『1分でよくなる新健康法 タオルこすり』


『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔
『自律神経が整う 上を向くだけ健康法』松井孝嘉

 ・100年以上の伝統がある乾布摩擦

医学が進歩した今もなお、現代人は【ひざ痛・腰痛】をはじめとした関節痛や【不眠・高血圧・物忘れ】など、慢性的な不調や病気から逃れられずにいます。その背景には、私たち現代人が見過ごしてきた2つの根本原因があります。
その根本原因とは、「【毛細血管の減少】」と「【自律神経の乱れ】」です。具体的に解説しましょう。

みなさんは、結果というと直径が1ミリ以上あるような太い血管をイメージする人が多いと思いますが、実際には血管の99%は、直径100分の1ミリ前後の毛細血管が占めています。そして、この毛細血管は【加齢や運動不足、食生活の乱れで減少してしまう】ことがわかっています。
近年、【この毛細血管の減少が、老化やさまざまな病気の根本原因ではないか】と指摘されています。

なぜなら、毛細血管は体内の各組織に酸素や栄養、ホルモンなどを運び、不要になった二酸化炭素や老廃物を回収する役割をしているからです。
つまり、【毛細血管が減少すると】、脳や内蔵、関節などのあらゆる細胞が酸素不足、栄養不足に陥って衰え、冒頭で述べた【不調や病気を招きやすくなる】のです。(末武信宏〈すえたけ・のぶひろ〉)

【『1分でよくなる新健康法 タオルこすり』(わかさ出版、2019年)以下同】

 乾布摩擦が自律神経を刺戟しているとは知らなかった。肌を鍛えているというよりは、肌を痛めつけて鈍感にしているのかと思い込んでいた。まったく浅墓な先入観ほど恐ろしいものはない。

 筋トレ~ストレッチ~体幹トレーニング~自律神経~口腔と読み進めてきて気づいたのだが、あらゆる運動の効果は血流促進の一点に収斂(しゅうれん)するといっても過言ではない。乾布摩擦やマッサージ・手技などは外部から血管や神経にアプローチしているのだろう。

 乾布摩擦の歴史は古く、約100年前に出版された健康本のベストセラー(『家庭における実践的看護の秘訣』、通称「赤本」)には、すでに記載があります。現在ほど医療が整っていない時代に、【心身を強化する健康法として、日本ではかなり昔から実践されてきた】のです。(中略)
【乾布摩擦を実践すると血流がよくなる】ことが、順天堂大学で行われた試験をはじめ、複数の研究でわかっています。

 日本文化の奥深さが窺える。明治近代化以前の文化を掘り起こす必要があるだろう。特に西洋式の体育が国軍の急整備のために導入されたことで失われた「体の動かし方」は少なくない。現在、武術家が先頭に立って様々な研究をしているが、仕事や職人技の中にも埋もれた宝庫があるに違いない。

 乾布摩擦というと裸になって早朝に行う印象がありますが、実際にはその必要はなく、【服を着たまま行ってもかまいません】。

 多分ね、下着や衣服そのものと肌の接触にも自律神経を刺戟する効果があるのだろう。鷲田清一〈わしだ・きよかず〉がそのようなことを書いていた憶えがある。

「服を着たまま」というのは例えば膝である。膝を曲げた状態でタオルをこする。

 実際に、ひざ痛のある人だけを集めて行った教室では、ひざタオルこすりを最初に行ってウォーキングの指導を1時間半したところ、その場でひざ痛が和らぐ人が続出しました。
【20人が杖をついてきていたのですが、なんと5人が帰りに杖を忘れて帰ってしまったのです。足を引きずってきた人が、スタスタと歩いて帰っていった姿がとても印象的でした。】

 これは凄い。安定した姿勢から自信が生まれて、普段抱えている不安が一掃されたのだろう。あるいは認知症の可能性も否定できないが(笑)。

 実際にはまだ行っていないのだが、風呂で注意深く体を洗うようになった。「体を洗う」のではなく「自律神経を刺激している」と自覚するようになった。強くこする必要はない。適度な強度で十分だ。

2022-01-14

副交感神経は首の筋肉と密接な関係がある/『自律神経が整う 上を向くだけ健康法』松井孝嘉


『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔

 ・副交感神経は首の筋肉と密接な関係がある

 いま改めて注目が集まっている【自律神経】は、内蔵や血管、呼吸器など体じゅうのあらゆる部位をコントロールする、【もっとも重要な神経のひとつ】です。実は、この自律神経、なかでも【副交感神経は首の筋肉と密接な関係があることを私が世界で初めて見つけました。】それにより体中(ママ)の不調が起き、【どの病院でも治すことのできなかった「頚筋症候群」の治療が可能】になったのです。

【『自律神経が整う 上を向くだけ健康法』松井孝嘉〈まつい・たかよし〉(朝日新聞出版、2018年)以下同】

「私」だらけの文章でとても読めた代物ではない。松井の辞書には「謙虚」「謙遜」という文字はないのだろう。発見した事実よりも、発見者である自分を重んじる感覚が理解できない。

 かぜを引いたときだけでなく、かぜ予防のためにも、冬場は、市販の使い捨てカイロが役に立ちます。
 薄い布などでカイロを巻き、低温やけどしないようにして、首の後ろにあてるようにします。
 使い捨てカイロは、種類にもよりますが長いものは24時間持ちます。寒い冬場は、首にあてると気持ちがいいので、外出時だけでなく、家でも使っているとかぜ予防だけではなく、自律神経のケアにもなります。
 使い捨てカイロはまとめ買いすると一つ20円前後ですから、かぜを引きやすい人や、首こりの人には必須アイテムです。
 使い捨てカイロが手に入りにくい地域や夏場などでは、タオルを温めて手製のカイロを作ることもできます。【小さいタオルを濡らしてしぼり、ラップに包んで電子レンジを500~600Wにして1分でできあがりです。】温め直せば、何度でも使えます。
 夜、寝る前や朝起きたとき首を温めると、かぜ、首こりの予防だけではなく、肩こりなどにも効きます。ついでにカイロや手ぬぐいで、眼を5分くらい温めると、眼の周囲の血管が広がって眼精疲労などに効き、気持ちよくなります。
 ただし、首の怪我をした直後などで炎症のある人や、偏頭痛がある人は、血流が多くなることで痛みが強くなりますから、首の温めをしてはいけません。

 昨年暮れから首の調子が悪い。目覚めた時に異様な頭の重さを感じる。蕎麦殻の枕が凹んでおり、頭を押しつけていることがわかる。一度、バスタオルを巻いて枕の代わりにしてみたのだが、さほど効果がなかった。

 個人的には風邪はひいた方がよいと思う。風邪には体内を調節する作用があり、治った後は以前より体調がよくなっているはずだ。風邪をひきにくい人は癌になりやすいという説もある。ひょっとすると新たなウイルスを取り込むことで小さな進化を繰り返している可能性もある。

 人体はウイルスと細菌の合作である。ただし、ウイルスのダムである森が破壊されており、時折致死性の高いウイルスが流行することもある。特に動物との接触には十分留意する必要がある。

 風邪防止というよりは免疫力を高める目的で行うのが望ましい。

2021-12-08

自律神経免疫療法/『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔


『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修
『血管マッサージ 病気にならない老化を防ぐ』妹尾左知丸
『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康
『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎

 ・自律神経免疫療法

・『効く!爪もみ』鳴海理恵、一般社団法人気血免疫療法会監修
『自律神経が整う 上を向くだけ健康法』松井孝嘉
『人は口から死んでいく 人生100年時代を健康に生きるコツ!』安藤正之

身体革命
必読書リスト その二

 じっさい、福田先生ほど欲のない人物を、私は知りません。
 一般に大病院で医師の職についていると、当たり前に仕事を続けていれば、それなりの地位が保証されているものです。ましてや福田先生は、新潟では腕利(うできき)きとして知られた外科医です。おとなしく普通に仕事をしていれば、輝かしい地位が約束されていたことでしょう。しかし、福田先生は、そんなものには、まったく拘泥(こうでい)することなく、自らが正しいと思う道を歩き続けているのです。その心の強さにはただただ頭が下がります。(安保徹〈あぼ・とおる〉)

【『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔〈ふくだ・みのる〉(講談社+α新書、2004年)以下同】

 安保徹は武田邦彦が「本物の医師」と太鼓判を押した人物である。専門は免疫学。著作が多いのでご存じの方もいるだろう。

 そうして(※浅見鉄男が主催する井穴刺絡〈せいけつしらく〉療法の勉強会に参加して)新潟に帰った私は、自律神経の動きを調べ、まずはアトピーやリウマチに悩まされている知人、友人数名を対象におそるおそる治療を始めたのである。治療というと何やら、大仰(おおぎょう)に聞こえるかもしれないが何のことはない、注射針を用いて頭や背中、それに手足の指の爪の生え際など、自律神経のツボをチクチクと刺激するだけのことである。
 するとどうだろう。それまで何年病院に通っても、効果らしい効果が現れなかった彼らの症状が、この簡単な治療をほんの数回、施すだけで、ほとんどの症例で、目に見えて好転しはじめたのである。「ほんとに効くんだ」――予想を上回る効果に患者も驚き、私自身も驚いた。
 そして、その結果に気をよくして私は、すべての病気にこの治療法で立ち向かおうと、固く心に決めたのである。こうして、注射針で自律神経を刺激する「チクチク療法」、いや「自律神経免疫療法」が誕生した。

 つけ加えておくと、私は長年、持ちなれたメスを捨てることにも、それまで最低でも週に2~3回はこもっていた手術室に足を向けないことにも、いささかのためらいも感じなかった。方法論なんぞ関係ない。患者がよくなればそれでいいのだ。

 そしてセルフ療法として編み出されたのが「爪もみ」である。やり方は簡単だ。


 爪の生え際の両際(2mm離れたあたり)を、反対側の親指と人差し指の爪で挟む。あるいは爪楊枝などで押す。10秒間を2~3回繰り返す。薬指は行わない。たったこれだけだ。足の指も同様に行う。

 私は耳鳴りが酷いので直ちに行った。まだ効果は現れないが気長に構えている。風呂上がりや寝る前に行うのがよい。

2021-10-22

動脈指圧/『血管指圧で血流をよくし、身心の疲れをスッと消す! 秘伝!即効のセルフ動脈指圧術』浪越孝


『血管マッサージ 病気にならない老化を防ぐ』妹尾左知丸
『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康
『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎

 ・動脈指圧

身体革命
必読書リスト その二

 指圧で動脈を軽く刺激すると、それだけで血管を取り巻く血管拡張神経が反応して血流が促されます。結果、すみやかに全身にエネルギーチャーチが行われ、同時に痛みや疲れの「もと」が排除されます。
 一般的なマッサージは静脈やリンパ管を刺激するものが主流ですが、心臓から直接血液を運ぶ動脈を刺激する動脈指圧のほうが、末端の静脈や心臓とつながっていないリンパ管を刺激するより、はるかに効率がよく確実です。(中略)
 また、全身をめぐる動脈は、数本の大きな血管から次第に枝分かれしているので、大きな血管を刺激すれば、末端への血流も自然に促されます。

【『血管指圧で血流をよくし、身心の疲れをスッと消す! 秘伝!即効のセルフ動脈指圧術』浪越孝〈なみこし・たかし〉(さくら舎、2016年)以下同】

 指圧は「心臓に近い位置から末端へ向けて」行う。この「遠心性」に指圧の特徴がある。一般的なマッサージとは逆方向なので注意する必要がある。やや微妙なのはエビデンスが全く示されていないことだ。上記テキストには「刺激できる」としか書かれていない。

 私たちは、身体のどこかが痛かったり、しびれたりすると、自然にその部位に手を当てて、なでたり、おしたり、さすったりして自分で症状を緩和しようとします。いわゆる「手当て」という癒やしの方法を、本能的に知っているのです。
 その「手当て」が、中国では「あん摩」に、ヨーロッパでは「マッサージ」に、日本では「指圧」にと、治療技術として発展し、確立されていったのです。

 知らなかった。しかも、

 指圧の創始者は私の祖父の浪越徳治郎〈なみこし・とくじろう〉です(※大正14年、北海道室蘭市で指圧治療所を開業)。

 吃驚仰天である。「指圧の心は母心、押せば命の泉湧く」の浪越徳治郎だ。私の世代であればテレビでお馴染みの人物である。指圧が近代の産物であるとは驚きだ。病弱な母親の体をさする中で徳治郎は指圧の手技を編み出したという。泣かせるエピソードだ。徳治郎は新婚旅行で来日したマリリン・モンローが胃痙攣を起こした際に指圧を行ったことで名を馳せた。

 基本のおし方は、バイタルポイント1点につき3秒3回が目安です。ただし、おす時間や回数などは、バイタルポイントや症状によって変わります。
 力の強さは「快圧」です。いわゆる「イタ気持ちいい」と感じる状態では、力の入れすぎ。痛みを感じると、交感神経が緊張して血管が収縮してしまい、逆効果です。
 また、初めから圧をかけすぎないこと。おすときはゆっくりと息を吐きながら、柔らかくじんわりと指先に圧をかけ、深部までほぐしていくよう心がけてください。

 私は血管マッサージに指圧を盛り込んでいる。この辺りは好みというか、体の声に耳を傾けるのがいいだろう。

 何となく日本指圧専門学校のサイトを見て驚いた。近頃は驚くことが多くて驚いている。初年度の学費が182万円もするのだ。卒業には3年間を要するので総額は500万円近くなることだろう。国立大学の2倍、私立の理系大学と変わらぬ料金だ。たぶん鍼灸専門学校の学費に準じた考え方なのだろうが、完全なボッタクリだと思う。

 独立して飯を食っていけるという前提があったとしても適正価格とは考えにくい。母親思いの子供の手が生んだ技は金儲けの道具に出した模様である。学費を見る限り「いたわりと思いやりの心」は感じられない。しかも問題なのは、日本指圧専門学校が増えていない事実だ。徳治郎の子が理事長・校長を兼務しているのもどうかと思う。一族郎党が繁栄するための法人であれば株式会社と変わらない。

 指圧の効果が確かなものであったとしても、指圧師によって大きな差があることだろう。医師と同じである。否、それが技術であれば医師よりも大きな違いがあると考えられる。芸術やスポーツと一緒で素質やセンスが物を言う世界だ。既に老いつつある私は、幼い徳治郎に想いを馳せながら、自分なりに研究してゆくつもりである。

 本日で血管マッサージを開始して4日目であるが、昨日からブルブル体操~血管マッサージ~倒立という順番で行っている。目がよく見えるようになり、頭は冴え渡っているのだが、耳鳴りが酷い。好転反応だと思い込むようにしている。

2021-10-21

「NO力」を高める/『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎


『血管マッサージ 病気にならない老化を防ぐ』妹尾左知丸
『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康

 ・「NO力」を高める

『血管指圧で血流をよくし、身心の疲れをスッと消す! 秘伝!即効のセルフ動脈指圧術』浪越孝
『別冊Newton 人体の取扱説明書』
『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔

身体革命
必読書リスト その二

 両者(※血管年齢の老若)をよく調べてみると、心臓から全身に至る太い動脈(大動脈)はどちらも年齢相応で、【末端の動脈のしなやかさに大きな差がある】らしいのです。

【『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎〈いけたに・としろう〉(知的生きかた文庫、2014年)以下同】

 いい知らせだ。福音(ふくいん)と言ってよい。大動脈をマッサージすることは難しい。末端であればこそ触れることができる。たぶん凍傷と似たメカニズムなのだろう。人体は内蔵を守るために手足から死なせてゆく。手足がなくとも生きてゆけるが内蔵はそうはいかない。川を考えてもそうだ。氾濫(はんらん)し、堆積(たいせき)し、汚れるのは川下である。

 19世紀の内科医オスラーが【「人は血管とともに老いる」】の名言を残したように、血管の老化は全身の老化の根本的な原因となります。

 若いころは弾力があり、しなやかな血管も、年を重ねるほどに弾力が失われ、硬くなっていきます。残念ですが、これは、自然なことでどんな人も避けられません。
 おそろしいのは、血管が硬くなるだけでなく、血管の内側が盛り上がり、血液の通り道が狭くなって血流が滞るということです。
 これが、いわゆる【「動脈硬化」という血管の老化】です。

 体の内部は見えないからこそ怖い。意識もしにくい。老いは自ずと体に目を向けさせる。肩凝りや躓(つまづ)きに始まり、ビンの蓋を開けることができなくなり、プラスチック袋のノッチも切れなくなってくる。かつては持てた物が持てなくなり、歩けば息が切れ、やがては転んでも手が出なくなる。寝たきりの原因で多いのは転倒による骨折だ。体も心も使わなくなれば廃用症候群となる。

「血管内皮細胞」は血管にとって、とても大切なものです。血液が血管外に漏れ出さないようにしているだけでなく、血圧をコントロールしたり、血管についた傷の修復を促したりする機能も備わっています。
 それらを主に担っているのが「NO(エヌオー/一酸化窒素)です。
「NO」は必要に応じて「血管内皮細胞」から分泌され、【血流をよくしたり、しなやかで弾力のある血管を維持する】ために働いています。【動脈硬化や高血圧の予防】などにもひと役買っています。

 NOの機能がわかったのは1980年代だという。私も初耳だ。外部のNOは毒なのに、内部のNOが薬として働くのが不思議である。

「NO」のもっともわかりやすい働きは、【「動脈を拡張させて」「血液の流れをよくし」「血圧を安定させる」】ことです。

 文句なしだ。私の苗字にNOが含まれているので実に好ましい(笑)。

 確かに、リンパや静脈はもんだりマッサージしたりすることで流れがよくなりますが、動脈を拡張させて血液循環をよくするには、【「有酸素運動」による筋肉の収縮がより効果的】です。
 ウォーキングなどの「有酸素運動」は、動脈にとっては、やさしくもみほぐしてくれる【“リラックスマッサージ”】のようなものです。
 反対に、短時間で一気に筋肉に負荷をかける「無酸素運動」は力まかせにギュウギュウと押しつける“暴力的なマッサージ”のようなもので、血管にはむしろ負担がかかります。「NO力(エヌオーりょく)」を高めるにはおすすめできません。

 フム。これについては異論を挟みたい。血流だけで血管がきれいになるとは思えない。血管に付着したカルシウムなどを考えれば、やはり血管マッサージが最強だろう。池谷本人も最初はマッサージを否定しておきながら、結局「リラックスマッサージ」と書いているのがその証拠である。血管マッサージという浚渫(しゅんせつ)と有酸素運動による血流の組み合わせが私の血管強靭化政策である。

 歩くときにちょっとした工夫をすると、その効果をさらに高めることができます。
 まず、お腹と背中をくっつけるようなイメージで下腹をぐっと凹(へこ)ませます。そのまま背スジを伸ばした状態で歩きます。
 これは【「ドローイン」】というトレーニング法で、お腹を凹ますだけで、【体の奥にある筋肉(インナーマッスル)を鍛える】ことができます。
 インナーマッスルを鍛えると、【姿勢がよくなり、胃や腸など内蔵の機能を助ける】ことにもつながります。

 ドローインとは呼吸法である。ま、有り体に言ってしまえば腹式呼吸なのだが順逆のバージョンがある(ぽっこり下腹を撃退! 正しいドローインで腹横筋を鍛えよう | GetNavi web ゲットナビ)。池谷が説くドローインは考え方としてはプランクに近い。

 他にも簡単な体操が紹介されている。私の研究だと、ゆる体操や肩甲骨周りのストレッチが効果的だと思われる。

 今日で血管マッサージを行って3日目である。驚くほど目がよく見えるようになった。また今日からマッサージ後に倒立も行っている。健康の道は戒律に近いものがある。

 尚、図解版も出ているようだ。

 

2021-10-20

血管の長さは10万キロメートル、血液の量は5リットル/『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康


『血管マッサージ 病気にならない老化を防ぐ』妹尾左知丸

 ・血管の長さは10万キロメートル、血液の量は5リットル

『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎
『血管指圧で血流をよくし、身心の疲れをスッと消す! 秘伝!即効のセルフ動脈指圧術』浪越孝
『別冊Newton 人体の取扱説明書』
『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔

身体革命
必読書リスト その二

 血管には動脈、毛細血管、および静脈などがありますが、その中でも特に「中くらいの太さの動脈(中動脈)」と「細い動脈(細動脈)」が大切です。この動脈が丈夫でしなやかであれば、酸素や栄養分を体の隅々まで運搬することができ、全身の細胞の機能を正常に保てます。これが生活習慣病を予防する秘訣です。(中略)
 これには私の恩師で岡山大学名誉教授・故妹尾左知丸〈せのお・さちまる〉先生が考案された「血管マッサージ」が効果的です。いつでも、どこでも、誰でも、お金をかけずに血管を丈夫にできる素晴らしい健康増進法であり、生活習慣病の予防にも効果的です。この本ではこれを「血管ほぐし健康法」として紹介します。

【『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康〈いのうえ・まさやす〉(角川SSコミュニケーションズ、2009年)以下同】

 妹尾の後に井上を読んだのは全くの偶然だった。知識がつながり、人がつながるところに読書の醍醐味(だいごみ)がある。

 人の血管は年齢とともに老化して硬くなっていきます。このため年をとると血圧が上昇し、脳卒中や心臓病などにかかる危険性が増していきます。
 病気だけではありません。血管の老化は容貌にまで影響します。同じ年齢でもずいぶん老けて見える人と若く見える人がいます。実は、その差は主に脳と血管のしなやかさの違いによることもわかっています。脳と血管の健康こそが元気と若さの秘訣なのです。

「脳のしなやかさ」の意味がわからぬが、血管のしなやかさは腑に落ちる。新品のゴムホースみたいなものだろう。あるいは自転車やクルマのタイヤなどのゴム製品を思えばわかりやすい。

 男女共に魅力というものは表情の豊かさに現れる、というのが私の持論である。表情筋が活発に動けば血行もよくなるはずだ。老け顔の原因は感情の乏しさにあるのだ。

 人間の血液は、心臓から動脈を経て全身組織の隅々にまで張り巡らされた毛細血管に到達します。そして、末梢組織の細胞から老廃物などを集めて静脈に合流し、心臓に返ってきます。この血管の長さを合計すると約10万キロメートルにもなります。人は体内に10万キロメートルもの血液の運河を持っているのです。
 人の血液は約5リットルあり、それが休むことなく全身の血管の中を流れ続けています。血液が体全体を巡るのに要する時間はわずか数十秒ですが、この流れは一生止まることはありません。
 心臓から肺に送られた血液は酸素を受け取って心臓に戻ります。食物中の栄養素は胃腸で分解されて糖やアミノ酸となり、消化管から吸収されて全身を駆け巡ります。
 心臓から全身に送られた血液は、末梢組織の細胞に酸素と栄養分を供給し、二酸化炭素や老廃物を受け取って心臓に戻ります。その二酸化炭素や老廃物は、呼気や便や尿として体外に排泄されます。
 このため、血管が障害されたり詰まったりすると、酸素や栄養素を組織や細胞に送ることができなくなり、老廃物も処理できなくなります。このようなことが起こればどんな組織や細胞も生きてはいけません。

 そして「心臓の鼓動が体中にメッセージを伝えている可能性もある」(『心臓は語る』南淵明宏)。人体の壮大な世界は地球規模で広がっている。血管マッサージは血管という河川の浚渫(しゅんせつ)工事だ。わずかな行為が10万キロメートルの血管に及ぶとすれば、これほど合理的なことはない。体を見つめることは自分を見つめることに通じる。世界を知ることも大切だが、自分を知ることはもっと大切だ。血管マッサージを始めて2日目であるが、実に調子がよい。

 尚、井上正康は精力的にコロナ関連書を出しているので併せて紹介しておく。



   

2021-10-19

血管マッサージには運動と同じ効果が/『血管マッサージ 病気にならない老化を防ぐ』妹尾左知丸


 ・血管マッサージには運動と同じ効果が

『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康
『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎
『血管指圧で血流をよくし、身心の疲れをスッと消す! 秘伝!即効のセルフ動脈指圧術』浪越孝
『別冊Newton 人体の取扱説明書』
『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔

身体革命

 人がふつうに呼吸をして食事をしていれば、体内部の細胞はよく働くはずです。しかし運動せずにいると、動かしてない部分の筋肉は栄養と酸素をもらえず、やせ細り、老化が進行してしまいます。したがって、毎日よく運動して全身の組織にずい時血液を流すよう、努力しなければなりません。化  とはいっても、毎日よく運動するのは大変でしょう。代わりに、動脈の表面に分布する血管拡張神経に外から刺激を与えて興奮させてやれば、刺激された部分の動脈は拡張子、その部分の筋肉に血液が流れます。つまり「血管マッサージ」で運動を代用するのです。
 私はこの20年間、毎日欠かさず全身の血管マッサージを続けています。1日1回、毎朝たった15~20分の血管マッサージ。でもそのマッサージが驚くほどの効果を見せてくれたのです。マッサージのおかげでしわやしみが薄くなり、生活習慣病にもかかっていません。

【『血管マッサージ 病気にならない老化を防ぐ』妹尾左知丸〈せのお・さちまる〉(KKベストセラーズ、2006年)以下同】

 執筆時、妹尾は91歳である。翌年死去(田代裕)。遺著となった。血液循環に関する本は何冊か読んできたが、よもや血管を直接マッサージできるとは思わなかった。眼(まなこ)を開いてくれた一書である。

「運動を代用」と書かれているが、実は運動の効果が血流をよくすることにあると考えることもできよう。心拍数を上げ、筋肉を肥大させるのも血管に対する刺戟が目的なのだろう。だとすれば血管マッサージ=運動という図式が成り立つ。

 ゆる体操(高岡英夫)やストレッチも同様だ。あるいはヨガも。身体を見つめ直す行為はよりよき生へとつながり、よりよき生は血管に収まるのだ(断言)。

 動脈は骨に沿って深いところを走っているので、血管(動脈)マッサージは皮膚の上から動脈に沿って行います。
 マッサージは皮膚と骨、骨と筋肉を上下左右にずらして、動脈をゆさぶるように動かして刺激するのがコツ。

 上記血管本を読んできた今となっては、本書のイラストは大雑把すぎると思う。私が神経質なのかもしれないが、もっと具体的に動脈の位置を知りたい思いに駆られる。

 私は当年取って58歳になるが、病気は十二指腸潰瘍しか知らない。ついこの間、20日間以上休みなしで働き、2日間で27時間も寝てしまうほど健康である。昨日も11時間半寝た。寝ると私の意志は強靭になるのだ。誰も私の眠りを妨げることはできない(大袈裟)。

 ま、そんなわけで、要は効果を感じにくいということだ。実は今日から血管マッサージを始めた。私は健康オタクを自称しているので、その名に恥ずかしくない実践をしてゆくつもりである。

 2ヶ月ほど前に免許試験場の隣で献血をしようとしたところ、血圧が200を超えていて断念した。三度目の正直で呼吸法を駆使して180以下まで下げたのだが、下の数値が高くて駄目だった。8年ほど前に酒をやめたところ突然高血圧となった。加齢の影響もあるのだろう(動脈が細くなる)。血圧はいつでも下げる自信があった。実際に2週間ほどサバ缶タマネギを食べ続けて140台まで下げた。次はいよいよ血管拡張だ。

2021-08-04

運動は食後すぐに行うのがいい/『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
・『日本人には塩が足りない!』村上譲顕
『果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?』ロバート・H・ラスティグ
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ

 ・余ったトウモロコシのために清涼飲料水が発明された
 ・運動は食後すぐに行うのがいい

『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」』三石巌
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

身体革命
必読書リスト その一

「空腹時の運動で脂肪が燃える」は大いなるウソ

 糖質を食べれば血糖値が上がりますが、【食後すぐに運動すると、その上昇を抑えることができます】。だから、運動は食後に行うのが効率的です。
 かつては、「食後は消化のためにゆっくり休め」というのが常識でした。しかし、そもそも、食後にゆっくり休まなければならないほど一度にたくさん食べるべきではありません。血糖値が大きく上昇しないよう、「腹七分目」を心がけることが重要です。
 また、「空腹時に運動することで脂肪が燃える」とも言われました。しかし、空腹時に運動すれば、その後さらに腹ペコ状態でドカ食いすることになり、血糖値は急上昇します。血糖値が上昇すれば、それだけ太ります。
 もはや、「空腹時に運動」という考えは古いのです。
 糖質を多くとったときには食後すぐに運動し、血糖値の上昇を抑えましょう。それによって確実に肥満が防げます。ウォーキングだけでなく、社内でスクワット、ストレッチなど簡単な体操でも十分です。

【『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二〈まきた・ぜんじ〉(ダイヤモンド社、2017年)】

 魂消(たまげ)た。食後の運動では「食べたものが燃える」と私は信じ込んでいた。藤原正彦・美子〈よしこ〉夫妻が食後に必ず30分ほどの散歩を行うことを知り、嘲笑った覚えがある(『藤原正彦、美子のぶらり歴史散歩』)。穴があったら入りたい。

 ここでいう糖質とは炭水化物やイモ類・菓子類と考えてよい(アルファ30「主な食品のGI値」)。尚、ストレッチは運動と見なせないので、せめて階段の上り下りくらいはした方がいいだろう。腕立て伏せや腹筋も避けた方がよい。飽くまでも主要な筋肉が集まっている下半身の運動と考えるべきだ。汗をかいても平気ならバーピージャンプがおすすめだ。

 ダイエットに関しては運動よりも食事制限がメインとなる。運動の消費カロリーは知れている。出力よりも入力をコントロールする方が早い。

余ったトウモロコシのために清涼飲料水が発明された/『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
『日本人には塩が足りない! ミネラルバランスと心身の健康』村上譲顕
『果糖中毒 19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?』ロバート・H・ラスティグ
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス
『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ

 ・余ったトウモロコシのために清涼飲料水が発明された
 ・運動は食後すぐに行うのがいい

『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」』三石巌
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

身体革命
必読書リスト その一

 もともと清涼飲料水は、アメリカでトウモロコシが生産過剰に陥ったことがきっかけで生まれたと言われています。余ったトウモロコシを無駄にしないようコーンシロップをつくり、溶かして人々に売りさばくことを考えたのです。
 そのときに、どのくらいの量を入れれば血糖値が上がって至福点に達するかも計算されています。つまり、【企業の利益のためにあえて中毒をつくりだしたわけです】。
 しかし、税金をたくさん納めている企業に対し、国や自治体が本気で規制に乗り出すことはできません。アメリカでは買収された学者が【「肥満を呼ぶのは糖質ではなく脂肪だ」】という説を垂れ流し、いまもそれを信じている人が世界中にいます。

【『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二〈まきた・ぜんじ〉(ダイヤモンド社、2017年)以下同】

 牧田善二は糖尿病の専門医で38年間にわたって20万人以上の患者を診てきたエキスパートだ。自身の経験から「健康格差」が広がっていることに気づいたという。糖尿病予防の肝は血糖値の上昇を抑えることだ。生活習慣病改善のためには血圧よりも血糖値に注意を払うのが正しい。

 上記テキストは映画『あまくない砂糖の話』(デイモン・ガモー監督)を紹介する件(くだり)である。同作品はamazonのprime videoで視聴できる。

 戦後の学校給食がパンになったのも、アメリカの余剰小麦をさばくための戦略だった(『この国の不都合な真実 日本はなぜここまで劣化したのか?』菅沼光弘)。

「肥満の原因は脂肪である」との迷信は砂糖業界がハーバード大学の学者に資金を提供し「低脂肪ダイエット」なる概念を発明した。その後1950年代にミネソタ大学のアンセル・キーズ博士が飽和脂肪酸やコレステロールを槍玉に挙げ、冠動脈性心疾患の原因と指摘した。同博士は『TIME』誌の表紙を飾った。

現実の虚構化/『コレステロール 嘘とプロパガンダ』ミッシェル・ド・ロルジュリル

 半世紀を経ても尚、迷信は生きている。

 いまから45年も前の1972年に『日本の長寿村短命村』(サンロード刊)という本が刊行されました。著者は、東北大学名誉教授の近藤正二医学博士です。
 博士は、1935(昭和10)年から36年間にわたり、日本中を歩き、長寿者が多い村、逆に短命者が多い村を探して訪ね、その生活様式を調査しました。
 博士がこの調査を始めたとき、「短命の原因は酒ではないか」「いや、重労働がいけないのだ」などという俗説が流布されていました。そこで博士は、「それらの俗説が正しいのかどうか、実際に自分の目で見てくる」ことを決意し、20キロを超えるリュックサックを背負い、ときに険しい山を登りながら僻地まで足を運び、長いときには1つの地域に2か月も滞在し、合計で990の町村を調べ上げたのです。(中略)
 私の手元に残る『日本の長寿村短命村』は、表紙が少し黄ばんでしまいましたが、内容は少しも色あせていません。むしろ、現代を生きる私たちに非常に重要な示唆を与えてくれています。
 私なりに、博士の研究結果をまとめてみると、以下のようなことが言えます。

1.健康・長寿の決め手は食生活である
2.酒飲みは短命ではない
3.重労働をしている人のほうが長寿
4.ごはんの食べすぎは短命
5.魚ばかりで野菜が少ない村は短命
6.大豆製品を多く食べている村は長寿
7.大量の野菜を食べている村は長寿
8.果物を多くとる村は短命
9.海藻を多くとっている村は長寿
10.肉の食べすぎは短命
11.塩分をとりすぎている村は短命
12.ゆっくり楽しんで食べることが大事

 これはフィールドワークのため尊い仕事だと思うが、もっと広い範囲のデータが必要だろう。また相関関係と因果関係が異なることを理解する必要もある。食事だけに注目すれば疑似相関となりかねない。

 平均寿命はずっと伸び続けている。問題は健康寿命だ。人は必ず死ぬ。長生きを望むよりは、いつ死んでもいいように生きておくのが求められる流儀ではあるまいか。



2021-07-03

多剤併用(ポリファーマシー)の危険性/『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏


『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏

 ・多剤併用(ポリファーマシー)の危険性

『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
『ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング』田中宏暁
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『一流の頭脳』アンダース・ハンセン
『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット
『トレイルズ 「道」と歩くことの哲学』ロバート・ムーア
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
『「体幹」ウォーキング』金哲彦
『高岡英夫の歩き革命』、『高岡英夫のゆるウォーク 自然の力を呼び戻す』高岡英夫:小松美冬構成
『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』園原健弘
『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』みやすのんき
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎
『ナンバ式!元気生活 疲れをしらない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『すごい!ナンバ歩き 歩くほど健康になる』矢野龍彦
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修

身体革命

●歩けば、抗酸化物質が増える
●歩けば、ホルモンバランスが変わる
●歩けば、寿命を左右する「テロメア」が伸びる
●歩けば、若さの源「テストステロン」が増える
●歩けば、腸内環境が良くなる

【『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏〈ながお・かずひろ〉(山と渓谷社、2018年)以下同】

 長尾和宏が信用できるのは医師でありながら、医療あるいは医療行政をきちんと批判しているからだ。これは中々できそうでできることではない。ある意味で自分の首を絞めているわけだから。自分で吐いた言葉が読者から今度は自分に突きつけられるのだ。「だったら、お前さんはどうなんだ?」と。

 批判の度合いはリスク許容度と相関性がある。左翼の場合は例外だが、普通の常識人であれば利害関係者から突き上げを食らうことは容易に想像できる。正義感に駆られて告発した者が殺されるケースもある(石井紘基など)。あるいは出過ぎた真似をすると村八分にされる慣行が日本にはある。

静岡県上野村村八分事件 - Wikipedia
「私のしたことは間違っていたのでしょうか」選挙違反を告発した女子高生と家族が味わった“重すぎる報酬” 日本一の非文化村「村八分事件」 | 小池新

 つまり本当の情報が100%公開されることはあり得ない。私が民主政を支持しない理由の一つである。ディスクロージャーを欠けば選択の基準を失う。長尾の批判は穏当であるが、穏当であるがゆえに説得力を持つのだ。

「人が老いるには、3つの理由がある」は間違い。というか古い考え方だ。更新された情報は、ジョシュ・ミッテルドルフ、ドリオン・セーガン著『若返るクラゲ 老いないネズミ 老化する人間』(集英社インターナショナル、2018年)を参照せよ。

 階段昇降はとてもおすすめです。生活の中で行うスクワットのようなもの。足腰の筋肉がかなり鍛えられます。さらに、スクワット以上に優れているのが、実は平衡感覚の練習にもなること。足腰だけでなく、脳も鍛えられるのです。

 私は近頃、同じ姿勢の反復を繰り返す筋トレについてはかなり疑問を抱いている。そもそも日常生活の中でそんな単純な動きは見られない。人の行為・行動はもっと全体的で流動性がある。ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)のように動きの中で反射を探るのが正しいと考える。

 階段や坂道が推奨されるようになったのは20年ほど前のこと。当時はスローピングという名称で持て囃(はや)された。私の中で初めてハイキングや登山が意識されたことをよく覚えている。

 そして、「50代、60代以降の特に女性に多い悩みの一つが、めまい」だという。更年期障害や自律神経失調症などの影響もあるのだろう。

 診察室で「歩く」という話が出ることはほとんどありません。何の話になるかといえば、結局のところ、薬です。

 しかし、薬を飲めば飲むほど病気になる。これは真実です。

 薬を5~6種類以上飲むことを「多剤併用(ポリファーマシー)」といいます。その怖さについては、高齢者の医学・医療を研究・実践する「日本老年医学会」も、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」のなかで指摘しています。
 具体的には、薬が増えると、薬物間の相互作用によって薬が効きすぎたり、逆に効果が薄れたりすること。あるいは処方や調剤の間違い、飲み忘れ、飲み間違いが増えるということ。また、薬が5種類以上で転倒しやすくなり、6種類以上になると何らかの有害事象が起こりやすくなるということを指摘しています。(中略)
 ところが現実には、5~6種類以上の薬を服用している方はたくさんいます。10種類以上の薬を飲んでいる方もたくさんおられます。実際に、多剤併用から転倒・骨折して寝たきりになったり、入院して認知症がひどくなったり……ということは珍しくありません。

 精神疾患や認知症患者はザラに20錠以上の薬を日々服用している。薬は毒である。病気の人体に対して毒を以て毒を制するのが薬の目的だ。毒には必ず副作用がある。一番簡単な例を示そう。睡眠薬と覚醒剤を併用すればどうなるだろうか? 食べ合わせですら間違えると腹痛などを起こすのだ。医学はまだ体内の化学作用を解明するほど進化していない。

 医師の仕事は処方箋を書くことに堕してしまった。特に精神疾患が「脳の病」と喧伝されるようになってからは薬物治療がメインストリームに格上げされた。製薬会社と病院は強固な利権で溶接されてしまっている。

2021-06-16

何はさておき歩いてみよう/『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏


 ・何はさておき歩いてみよう

『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏
『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
『ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング』田中宏暁
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『一流の頭脳』アンダース・ハンセン
『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット
『トレイルズ 「道」と歩くことの哲学』ロバート・ムーア
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
『「体幹」ウォーキング』金哲彦
『高岡英夫の歩き革命』、『高岡英夫のゆるウォーク 自然の力を呼び戻す』高岡英夫:小松美冬構成
『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』園原健弘
『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』みやすのんき
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎
『ナンバ式!元気生活 疲れをしらない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『すごい!ナンバ歩き 歩くほど健康になる』矢野龍彦
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修

身体革命

【糖尿病人口は、950万人に。
 高血圧人口は、4000万人に。
 高脂血症人口は、2000万人に。
 認知症人口は460万人、予備軍も加えると900万人に。
 そして、毎年100万人が新たにがんにかかり、年間で37万人が、がんで命を落としている――。】

 毎年、毎年、そんなニュースが次から次へと耳に飛び込んできます。「こんなに病気が増えました。10年後にはもっと増えるでしょう。大変です」と、大騒ぎしています。しかし、その大半は、歩かなくなったことが原因だと思います。

【『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏〈ながお・かずひろ〉(山と渓谷社、2015年)】

 長尾和宏はもはやベストセラー作家といってよい。ウォーキング本の刊行順は以下の通りである。

・本書、2015年
・『認知症は歩くだけで良くなる 認知症予防と改善に最良の方法は「ながら歩き」! 』2016年
・『歩き方で人生が変わる。 幸せになる10の歩き方』2017年
・『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』2018年
・『歩くだけでウイルス感染に勝てる! 歩行で、新型コロナやインフルエンザを克服しよう!』2020年
・『「生活習慣病」は歩くだけで9割治る!+食生活編』2020年

 やや粗製乱造気味と思われるので、興味が湧くタイトルを選べばいいだろう。

 尚、上記書評リストは道標(みちしるべ)として網羅を試みた。ま、古本屋の心意気みたいなものだ。心密かに「俺って天才?」と思っていることは敢えて書かない。

 特に、80歳以上では、4人に1人が認知症といわれています。

 認知症とは「私が私でなくなる病気」である。娘の顔を見て「どちら様ですか?」と言う瞬間の衝撃は筆舌に尽くし難いものがある。それまでの関係性を見失い、断ち切る深刻な病だ。当人に自覚はないが「世界から切り離された状態」に追いやられる。自我の喪失は形を変えた死といってよい。

 まず、認知症を予防するには、認知症予備軍といわれる「軽度認知障害(MCI)」の段階で注目することが一つです。MCIというのは、そのまま何もしなければ5割の人が認知症に進むけれども、気をつければまだ後戻りできるという段階。この段階で気がつけば、自力で認知症を予防することができます。
 それは現実的に可能になってきているのです。何も症状のない段階から、MCIを早期発見する「MCIスクリーニング検査」が実際に可能になりました。
 これは、アルツハイマー病の原因である「アミロイドβ」が脳内にたまっていくときにかかわっている3種類のたんぱく質を調べることで、MCIのリスクをA~Dの4段階で評価するというもの。検査は採血のみで、2万~3万円程度で受けることができるそうです。

 これは知らなかった。親が70代になったら必ず受けさせよう。認知症は静かに緩慢な進行を続け、ある日突然表面化する。氷山の一角にたじろいでからでは遅い。時間をかけて進行する病気は治すのも時間を要する。歩くことで認知症から距離を置ける。否、いっそのこと認知症から逃げるつもりで歩いた方がいいだろう。

 うつの人は、歩けば治ります。【うつ病は、脳内の「セロトニン」や「ノルアドレナリン」というホルモンが不足した状態ですが、歩けばこれらが脳内で増えるからです。】だから、1日5分でいいので、とにかく歩いてほしい。

 科学的根拠は示していないが、臨床的な実体験から述べられた言葉である。善は急げである。とにかく歩け。

 もう一つ。朝日を浴びることもとても大事です。
 朝日を浴びることが大事な理由は二つあります。一つは、朝日を浴びると、体内時計がリセットされるということ。
 体内時計は24時間よりもちょっと長い周期で働いています。ところが1日は24時間周期なので、そのままにしていると少しずつ狂ってしまう。それをリセットしてくれるのが朝日を浴びることなのです。
 また、朝日を浴びると、夜間に「メラトニン」が分泌されるようになります。メラトニンとは、睡眠ホルモンと呼ばれるもの。メラトニンが脳の松果体から分泌され、夜になると脈拍、体温、血圧が下がって自然な眠りに入っていくのです。このメラトニンは、朝、光を浴びてから14~16時間後に分泌されるといわれています。

 本書を読んでから直ぐに実行している。生活の中で自然と接触することが大切だ。人工物は死んでいる。便利な乗り物や家電製品を使うことで我々は体力を失い、風雨にさらされることを拒んで五官の感覚が衰えてゆく。安全に馴染みすぎた体はブクブクと太り、背骨は曲がり、慢性的な肩凝りや腰痛に悩まされる。我々は楽な生活を選択することで自ら生活習慣病を招き寄せているのだ。

 私は50代になってから、ウォーキング~自転車~筋トレ~スロージョギングと進み、今再びウォーキングに回帰したところである。ゆくゆくは自転車で走った宮ヶ瀬湖や相模湖まで歩いてゆくつもりだ。

 最後に重要な指摘を。長尾和宏が書いている具体的な歩行法は無視せよ。これに関しては私の方がずっと詳しい。

2021-03-25

炭水化物は夕食で摂る/『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
『日本人には塩が足りない! ミネラルバランスと心身の健康』村上譲顕
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス

 ・炎症が現代病の原因
 ・食物に含まれる反栄養素
 ・意志力は限りある資源
 ・炭水化物は夕食で摂る

・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン
『宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議』吉田たかよし

必読書リスト その一

 完全無欠ダイエットでは、適量の完全無欠な炭水化物(後述。およそ30グラム、野菜を添えて)を食べるのはかまわないが、夕食かその直後に限る。そして、週に1~2回は100~150グラムを食べること。(中略)
 炭水化物を夜に食べるのが重要なのには、いくつか理由がある。まず体をリラックスさせて睡眠へ導くセロトニンという神経伝達物質の生成に、でんぷんと糖が使われること。(中略)
【夜の炭水化物の摂取から得られる血糖の上昇分は、あなたが眠っているあいだに脳が必要な働きをするのに役立てられる】。これで適量のケトン体が生成でき、涙や粘膜を形成する原料が与えられて睡眠の質が劇的に改善される。涙と粘液の原料とは、炭水化物だ。

【『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー:栗原百代〈くりはら・ももよ〉訳(ダイヤモンド社、2015年)】

 これは判断が難しいところだ。「夜は避けて朝昼にすべし」という指摘もあるからだ。納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓溶解作用があるので、朝食よりも夕食に摂(と)ることが望ましいとされる。脳梗塞は夜間睡眠中、脳出血は午前中に発症することが多い(鶴巻温泉病院 神奈川県)。ご飯の場合ゆっくりと血糖値が上がるので納豆やオクラを合わせれば恐るるに足らず。反対意見は近日中に紹介する。

2021-03-23

意志力は限りある資源/『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
『日本人には塩が足りない! ミネラルバランスと心身の健康』村上譲顕
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス

 ・炎症が現代病の原因
 ・食物に含まれる反栄養素
 ・意志力は限りある資源
 ・炭水化物は夕食で摂る

・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

必読書リスト その一

 問題は、ダイエットの実践者も医師でさえも、意志力という概念をまるで誤解していることだ。この人たちは、成功の秘訣はとにかく気合いを入れて、無尽蔵の意志の力で過食をしないことだと信じている。ところが、意志力は限りある資源だということが証明されてきた。毎日、意志力を使い果たすこともあるし、もっと頑張ろうと決めたからといって、意志力が改めて供給されることはない。
「決定疲れ」とは、長時間の意思決定のあとで決定の質が劣化することを指す、実証された心理現証である。たとえば、ある研究によれば、【裁判官は一日のうちの遅い時間になるほど、被告に有利な判決を下すことが少なくなるという】。

【『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー:栗原百代〈くりはら・ももよ〉訳(ダイヤモンド社、2015年)以下同】

決断疲れ」とも言うようだ。確かに大きな決断をした後では小さな判断がどうでもよくなる。例えば自動車のオプションなどは人間のこうしたメカニズムを利用しているのだろう。数百万円のクルマを購入する決断をした後で数万円の追加料金は小さなことに感じてしまう。たぶん犯罪者となる人々も初めての悪事に手を染めた時は迷いがあったに違いない。2回目以降は下り坂を転がってゆくだけで自動的に慣性が働く。脳は異常を自覚しない。ひとたび公正さよりも損得を優先すれば、利益を飽くことなく追求する回路が形成される。

 健康に留意すると食品を買うたびに「決定」を迫られる。目を皿のようにして食品表示を確認して添加物や糖質を回避する。まさしく「決定疲れ」との戦いである。ちょっと油断をすれば「ま、たまにはいいか」などと甘いものに手を伸ばしてしまう。ダイエットの原義である食習慣を生き方にまで高めるためには、集中力を途絶えさせない栄養素が必要だ。

【正しい脂肪はクリーンに燃焼し、栄養たっぷりで、満足をもたらすエネルギー源で、体も脳も最大限に機能させてくれる】。

 脂肪を食べても太らないという。食品のカロリーや栄養素はそのまま体内に取り込まれるわけではない。複雑な化学反応を通して代謝される。脂肪悪玉説は砂糖メーカーから依頼されたアメリカ人医師がでっち上げたものだ。

 デイヴ・アスプリーは果物を否定している。ビタミンを摂取できる利点はあるが、やはり果糖の悪影響の方が大きいと考えているのだろう。また低塩ダイエットは体に毒で、塩分の適正な量は2500~6000ミリグラムと述べている。

 多くの医師が塩分摂取は高血圧につながると警告しているが、研究からは、塩分にそのように反応するのはすでに高血圧の人だけであることが明らかだ。高血圧には、じつのところ、カルシウム、マグネシウム、カリウムの不足など、多数の要因が考えられる。

 私は酒を断ってから血圧が高くなった。因果関係があるかどうかは不明である。この7~8年間は180台であったが自転車に乗るようになってから下がり始め、現在は140台である。さほど気にしてなかったのは血圧が高いと目覚めがいいためだ。気合一閃(いっせん)で飛び起きるのを常としている。

 塩分量は意外と難しい問題で、そもそものマウス実験に対する批判もあるし、その一方で塩分摂取量を減らして成功した長野県の例もあり一筋縄ではゆかない。

長寿県民ランキングはこちら!なぜ長野県民は長生きなのか…?を探ると見えてきた、減塩・禁煙・肥満防止の重要性|ニッポンの介護学|みんなの介護
食塩摂取の多い人々

 農作業や家事などの近代化が進み、重労働や力仕事が減って、「汗をかくこと」が少なくなったことも無関係ではないだろう。

 冷や飯に含まれるレジスタントスターチに効果があるとしているが、それほどでもないという意見もある。更にバターとギー以外の乳製品は避けるとも指摘されている。

2021-03-16

食物に含まれる反栄養素/『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
『日本人には塩が足りない! ミネラルバランスと心身の健康』村上譲顕
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス

 ・炎症が現代病の原因
 ・食物に含まれる反栄養素
 ・意志力は限りある資源
 ・炭水化物は夕食で摂る

・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

必読書リスト その一

さて、炎症が身体的パフォーマンスを制限し、精神的パフォーマンスも落としているのはわかった。だが、こうした炎症を起こしているものは何なのか?
 炎症の原因を勉強しはじめた僕は、「アンチニュートリエント」(反栄養素、栄養阻害物質)についての膨大な研究を見つけた。ごくふつうの食品におびただしい数が含有されている、慢性炎症の原因とおぼしき物質だ。腸を刺激して免疫系を発動させ、体の回復や解毒システムを損なう。

【『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー:栗原百代〈くりはら・ももよ〉訳(ダイヤモンド社、2015年)以下同】

 食品添加物もさることながら植物自体が合成する自然由来の反栄養素がある。反栄養素とは毒と考えてよい。特に動くことができない植物は昆虫や動物から身を守るために毒を放つ。ヒトは毒を苦味として感知する。良薬(ろうやく)が苦いのはもともと毒だからだ。毒を以て毒を制するのが薬の作用だ。

 反栄養素は毎日の体調に、あなたが想像しているよりずっと大きな影響を及ぼしている。何であれ達成しようとしていることから気をそらしたり、重度の食物への渇望のもとになり、体内の栄養素を奪ってホルモンの機能を妨(さまた)げ、時間の経過とともにさまざまな体のシステムを弱め、徐々に動きを鈍らせる。反栄養素摂取の多さや遺伝によっては、自己免疫反応が出るかもしれない。こうなると、免疫系が体の重要なシステムを攻撃して、体がいっそう大きなダメージを受けることになる。
【大切なのは、反栄養素を含む食品はなるべく摂らないで、免疫系を刺激する食品は完全に避けて、免疫反応を抑制することだ】。

 自然由来の反栄養素の主なものには、レクチン、フィチン酸、シュウ酸、カビ毒(マイコトキシン)などがある。例えばホウレンソウを茹でると灰汁(あく)が出るがこれがシュウ酸である。シュウ酸はカルシウムと結合して体外に排出してしまう。また尿道結石の原因にもなる。ただし実際の結石はコーヒーやお茶など毎日摂取するものによると考えられている(3 再発予防 CQ29 シュウ酸はどのような食物に多く含まれるか?また,シュウ酸の摂取について工夫すべきことはあるか? | Mindsガイドラインライブラリ)。

【このような反栄養素のいくつかは多くの植物性・動物性食品に見られるが、豆類、ナッツ、穀類などの植物性食品は他より圧倒的に多く含んでいる】。

・レクチンは熱で破壊されるが、ナス科の野菜などは熱で破壊されないレクチンを含んでいる。
・牧草飼育(グラスフェッド)の牛肉やラム肉はフィチン酸を除外してくれる。

【シュウ酸が血中のカルシウムと結合すると小さく尖った結晶となって体内に堆積(たいせき)して、筋肉痛が起こる】。これが腎臓(じんぞう)で起これば腎結石(じんけっせき)の一因になるわけだ。にわかには信じがたいことだが、シュウ酸が陰唇で結晶して性交時に痛みを感じる女性もいる。

 加齢に伴い性交痛を感じる女性が増えるようだが心配な方は一度調べるといいだろう。

 コーヒー以外の食品で【カビ毒の主要源は、小麦、トウモロコシといった穀物だが、ピーナッツ、果物、チョコレート、ワインが汚染されていることも多い】。そしてカビ毒は、汚染された穀物を食べた牛の乳にも蓄積される。

 特に湿度の高い我が国ではカビ毒の影響は見過ごせない。流通という時間が新鮮さを失わせる。規制だらけの農業を改革し、地産地消の文化を根づかせるべきだろう。

2021-02-23

炎症が現代病の原因/『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー


『ファストフードが世界を食いつくす』エリック・シュローサー
『「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム』高橋久仁子
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用』奥山治美
『日本人には塩が足りない! ミネラルバランスと心身の健康』村上譲顕
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美
『コレステロール値が高いほうがずっと長生きできる』浜崎智仁
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス

 ・炎症が現代病の原因
 ・食物に含まれる反栄養素
 ・意志力は限りある資源
 ・炭水化物は夕食で摂る

・『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』デイヴ・アスプリー
・『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂"ダイエット』金森重樹
・『食べても太らず、免疫力がつく食事法』石黒成治
・『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』アイザック・H・ジョーンズ
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修
『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

必読書リスト その一

 原因を調べていくうちにわかった。弱った手、スペアタイヤ、二重あご、むくんだ肌、男のおっぱいを引き起こしていたのは脂肪ではなかった――【これらは炎症のせいだった】(もっとも、炎症の下に脂肪がたっぷり隠れてはいたけれど)。アンチエイジングのバイオハッカーである僕は、炎症が老化の原因というのは知っていたものの、自分の生態に起こっている他のほぼすべても炎症に関係していたは気づいていなかった。

【『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー:栗原百代〈くりはら・ももよ〉訳(ダイヤモンド社、2015年)以下同】

 20年前に体重140kgだった億万長者が10年で50kgの減量に成功した。30万ドルを費やしてあらゆるダイエット法を試したという。ダイエットの原義は「食習慣」である。食事制限による痩身術と誤解している人が多い。本書はデイヴ・アスプリーが編み出した「バターコーヒー」で一躍世界的な脚光を浴びたベストセラーである。

「慢性炎症は生活習慣病とがんに共通する基盤病態」(真鍋研究室)であり、「2型糖尿病患者は一般に肥満で,慢性の炎症を患い,インスリンに抵抗性がある(インスリンは血中の糖を取り込んでエネルギーとして保存するために働くホルモン)」(日経サイエンス2010年2月号)。自己免疫疾患アトピー性湿疹は順序が逆だが症状として炎症反応が起こる。最近ではアルツハイマー病も「脳の炎症」と考えられている(『アルツハイマー病 真実と終焉 “認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム』デール・ブレデセン)。

【調査研究の結果、多くの病気の中心には高度の炎症があることが何度も示されてきた】。心疾患(しんしっかん)、がん、糖尿病はアメリカの全死因の70%近くを占めるが、これらの病気すべてに共通しているのが炎症だ。また炎症は、多くの自己免疫疾患や一部の精神衛生上の問題ともつながっている。
 僕もそうだったが自分では炎症の症状をあまり感じていなくても、脳は体のどの部位の炎症にもきわめて敏感で集中力を弱められてしまうから、炎症を放っておくと、体の痛みや不調を感じだすよりずっと前に、頭のキレが鈍る。そう、ぼんやり頭と、いつものむくみにいますぐ対処すべき理由は、これらがその先のもっと深刻な問題の危険信号だからなのだ。

 痛みの伴わない炎症が厄介なのだ。肥満は既に病気として捉えられているが、肥満そのものを炎症状態と考えてよかろう。外傷以外のあらゆる炎症の原因は食べ物にある。口から入った毒に対する免疫反応が炎症なのだ。そしてまた過剰な栄養も毒と同じ作用をもたらす。人類史を振り返っても食べるのに困らなくなったのは第二次世界大戦からの復興以降のことだ。まだ100年に満たない期間である。

 近代化によって文明病が、近代化が行き渡ることで現代病が生まれた。栄養学は最も学問の名に値しない学問だが、摂取カロリーを全て燃料と考え、脂質は体の脂肪になると錯覚してミスリードし続けてきた。コンピュータによって分子科学が発達したことで栄養学の誤謬(ごびゅう)が次々と明らかになりつつある。栄養学は土下座をして出直すべきだろう。

【大切なのは、反栄養素を含む食品はなるべく摂らないで、免疫系を刺激する食品は完全に避けて、免疫反応を抑制することだ】。  たいていの人は食品に添加されていそうな保存料、農薬、着色剤など、反栄養素の一形態である毒素には注意しているのに、これらが食物への渇望をかきたて、脳のパフォーマンスを低下させることを理解している人はほとんどいない。日常生活に隠れている「自然由来の反栄養素」のことをわかっている人は、さらにわずかしかいない。
 この毒素は、植物および植物製品の栽培や貯蔵中に形成されるもので、その主な機能は、植物が繁殖するために動物、昆虫や微生物、菌類に食べられ愛ようにすること。そう、植物は、僕らが食べるために進化したんじゃない。僕らに食べ【られない】ために、複雑な防御システムを発展させてきたのだ!(中略)
 自然由来の反栄養素の主なものには、レクチン、フィンチ酸、シュウ酸、カビ毒(マイコトキシン)がある。

 植物は動くことができない。このため昆虫や動物に襲われると毒を放って身を守る。シュウ酸は聞いたことのある人が多いだろう。ホウレンソウを茹でるのはシュウ酸を取り除くためだ。野菜を煮た時に出る灰汁(あく)を毒と考えればよい。

 不健康は糖質の摂(と)り過ぎによってもたらされる。要は穀物と砂糖だ。糖質は血糖値を一気に上昇させ、インスリン反応が起こる。血中のブドウ糖が過剰になるとインスリンが効きにくくなり(インスリン抵抗性)、膵臓のインスリン分泌能力が低下する。尿にまで糖が出るから糖尿病というのだ。しかも糖質の中毒性(依存性)はコカインよりも高いというデータがある。甘いものは多幸感を招くが、少し経つとボーッとしてくることが多い。上昇した血糖値がインスリンで一気に下がると今度は低血糖状態になるためだ。

 個別が普遍に通じるわけではないが、デイヴ・アスプリーの努力は多くの人に新しい知識と賢明なヒントを与えてくれるだろう。



インターバル速歩/『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博

2015-07-21

筋肉と免疫力/『「食べない」健康法 』石原結實


『「塩」をしっかり摂れば、病気は治る 病気の因を断つクスリ不要の治療法』石原結實

 ・筋肉と免疫力

 なぜ筋肉を鍛えるのかって? 筋肉を鍛えることは、体のあらゆる部分の健康を効率良く維持してくれるからです。
 筋肉は、男性で45%、女性で36%と、人間の体重の4割前後を占めています。さらに、筋肉の75%以上が下半身についています。ですから、下半身の運動をするのが最も効率が良いのです。
 また、筋肉を動かすと体温が上がります。体温が1度上がると免疫力が5倍になります。一方、体温が1度下がると免疫力が30数%下がります。
 他にもいいことはたくさんあります。筋肉を動かすと血管が拡張したり、収縮します。これにより心臓の働きが助けられて、循環器、高血圧、心臓系の疾病の予防になります。筋肉を動かすと骨も強化されるので、骨粗しょう症の予防にもなります。
 さらに、筋肉の細胞から男性ホルモンが分泌されるから、自信が出てきてうつ病にも効果的です。その上、脳の血流が活発になって記憶中枢をつかさどる海馬を刺激し、認知症の予防にもなるのです。(『日刊ゲンダイ』2006年10月6日掲載)

【『「食べない」健康法 』石原結實〈いしはら・ゆうみ〉(東洋経済新報社、2008年/PHP文庫、2012年)以下同】

 石原結實は学生時代にパワーリフティングの経験があり、九州大会で優勝したこともある。本書は「一日一食健康法」を広く世に知らしめた一冊だ。

 私は48歳の時に生まれて初めて肩凝りとなった。床に積み上げている本につまづくようになったのが一つの兆候であったと思う。体のバランスが崩れ始めたのだ。で、つい最近はぎっくり腰をやったばかりだ。若い頃にスポーツをやっていた自信が裏目に出た格好だ。反射神経はそれほど衰えていないのだが、きっと体幹が歪んでいるのだろう。パソコンに向かう姿勢も決してよくはない。

 40代も後半になると健康診断でも何かと引っかかるようになってくる。いわゆる生活習慣病の要素が顕著になってくるのだ。ま、そんなわけで自然と健康情報に目が止まってしまう。まったく嫌なこったよ(笑)。

「食べない」ことが体にいいのは知っていた。アンドルー・ワイル著『癒す心、治る力 自発的治癒とはなにか』(上野圭一訳、角川文庫ソフィア、1998年)に絶食の効用が書かれていた。週に一度の絶食を勧めている。ただし古本屋を侮っては困る。アンドルー・ワイルや石原結實に科学性を認めることはできない。

「一日一食は体によい」との経験則に石原は後から理窟(りくつ)を加えたのだろう。物語としては実によくできている。で、私もその物語に乗ってみせたまでだ。

 本書を読み、私は直ぐさま一日一食に取り組んだ。善は急げである。効果はみるみるうちに現れた。まず体重が減った。体重が減ると意識が鮮明になる。当然、体の動きにもキレが出てくる。私の場合、休日に限っては好きなものを好きなだけ食べているが、翌日にはすっかり出てゆく。抗い難い空腹に苛まれた時はチョコレートや黒糖を投入する。一時は80kgを超えた体重も現在は70kgを切っている。もう少し落とせば20代の頃と変わりがない。

 食事は、朝食は人参ジュース2杯と生姜紅茶1杯、昼食も生姜紅茶だけです。夕食は、たこ刺しを食べながらビールを飲んで、ご飯にみそ汁、納豆、明太子、イカの炒め物などを食べる。毎日これだけ。肉も魚も卵も牛乳もとりませんけれど、こんなに元気。全身筋肉質でゼイ肉はありません。90歳までこの生活を続けるつもりです。

 石原式一日一食はこれが基本である。人参は有機栽培のもの。生姜はチューブ入りの練り生姜でも構わない。ちょっと調べてみたところ、生姜パウダーがいいようだ。

 このあたりは神経質になることもあるまい。私はやっていない。一つだけ注意点を挙げるとタンパク質不足になりがちなので、納豆・豆腐・チーズ・ヨーグルトなどは意識的に摂るようにするべきだ。私は毎朝、ヨーグルトにシリアルを入れて食べている。厳密にいえば一日一食半だが、頗る体調はよい。



癌治療の光明 ゲルソン療法/『ガン食事療法全書』マックス・ゲルソン

2014-06-20

視力回復のトレーニング方法


 今日、免許証更新に行ってきたが、このトレーニングのおかげで眼鏡使用を免れた。



視力低下は「脳の疲れ」が原因だった!―アメリカ視力眼科界の最新成果 1日10分、パソコン・ゲーム時代の新・視力回復法 (SEISHUN SUPER BOOKS)あなたの視力は必ず回復する!―驚くべき新方式! (知的生きかた文庫)【中川式アイバランス・マスク(日本製)付き】 視力再生! アイマスクで目がよくなる! (TJMOOK)

中川和宏チャンネル

2014-06-14

寝違えを治す


2014-05-20

何かに打ち込む/『だれでも「達人」になれる! ゆる体操の極意』高岡英夫


 ・何かに打ち込む

『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』
『5分間背骨ゆらしで体じゅうの痛みが消える 自然治癒力に火をつけて、首・肩・腰痛・ひざ痛を解消!』上原宏
『高岡英夫の歩き革命』、『高岡英夫のゆるウォーク 自然の力を呼び戻す』高岡英夫:小松美冬構成
『究極の身体(からだ)』高岡英夫

 どんなつまらないことでも、打ち込めればおもしろくなる。おもしろければさらに打ち込みたくなる。これをくり返し体験することで、身体と心の中に中心となるものが育ってくる。そうすると、それがない人には見えないさまざまな対象の中身がとらえられるようになり、自分の軸と対象の中心をきちっと向かい合わせることができるようになる。これができるようになると、必要であればどんなことにも打ち込めるようになるのです。
 そして、いずれ自分が本当にしたいことを見つけ、それに打ち込みつづけ、達人への道を切り開いていくことができるのです。
 だから、打ち込むものは基本的になんでもいいのです。それによって育てられる自分こそが重要で、打ち込む対象はなんでもいいのです。たとえ、それが大人に叱られるようないたずらでもいいのです。たいていのいたずらは、大人たちから見れば、打ち込む対象としてはまったく価値のないものでしょう。だけど、大人からは許されないようないたずらも、こっぴどく叱られる必要はもちろんあるものの、それをしたことで、その子どもの中に打ち込める自分が育っているのであれば、それはきわめて重要な経験だと言えるのです。

【『だれでも「達人」になれる! ゆる体操の極意』高岡英夫(講談社+α文庫、2005年/運動科学総合研究所、2003年『カガヤクカラダ』改題、新版)】

 ツイッターで五十肩を訴えたところ、後輩が教えてくれたのが「ゆる体操」だった。ゆらゆら、ブラブラさせるのが基本。一理あることは直ぐわかった。素人判断のリハビリが危険なのは筋力アップだけに意識が向いて筋肉を緩めないためだ(『脳から見たリハビリ治療 脳卒中の麻痺を治す新しいリハビリの考え方』久保田競、宮井一郎編著)。

 ストレスが過剰になると身体は常に強(こわ)張る。固まった筋肉が脳へのフィードバック情報を減少させる。外界への注意力が散漫になれば事故や怪我につながりかねない。

 高岡は何かに打ち込むことを勧める。「自分の軸と対象の中心をきちっと向かい合わせることができるようになる」とは言い得て妙だ。野球や剣道の「打ち込み」を思えばストンと腑に落ちる。来る日も来る日も素振りを繰り返すのは身体の軸を定めるためだ。ぎこちない動きも少しずつ無駄な力が抜けて理想的なフォームに近づく。

 一つの言葉が思考を劇的に変えることがあるように、一つの動きが運動神経を一変させることがある。私は50歳になった今でもありありと覚えているのだが、小学2年の時、ドッジボールでファインプレーをしたことがある。ライン際でジャンプし相手のパスボールを奪ったのだ。やんややんやの大喝采を浴びた。たったこれだけのことが私の運動神経を一変させた。生まれて初めて野球をした際にも同様のプレーができた。それからというもの球技全般において抜きん出た才能を示した。

 きっとそれまではつながっていなかった神経やシナプスがつながったのだろう。そんな風に考えている。何かに打ち込む。そして一つの自信を得る。たったそれだけで子供の人生は変わる。世界は信じられるものと化して光り輝く。「子の日わく、これを知る者はこれを好む者に如かず。 これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」(『論語』金谷治訳注)と。我を忘れて打ち込むことは楽しい。