2021-08-03

インターバル速歩/『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博


『病気の9割は歩くだけで治る! 歩行が人生を変える29の理由 簡単、無料で医者いらず』長尾和宏
『病気の9割は歩くだけで治る!PART2 体と心の病に効く最強の治療法』長尾和宏

 ・インターバル速歩

『ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング』田中宏暁
『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『一流の頭脳』アンダース・ハンセン
『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット
『トレイルズ 「道」と歩くことの哲学』ロバート・ムーア
『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
『「体幹」ウォーキング』金哲彦
『高岡英夫の歩き革命』、『高岡英夫のゆるウォーク 自然の力を呼び戻す』高岡英夫:小松美冬構成
『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』園原健弘
『あなたの歩き方が劇的に変わる! 驚異の大転子ウォーキング』みやすのんき
ナンバ歩きと古の歩術
『表の体育・裏の体育』甲野善紀
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
『ナンバの身体論 体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦、金田伸夫、長谷川智、古谷一郎
『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦、長谷川智
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史

身体革命
必読書リスト その二

「インターバル速歩」とは、本人がややきついと感じる早歩きと、ゆっくり歩きを3分間ずつ交互に繰り返すというウォーキング方法である。それを1日5セット、週4日以上繰り返すと、5ヵ月間で体力が最大20%向上(10歳以上若返った体力が得られる)、生活習慣病の症状が20%改善し、その結果、医療費も20%削減できるということが明らかになっている。

【『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博〈のせ・ひろし〉(ブルーバックス、2019年)以下同】

 ウォーキングのやり方である。歩き方は参考にならないので注意が必要だ。自転車乗りであれば、タバタ式HIITはお馴染みのトレーニング法である。目的は心拍数を高めることだ。痩せることではない。

 まずは「言われた通り」やってみることがセオリーだ。しかも30分間で済む。物足りなければ3分ランニングにしてもいいだろう。そこからタバタ式に持っていくという手もある(20秒ダッシュ+10秒ウォーキング×8セット)。

 図1-6は生活活動度と医療費との関係を年齢別に示したものである。生活活動度が体力に比例すると考えると、体力の低下曲線と年齢別の医療費が見事に相関する。そして、体力が20代の30%レベル以下にまで低下すると要介護状態になり、自分ひとりでお風呂に入れない、トイレに行けないという状態になる。したがって、高血圧、糖尿病、肥満といった生活習慣病にとどまらず、認知症やがんに至るまで、中高年特有の疾患の根本原因は、この加齢性筋減少症に伴う体力の低下の可能性が高い、と考えられるようになった。
 最近、そのメカニズムについて、図1-7で示すように、体力の低下による「慢性炎症」の関与が指摘されている。「慢性炎症」という言葉は読者になじみがないかもしれないが、たとえば、風邪を引くと喉が痛くなる、傷口にばい菌が侵入すると化膿し、局所がはれ上がり、痛みが出たり、発熱したりする。これらの反応は、外部から体内に異物が侵入すると、それらをやっつけよう、追い出そうとする体の反応である。これを医学では「炎症反応」と呼ぶ。
 ここで、興味深いのは、外部から異物が体内に侵入しなくても、運動不足、肥満など体力低下を引き起こすような生活習慣でこの炎症反応が起こることである。ただ、この炎症反応のレベルは非常に低く、痛みが出たり、発熱を起こしたりするのはごく稀で、ほとんどの人は気がつかない。しかし、着実に全身性に起こっている。
 そして、この炎症反応が特に脂肪細胞に起これば糖尿病に、免疫細胞に起こって、その影響が血管内皮細胞に現れれば動脈硬化・高血圧症に、脳細胞に起これば認知症・うつ病に、さらに、この炎症反応によって分泌されるサイトカインという物質を介して、その影響ががん抑制遺伝子に及べばがんになる、と考えられるようになった。(中略)
 加齢によって筋力が低下すると、まず、筋肉中のミトコンドリアの機能が劣化する。さらに、筋力が低下すると運動するのが億劫になるために、筋肉以外の臓器の代謝も低下し、全身のミトコンドリア機能が低下する。その結果、全身性に活性酸素が産生され、慢性炎症が起こり、生活習慣病になるというのだ。
 では、どうすればよいか。答えは簡単。加齢性筋減少症に負けないように、運動トレーニングによって体力アップを行えばよいのだ。

炎症が現代病の原因/『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー

 エビデンスが豊富で一々説得力がある。慢性炎症を知る医師や看護師はまだ少ない。知ったところで彼らの利益が増えるわけではないため、患者に慢性炎症を説明することは多分ないだろう。患者も患者で運動を勧められるよりは薬を求めがちだ。「医師の仕事は薬を処方することで、病気を治すのは薬である」という思い込みは鉄板のように堅固なものとなっている。

「肥満は病気である」との認識が必要だ。少欲知足ならぬ少食知足こそが健康の基(もとい)である。



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