2021-08-12

朝の運動は危険/『心臓は語る』南淵明宏


 ・心臓の鼓動が体中にメッセージを伝えている可能性もある
 ・朝の運動は危険

『臓器の急所 生活習慣と戦う60の健康法則』吉田たかよし

 彼(※マイケル・スモレンスキー)によると、心臓疾患による突然死が多いのは午前7時から10時までだということです。朝方に激しい運動をするのは、結構、危険が伴うようです。

【『心臓は語る』南淵明宏〈なぶち・あきひろ〉(PHP新書、2003年)】

 起床後と考えてよかろう。心臓は我々が思うほど安定した動きをしているわけではない。私は以前酒を呑むと不整脈が出たのでよく知っている。枕に耳を当てると、ドン……ドン、ドドド、ド……ン、ド、ドン、ド…………ン、ドドド、なんてことがザラにあった。

「自律神経の嵐」をご存じだろうか?

 昼間の活動中は交感神経が優位で、夜間の睡眠中は副交感神経が優位です。早朝の午前4時から6時ごろと夜間就寝後1時間前後は、両者が切り替わる時間帯で自律神経がとても不安定になります。この不安定な状態を自律神経の嵐と呼び、狭心症や心筋梗塞、不整脈、突然死や脳梗塞などさまざまな病気が発症しやすい時間帯となります。季節の変わり目にも自律神経は不安定となり、気温差の激しい初夏のこの時期、私たちは自律神経の嵐の中にいるのです。

循環器内科医 上野勝己氏

「起床後の朝の時間帯は体を活発に動かせるよう交感神経が働きます。交感神経は血管を収宿させて血圧が上がったり、さらには、朝は夜間睡眠時にかく汗により血液が固まりやすくなっているため、朝に心筋梗塞は多いのです」(朝に心筋梗塞はなぜ起きやすい?(院長コラム)|いなば内科クリニック)。「狭心症は、血圧の変動が大きい早朝や深夜に起こりやすい」(狭心症を防ぐために|ハートニュース|心日本心臓財団刊行物|公益財団法人 日本心臓財団)。

「激しい運動」とは息切れを伴う運動である。ブドウ糖をエネルギーに変えるべく、より多くの酸素を必要としているのだ。つまり酸欠状態といってよい。我々の先祖の生活様式を想像してみても朝一番で走ることは考えにくい。やはり水を汲(く)みに行く程度の運動が望ましいだろう。

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