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2021-10-19

就農環境が整ってきた/『[農業]商売の始め方・儲け方』大森森介


 ・就農環境が整ってきた

『稼げる!!新農業ビジネスの始め方』山下弘幸

 そもそも農業は、就農する場所と作る作物を間違えず、まじめに働きさえすれば基本的には誰でも食べていける仕事だ。情報のアンテナを張り、知恵を絞れば「儲ける」ことだってできる。例えばイチゴのハウス栽培にしても、同じ地域で、同じ300坪の規模で600万円稼ぐ人と200万円しか稼げない人がいる。「農業は儲からない」というのは、儲けようとしないで、やるべき仕事を怠けていたり、なんの智恵(ママ)も使わないから儲からないのだ。
 確かに農業だけで食べていくことは簡単なことではないが、いまの農業は、本気で農業をやりたいという人には有利な環境が整ってきているのは事実だ。
 第一に、都道府県ごとに設置された新規就農相談センターをはじめ就農相談窓口が全国的に整備された。第二に、都道府県や市町村ごとに、資金の貸付や住宅の斡旋などの就農支援制度を用意している自治体が増えてきた。そして第三に、新規就農者の大きな壁であった農地に関して、以前厳しい規制はあるものの、ひと昔前よりも取得しやすくなっているということだ。

【『[農業]商売の始め方・儲け方』大森森介〈おおもり・しんすけ〉(ぱる出版、2008年)以下同】

 農業に興味がある。生業(なりわい)にしたいというよりも、作物が成長する様に興味があるのだ。植える~育てる~食べるという当たり前のサイクルを実践することで人類の足跡を辿ることができる。資本主義は便利であるが大切な行為を切り捨ててしまう。私が大根を買う時、太陽の光や肥料に思いを馳せることはない。

 元はと言えば観葉植物の栽培に端を発する。どんどん増えてゆくサンセベリアを見て、「これを食べることができたらいいな」と思うのは自然の流れであった。そこでグラパラリーフを手に入れた。肥料が強すぎたせいか徒長してしまった。まだ食べていないのだが、あまり腹の足しにはならないような気がする。

 新規就農者の多くが挑戦したいと思うのが有機農業だ。実際に、新規就農相談センターの窓口に相談にやって来る就農希望者でも「有機農業をやりたい」という人は多いようだ。

 それとなく私の興味に引っ掛かる書物を読んできたが、ピタッと収まったのが永田農法であった。関連書を5~6冊読み、DVDセットも購入した。永田農法からすれば有機農業は邪道である。人間の勝手な思い込みで野菜の環境を整えるよりも、野菜の声に耳を傾けるのが正しい。野菜の生命力を十全に発揮させる永田農法は人の教育についても考えさせられる。

 現在の農業を取り巻く状況がよく理解できる一冊で、入り口としてはおすすめできる。