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2019-06-11

人種差別というバイアス/『隠れた脳 好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学』シャンカール・ヴェダンタム


『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン
『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ
『脳はいかにして〈神〉を見るか 宗教体験のブレイン・サイエンス』アンドリュー・ニューバーグ、ユージーン・ダギリ、ヴィンス・ロース

 ・人間の脳はバイアス装置
 ・「隠れた脳」は阿頼耶識を示唆
 ・人種差別というバイアス

『あなたの知らない脳 意識は傍観者である』デイヴィッド・イーグルマン
『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー
『たまたま 日常に潜む「偶然」を科学する』レナード・ムロディナウ
『感性の限界 不合理性・不自由性・不条理性』高橋昌一郎
『AIは人類を駆逐するのか? 自律(オートノミー)世界の到来』太田裕朗
『われわれは仮想世界を生きている AI社会のその先の未来を描く「シミュレーション仮説」』リズワン・バーク

必読書リスト その五

 モントリオールのホワイトサイド・テイラー託児所(デイケア)は北米に何百となる、乳幼児のための施設だ。そこでは学齢に達する前の子供たちが遊び、動き回り、食べ、泣いている。数年前、フランシス・アブードという心理学者が、ある仮説を引っさげてホワイトサイド・テイラーを訪れた。彼女は託児所に通う子供たちに、ある心理学実験の被験者になってほしいと思っていたのだ。
 施設側は同意し、子供の保護者からも許可を取った。すべての事務手続きが片付くと、アブードは80人の白人の子供を施設から、そして数人を地元の小学校から集めた。一番幼い子供は3歳だった。頭がよさそうで人目を引く容姿を持ち、そしてレバノンの血を引くアブードは、幼い被験者たちに“良い”、“親切”、“清潔”など「プラスイメージの言葉」を六つ、そして“意地悪”、“ひどい”、“悪い”といった「マイナスイメージの言葉」を六つ教えた。そしてその言葉が、2枚の絵のどちらに当てはまるか尋ねた。1枚は白人、もう1枚には黒人が描かれていた。絵を見せるとき、言葉についてそれぞれ簡単な説明を入れる。「自分勝手な人は、自分のことしか考えません。どの人が自分勝手でしょうか?」と言って、黒人か白人どちらかの絵を指すように伝える。「女の人が誰も話す人がいなくて悲しんでいます。悲しんでいるのはどちらの人でしょうか?」。さらに黒人の子供と白人の子供の絵を見せて、こう尋ねる。「意地悪な男の子がいます。犬がそばに来たとき、その子は犬をけりました。意地悪なのはどの子ですか?」、「みにくい女の子がいます。人はその子の顔を見ようとしません。どの子がみにくいでしょうか?」
 被験者となった子供の70%が、【ほぼすべての】プラスイメージの言葉と白人を、【ほぼすべての】マイナスイメージの言葉と黒人を結びつけた。
 とても不快な気分になるが、ホワイトサイド・テイラー託児所や、そこにいる幼い子供たちのこうしたバイアスは、何も特殊なものではない。何年も前に、北米全体の学齢期前の子供と小学生を対象に行なわれた同様の調査でも、まったく同じ結果が出ている。2枚の絵に同じ言葉を当てはめてもかまわないと前置きしても、結果はそれほど変わらない。たいていの子供は、マイナスイメージの言葉を黒人の顔に、プラスイメージの言葉を白人の顔に当てはめた。(中略)
 ホワイトサイド・テイラー託児所のまだ年端もいかぬ子供たちが、心が狭く敵意に満ちていると考えるのはばかげている。ようやく鼻のかみかたを覚えようとしている年齢だ。子供たちの責任ではないとすれば、いったい誰の責任なのだろう? 親や教師たちのせいなのだろうか? 他にどこで人種偏見などを覚えるだろう?

【『隠れた脳 好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学』シャンカール・ヴェダンタム:渡会圭子〈わたらい・けいこ〉訳(インターシフト、2011年)以下同】

 初めて読んだ時に最も衝撃を受けたのがこの件(くだり)であった。私はそれまで「人種差別感情は教育的環境によって刷り込まれる」と考えてきた。幼児は親をモデルとして世界を認識する。態度(ボディランゲージ)は言葉よりもずっと雄弁だ。何気ない表情や仕草を通して滲み出る嫌悪感から子供たちは「何を憎むべきか」を学ぶ。子供は生き延びるために親から愛される振る舞いを自然に行う。批判するほどの知識や感情を持ち合わせていない。このようにして知らず知らずのうちに有色人種を憎悪する価値観が形成されるのだろうと思い込んでいた。だが実は違った。白人の子供は無意識のうちに偏った見方をしてゆくのだ。

 この実験は更に驚くべき実態を発掘する。

 研究助手がもう一つの話を読んで聞かせると、子供のバイアスは話の内容まで変えてしまうことが明らかになった。(中略)
 ザカリアという黒人少年は、めったにお目にかかれないヒーローのような子供だ。ワニと戦って友人の命を救い、動物保護の問題を知っているから、ワニにもひどいことはしない。そして睡眠時間を削って大統領に手紙を書く。ところが幼稚園児たちに、どんな話だったか尋ねると、英雄的な行為をしたのは白人少年だと誤解していることが多かった。子供たちは気づかないうちに、ザカリアの勇敢で機転の利いた行為を、友人である白人少年のものと思い込んでいたのだ。言い換えれば、子供たちはアブードが与えるすべての情報を、白人はよく見え、黒人は悪く見えるレンズを通して見ていたのだ。

 認知バイアスが物語を書き換えるというのだ。こうなると我々は妄想(脳内物語)を生きていると考えるのが妥当だろう(『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ)。記憶は常に改竄(かいざん)を加えられ捏造(ねつぞう)される。バイアスの本質は「自分の脳に都合よく情報を書き換える」ところにある。

 しかしまだ根本的な疑問が残っている。人種差別的な子供の考え方は、いったいどこから生じたのだろう? バイアスのかかった見解は、親や教師が教えたものではないと自信を持って言えるが、それならいったい【どこで】教わったのだろう。子供たちは人種について、一人ひとり違う意見を持っているわけではなかった。特に年少の子供は、全員がほぼ同じ見方をしている。白人は善良で親切で清潔、黒人は意地悪で醜く汚いと。
 その答えは、隠れた脳と意識的な脳が世界を知る方法の違いにある。アブードは私に、自分が北米のありふれた郊外の地区に住む、白人の幼い子供であると想像してみるよう言った。この思考実験のため、私は友人も両親もいない、つまり何を考えるか、どんな結論を引き出したらいいか、導く人がいないという状況を想像した。子供だから、とても複雑な結論を導き出せるほどの知識もない。このとき私の隠れた脳は、どのように世界を理解するだろうか? まず、近所のきれいな家に住んでいる人はほとんどが白人だ。テレビに映るのもほとんどは白人。特に地位や名誉や権力を持つ立場の人は白人である。絵本の登場人物もほとんどが白人で、白人の子供はたいてい頭がよくて思いやりがあり、勇気あふれる行動をする。物事を関連づけることに優れた私の隠れた脳は、白人男性の多くは白人女性と結婚しているのだから、この社会には白人は白人と結婚するという暗黙のルールがあるに違いないと結論づける。またお互いの家を行き来するような仲のよい友人同士は、たいてい同じ人種なので、ここにも暗黙のルールがあるのだろうと考える。
 3歳の脳を持つ私は、黒人は悪い人だとは思わないまでも、自分たちとは【違う】と考える。

 子供はありとあらゆる些末な情報を正確に読み解いているのだ。学習とは白いページに黒い染みを増やしてゆく行為なのかもしれない。メディアや漫画などは深刻な影響を及ぼしている。最も洗練された悪質なメッセージがテレビCMだ。わずか数十秒という時間は視聴者に考える余地を与えない。次から次と流れてゆくコマーシャルは深層心理に特定の価値観を形成する。好きなタレントが登場すれば商品に対する信頼感は無条件で増す。ま、一種の宗教だわな。

 異質なもの(よそ者)を排除するのはコミュニティの鉄則である。もともとは病気を防ぐ目的があったのだろう。インディアンの大多数は白人がもたらした天然痘や麻疹(はしか)、インフルエンザなどで死んだ。パンデミックを支えるのは「移動」である。地産地消も同じ発想だろう。

 古代中国人は見知らぬ道をゆく時、敵の生首を持って悪霊を祓(はら)った(「道」の字義)。

白川●本来は「道」そのものが、そのような呪術的対象であった訳。自己の支配の圏外に出る時には、「そこには異族神がおる、我々の祀る霊と違う霊がおる」と考えた、だから祓いながら進まなければならん訳です(『白川静の世界 漢字のものがたり』別冊太陽)。

 悪霊とは伝染病であろう。神道の「結界」も同じ考え方であると思われる。

 社会は禁忌(タブー)の共有によって形成されている側面がある。我々がここで立ち止まって考える必要があるのは差別感情がなくなることはないという現実だ。人間は差別や戦争や犯罪が好きなのだという前提に立つべきだ。リベラルが好むポリティカル・コレクトネスはあまりにも安易で幼稚だ。「親孝行をしましょう」とか「皆で仲良くしましょう」という言葉と同じほど不毛である。誰も逆らえない綺麗事は議論の対象にすらならない。

 大事なことは「差別をするな」と声高に叫ぶことよりも、例えばインドがなぜカーストを肯定するのかを探ることである。きっと何らかの社会的な利点があるはずだ。それが正しいとか間違っているというのは別問題だ。インド国民の民意がカーストを支持する理由を知ることは、新たな社会の枠組みを考えるヒントになり得るだろう。

 社会は個人の集まりだが単なる総和ではない。時に乗数となって創発が生まれる。カーストや戦争も創発と考える発想の豊かさが必要だろう。そのような意味から申せば戦争を現実的に捉えた日本人は小室直樹くらいしかいないのではなかろうか(『新戦争論 “平和主義者”が戦争を起こす』1981年)。

 結論を述べよう。バイアスを否定的に捉えればポリコレと同じ陥穽(かんせい)に落ちてしまう。そうではなくバイアスが進化的に優位に働いたことを弁えた上で、現実を構築し直すのが正しい道であると私は考える。次代を担うのは「新しいバイアス」を提示する者であろう。

隠れた脳
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シャンカール・ヴェダンタム
インターシフト
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2018-10-10

西洋至上主義/『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一


『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明
『世界が語る大東亜戦争と東京裁判 アジア・西欧諸国の指導者・識者たちの名言集』吉本貞昭
『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温

 ・西洋至上主義

『驕れる白人と闘うための日本近代史』松原久子
『敗戦への三つの〈思いこみ〉 外交官が描く実像』山口洋一
『腑抜けになったか日本人 日本大使が描く戦後体制脱却への道筋』山口洋一
日本の近代史を学ぶ
必読書リスト その四

 16世紀のポルトガルの年代記作家、ジョアン・デ・バロスは「元来、海は航海する者すべてに共有されるが、それはローマ教会の信仰を受け入れ、ローマ法で統治されるキリスト教徒にのみ適用される権利で、東洋では守る必要はない」として、ポルトガル艦隊が軍事力により、東洋の海の支配者になっていることの正当性を述べている。

【『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一(カナリアコミュニケーションズ、2015年)以下同】

 本年度のベスト10に入る一冊である。小さな出版社から刊行されているため声を大にして推(お)しておく。著者の山口洋一は元外交官である。文章・構成・内容ともに文句なしで、一読後視野が広がることを実感できる。

 それまでは小競り合い程度しかなかった平和な世界がヨーロッパ人の航海によって一変した。彼らは文字通り世界を蹂躙(じゅうりん)し、略奪し、虐殺した。やがて植民地主義は帝国主義へと成長し二度の大戦に至る。

 やがてオランダ、次いでイギリス、フランスによる海外制覇の時代になると、宗教改革の進展もあり、ローマ法王庁のお墨付き万能の時代ではなくなり、キリスト教の布教という大義名分に代わる錦の御旗が必要となってきた。
(中略)
 ここで大義名分として、浮上してきたのが、西洋文明の絶対的な価値を認め、西洋的価値観に至上の優位的位置づけを与えんとする考え方である。価値観ばかりか、言語、生活様式、風俗習慣、礼儀作法など、西洋のものはすべて優れているとの確信が持たれ、植民地の土着文化を抹殺して、あまねくこれを押し付けようとしたのである。未開の地に西洋文明の光をもたらすことこそ植民者の重要な使命であるされ、これが大義名分となった。
 しかもこの時代、遅れをとって植民地獲得競争に参入した国々は、スペイン、ポルトガルに対抗するために、「国際法の父」と呼ばれるオランダのグロティウスが考え出した「先占」(occupation)の原則を大いに活用した。それは、「たとえその地域を事実上支配する住民がいても、国際法の主体たり得る国家によって支配されていない限り、無主の地であり、最初に実効支配した国家の領有が認められる」とする原則で、ヨーロッパ諸国が植民地を拡大する際の論拠とされた。なんのことはない、「西洋文明の国に非ずんば、国家に非ず」というわけで、たとえ現地の王様が統治していようが、西洋文明の国でない限り、そんなものはお構いなく植民地にしてしまえというのである。これ又、西洋文明だけにしか価値を認めない立場を国際法という形に体現したに過ぎない。
 やがて彼らのこの考え方は、ダーウィンの進化論の影響を受けて、「文化進化論」へと理論化され、体系化された。

 白人は強力な武器を持つ泥棒だった。世界はスペインとポルトガルで二分された(トルデシリャス条約、1494年)。コロンブスが「新大陸を発見」したのが1492年のことである。つまりヨーロッパ人は国内で魔女狩りを行いながら同時に世界で虐殺に手を染めていたわけだ。戦闘と殺戮こそが彼らの流儀である。

 第二次世界大戦後、文化相対主義が登場した。次いで文芸批評の世界でポスト・コロニアル理論が生まれ、この流れが1970年代のフェミニズム、そして80年代のポリティカル・コレクトネス(『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン)へとつながる。過去に対する反動であるのは確かだが、そこに罪の意識があるかどうかは定かではない。

 西洋の価値観を至上主義とする風潮は今尚衰えることがない。自由と民主主義(※正しくは民主政)がそれだ。自由は最重要の権利であるが他国から強制される性質のものではない。アメリカが民主政を吹聴するのはメディアをコントロールすれば世論は簡単に操作可能であるためだ。大衆に正しい政治家を選択する能力はない。そもそも制作や国家予算のバランスシートを知り得る機会もほぼない。せいぜい、声の大きさや見てくれで投票を決めるのが関の山だろう。

 文化進化論を思い知らせたのが東京裁判であった。アメリカは原爆投下と東京大空襲の戦争犯罪を隠蔽するために裁判という舞台装置を必要とした。そして白人に歯向かった唯一の有色人種である日本人に鉄槌を下した。日本は犯罪国家として裁かれ、今日までその呪縛を解くことができないでいる。

 尚、ほぼ同一のテキストが『〈思いこみ〉の世界史 外交官が描く実像』(2002年)にもあることを付け加えておく。

植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす
山口洋一
カナリアコミュニケーションズ
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2018-09-22

ポルトガル人の奴隷売買に激怒した豊臣秀吉/『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温


『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス
『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要
『ナット・ターナーの告白』ウィリアム・スタイロン
『学校では絶対に教えない植民地の真実』黄文雄
『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明
『世界が語る大東亜戦争と東京裁判 アジア・西欧諸国の指導者・識者たちの名言集』吉本貞昭

 ・「人種差別」こそが大東亜戦争の遠因
 ・ポルトガル人の奴隷売買に激怒した豊臣秀吉

『平和の敵 偽りの立憲主義』岩田温
『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一
・『パール判事の日本無罪論』田中正明

・『だから、改憲するべきである』岩田温

日本の近代史を学ぶ
必読書リスト その四

「伴天連追放令」に際し、秀吉はイエズス会のパードレ・ガスパール・コエリョに対して詰問しているのですが、この中で見逃すことが出来ない一言が登場しています。
 秀吉はコエリォ(ママ)に対し、次のように問うています。

「何故ポルトガル人は日本人を購い奴隷として船につれていくや」

 ――ポルトガル人は日本人を奴隷として売買していた。
 極めて重要な事実なのですが、多くの日本人はこの歴史を知りません。秀吉の「伴天連追放令」の背景には、知られざる日本人奴隷の問題があったのです。秀吉はポルトガル人が日本人を奴隷として売買していることに憤りを感じた政治家だったのです。
 秀吉は次のように主張しています。少々長いのですが、重要な文章なので引用します。

「予は商用のために当地方に渡来するポルトガル人、シャム人、カンボジア人らが、多数の日本人を購入し、彼らからその祖国、両親、子供、友人を剥奪し、奴隷として彼らの諸国へ連行していることも知っている。それらは許すべからざる行為である。よって、汝、伴天連は、現在までにインド、その他遠隔の地に売られて行ったすべての日本人をふたたび日本に連れ戻すよう取り計らわれよ。もしそれが遠隔の地ゆえに不可能であるならば、少なくとも現在ポルトガル人らが購入している人々を放免せよ。予はそれに費やした銀子を支払うであろう。」

 秀吉は、ポルトガル人をはじめとする外国人が日本人を奴隷としている事実を掴んでおり、日本人奴隷に同情しているのです。費用を支払ってもかまわないから、彼らを解放しろと主張しているわけです。
 何度読み返してみても、極めてまっとうな意見であり、筋の通った主張です。豊臣秀吉は同胞が悲惨な奴隷の境遇に置かれていることが我慢ならなかったのです。日本人を奴隷として扱うなど「許すべからざる行為」との言葉には、秀吉の強い憤りを感じることができます。

【『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温〈いわた・あつし〉(彩図社、2015年/オークラNEXT新書、2012年『だから、日本人は「戦争」を選んだ 』改訂改題)】

 売られた日本人奴隷は手足に鉄の鎖をつけ、船底に詰め込まれた。婦女子は当然のように強姦された。秀吉のバテレン追放令は1587年に発令されたものだが、400年という時を超えても私の胸は怒りで煮えたぎる。有色人種を家畜同然に扱いながらも性欲の刷毛口とするところに白人の非道が見て取れる。現代においても教会では青少年が性虐待されているとのニュースがしばしば報じられる。教義では性を抑圧しながらも陰では性衝動を狂乱させているのだ。ありのままの人間性を否定するドグマが精神を歪め、二重人格に至るのは当然だ。クリスチャンには取り澄ました顔つきの偽善者が多い。

 私は本書によってバテレン追放令の背景を知った。豊臣秀吉の鋭い国際感覚に脱帽し、日本人を思いやる心に涙を催した。秀吉はキリスト教の宣教が植民地支配の第一段階であることを見抜いていた。

 白人帝国主義は大航海時代(15世紀中頃-17世紀中頃)に始まる。

・1434年 エンリケ航海王子が派遣した船がボジャドール(ボハドル)岬を踏破。
・1492年 クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸に到達。
・1494年 トルデシリャス条約によって世界をスペインとポルトガルで二分する。
・1498年 ヴァスコ・ダ・ガマが新航路を発見しインドに到達。
・1522年 マゼランが世界一周を成し遂げる。
・1542年 ラス・カサスが『インディアスの破壊に関する簡潔な報告』を執筆。

(※「異民族は皆殺しにせよ」と神は命じた/『日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか』小室直樹

 船以外の通信がない当時を思えば、秀吉のバテレン追放令は大航海時代のリアルタイムといっても過言ではあるまい。日本以外の有色人種は白人に支配され、500年もの長きに渡って搾取の対象とされた。日本が辛うじて植民地を免れたのは武士を中心とした軍事国家であったためだ。秀吉は1591年(天正19年)にはフィリピンに、1593年(文禄2年)には台湾に対して朝貢を命じた。そしてキリスト教の魔手を防ぐために自ら打って出て朝鮮に出兵した(文禄・慶長の役)。天下統一の余勢を駆って無謀な戦争を仕掛けたものだとばかり思い込んでいたが実は違った。二度に渡り15万人もの出兵をし、スペインに対して軍事的脅威を与える狙いがあったのだ(『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一)。秀吉の目論見は見事に成功し江戸時代の日本を長く守ることとなる。

 明治維新によって武士は髷(まげ)を落とし刀を置いた。鎖国は解かれ国を開いた。不平等条約を結ばされ、いくつかの戦争を経て独立国とはなったものの最後の戦争で完膚なきまでに叩きのめされた。そして平和憲法を持たされた。かつて武士が守ったこの国では外国のスパイや共産主義者が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)している。官僚は当然のように天下りを繰り返し、政治家は甘い汁を啜(すす)りながら保身に走る。敗戦は昭和20年の出来事ではなく現在に至っても終わらぬ歴史である。その恐るべき事実を教えてくれる一冊だ。

人種差別から読み解く大東亜戦争
岩田 温
彩図社 (2015-07-17)
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2018-09-17

異常な経験/『アーロン収容所 西欧ヒューマニズムの限界』会田雄次


 ・異常な経験

『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『敗者の条件』会田雄次
『勝者の条件』会田雄次

日本の近代史を学ぶ
必読書リスト その四

 この経験は異常なものであった。この異常ということの意味はちょっと説明しにくい。(中略)

 想像以上にひどいことをされたというわけでもない。よい待遇をうけたというわけでもない。たえずなぐられ蹴られる目にあったというわけでもない。私刑(リンチ)的な仕返しをうけたわけでもない。それでいて私たちは、私たちはといっていけなければ、すくなくとも私は、英軍さらには英国というものに対する燃えるような激しい反感と憎悪を抱いて帰ってきたのである。異常な、といったのはそのことである。

【『アーロン収容所 西欧ヒューマニズムの限界』会田雄次〈あいだ・ゆうじ〉(中公新書、1962年/中公文庫、1973年/改版、2018年)以下同】

 若い頃に何度か読んでは挫けた一冊である。その後、何冊もの書籍で引用されていることを知った。竹山道雄も本書に触れていたので直ちに読んだ。やはり読書には季節がある。それなりの知識と体力が調(ととの)わないと味わい尽くすのが難しい本がある。何気ない記述に隠された真実が見えてくるところに読書の躍動がある。

 会田雄次は敗戦後、1年9ヶ月にわたってビルマでイギリス軍の捕虜となった。その経験を元に「西欧ヒューマニズム」の欺瞞を日本文化から照らしてみせたのが本書である。

 それはとにかくとして、まずバケツと雑巾、ホウキ、チリトリなど一式を両手にぶらさげ女兵舎に入る。私たちが英軍兵舎に入るときには、たとえ便所であるとノックの必要はない。これが第一いけない。私たちは英軍兵舎の掃除にノックの必要なしといわれたときはどういうことかわからず、日本兵はそこまで信頼されているのかとうぬぼれた。ところがそうではないのだ。ノックされるととんでもない恰好をしているときなど身支度をしてから答えねばならない。捕虜やビルマ人にそんなことをする必要はないからだ。イギリス人は大小の用便中でも私たちは掃除しに入っても平気であった。

 一読して理解できる人がいるだろうか? 特に我々日本人は汚れ物に対する忌避感情が強く、トイレを不浄と表現することからも明らかなように、人目を忍ぶのは当然である。今、無意識のうちに「人目」と書いた。私なら幼子に見られるのも嫌だね。「人の目」であることに変わりはないからだ。つまり白人にとって有色人種の目は「人目」ではないのだ。きっと「人目」に該当する語彙(ごい)もないことだろう。

 会田が「異常」と記したのは、人種差別の現実が日本人の想像も及ばぬ奇っ怪な姿で目の前に現れたためだ。私の世代だと幼い頃にウンコを踏んだだけで周りから人が去ったものだ。かくもウンコには負のパワーがある。それがウンコをしている姿を見られても平気だと? すなわち彼らにとって有色人種の人間は文字通り「動物以下の存在」なのだ。これが「喩(たと)え」でないところに彼らの恐ろしさがある。

 その日、私は部屋に入り掃除をしようとしておどろいた。一人の女が全裸で鏡の前に立って髪をすいていたからである。ドアの音にうしろをふりむいたが、日本兵であることを知るとそのまま何事もなかったようにまた髪をくしけずりはじめた。部屋には二、三の女がいて、寝台に横になりながら『ライフ』か何かを読んでいる。なんの変化もおこらない。私はそのまま部屋を掃除し、床をふいた。裸の女は髪をすき終ると下着をつけ、そのまま寝台に横になってタバコを吸いはじめた。
 入って来たのがもし白人だったら、女たちはかなきり声をあげ大変な騒ぎになったことと思われる。しかし日本人だったので、彼女らはまったくその存在を無視していたのである。
 このような経験は私だけではなかった。

 有色人種は白人女性の性行為の対象にすらなり得ないということなのだろう。インドのカースト制度を軽々と超える差別意識である。無論、彼女たちは「差別」とすら感じていないことだろう。人種の懸隔は断崖のように聳(そび)える。まさに犬畜生扱いだ。

 はじめてイギリス兵に接したころ、私たちはなんという尊大傲慢な人種だろうかとおどろいた。なぜこのようにむりに威張らねばならないのかと思ったのだが、それは間違いであった。かれらはむりに威張っているのではない。東洋人に対するかれらの絶対的な優越感は、まったく自然なもので、努力しているのではない。女兵士が私たちをつかうとき、足やあごで指図するのも、タバコをあたえるのに床に投げるのも、まったく自然な、ほんとうに空気を吸うようななだらかなやり方なのである。

 イギリス兵にとって最大の侮辱は日本軍が優勢であった時に、捕虜として市中を行進させ、便所の汲み取りを行わせたことだった。七つの海を支配してきた大英帝国の威信は地に墜(お)ちた。黄禍(おうか/イエロー・ペリル)が現実のものとなったのだ。イギリスがアメリカを引きずり込んで第二次世界大戦の戦況は大きく動いた。勝った側となったイギリス人が日本人に思い知らせてやろうとするのは当然である。この流れは現在にまで引き継がれている。イギリス・フランス・オランダは自分たちを潤す植民地を失ってしまったのだ。戦前と比べて貧しくなった状況を彼らが簡単に忘れることはない。

 こうした文脈の上に南京大虐殺や従軍慰安婦というストーリーが作成されていることを日本人は知る必要がある。憲法9条もそうだ。アメリカは玉砕するまで戦う日本軍を心底から恐れた。二度と戦争に立ち上がることができないように埋め込まれたソフトが憲法9条なのだ。アメリカは原爆ホロコーストを実行しておきながら、日本の報復を恐れいているのだ(『日本最後のスパイからの遺言』菅沼光弘、須田慎一郎)。

 その人種差別の頂点にいるイギリス女王やローマ教皇ですら天皇陛下に対しては敬意を払わざるを得ないところに日本の不思議がある。

アーロン収容所 改版 - 西欧ヒューマニズムの限界 (中公新書)
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2018-09-08

目次/『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン


『奴隷とは』ジュリアス・レスター
『砂糖の世界史』川北稔
『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス
『ナット・ターナーの告白』ウィリアム・スタイロン
『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要
『アメリカ・インディアン悲史』藤永茂
『メンデ 奴隷にされた少女』メンデ・ナーゼル、ダミアン・ルイス
『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス
『アメリカの国家犯罪全書』ウィリアム・ブルム

 ・目次
 ・ポリティカル・コレクトネスは白人による人種差別を覆い隠すために編み出された概念

『アーロン収容所 西欧ヒューマニズムの限界』会田雄次
『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温
『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明

必読書リスト その四
日本の近代史を学ぶ

   目次

監修者によるまえがき

序章

 香港で破られた「白人の優越」(ホワイト・スプリーマシー)
 日本人の白人に対する残虐行為
 白人側が使った人種差別の宣伝(プロパガンダ)とは
 日本は自衛のために戦った
 中国人は日本に協力した
 黄禍、再び――アジア人が力をつけはじめた

第一章 「純血の白人」以外は人にあらず

 香港での人種隔離政策(アパルトヘイト)
 頂上(ピーク)を頂点とした身分の序列
 白人なのに差別を受けた例外人種
 裕福なイギリス人を頂点とする人種階層
 色遊びが混血問題を生む
 混血――ユーラシアンへの嫌悪
 高まる日本の脅威
 日本の人種平等提案
 暗躍する黒竜会
「純血な白人」とは何か

第二章 アジアの黒人

 黒人は日本を賛美した
 黒人(ニグロ)が日本人と団結したら
 日本を賛美する黒人メディア
 親日黒人の活動は監視されていた
 日本人と黒人の間で深まる連帯
 日本の十字軍

第三章 1941年・香港

 戦争が始まると空気が変わった
 日本軍が香港へ進攻した日
 香港が日本軍の手に渡る
 イギリスが感じた第五列の脅威
 なぜ反日中国人が日本人を援(たす)けたのか
 職務よりもゴルフに興じていたイギリス軍
 白人世界の終焉(しゅうえん)

第四章 白人収容所

 征服された旧支配者
 エミリー・ハーンが見た白人収容所
 スタンレー収容所に入った白人たち
 収容所は劣悪な環境だった
 地に貶められた「白人の優越」
 収容所で生まれた共産社会
 イギリス人と白人のアメリカ人との新たな衝突
 連合国の中での人種対立
 スタンレーで発生した新たな貴族階級
 サー・ロバート・コテウォールの変節

第五章 アメリカの黒人から見た日本人

 日独は黒人を取り込む工作を始めた
 日本人の非道な行為は「白人の優越」(ホワイト・スプリーマシー)が生んだもの
 白人に擦(す)り寄る中国、白人と対決する日本
 民族平等の精神を展開する日本
 日本の工作員(エージェント)がハーレムで行なった宣伝(プロパガンダ)
「ハーレムのミカド」と呼ばれた男
 人種差別の見直しが始まった
 そして日本人が投獄されはじめた

第六章 人種関係の逆転、性の逆転

 工作員は民間にまぎれていた
 米英にとっての内なる敵「有色人」(カラーズ)
 日系アメリカ人を味方につけろ
 日系二世が受けた差別
 なぜ中国系移民は日本に協力したのか
 日英でインド人の扱いに天地の差
 女装をしたイギリス兵
 性のモラルが低下しはじめた
 変化する白人女性の地位
 収容所での女性のありかた

第七章 真白い太平洋

「大英帝国臣民」でもヨーロッパ人から差別される
 日本と結びつくラタナ運動
 南太平洋諸島での差別
 避難民として認められるのは白ジョンの大英帝国臣民のみ
 アジア人から「白豪」を守れ
 ニュージーランドへのびる日本の進攻の手
 親日派になる先住民
 米国黒人部隊との接触
 南太平洋における人種差別の変革がはじまった

第八章 「白人の優越」(ホワイト・スプリーマシー)と戦うアジア諸民族

 アジアに広がる親日感情
 日本の東南アジア占領が世界を一変させた
 アジアの新たな時代の夜明けを感じたマレー兵
 シンガポールでの日本占領によるプロパガンダ
 日本軍がシンガポールに残したもの
 ビルマ人は日本人を受け入れた
 丁重に扱われたインドネシア
 なぜインドは連合国の側に立たなければならないのか

第九章 戦争で変わる人種の構図

 日本はアメリカ黒人兵に友好的に振る舞った
 白人は日本兵の遺体を残虐に扱った
 アメリカにおける黒人と白人の衝突
 アフリカとアジアの同志の連帯
 安売りで市場を独占する日本製品に対して
 イタリアのエチオピア侵略を日本はどう見たか
 イスラムに友好的な日本
 アフリカにはアメリカ黒人兵を派兵するな
「白人の優越」が地に堕ち始めた
 アフリカ黒人兵の貢献度とは
 劣悪な状況で反乱寸前の黒人兵
 なぜアフリカの黒人を「悪魔」に仕立てあげたのか

第十章 アジアがつくる新しい人種の世界

 孫文が目指した大アジア主義
 勃興する中国のナショナリズム
 孫文の後継者、蒋介石
 蒋介石と汪兆銘の反共勢力
 中国国民党がもつ日本との太いパイプ
 共産主義はイギリスの重大な障害
 第一の敵は日本、第二の敵はイギリスという謀略宣伝(プロパガンダ)
 日本軍の残虐行為の信憑(しんぴょう)性
 イギリス撤退後のアメリカ植民地支配
 米英の対立を利用する日本
 枢軸国がはらむ人種問題の矛盾
 日独の戦争目的はまったく違う
 ユダヤ人に対し平等に接した日本
 日本とドイツの相容れない違い
 メキシコと共同歩調をとる日本

 第十一章 「白人の優越」からの覚醒

 香港で見た「白人の優越」の失墜
 中国で高まる国家の尊厳と独立主義の気概
 イギリスが中国で抱える問題
 香港は「対日協力者の天国」
 裁かれなかった利敵協力者もいた
 その日系人利敵協力者は「ビンタ狂」(スラップ・ハッピー)と呼ばれた
 日系人元死刑囚、川北(かわきた)は蛮行をはたらいたのか
 利敵協力者の裁判でも「白人の優越」は有効だった
 東京戦犯法廷は人種差別的だった
 人種差別の軟化は容易ではない
 平等への段階的改革を多くの白人は歓迎しない

訳者によるあとがき

【『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン:加瀬英明監修、藤田裕行訳(祥伝社、2015年)/RACE WAR:White Supremacy and the Japanese Attack on the British Empire by Gerald Horne Copyright © 2004 by New York University】

2018-08-29

過去の歴史を支配する者は、未来を支配することもできる/『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明


『学校では絶対に教えない植民地の真実』黄文雄

 ・過去の歴史を支配する者は、未来を支配することもできる

『世界が語る大東亜戦争と東京裁判 アジア・西欧諸国の指導者・識者たちの名言集』吉本貞昭
『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温
『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一

日本の近代史を学ぶ

 過去の歴史を支配する者は、未来を支配することもできる。日本は先の戦争に敗れてから、自国の歴史を盗まれた国となってしまった。
 歴史は記憶だ。記憶を喪失した人は、正常な生活を営むことができない。国家についても、同じことである。

【『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明〈かせ・ひであき〉(ベスト新書、2015年)以下同】

 著者は加瀬俊一〈かせ・としかず〉の子息である。名前は知らなくても誰もが必ず一度は見たことがあるはずだ。日本が大東亜戦争に敗れ、ミズーリ号で降伏を調印した際、重光葵〈しげみつ・まもる〉外相に付き添っていた外交官である(※当時42歳、Wikipedia、右上の画像)。

 加瀬英明の著作や言論にはやや脇の甘さがあるものの貴重な証言が多い。

「(小学3年生の)私は『東京がこんなにめちゃくちゃになったが、日本は大丈夫なのか』とたずねた。父は『アメリカは日本中壊すことができるが、日本人の魂を壊すことはできない』といった」「(ミズーリ号降伏文書調印式の)その前夜、祖母が父を呼んで、『あなた、ここにお座りなさい』といった。座ると、『母はあなたを降伏の使節にするために、育てたつもりはありません』と叱って、『行かないでください』といった。父は『お母様、この手続きをしないと、日本が立ち行かなくなってしまいます』と答えて、筋を追って説明した。祖母は納得しなかった。『私にはどうしても耐えられないことです』といって立つと、嗚咽(おえつ)しながら、父の新しい下着をそろえたという」(【戦後70年と私】加瀬英明氏 ミズーリ号で降伏文書調印に臨んだ父の無念と誇りを胸に - 政治・社会 - ZAKZAK)。

「私は重光さんに晩年まで可愛がられました。よく存じ上げて、いろいろ話を伺う機会がありました。重光さんは私の父とミズーリの艦上に立ったときのことを、次のように述懐されました。『あの日、敗れたという屈辱感よりも、日本が今度の戦争で多くの犠牲を払ってアジアを数世紀にわたった白人・西洋の植民地から解放したという高い誇りを胸に抱きながら、ミズーリ号の甲板を踏んだ』」(戦艦ミズーリ号上での降伏文書調印と戦争犯罪(加瀬英明氏のコラム) - 東アジア歴史文化研究会)。

 冒頭の指摘はジョージ・オーウェルと完全に一致している。「そして他の誰もが党の押し付ける嘘を受け入れることになれば――すべての記録が同じ作り話を記すことになれば――その嘘は歴史へと移行し、真実になってしまう。党のスローガンは言う、“過去をコントロールするものは未来をコントロールし、現在をコントロールするものは過去をコントロールする”と」(『一九八四年』ジョージ・オーウェル)。

 オーウェルの『一九八四年』や『動物農場』は社会主義国家の風刺といわれるが敗戦後の日本と重なって仕方がない。GHQの半分が左翼であったことが判明しているが、マッカーサー以下GHQの総意として、白人に歯向かった日本の歴史を書き換える必要があったのは確実だ。上書き更新された歴史は半世紀に渡って日本を蝕み続け、今もなお余燼(よじん)がくすぶっている。

 ルーズベルト大統領が中国を愛して、日本を疎(うと)んでいたことが、日米戦争の大きな原因となった。
 ルーズベルトの母サラの父は、帆船(クリッパー)時代の清朝末期に、阿片貿易によって巨富を築いて、香港にも豪邸を所有していた。サラは少女時代に香港に滞在して、中国を深く愛するようになった。(中略)
 多くのアメリカ国民が、中国をアメリカの勢力圏のなかにあると、みなしていた。
 中国は、多くのキリスト教宣教師をアメリカから受け入れていたし、アメリカ国民が“巨大な中国市場”を夢みて、中国に好意を寄せていた。ところが、日本は市場が地位さすぎたし、伝統文化を守って、キリスト教文明に同化することを拒み、アメリカに媚(こ)びることがない、異質な国だった。(中略)
 ルーズベルトはそれにもかかわらず、日本が中国を侵略したとみなした。(中略)
 ルーズベルトは盧溝橋事件も、第二次上海事変も、日本が中国を計画的に侵略したと、曲解した。
 日華事変は、日本から仕掛けたのではなかった。
 戦後になって、日華事変は日中戦争と呼ばれるようになったが、日本も中国も、日米戦争が始まるまで、互いに宣戦布告をしなかった。事変と呼ぶのが正しい。
 ルーズベルト政権は、日本がアメリカに対して、いささかの害も及し(ママ)ていなかったのにもかかわらず、日本を敵視した。(中略)
 ルーズベルト政権は、中国へ惜しみなく、援助資金と、兵器、軍需物資を注ぎ込んだ。
 多くのアメリカ国民が、蒋介石総統とその宋美齢夫人がキリスト教徒だったために、キリスト教国である中国が、異教の日本による侵略を蒙(こうむ)っているとみなした。
 蒋政権はアメリカの世論を工作するために、アメリカのマスコミや、大学、研究所に、ふんだんに資金をばら撒(ま)いた。
 翌年、シェンノートは大佐として、中華民国空軍航空参謀帳に任命された。
 シェンノートは、蒋介石政権に戦闘機と、アメリカ陸軍航空隊のパイロットを、「義勇兵」(ボランティア)として、偽装して派兵する案を、ルーズベルト政権に提出した。ルーズベルト大統領はこの提案を、ただちに承認した。
 これは、重大な国際法違反だった。シェンノートの航空機は、機首に虎の絵を描いていたので、「フライング・タイガース」として知られた。アメリカが戦闘機を供給した。中国の「青天白日」のマークをつけて、アメリカの「義勇兵」が操縦する「フライング・タイガース」は、アメリカで大きく報道された。

 検索したのだが中々これだという情報が見つからない。フライング・タイガースと日本軍の初戦が1941年(昭和16年)12月25日(加藤隼戦闘隊 VS フライングタイガース - かつて日本は美しかった)だとすれば、Wikipediaの「実際に戦闘に参加し始めたのは日米開戦後であったため、このような経緯から『義勇軍』の意義もうやむやになった」という指摘は正しい。正しいのだが、「昭和16年7月23日、ルーズベルト大統領は、陸海軍長官の連名で(7月18日付)提出された合同委員会の対日攻撃計画書『JB355』にOKのサインをした」(「宣戦布告」をせずに戦争を仕掛けたのはアメリカだった。 真珠湾攻撃、その真実の歴史  正しい日本の歴史 | 正しい日本の歴史 | 正しい歴史認識)のだから、先に戦争を始めたのはアメリカだったという見方ができるのだ。

 しかも戦後、毛沢東率いる共産党に敗れつつあった蒋介石を根本博中将が助けるのである。歴史というものはつくづく厄介だと思われてならない。個人的には孫文や蒋介石を評価する気にはなれない。

 ナチス・ドイツがポーランドに進攻して第二次世界大戦の幕が開く。イギリス、フランスは2日後ドイツに宣戦布告をし、2週間後にはソ連も参戦した。ヨーロッパで死闘が繰り広げられる時に、ルーズベルトは反戦・孤立主義の公約を掲げて3選目の大統領選挙に勝利したのだった(1940年)。大衆はいつの時代も愚かだ。世論なんぞは雰囲気や感情で一夜にして変わる性質のものである。そもそも大衆には責任がないのだから。そして世論は常に誘導・操作される。

 インディアンを大量虐殺し、黒人を奴隷にして栄えたアメリカが、黄色人種の国日本に原爆を2発落とした。アメリカの歴史を1行に要約すればこうなる。

 せめて我々の世代が「正しい記憶」を取り戻し、子々孫々が「正しい判断」をできるようにしておくことが責務であると強く思う。

大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか (ベスト新書)
加瀬 英明
ベストセラーズ
売り上げランキング: 198,100

2018-08-28

「人種差別」こそが大東亜戦争の遠因/『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温


『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス
『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要
『ナット・ターナーの告白』ウィリアム・スタイロン
『学校では絶対に教えない植民地の真実』黄文雄
『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明
『世界が語る大東亜戦争と東京裁判 アジア・西欧諸国の指導者・識者たちの名言集』吉本貞昭

 ・「人種差別」こそが大東亜戦争の遠因
 ・ポルトガル人の奴隷売買に激怒した豊臣秀吉

『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一
・『パール判事の日本無罪論』田中正明

・『だから、改憲するべきである』岩田温

日本の近代史を学ぶ
必読書リスト その四

 何故、日本人は戦争を選んだのでしょうか。驕っていたとの批判は甘受しても構いません。何故に、日本人は戦争を選んだのでしょうか。この問いこそが重要です。
 戦争を選択した日本側の動機を探っていく上で極めて参考になるのが、昭和天皇の御指摘です。
 昭和天皇は、独白録の冒頭で、「大東亜戦争の原因」について次のように指摘しています。

「この原因を尋ねれば、遠く第一次世界大戦后の平和条約の内容に伏在している。日本の主張した人種平等案は列国の容認する処とならず。黃白の差別感は依然残存し加州移民拒否の如きは日本国民を憤慨させるに充分なものである。又青島還附を強いられたこと亦然りである。かかる国民的憤慨を背景として一度、軍が立ち上がった時に、之を抑へることは容易な業ではない。」
(『昭和天皇独白録』文藝春秋)

 昭和天皇は、大東亜戦争の遠因が、第一次世界大戦の平和条約、すなわちベルサイユ条約の中に存在していることを指摘しています。そして、国際連盟設立の際に日本が主張して、アメリカ、イギリスによって退けられた「人種平等案」について言及しています。さらに、アメリカのカリフォルニア州における排日移民法の存在についても言及しているのです。
 ここで昭和天皇が指摘しているのは、一言でいえば「人種差別」の問題です。昭和天皇は「人種差別」こそが大東亜戦争の遠因であったと指定記してえいるのです。
 大東亜戦争と人種差別。
 普段、意識されることの少ない組み合わせなのではないでしょうか。
 何故に、大東亜戦争が人種差別と深く関わっているのか。それは、大東亜戦争が、「人種平等」という理念を掲げた戦争であったからです。「侵略戦争」というイメージが先行する大東亜戦争ですが、当時の日本人が掲げた大義は「人種平等」だったのです。

【『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温〈いわた・あつし〉(彩図社、2015年/オークラNEXT新書、2012年『だから、日本人は「戦争」を選んだ 』改訂改題)】

『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』(ジェラルド・ホーン著)の直後に読んだのはタイミングがドンピシャリだった。本と本がつながる快感は何ものにも代え難い。脳内の配線がすっきりする。

 人種差別が大東亜戦争の導火線となったことを知らない日本人が大半であろう。私もそうだった。「どうしてこれほど大切な歴史を学校で教えないのか?」という率直な疑問が強い怒りと共に湧いてきた。

 簡単に歴史を振り返ってみよう。

 大東亜戦争(1941-45年〈昭和16-20〉:※日中戦争〈1937:昭和12年-〉を含まず)は自衛目的で始め、後にアジアを植民地から解放することを目指した戦争であった。

 1924年(大正13年)にアメリカで排日移民法が成立する(日本のほっぺたをひっぱたいた排日移民法 - かつて日本は美しかった)。低賃金でも黙々と真面目に働く日本人移民をアメリカ人労働者は許せなかった。そして日本人児童を差別のターゲットにしたのだ。

 1921-22年(大正10-11)ワシントン海軍軍縮条約ワシントン海軍軍備制限条約)で日英同盟が失効した(日英同盟破棄)。

 1919年(大正8年)1月14日、第一次世界大戦後に開かれたパリ講和会議において日本は人種的差別撤廃提案を行った。「国際会議において人種差別撤廃を明確に主張した国は日本が世界で最初である」(Wikipedia)。賛成11票、反対・保留5票という結果となったが議長を務めたウッドロウ・ウィルソン米大統領が「全会一致でないため提案は不成立である」とちゃぶ台返しをする。最も強く反対したのは白豪主義を唱えるオーストラリアであった。

 第一次世界大戦(1914-18年)で日本は勝利した連合国側に加わった。国際的な地位は格段に上がり、国際連盟の常任理事国入り(列強の仲間入り)を果たす。

 1904-05年(明治37-38)日露戦争。歴史上初めて有色人種が白人を打ち破った戦争で、世界中の有色人種が狂喜した。後に白人帝国主義を倒す最大の要因となる。日本は明治開国以来の不平等条約を克服する(日露戦争が世界に与えた衝撃/『世界が語る大東亜戦争と東京裁判 アジア・西欧諸国の指導者・識者たちの名言集』吉本貞昭)。

 1894-95年(明治27-28)日清戦争。日本は戦勝国となり、イギリスに治外法権を撤廃させる。ところが三国干渉ロシアの南下政策と三国干渉について | 日本の歴史についてよく分かるサイト)があり、日本国民の間で「臥薪嘗胆」(がしんしょうたん)が合言葉となる(三国干渉における臥薪嘗胆 | 日本の歴史についてよく分かるサイト)。

 19世紀半ば-20世紀前半に欧米豪で黄禍論(おうかろん/こうかろん)が唱えられる。日露戦争に勝利したことで黄色人種脅威論が欧州全体に広まる。

 1853年(嘉永6年)黒船来航砲艦外交の末に1854年(嘉永7年)日米和親条約締結日本の開国)。日本は開国するも不平等条約に長く苦しめられることになる。

 1639-1854年(寛永16-嘉永7)鎖国。鎖国体勢は徳川家光が完成させたが、発端はキリシタン禁制(禁教令)で豊臣秀吉のバテレン追放令(1587年:天保15)までさかのぼることができる(『戦国日本と大航海時代 秀吉・家康・政宗の外交戦略』平川新〈ひらかわ・あらた〉)。

 最低でもこの程度の流れは踏まえておくべきである。豊臣秀吉はポルトガル、スペインを中心とする大航海時代(15世紀半ば-17世紀後半)の動きを鋭く察知していた。明治維新も阿片戦争(1840年)という背景があった。すなわち日本は辺境でありながらも国際情報に対して敏感な危機感を持って対応してきたのだ。

 昨今の日本史本ブームに対して、「またぞろ江戸万歳本ですか」みたいな揶揄(やゆ)を飛ばす者がいるが、植民地の悲惨を知らぬ底の浅さを露呈している。同じ時代に黒人やインディアンがどんな目に遭ったと思っているんだ?

 東京裁判(極東国際軍事裁判/1946-48年〈昭和21-23〉)は500年も続いた白人帝国主義を崩壊させた日本人に対する公開処刑であった。そのために日本は大量虐殺を行ったナチスと同列にさせられたのだ。我々の父祖が大東亜戦争で立ち上がったことによって世界の植民地は白人の手から解放された。米国内の黒人も日本に続いて立ち上がったのである。

2018-08-02

ポリティカル・コレクトネスは白人による人種差別を覆い隠すために編み出された概念/『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン


『奴隷船の世界史』布留川正博
『奴隷とは』ジュリアス・レスター
『砂糖の世界史』川北稔
『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス
『ナット・ターナーの告白』ウィリアム・スタイロン
『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要
『アメリカ・インディアン悲史』藤永茂
『メンデ 奴隷にされた少女』メンデ・ナーゼル、ダミアン・ルイス
『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス
『アメリカの国家犯罪全書』ウィリアム・ブルム

 ・目次
 ・ポリティカル・コレクトネスは白人による人種差別を覆い隠すために編み出された概念

『アーロン収容所 西欧ヒューマニズムの限界』会田雄次
『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温
『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』加瀬英明
『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす』山口洋一

必読書リスト その四
日本の近代史を学ぶ

 アメリカにとって日本人が犯した最大の罪は、アジア主義の旗を掲げて、有色民族に誇りをいだかせることによって、白人の誇りを貶(おとし)めたことだった。
 極東国際軍事裁判は、なによりも日本が白人上位の秩序にって安定していた、世界の現状を壊した。「驕慢(きょうまん)な民族主義」を大罪として、裁いた。
 事実、日本は白人の既得権益を壊して、白人から見ておぞましい成功を収めた。

【『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン:加瀬英明監修、藤田裕行訳(祥伝社、2015年)以下同】


 禁を破って読書中の本を紹介する。想像した通りジェラルド・ホーンはアフリカ系アメリカ人であった。軽く1000を超えるであろう膨大な量の証言で構成されており、行間から真正の怒りが伝わってくる。いずれにせよアメリカ本国から大東亜戦争を正しく研究する学者が登場したことは歓迎すべきで、破れかぶれになった左翼が大手を振ってデモ行進をする我が国の惨状が情けなくなってくる。著者の日本に対する心酔ぶりはやや過剰に感じるが、長らく虐げられてきた黒人の父祖たちを想えば、数百年間にわたって続いた人種差別に鉄槌を下ろした点において日本をヒーロー視することは決して的外れではないだろう。

 まだ100ページほどしか読んでないのだが90%以上のページに付箋を貼ってしまった。元気と時間があれば全部ここに書写したいくらいだ。

白人側が使った人種差別の宣伝(プロパガンダ)とは

 ところが、事実を捻(ね)じ曲げて、「日本軍がアジア人に対して、ありとあらゆる『残虐行為』に及んでいる」という、宣伝(プロパガンダ)が行なわれた。日本軍が白人に対して「残虐行為」を行なっていると報告すると、かえって「アジア人のために戦う日本」のイメージを広めかねなかったからだった。
 白人と有色人種が平等だという戦後になってからの人種政策や、「白人の優越」が否定されることは、日本軍の進攻によってすでに戦時中から明らかになっていた。
 アメリカはイギリスよりも、人種問題に敏感だった。先住民を虐殺し、黒人を奴隷(どれい)にすることによって建国したからだった。
 1942年半ばに、アメリカの心理戦争(サイコロジカル・ウォーフェアー)合同委員会は、イギリスに「太平洋戦争を『大東亜戦争』(パン・アジア・ウォー)にすり替える日本の宣伝を阻止(そし)することが、重要だ」との極秘の提案書を送った。
「アメリカの白人社会に対して、有色人種に対する激しい人種差別を和(やわ)らげる宣伝を行なうべきである。そうした宣伝は、人種偏見に直接、言及してはならないが、有色人種のよい面を伝えることで、間接的に可能だ」と提言し、「『こびと』『黄色い』『細目(ほそめ)の』『原住民』といった表現を避ける」ことや、「アメリカの黒人活動家が、白人を非難する日本の宣伝を受け売りしていること」にも言及した。
 戦争が終結に近づくにつれて、後に「ポリティカリー・コレクト」という表現が用いられるようになった戦後の人種への太陽が、形成されようとしていた。過去に人種差別を蒙(こうむ)った人々について、むしろ国際的な場で「黒人のリーダー」を前面に出すことで、黒人蔑視(ジム・クロウ)に対する批判を避けようとした。

 ポリティカル・コレクトネス(政治的に正しい言葉遣い)は自分たちの悪行を覆い隠す狙いがあったというのだから驚きを通り越してあまりの欺瞞に尊敬の念すら覚える。もちろん皮肉であるが。日本人であれば常識と良識にそれほどの差異を感じないが、アメリカ人の古い常識は「白人が奴隷を所有するのは当然の権利」であったがゆえに新しい常識を必要としたのだ。神の名の下に虐殺を繰り返してきた白人にやっと道徳心が絵芽生えたわけではない。飽くまでも戦略として道徳を扱っているだけだ。

 アメリカは広島・長崎における原爆ホロコーストから目を逸らさせるために南京大虐殺を編み出した。わざわざ死者数も同数に揃えている(約30万人)。大東亜戦争という言葉が使えるようになったのはここ数年のことだろう。私自身、数年前まで嫌悪感を抱いていた。ところがアメリカの心理戦争合同委員会は日本の意図を正しく理解していたのだ。だからこそ叩き潰しておく必要があった。彼らの狙いは見事に成功した。我々日本人は半世紀以上に渡って大東亜戦争という言葉を使わなかったのだから。

「1990年代に入ってアメリカで大きく注目された考え方で『偏見・差別のない表現は政治的に妥当である』『偏見や差別の用語を撤廃し、中立な表現を利用しよう』との運動から始まり、差別是正に関する社会運動を内包する場合が多い」〈ニコニコ大百科(仮)〉とされているが、現代のポリコレはフェミニズム論やジェンダー論が推進してきた経緯があり、左派系概念となってしまった。日本ではヘイトスピーチに対する攻撃目的で市民派を名乗る左翼が振りかざしていて逆ヘイトと化しつつある。

 この部分を読んで、ノーマン・G・フィンケルスタイン著『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』のカラクリがわかった。ヒトラーが行ったユダヤ人を中心とする大量虐殺は明白な犯罪であるが、これをテコにしてそれまでヨーロッパ中で殺され続けてきたユダヤ人は彼らなりのポリコレを編み出したのだろう。第二次世界大戦後、サイモン・ウィーゼンタール・センターなどのユダヤ人右翼団体は差別言論を取り締まる検閲役を務めた。日本でも文藝春秋社が発行する『マルコポーロ』が廃刊に追い込まれたことは記憶に新しい(マルコポーロ事件、1995年)。

 スポーツの世界ではオリンピックや国際大会で日本人が好成績を残すとルールを変更するという手法が露骨に行われている。「統治するのは白人だ」と言わんばかりのやり方である。こうした動きに対抗し得る学問的なバックボーンが日本にはない。戦後教育は自虐史観で覆われ、大学教育は官僚輩出システムに堕してしまった。幕末の私塾にすら到底及ばぬ現状である。

 本書を読めば、大東亜戦争に立ち上がった日本が世界中の有色人種に与えた衝撃の度合いと感激の深さが理解できよう。我々の父祖が戦った本当の相手は「白人による人種差別」であった。日本の近代史は「黄禍論~アメリカの排日移民法~大東亜戦争」を中心に学校教育で教えるのが筋である。



レッドからグリーンへ/『環境と文明の世界史 人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ』石弘之、安田喜憲、湯浅赳男
アルゴリズムという名の数学破壊兵器/『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』キャシー・オニール
新しい用語と新しいルールには要注意/『ポストトゥルース』リー・マッキンタイア

2016-01-10

白人による人種差別/『国民の歴史』西尾幹二


 ・白人による人種差別
 ・小林秀雄の戦争肯定
 ・「人類の法廷」は可能か?

『日本文明の主張 『国民の歴史』の衝撃』西尾幹二、中西輝政
『三島由紀夫の死と私』西尾幹二
『国家と謝罪 対日戦争の跫音が聞こえる』西尾幹二

日本の近代史を学ぶ

 西海岸のカリフォルニアにまで流れついてきた者たちは、まさに貧しい白人、プアホワイト、荒くれ者、アメリカのその後の大衆社会を形成する人々から成り立っていた。彼らはいずれもヨーロッパの大航海時代以来の、地球の他の地域に住む人々への恐れ、異教徒に対する人種偏見、はるか東方の遠いものへの奇怪な幻想に深くとらわれた人々であった。オランウータンが発見されたとき、それは黒人の呼び名となり、17世紀のヨーロッパの町では、黒人とインディオが猿や狒々(ひひ)と並んで陳列され、裸の野蛮人として舞台の上を歩き回らされた。
 スペイン人によるインディオ征服は、けっして不用意に企てられたものではない。アメリカの初代大統領ワシントンは、インディアンを猛獣と称し、狼と同じだが形が違うといった。第3代大統領トマス・ジェファーソンは、インディアンに向かって、子どもたちとか、わが子どもたちと話しかけた。白人との結婚を奨励することによって、人種改良が可能かもしれないという考えを思い浮かべた者もいる。これは第二次世界大戦に際して、第32第大統領フランクリン・ローズヴェルトが、日本人を戦後どうすべきかを考えた際に思いついたアイデアと同じものであった。彼は日本人が狂暴なのは頭蓋骨の形態にあると本気で信じていた。
 第26代大統領セオドオ・ローズヴェルト、これはフランクリンのおじにあたり、日露戦争終結の仲介役になった人物だが、彼はアメリカインディアンの事実上の絶滅を指示すると広言した人物でもあった。こうした露骨な人種差別は、ジョン・ダワーに言わせると、ゴビノーをはじめとする19世紀の科学的人種主義の思想的裏付けによって登場したのである。解剖学、骨相学、進化論、民俗史学、神学、言語学といった、あらゆる学問を利用して、ヨーロッパ人は何世紀か前にすでに非白人の特性とするものを原始性、未熟、知的道徳的情緒結果として指摘し、有色人種の生来の特徴であるとみなしていた。

【『決定版 国民の歴史』西尾幹二〈にしお・かんじ〉(文春文庫、2009年/単行本は西尾著・新しい歴史教科書をつくる会編、産経新聞社、1999年)】

日本の近代史を学ぶ」の順番を入れ替えて本書を筆頭に掲げた。縄文時代から敗戦後に渡る日本史が網羅されている。まず全体を俯瞰することで日本の近代史が一層くっきりと浮かび上がるはずだ。

 2016年は激動の年となることだろう。米中の覇権争いは基軸通貨ドルvs.人民元の攻防を熾烈化し、今年の後半には緩和マネーバブルが崩壊すると囁かれている。

 4月には消費税10%の施行が予定され、7月には参院選が控えている。安倍首相は既に「憲法改正を問う」と明言した。とすると消費税増税先送りというサプライズで一気に衆参同時選挙に持ってゆく可能性が高い。

 そこでこれより断続的に日本の近代史と安全保障に関するテキストを紹介してゆく。

 日本人に欠落しているのはキリスト教を中心とするヨーロッパ文化の理解である。いつの時代にも差別はつきまとう。だが欧州白人による人種差別は全く文脈が異なるのだ。劣った人種は人間と見なされず、家畜同然の奴隷扱いを受ける。生殺与奪も白人の自由だ。

 日本は第一次世界大戦後、列強の仲間入りを果たし、パリ講和会議の国際連盟委員会で人種的差別撤廃提案を行う。採決の結果は賛成11ヶ国・反対5ヶ国(※本書では17対11とされている)であった。ところが議長を務めたアメリカのウッドロウ・ウィルソン大統領が突如として全会一致を言い出し、採決は無効とされた。これが大東亜戦争の遠因となる(『昭和天皇独白録』1990年、『文藝春秋』誌に連載)。

 上記テキストはアメリカの排日移民法に続く。

 白人支配の歴史に一撃を与えたのは日露戦争(1904/明治37-1905/明治38年)における日本の勝利であった。インドのガンディーが狂喜し、アメリカの黒人が熱狂した。極東の島国が世界の有色人種の希望となった。

 一方白人からすればこれほど迷惑な話はない。ヨーロッパで黄禍論(黄色人種脅威論)が台頭する。アメリカの排日移民法もこうした流れの中で生まれた。

 アメリカ陸軍は1920年代に各国を仮想敵国としたカラーコード戦争計画を立案する。大日本帝国に対してはオレンジ計画が練られる。そして日本によるシナ地域(当時は中華民国)支配を阻止すべく、資源輸入を枯渇させる戦略が実行される。これがABCD包囲網(1939-41年)であった。

 当時、日本の石油は8割をアメリカに依存していた。妥協に妥協を重ねてアメリカ側と交渉した結果、つきつけられたのがハル・ノートであった。ハル・ノートは日本に対してシナ大陸の権益を放棄するよう命じた。日本にとっては日清戦争以前の状態になることを意味した。この時、日露戦争における三国干渉以来、溜まりに溜まってきた日本の不満に火が点いたと私は考える。

 日本は遂に行動を起こした。アメリカの真珠湾に向かって。



日英同盟を軽んじて日本は孤立/『日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら』北野幸伯

2014-02-05

黒人奴隷の生と死/『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要


『奴隷船の世界史』布留川正博
『奴隷とは』ジュリアス・レスター
『砂糖の世界史』川北稔
『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス

 ・黒人奴隷の生と死

『ナット・ターナーの告白』ウィリアム・スタイロン
『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン

キリスト教を知るための書籍

黒い怒り』(※W・H・グリアー、P・M・コッブズ:太田憲男訳、未來社、1973年)をもう一度引用してみよう。
「アメリカは、黒人は劣等であり、雑草刈りと水汲みのために生まれているとの仮説を身につけた生活様式、アメリカは民族精神、あるいは国民生活様式を築き上げたのである。この国土への新移民(もし白人ならば)はただちに歓迎され、豊富に与えられるもののなかには、彼らが優越感をもって対処することのできる黒人がある、というわけである。彼らは黒人を嫌い、けなし、また虐待し、搾取するように求められたのである。ヨーロッパ人にとって、この国が何と気前よく見えたであろうかは容易に想像し得るのである。即ち、罪を身代りに負う者がすでに備えつけられている国であったのである」
 この点まで理解できれば、われわれはもう一歩先へ進まなければならない。奴隷制度がそのように白人にも黒人にも、その後長い傷を与え続けている以上、奴隷制度そのものを、もっと実態に即して理解しなければならないだろう。それも、奴隷制度の存続をめぐる政治的対立とか、奴隷制度の経済的効用とかいったものではもちろんない。一個の人間が奴隷制度のなかで生まれ、奴隷として働かされ、まだ奴隷制度が全盛だった頃に死んでいったことの意味を、もっと理解しなければいけなのである。

【『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要〈さるや・かなめ〉(河出書房新社、1975年『生活の世界歴史 9 新大陸に生きる』/河出文庫、1992年)以下同】

 岸田秀が紹介していた一冊。『ものぐさ精神分析』か『続 ものぐさ精神分析』か『歴史を精神分析する』のどれかだったと思う。岸田の唯幻論は不思議なもので若くて純粋な時に読むと反発をしたくなるが、複雑な中年期だとストンと腑に落ちる。

 近代史の鍵を握るのは金融とアメリカ建国である。これが私の持論だ。

何が魔女狩りを終わらせたのか?

 特に第二次世界大戦以降の世界を理解するためにはアメリカの成り立ちを知る必要がある。稀釈されてはいるがキリスト教→プロテスタンティズム→プラグマティズムが先進国ルールといってよい。そしてアメリカはサブプライムショック(2007年)とリーマンショック(2008年)で深刻なダメージを受け、9.11テロ以降、以前にも増して暴力的な本性を世界中で露呈している。

 アメリカはインディアンから奪い、そして殺し、黒人の労働力で成り立った国だ。彼らが正義を声高に叫ぶのは歴史の後ろめたさを払拭するためである。彼らの論理によればアメリカの残虐非道はすべて正義の名のもとに正当化し得る。もちろん広島・長崎への原爆投下についても。それが証拠にアメリカは日本の被爆者に対して一度たりとも謝罪をしていない。

 奴隷制度は何も合衆国だけの占有物ではない、という反論もあるだろう。たしかに中南米のたいていの国にそれはあったし、ヨーロッパ諸国の多くも無関係ではなかった。しかし国内の奴隷所有勢力が奴隷を開放しようとする勢力と国論を二分して対立し、足かけ5年、両方あわせて60万人の人命を犠牲にするような大戦争に突入した国は、世界のなかでただアメリカ合衆国あるのみである。

南北戦争
南北戦争の原因
アメリカ合衆国の奴隷制度の歴史

 リンカーン自身が奴隷解放者であったわけではない。リンカーンはイギリスの南部支援を防ぐ目的で奴隷制度廃止を訴えたのだ。単なる政治カードであったことは、その後も黒人差別が続いた事実から明らかであろう。有名無実だ。また具体的には黒人を北部の兵隊とする目論見もあった。

 インディアンを虐殺し、黒人をリンチして木に吊るし、そして自国民同士が殺戮(さつりく)を行うことでアメリカはアメリカとなった。アメリカの暴虐はナチスの比ではない。

アメリカ合衆国の戦争犯罪

 次はどの国の人々が殺されるのだろうか? それが有色人種であることだけは確かだろう。


2014-02-01

ソンミ村虐殺事件/『アメリカ・インディアン悲史』藤永茂


・ソンミ村虐殺事件
ベトナム戦争とサンドクリークの虐殺

『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン

 美しい朝であった。1968年3月16日午前8時、南ベトナム、ソンミの小村落に近い稲田に着陸した、一群のヘリコプターからおり立った約80人の米軍兵士は、何らの抵抗も受けることなく村落に入り、その総人口700人ほどのうち、450人を虐殺した。すべては老人、婦女子、幼児であり、若い男はほとんど見当(ママ)なかった。捕獲した火器は小銃3挺であった。
 カリー中尉ひきいる最初の2小隊が村落の南部の小さい広場に入って行ったとき、村落の間にまだパニックの気配はなかった。朝餉の時であり、家の前に火をしつらえてその用意をしている家庭がいくらも見えた。数十人の村民たちは、何の抵抗も示さず、米兵の強いるままに広場に集ったが、やがて米兵が無造作にM16ライフル銃弾を打ちこみはじめると、女たちはむなしくも、子供たちを身でかばいつつ「ノー・ベトコン、ノー・ベトコン」と叫びながら、くずおれて死んで行った。他の一群は、灌漑用の溝の中に追い集められ、銃撃を浴びた。あるいは、村はずれのたんぼ道で折り重なって死んで行った。米兵のある者は、家の中の人々に、外からたっぷり銃撃を浴びせ、そのあと家屋に火を放った。牛を殺し、つみ上った死体の下にうずもれて、たまたま死をまぬがれる者もいた。一人の女が、死体の山の中から、まだ生きている赤ん坊を掘り出しているのを見つけた米兵の一人は、まず女を銃殺し、次に赤ん坊を殺した。至近距離からの銃弾は、その女の背が空中に飛び散るほどに強力であった。また、他の米兵は、弟と思われる子供をかばいつつ逃げようとする少年を、あぜ道にとらえ、腕前もたしかに射殺した。少年をたおれつつも、なお弟をかばう風にして死んだ。これらの事実を、我我は参加者の直接の証言によって知る。従軍カメラマンによる多数のカラー写真の中に少年の高貴な死を見ることもできる。

【『アメリカ・インディアン悲史』藤永茂(朝日選書、1974年)以下同】

 入力しながら胸が悪くなった。ソンミ村虐殺事件である。「少年の高貴な死」は英語版のWikipediaに掲載されている(3枚目)。

Google画像検索

 インディアンを虐殺したアメリカ人のDNAは確かに受け継がれているのだろう。狩猟というよりは金魚すくいも同然だ。ひょっとすると面白半分にやったのかもしれない。彼らはこれを「南ベトナム解放民族戦線のゲリラ部隊との戦い」と偽って報告した。死人に口なしというわけだ。しかしアメリカにはまだジャーナリズムが生き残っていた。

 こんなことは米兵からすれば朝飯前だ。彼らの残虐さには限度がない。

米兵は拷問、惨殺、虐殺の限りを尽くした/『人間の崩壊 ベトナム米兵の証言』マーク・レーン

 かような国が世界の保安官として君臨しているのだから平和になるわけがない。もしも私が米兵であったなら、迷うことなく祖国に対して自爆テロを行う。アメリカはいつの日か必ず滅びゆくことだろう。インディアンを虐殺した時点で国家の命運は決している。

 しかし、ソンミは、アメリカの歴史における、孤立した特異点では決してない。動かし難い伝統の延長線上にそれはある。



ソ連によるアフガニスタン侵攻の現実/『国家の崩壊』佐藤優、宮崎学
残酷極まりないキリスト教/『宗教は必要か』バートランド・ラッセル

2013-12-02

天然痘と大虐殺/『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス


『奴隷船の世界史』布留川正博
『奴隷とは』ジュリアス・レスター
『砂糖の世界史』川北稔

 ・ラス・カサスの立ち位置
 ・スペイン人開拓者によるインディアン惨殺
 ・天然痘と大虐殺

『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要
『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温

キリスト教を知るための書籍
必読書リスト その四

 神はその地方一帯に住む無数の人びとをことごとく素朴で、悪意のない、また、陰ひなたのない人間として創られた。彼らは土地の領主(セニョール)たちに対し、また、現在彼らが仕えているキリスト教徒たちに対しても実に恭順で忠実である。彼らは世界でもっとも謙虚で辛抱強く、また、温厚で口数の少ない人たちで、諍(いさか)いや騒動を起こすこともなく、喧嘩や争いもしない。そればかりか、彼らは怨みや憎しみや復讐心すら抱かない。この人たちは体格的には細くて華奢でひ弱く、そのため、ほかの人びとと比べると、余り仕事に耐えられず、軽い病気にでも罹(かか)ると、たちまち死んでしまうほどである。彼らは恵まれた環境の中で育てられたわれわれの君主や領主の子息よりはるかにひ弱く、農耕を生業とするインディオとて例外ではない。
 インディオたちは粗衣粗食に甘んじ、ほかの人びとのように財産を所有しておらず、また、所有しようとも思っていない。したがって、彼らが贅沢になったり、野心や欲望を抱いたりすることは決してない。

【『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス:染田秀藤〈そめだ・ひでふじ〉訳(岩波文庫、1976年/改訂版、2013年)】

 インディアンについては、あの殺戮者クリストファー・コロンブスでさえ称賛している。

侵略者コロンブスの悪意/『わが魂を聖地に埋めよ アメリカ・インディアン闘争史』ディー・ブラウン

 彼らはあまりにも善良で人を疑うことを知らなかった。白人が欲しい物は何でも与えた。そして殺された。

 インディアンと初めて遭遇した時、白人たちはたじろいだ。彼らの存在が聖書に書かれていなかったためだ。中世の西洋的思考ではキリスト教の神を信じない者は人間として認められなかった。

 ラス・カサスの言葉は逆説的だ。神がインディアンを創造したという前提で書かれているが、実はインディアンの善性が神の地位を押し上げているのだ。

 インディアン虐殺はピルグリム・ファーザーズから始まっていた。そしてインディアンの多くは白人たちがアメリカ大陸に持ち込んだ天然痘などの疫病(えきびょう)で死んだ。これが反ラス・カサス派の根拠となっている。具体的なデータを私は知らないので判断が難しいところだ。

 コロンブスは中米のインディアン諸部族を艦隊を率いて数年にわたり虐殺し、その人口を激減させた。インディアンたちを黄金採集のために奴隷化し、生活権を奪ったためにインディアンたちは飢餓に陥り、疫病が蔓延し、その数をさらに減らした。白人のもたらした疫病が中米のインディアンを減らしたのではない。コロンブスによる大量虐殺が、疫病によるインディアンの激減を招いたのである。

Wikipedia:インディアン戦争

 いわゆるジェノサイド“民族大虐殺”というヒットラーの殺した600万人のユダヤ人、イスラム教徒対ギリシャ政教のボスニア大虐殺等と変らない民族大虐殺が起きたのだ。

先住民族迫害史:アメリカ国立公園特集

 インディアン戦争は苛烈で、捕虜の殺害や、一般市民を攻撃目標にしたり、また他にも民間人への残虐行為が双方で見られた。今日でも知られている出来事としては、ピット砦のイギリス軍士官が天然痘の菌に汚染された毛布を贈り物にし、周辺のインディアンにこれを感染させようとしたことである。

Wikipedia:ポンティアック戦争

 パレスチナを侵略したイスラエルと同じ手口だ。その後白人たちは珍しい品物を与えることでインディアンの分断工作を図る。

 結局インディアンはヨーロッパ人の文明と歴史の前に敗れたといってよい。戦争はトリッキーなやり方で相手を騙した方が勝つ。これが孫子の兵法の極意だ。

兵とは詭道なり/『新訂 孫子』金谷治訳注

 もう一つの歴史の重要な機能とは、「歴史は武器である」という、その性質のことである。文明と文明の衝突の戦場では、歴史は、自分の立場を正当化する武器として威力を発揮する。

【『歴史とはなにか』岡田英弘(文春新書、2001年)】

歴史の本質と国民国家/『歴史とはなにか』岡田英弘

 その上ヨーロッパ人には合理的な宗教まであった。神を背景とした正義にインディアンたちが適(かな)うはずもない。文字を持たなかったアフリカ人も同じ運命を辿っている。

インディアスの破壊についての簡潔な報告 (岩波文庫)
ラス・カサス
岩波書店
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2013-11-27

スペイン人開拓者によるインディアン惨殺/『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス


『奴隷船の世界史』布留川正博
『奴隷とは』ジュリアス・レスター
『砂糖の世界史』川北稔

 ・ラス・カサスの立ち位置
 ・スペイン人開拓者によるインディアン惨殺
 ・天然痘と大虐殺

『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要
『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温

キリスト教を知るための書籍
必読書リスト その四

 ラス・カサスの報告書はスペインに反感を抱く連中に政治利用される。それは「黒い伝説」となって欧州を席巻した。

黒い伝説
アメリカの古典文明~スペインの黒い伝説
ラス・カサス著「インディアスの破壊についての簡潔な報告」:千田孝之
「インディアスにおける福音宣教 多様な問題に関する宣教師たちの見解の相違」谷川義美(PDF)

 この他「自虐史観は国を衰亡させる」(藤岡信勝公式サイト)も参照したが印象のみで具体的な事実を欠いている。

 本書を翻訳した染田秀藤の見解については千田氏が紹介している。尚、谷川氏のテキストは長文のため私はまだ部分的にしか目を通していない。「ユカイ文書」も検索してみたが情報らしい情報が見当たらなかった。

 個人的には16世紀のキリスト世界で宣教師がデタラメを報告できるとは考えにくい。折しも魔女狩りの嵐が吹き荒れた時代である。スペインはカトリック国であったためドイツやフランスほどの惨状ではなかったが、中世ヨーロッパの公共がキリスト教会であった事実を思えば藤岡の指摘は的外れであろう。

 またラス・カサス以前にインディアンに対するスペイン人の非道を指摘した人物が存在した。そしてラス・カサスが良心の呵責を覚え、改心に至るまで2年ほどの歳月を要したことにも心をとどめる必要がある。それはまさしくラス・カサス本人がインディアンを人間として見つめることができるようになった期間を示すものだろう。

 征服(コンキスタ)は死罪に値いする大罪であり、恐しい永遠の責め苦を負うのにふさわしい企てであります。

【『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス:染田秀藤〈そめだ・ひでふじ〉訳(岩波文庫、1976年/改訂版、2013年)以下同】

 この一言が同胞を敵に回すことは重々覚悟の上で彼はペンを執(と)ったに違いない。どちらが神意にかなっているか勝負を決そうではないか、との気魄が伝わってくる。

 ラス・カサスがアメリカで目の当たりにした光景は凄惨を極めた。

 インディオたちの戦いは本国〔カスティーリャとレオン本国〕における竹槍合戦か、さらには、子供同士の喧嘩とあまり変りがなかった。キリスト教徒たちは馬に跨り、剣や槍を構え、前代未聞の殺戮や残虐な所業をはじめた。彼らは村々へ押し入り、老いも若きも、身重の女も産後間もない女もことごとく捕え、腹を引き裂き、ずたずたにした。その光景はまるで囲いに追い込んだ子羊の群を襲うのと変りがなかった。
 彼らは、誰が一太刀で体を真二つに斬れるかとか、誰が一撃のもとに首を斬り落とせるかとか、内蔵を破裂させることができるかとか言って賭をした。彼らは母親から乳飲み子を奪い、その子の足をつかんで岩に頭を叩きつけたりした。また、ある者たちは冷酷な笑みを浮べて、幼子を背後から川へ突き落とし、水中に落ちる音を聞いて、「さあ、泳いでみな」と叫んだ。彼らはまたそのほかの幼子を母親もろとも突き殺したりした。こうして、彼らはその場に居合わせた人たち全員にそのような酷い仕打ちを加えた。  さらに、彼らは漸く足が地につくぐらいの大きな絞首台を作り、こともあろうに、われらが救世主と12人の使徒を称え崇めるためだと言って、13人ずつその絞首台に吊し、その下に薪をおいて火をつけた。こうして、彼らはインディオたちを生きたまま火あぶりにした。また、インディオの体中に乾いた藁を縛り、それに火をつけて彼らを焼き殺したキリスト教徒たちもいた。

 何たる無残。事実は小説よりも奇なり。そして小説よりも恐ろしいのだ。人間は面白半分で人殺しができる動物なのだ。

(※火あぶりにされた)彼らは非常に大きな悲鳴をあげ、司令官(カピタン)を悩ませた。そのためか、安眠を妨害されたためか、いずれにせよ、司令官(カピタン)は彼らを絞首刑にするよう命じた。ところが、彼らを火あぶりにしていた死刑執行人(私は彼の名前を知っているし、かつてセビーリャで彼の家族の人と知り合ったことがある)よりはるかに邪悪な警吏(アルグワシル)は絞首刑をよしとせず、大声をたてさせないよう、彼らの口の中へ棒をねじ込み、火をつけた。結局、インディオたちは警吏(アルグシワル)の望みどおり、じわじわと焼き殺されてしまった。
 私はこれまでに述べたことをことごとく、また、そのほか数えきれないほど多くの出来事をつぶさに目撃した。キリスト教徒たちはまるで猛り狂った獣と変らず、人類を破滅へ追いやる人びとであり、人類最大の敵であった。

Bartolomedelascasas

 キリスト教徒たちは彼らを狩り出すために猟犬を獰猛(どうもう)な犬に仕込んだ。犬はインディオをひとりでも見つけると、瞬く間に彼を八つ裂きにした。また、犬は豚を餌食にする時よりもはるかに嬉々として、インディオに襲いかかり、食い殺した。こうして、その獰猛な犬は甚だしい害を加え、大勢のインディオを食い殺した。
 インディオたちが数人のキリスト教徒を殺害するのは実に稀有なことであったが、それは正当な理由と正義にもとづく行為であった。しかし、キリスト教徒たちは、それを口実にして、インディオひとりがひとりのキリスト教徒を殺せば、その仕返しに100人のインディオを殺すべしという掟を定めた。

 暴力は人類の業病(ごうびょう)なのか。魔女狩り、黒人奴隷、そしてインディアン虐殺……。ヨーロッパの暴力はキリスト教に由来しているとしか考えようがない。そのヨーロッパ文明が先進国基準である以上、世界はいつまでも戦争の連鎖にのた打ち回ることだろう。

 平和的な民族は淘汰される運命にある。これ以上の歴史の皮肉があるだろうか。私が人権という概念を信じないのは、それが殺戮者であるヨーロッパ人によってつくられたものであるからだ。

インディアスの破壊についての簡潔な報告 (岩波文庫)
ラス・カサス
岩波書店
売り上げランキング: 49,059

2013-11-23

ラス・カサスの立ち位置/『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス


『宗教は必要か』バートランド・ラッセル
『奴隷船の世界史』布留川正博
『奴隷とは』ジュリアス・レスター
『砂糖の世界史』川北稔

 ・ラス・カサスの立ち位置
 ・スペイン人開拓者によるインディアン惨殺
 ・天然痘と大虐殺

『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要
『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『人種差別から読み解く大東亜戦争』岩田温

キリスト教を知るための書籍
必読書リスト その四

 カスティーリャの国王が神とその教会からあの大きな数々の王国、すなわち、インディアスという広大無辺な新世界を委ねられましたのは、その地に済む人びとを導き、治め、改宗させ、現世においても来世においても彼らに幸福な生活を送らせるためにほかなりません。しかるに、それらの王国に済む人びとは同じ人間が手を下したとは想像もつかないような悪事、圧迫、搾取、虐待を蒙ってまいりました。いと強き主君、私は50年以上にわたりその地でそれらを目撃してまいりました。それゆえ、とりわけそのうちのいくつかの行為を申し上げれば殿下は必ず陛下に対し、無法者たちが策略を弄してたえず行いつづけているいわゆる征服(コンキスタ)という企てを今後いっさい許可されないよう懇請していただけるものと確信しております。

【『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス:染田秀藤〈そめだ・ひでふじ〉訳(岩波文庫、1976年/改訂版、2013年)】

 キーが重い。気安く書くわけにはいかないためだ。私がもたもたしているうちに改訳版が刊行されていた。タイトルが広く知られていると、「ま、いつでも読めるよな」とか「今更俺が読んでも……」などと思いがちだ。挙げ句の果てには「読んでしまった」ような錯覚に至ることもある。ソクラテス、トルストイ、ドストエフスキー、夏目漱石……そして岩波文庫だ。

 インディアンの言葉を編んだものを数冊読み、その散漫極まりない編集に業を煮やし、「そろそろ本気を出すか」と意気込んで本書を開いた。寝しなに読むのは避けるべきだ。悪夢にうなされたくなければ。

 ルワンダを軽々と凌駕する大虐殺の歴史だ。アメリカに巣食う暴力の根は「アメリカ大陸発見」の時から地中に深く分け入ったのだ。ヨーロッパ人は元々「魔女狩り」と称して同胞を焼き殺すような連中である。世界の果て(※ヨーロッパから見た世界観)に存在した異邦人は化け物と変わりがなかった。

コロンブスによる「人間」の発見/『聖書vs.世界史 キリスト教的歴史観とは何か』岡崎勝世

 しかもキリスト教の狭い世界観にインディアン(中国を始めとするアジア人も)は含まれていなかった。

 話はいささかそれるかもしれませんが、ここで日本人がいつから奴隷になったのか、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
 近代の奴隷制は、東インド会社の設立にその起源を求めることができます。ことは非常に単純で、奴隷制はもともと、人間とは何かという定義から始まりました。その経緯はおおよそ次のようなものです。
 現在ではカトリックといえば博愛主義の代名詞で、バチカンは世界の戦争や差別をなくす中心的な役割を果たす機関となっています。ところが中世の頃のバチカンはそうではなかったのです。
 1600年、インドに渡ったヨーロッパの貿易商は肌の黒いインド人を見て、同行した神父にこう訊ねました。「この肌の黒い人は人間ですか?」。その神父はその場で答えを出さず、バチカンにその回答を求める質問状を送るのですが、ずいぶんして戻ってきた返書には「人間ではない」としたためてありました。その理由は“キリスト教徒ではないから”というものです。
 アフリカに渡ったときも、同じ手続きが踏まれました。商人から同じことを訊かれた神父が、やはりバチカンに、人間かどうかの判断を仰ぐ質問状を送っているのです。すると、こちらも「人間ではない」という回答がきちんと送ってきました。そういう記録が残っているというのです。
 こうした当時のバチカンの判断によって、奴隷制が始まったと言われています。魔女狩りや異端審問がピークの時代です。東インド会社が行った最大の交易は、人身売買ですが、その背景にはキリスト教徒でない者は人間ではなく奴隷であるという判断があったわけです。
 このことは、日本の場合にも当てはまると思います。
 戦国時代、日本は海外から鉄砲の調達を始めました。織田信長がその近代兵器を駆使して勝利を収めたことは有名ですが、そのためには高性能の火薬、つまりガンパウダーが必要になります。当時のガンパウダーの値段はどのようにつけられていたかというと、一樽につき、娘50人です。織田信長の時代から戊辰戦争の時代まで、鉄砲隊のガンパウダーは、日本人の若い女性を海外に売ることで調達したのです。
 この事実は、裏を返せば、日本人の人身売買を行うにあたり、日本人は「人間ではない」というお墨付きがあったということになります。もし、人間を売買したとなると、キリスト教の教義に違反し、たいへんなことになります。しかし人間ではないから、鉄砲を求める戦国武将との間で、売買が成立したわけです。そのため、当時、大量の日本人の娘がヨーロッパに売り渡されたという記録が残されています。
 つまり日本における奴隷制は、鉄砲隊がその引き金を引くと同時に始まったと考えることができるわけです。

【『洗脳支配 日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(ビジネス社、2008年)】

 これが近代の現実である。ヨーロッパにとって世界とは聖書に書かれたことがすべてだった。そして聖書の解釈権はヴァチカンが握っていた。神に従うことはヴァチカンに従うことであった。インディアンと中国人(なかんずく中国文化)の存在がヨーロッパを揺るがした。全知全能の神もふらついたことだろう。

「インディアス」とはインドのことだ。クリストファー・コロンブスの第二次航海に参加したラス・カサスは、当然コロンブス同様アメリカ大陸をインドだと思い込んでいた。「新大陸」であることに気づいたのはアメリゴ・ヴェスプッチであった。で、彼の名前から「アメリカ」と命名されたわけだ。

 バルトロメ・デ・ラス・カサスはカトリックの司祭であった。しかもインディアンの奴隷を所有していた。彼は宣教目的でアメリカに渡ったわけだから、インディアンを布教対象としてしか考えてなかったことだろう。そうでありながらも彼はインディアン虐殺をじっと見ているわけにはいかなかった。ここに彼の自由な魂がある。

 時代の流れを自覚することは難しい。地球の自転や公転を意識できないのと一緒だ。時代の常識に逆らうことは勇気を必要とする。激しい毀誉褒貶(きよほうへん)を覚悟しなくてはならない。元々コミュニティには進化的な優位性がある。「皆と同じ」にすることで生存率が高まるのだ。ゆえに勇気をもって異を唱えることは時に死を意味した。諫言。

 一読後、私は思った。「ラス・カサスの名を冠した人道賞を設けるべきだ」と。彼こそは善きサマリア人であった。そして虐殺者の一員であることを断固として拒んだのだ。

 ラス・カサスは68歳で大著『インディアス史』を書き始める。

インディアスの破壊についての簡潔な報告 (岩波文庫)インディアス史〈1〉 (岩波文庫)インディアス史〈2〉 (岩波文庫)インディアス史〈3〉 (岩波文庫)

インディアス史〈4〉 (岩波文庫)インディアス史〈5〉 (岩波文庫)インディアス史〈6〉 (岩波文庫)インディアス史〈7〉 (岩波文庫)

ラス・カサスとフランシスコ・デ・ビトリア(サラマンカ大学の神学部教授)/『大航海時代における異文化理解と他者認識 スペイン語文書を読む』染田秀藤
侵略者コロンブスの悪意/『わが魂を聖地に埋めよ アメリカ・インディアン闘争史』ディー・ブラウン
虐殺者コロンブス/『学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史』ハワード ジン、レベッカ・ステフォフ編
米軍による原爆投下は人体実験だった/『洗脳支配 日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』苫米地英人
欽定訳聖書の歴史的意味/『現代版 魔女の鉄槌』苫米地英人
集団行動と個人行動/『瞑想と自然』J・クリシュナムルティ
残酷極まりないキリスト教/『宗教は必要か』バートランド・ラッセル