2021-09-27

自律型兵器の特徴は知能ではなく自由であること/『無人の兵団 AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』ポール・シャーレ


『デジタル・ゴールド ビットコイン、その知られざる物語』ナサニエル・ポッパー
『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』山本康正
『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ
『データの見えざる手 ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』矢野和男
『パーソナルデータの衝撃 一生を丸裸にされる「情報経済」が始まった』城田真琴
『マインド・ハッキング あなたの感情を支配し行動を操るソーシャルメディア』クリストファー・ワイリー

 ・自動化(オートマチック)、手順自動化(オートメーション)、自律(オートノミー)
 ・自律型兵器の特徴は知能ではなく自由であること

・『自衛隊最高幹部が語る令和の国防』岩田清文、武居智久、尾上定正、兼原信克
『データ資本主義 ビッグデータがもたらす新しい経済』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、トーマス・ランジ
『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』藤井保文、尾原和啓
『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』キャシー・オニール

 合意を基本とする調整は、分権の手法で、スウォーム・エレメント(小編隊)すべてが、互いに同時に通信し、行動の進路を共同で決める。これは“投票”もしくは“オークション”アルゴリズムで、行動を調整することで実行できる。つまり、スウォーム・エレメントはすべて、フライの捕球を“入札”したり“競売”したりすることができる。最高値をつけたものが“落札”して捕球し、あとのものは邪魔にならないように離れる。
 突発的調整は、もっとも分権が進んだ手法で、鳥の群れ、昆虫のコロニー、人間の暴徒の動きのように、周囲の個々の意思決定から、調整された行動が自然発生する。個々の行動の単純な法則から、きわめて複雑な共同行動が引き起こされ、スウォームは“集団的知性”を発揮する。たとえばアリのコロニーは、しばらくすると、個々のアリの単純な行動によって、食べ物を巣に運ぶ最適ルートに集まる。食べ物を運ぶアリは、巣に戻るときにフェロモンの足跡を残す。もっと濃いフェロモンが残っている既存の通り道にぶつかると、そのルートに切り替える。より早いルートでアリがどんどん巣に引き返すうちに、フェロモンの足跡が濃くなり、多くのアリはそこを通るようになる。アリはいずれも最速のルートがどれかを知っているわけではないが、アリのコロニーは集団として最速のルートに集まる。
 スウォーム(群飛)のエレメント間の通信は、外野手が“おれが捕る”と叫ぶのとおなじような直接の信号でも行なわれる。魚や動物の群れがいっしょにいる共同観察のような間接的手段もある。アリがフェロモンを残して通り道の印にするのは、“スティグマジー”と呼ばれるプロセスのたぐいで、環境に残された情報に反応して行動する。

【『無人の兵団 AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』ポール・シャーレ:伏見威蕃〈ふしみ・いわん〉訳(早川書房、2019年)以下同】

 読書中に必読書にしたのだがその後、教科書本にとどめた。現在多忙につき、体力を整えてから再読する予定である。序盤はいいんだけどね。

 swarmの意味は「群れ、うじゃうじゃした群れ、大群、群衆、大勢、たくさん」(Weblio英和辞書)など。「スウォーム・エレメント」とはドローン兵器を指す言葉で、ドローンの小編隊同士を戦わせる実験が既に行われているという。そこで繰り広げられるのは「戦闘の自律化」である。スウォームの指揮統制モデルは以下の通りである。


 期せずして政治システムを表しているのが興味深い。直接民主制、議会制民主主義、談合、国際関係(安全保障・貿易体制)を思わせる。

 自律といえばアパッチ族の分権システムが知られる(『ヒトデはクモよりなぜ強い 21世紀はリーダーなき組織が勝つ』オリ・ブラフマン、ロッド・A・ベックストローム)。自律を支えるのは内発性だ。中央集権のハードパワー体制はリーダーが斃(たお)れれば組織が崩壊する。ヴェトナム戦争でアメリカはヴェとコンのゲリラ戦に敗れた。戦後長きにわたって一人戦争を続けた小野田寛郎もまた内発性ゆえに戦い得たのだ。

 自律には永続性がある。つまりロボットが自律性を獲得すれば「壊れるまで戦い続ける」ことが可能になる。電力供給や自動修復機能、更にはソフトウェアの自動更新が埋め込まれれば、AI兵器は永遠に戦い続けることだろう。精度の高い顔認証システムが完成すれば、ドローンから逃れることは不可能となる。テロリスト対策として開発され、やがては政敵を葬るために使われるはずだ。

 これらの例は、自律型兵器についてのよくある誤解――知能(インテリジェンス)〔認知・推論・学習能力〕を備えれば兵器は“自律”するという浅はかな考え――を浮き彫りにしている。システムの知能が高いことと、それが実行するタスクが自律的であることは、次元が違うのだ。自律型兵器の特徴は知能ではなく、自由であることだ。知能は自律を変えることなく、いくらでも兵器に付け加えられる。自律型兵器と半自律型兵器に使用されるターゲット識別アルゴリズムは、これまではしごく単純なものだった。このため、完全自律型兵器の有用性には制約があった。兵器の知能があまり高くない場合、軍は兵器に大幅な自由を委ねるのをためらう傾向があるからだ。しかし、機械の知能が進歩するにつれて、自律目標決定(ターゲティング)は幅広い状況で技術的に可能になった。

「!」――頭の中で電球が灯(とも)った。大人には大人の、子供には子供の、病人には病人の、障碍者には障碍者の「自律」があるのだ。「自律型兵器」を「自律型組織」に置き換えて私は読んだ。

 AIの自律性はヒューリスティクスソマティック・マーカーをも実装し、失敗とフィードバックを繰り返しながら機械学習をしてゆくに違いない。その行く末を思えば「感情なき人間」の姿が浮かんでくる。ヒトの感情は元々集団の中で生存率を高めるためのアルゴリズムだったのだろう。歴史を生み、文化を育み、国家を形成したのは民族的感情に拠(よ)るところが大きい。

 機械やコンピュータは機能で構成されている。ビッグデータは感情や理由は無視する。膨大なデータから関連性・相関性を探るだけだ。それでも因果関係に迫ることができるのだ。

 では人類の未来は薔薇色に輝いているのだろうか? 違うね。『すばらしい新世界』(オルダス・ハクスリー)みたいな完全管理の碌(ろく)でもない世界が、サーバーの地平から現実世界へ押し寄せるに決まってらあ。

2021-09-24

サバ缶炊き込みご飯


佐藤栄作と三島由紀夫/『絢爛たる醜聞 岸信介伝』工藤美代子


『三島由紀夫が死んだ日 あの日、何が終り 何が始まったのか』中条省平

 ・佐藤栄作と三島由紀夫
 ・「革新官僚」とは
 ・真相が今尚不明な柳条湖事件

 弟の栄作はどうだったのか。
 三島由紀夫が自決した昭和45(1970)年11月25日、首相を務めていた佐藤栄作はその死に際して、「気が狂ったとしか思えない」と短いコメントを残したとされる。
 だが、佐藤夫妻はかねてより三島の母・平岡倭文重(しずえ)を通じて三島本人とも昵懇(じっこん)だった。(中略)
 佐藤寛子の回想(※『佐藤寛子の宰相夫人秘録』)などを勘案すれば、佐藤栄作は、現役の総理として胸中とは違う無理に形式ばった発言をした可能性が考えられる。
 むしろ、岸の方が三島に対しては自分の理解を超えた不合理を感じていたのではないか。
 晩年、インタビューに答える次のような回答は彼の現実主義を見事に言い表している。

「三島由紀夫はね、いわゆる神がかりの考え方ですよ。ああなってくると、われわれの思想を超越している。政治家の世界では、真・善・美のうち美を追求する世界ではないと思う。政治家は善を追求し実現するけれども、美を追求し真理を探求するという世界ではない」
(『岸信介証言録』)

【『絢爛たる醜聞 岸信介伝』工藤美代子〈くどう・みよこ〉(幻冬舎文庫、2014年/幻冬舎、2012年『絢爛たる悪運 岸信介伝』改題)】

 これは佐藤の肩を持ちすぎだろう。咄嗟に「形式ばった」言葉が出てくることは考えにくい。私はむしろ本音を吐露したのだと思う。三島由紀夫の自決は、米軍に守られながら戦後をぬくぬくと経済一辺倒で行きてきた日本人の本音を引き出した。半世紀先をゆく行為であったと思われてならない。もしも2020年であれば「楯の会」は巨大民兵組織となっていたことだろう。三島の炯眼(けいがん)はあまりにも先を見通していた。自らの信念を時代に打ち込むためには、あのような形しか選択し得なかった。


 岸の発言は彼が理想に生きる人物ではなかったことを物語っている。その現実主義ゆえに日米安保の改正を成し得たのだろう。自らも一度は凶刃に倒れている人物にしては軽い発言だと思う。

評価額4兆円突破「Canva」の34歳CEO、資産のほぼ全てを寄付へ


 しかし、パーキンス夫妻は自身の経済的成功には関心がなく、彼らの持分のほぼ全てにあたる会社の30%をCanva財団(Canva Foundation)に寄付し、慈善目的に使う予定だ(2人は合計36%を保有しており、手元に残るのは6%ということになる)。

「私は、ビリオネアと呼ばれることに違和感を覚えている。なぜなら、会社が稼いだ金を自分たちの財産だと考えたことは一度もなく、その管理人に過ぎないと思っているからだ」とパーキンスはブログで述べている。

Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)2021/09/23 17:00

「この世の禍福(かふく)いずれにも執著することなく、憂(うれ)いなく、汚(けが)れなく、清らかな人、──かれをわたくしは〈バラモン〉と呼ぶ」(『ブッダのことば スッタニパータ』中村元訳)。久方振りにバラモンを見た。

2021-09-17

日本の家族制度崩壊を目論む左翼ネットワーク/『実子誘拐ビジネスの闇』池田良子


『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』福田ますみ
『証拠調査士は見た! すぐ隣にいる悪辣非道な面々』平塚俊樹
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹

 ・日本の家族制度崩壊を目論む左翼ネットワーク

「連れ去り」は無罪、「連れ戻し」は誘拐犯

 2005年12月6日の最高裁判決が、諸悪の根源と言われている。
 この判決では「母親の監護下にある2歳の子どもを別居中の共同親権者である父親が連れ去った行為は略取行為に該当し、違法性も阻却(そきゃく)されない」とし、子どもの父親に未成年者略取誘拐罪を適用した。
 それまで、夫婦の間で諍(いさか)いが起こった場合、子どもを果てしなくとりあうことが数多くあった。ある会社の社長は、幼少期、自分を取り戻そうと探し続ける父親から自分を奪い返されるのを恐れる母親により、転々と住居を変えさせられ、転校を何十回とさせられたと、涙ながらに語ってくれた。
 そのような終わりのない子どもの奪い合いに終止符を打つという意味では、2005年の最高裁判決は意味があるように見える。
 しかし、この最高裁判決は、とんでもない結果を引き起こした。「実子誘拐」ビジネスという世界に例を見ない醜悪(しゅうあく)なビジネスを、この国に根付かせてしまったのだ。
 どういうことか。
 冒頭で紹介した記事を注意深く見てもらえばわかるが、この最高裁判決に基づき「未成年者略取誘拐罪」が適用されるのは、子どもと別居している親が同居している親から子どもを取り戻そうとする「連れ戻し」の時のみ、ということである。
 言い換えれば、同居している親が子どもを連れて家を出る行為には、未成年者略取誘拐罪が適用されないということだ。そればかりか、裁判所は、「継続性の原則(別居した夫婦の間の子どもが、一定期間一方の親と同居し、安定した生活を送っている場合は、その現状維持が子どもの利益とみなす考え方)」に基づき、子どもを連れて家を出た親に親権を与える判決を下すのが常。しかし、このような原則は法律上どこにも規定がない。
 裁判所が自分たちの都合で考案したルールであり、そんな不条理なルールが裁判所で堂々と使われているのである。
 その結果、どうなったかと言えば「先に連れ去った者勝ち」という状況ができあがってしまった、ということだ。
  同居中に、一方の親の同意なく子どもを連れて家を出ても、誘拐罪は適用されず逮捕されることもない。そして、一度家を出てしまえば「別居状態」を作ることができる。その後もう一方の親が子どもを連れ戻しに来た際に警察に通報すれば、警察が「誘拐犯」としてもう一方の親を逮捕してくれる。

【『実子誘拐ビジネスの闇』池田良子〈いけだ・よしこ〉(飛鳥新社、2021年)】

 つまみ食いするつもりで開いたら一気に読了してしまった。当初、必読書に入れようと思ったのだが思いとどまった。筆致が福田ますみと似ていたためだ。福田本は事実を逆さまに書いているとの指摘がある。

福岡市立小学校教諭人種差別的児童いじめ事件 – 教育資料庫

 更にネット上では著者と教師が創価学会員であるという説まで浮上している。かような本を一度鵜呑みにしてしまうと、似たような文章に出会えば、そりゃ疑いたくなるというもの。しかも、本書では人権派(=左翼)弁護士~左翼知識人~裁判官のタッグが日本の家族制度崩壊を目論む様を鮮やかに描いているのだが、ものの見事に利用された公明党や創価学会系出版社にまで言及している。

 文章は絵筆と似ている。素晴らしい絵が現実を描写したものとは限らない。それと同様に文章は嘘をつける。

 いずれにせよ、左翼ネットワークの連携プレーを知る恰好の教科書であるのは確かだ。ただし、法律的な意味合いはよくよく吟味する必要があるだろう。

2021-09-14

創造モードとサバイバルモード/『あなたという習慣を断つ 脳科学が教える新しい自分になる方法』ジョー・ディスペンザ


『「言葉」があなたの人生を決める』苫米地英人
『アファメーション』ルー・タイス
『「原因」と「結果」の法則』ジェームズ・アレン
『「原因」と「結果」の法則2 幸福への道』ジェームズ・アレン
『新板 マーフィー世界一かんたんな自己実現法』ジョセフ・マーフィー
『未来は、えらべる!』バシャール、本田健
『潜在意識をとことん使いこなす』C・ジェームス・ジェンセン
『こうして、思考は現実になる』パム・グラウト
『こうして、思考は現実になる 2』パム・グラウト
『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ

 ・創造モードとサバイバルモード

『ゆだねるということ あなたの人生に奇跡を起こす法』ディーパック・チョプラ
『ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』由佐美加子、天外伺朗
『無意識がわかれば人生が変わる 「現実」は4つのメンタルモデルからつくり出される』前野隆司、由佐美加子
『ザ・メンタルモデル ワークブック 自分を「観る」から始まる生きやすさへのパラダイムシフト』由佐美加子、中村伸也

必読書リスト その五

 創造モードにあるとき、私たちは完全に創作に没頭し、大いなる宇宙の流れに沿っているため、環境、身体、時間の存在がなくなり、意識に入らなくなる。
 創造モードで生きることとは、誰でもない人として生きることである。何かを夢中で創っているとき、我を忘れていることに気づいたことがあるだろうか? そのときあなたは自分の知っている世界から逸脱している。そのときあなたは、自分の所有物、帰属する人々や集団、職業、住所によって自らを定義する「客観的人物」ではない。創造モードにあるときのあなたは、あなたという習慣を忘れていると言ってもいいだろう。そのときあなたは自己中心的な自分を横に置いて、無我の境地に入る。

【『あなたという習慣を断つ 脳科学が教える新しい自分になる方法』ジョー・ディスペンザ:東川恭子〈ひがしかわ・きょうこ〉訳(ナチュラルスピリット、2015年)】

 創造モードの反対がサバイバルモードである。動物的・本能的な状態といってよい。バブル景気が崩壊した後、「サバイバル」という言葉がよく使われた。多くの企業が倒産し、社員はリストラされ、就職は氷河期を迎えた。他人を蹴落としてでも生き延びる。受験戦争はそんな生き方を密かに奨励してきたのだろう。

 私は長らくテレビを持たない生活をしているのだが、出掛けた先で東京オリンピック・パラリンピックの模様を何度か見た。強靭な身体(しんたい)が躍動する様は美しくもあり、畏敬の念に打たれる。ただし、勝者のガッツポーズが見苦しい。みっともない。相手がいるからこそゲームが成り立つわけだから、勝ったことよりもプレイできたことを喜ぶべきだろう。これがサバイバルモードと創造モードのわかりやすい違いである。

「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」(『論語』)。俗に好きこそものの上手なれと言うが、楽しむ者には及ばない。「知る」はサバイバルモードで、「楽しむ」が創造モードだ。「努める」(あるいは務める、勤める、勉める)姿勢と無縁なところに創造の輝きがある。

 無我夢中は三昧(サマディ)に通じる。たぶん大脳新皮質(理性)と大脳辺縁系(感情)が調和しているのだろう。脳におけるノンデュアリティ(非二元)である。

 人々が音楽や芸術を愛するのも日常からの「逸脱」を心地よく感じるためか。なぜ逸脱が心地よいのか? それはサバイバルモードが理性と感情の分裂を促進し、ストレスが蓄積されるためだ。特に産業革命以降、資本主義経済は労働=賃金に換算してしまった。多くの人々は「食うために働く」。「働かざる者食うべからず」は新約聖書の言葉だが、キリスト教において労働は神が人間に与えた罰であった。日本では元々「働く=傍(はた)にいる人を楽にする」という価値観であったが、高度経済成長で職人仕事が激減すると、やはり西洋と同じ道を辿った。ヒトの特長が手で道具を作ることにあるとすれば手仕事の復権が望まれる。

「あなたという習慣を断つ」とは絶妙なタイトルである。自我は記憶と習慣から成る。繰り返しに自我の本質があり、それこそが業(ごう)の正体なのだろう。

自動化(オートマチック)、手順自動化(オートメーション)、自律(オートノミー)


 ・自動化(オートマチック)、手順自動化(オートメーション)、自律(オートノミー)
 ・自律型兵器の特徴は知能ではなく自由であること

 機械の知能の変動範囲(スペクトル)をいい表すのに、“自動化”(オートマチック)、“手順自動化”(オートメーション)、“自律”(オートノミー)という言葉がよく使われる。
 自動システムは、“意思決定”の面ではあまり能力を示さない単純な機械だ。環境を感知し、行動するだけだ。感知と行動が、直線的にじかに結び付いている。人間ユーザーにとっては、予想しやすい。古い機械式サーモスタットは、自動システムの典型だ。ユーザーが望む温度に設定すると、温度がそれよりも高くなるか低くなったときに、サーモスタットは暖房やエアコンを作動させる。
 オートメーション・システムはもっと複雑で、行動を起こす前に複数の入力情報を検討し、実行可能な選択肢を比較考量する。それにもかかわらず、基本的には、機械内部の認識プロセスを人間ユーザーが追跡しやすい。現在のデジタル・プログラミングが可能なサーモスタットは、オートメーション・システムの典型だ。暖房やエアコンを、屋内の気温だけではなく日にちや時間に応じて作動させることができる。システムに入力された情報やプログラミングされたデータがわかっていれば、練度の高いユーザーはシステムの挙動(ビヘイヴィア)を予測できるはずだ。
“自律”はしばしば、システムが精巧で、内部の認識プロセスがユーザーに理解できないシステムに言及するときに使われる。システムがやることになっているタスクについては理解していても、そのタスクをシステムがどう行なうかを理解しているとは限らない。研究者はしばしば自律システムは“目標重視”であるという。つまり、人間ユーザーは目標を指定するが、自律システムは目標を達成するやり方については柔軟なのだ。
 その一例が自動運転車だ。ユーザーは目的地や、事故を避けるといったその他の目標を具体的に示すが、自動運転車がやらなければならない行動をすべて示すことは不可能だ。道路状況や障害物があるかどうかを、ユーザーは知らない。信号がいつ変わるか、他の車や歩行者がなにをするかということは、予測できない。したがって、目標を達成するために、いつ停止し、発信し、車線を変えるかを決める柔軟性を備えるように、プログラミングされている。
 現実には、自動、オートメーション、自律の境界線は、いまなおはっきりしない。“自律”はまだ創られていない未来のシステムを指すことも多いが、実現したらそれも“オートメーション”システムと呼ばれるかもしれない。これはAIを取り巻く流れとよく似ている。いまの機械にはできないようなタスクをひっくるめて、AIと見なされることが多い。機械がタスクを克服すると、それは単なる“ソフトウェア”になる。
 自律は、システムが自由意志を発揮したり、プログラミングに従わなかったりすることではない。自律は、オートマチック・システムが感知から行動へと単純に直線的に結び付いているのとはことなり、いかなる状況でも最善の行動を編み出せるように、幅広い変化を考慮する。制御できない環境に置かれた自律システムには、目標重視の姿勢が不可欠なのだ。

【『無人の兵団 AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』ポール・シャーレ:伏見威蕃〈ふしみ・いわん〉訳(早川書房、2019年)】

新彊とは


 ここは戦略上の要衝の地で、非公式ではあるが中国は“西洋への出口”と見なしてきた。毛沢東はここを新疆ウイグル自治区(「新彊」とは「新たに加わった領域」の意)と名づけたが、私たちにとってこの土地はいまだに東トルキスタンであり、先祖からの故郷の地である。

【『重要証人 ウイグルの強制収容所を逃れて』サイラグル・サウトバイ、アレクサンドラ・カヴェーリウス:秋山勝〈あきやま・まさる〉訳(草思社、2021年)】

2021-09-13

サインペン、ボールPentel vs. Vコーン、エナージェル、トラディオ・プラマン


『あなたを天才にするスマートノート』岡田斗司夫

 ・サインペン、ボールPentel vs. Vコーン、エナージェル、トラディオ・プラマン

 仕事ではジェットストリーム0.7mm(三菱鉛筆)を使うことが多いのだが、如何せんインクがあっという間になくなる。かなりコストパフォーマンスが悪い。自宅ではコクヨの0.9mmシャープを使ってきたが、どうも書き味がしっくり来ない。

 私はメモ魔であるが、最終的にタイトルの5種が残り、右3種を愛用するに至った。

 まずはサインペンとボールPentelだが誰もが一度は使ったことがあるだろう。何を隠そう私が最も多用しているのはサインペンで、あと10年分くらいの在庫が自宅にある。黒・赤・青の3色。風呂やトイレで思索に耽る時は必携である。でね、最近ようやくわかったのだが、サインペンとボールPentelはペンを立てて使うものなのだ。私はやや寝かせる癖があるのでどうしても筆触がよくない。ただし、ボールPentelの青色には捨て難い味わいがある。

 

 で、私のようにペンを寝かせ気味にする人にはVコーン、エナージェル、トラディオ・プラマンをお奨めする。Vコーンの軽い書き味、エナージェル0.7mmのヌルっとした筆触、トラディオ・プラマンのカチッとした硬質さが、寝かせ具合とマッチする。画像は飽くまでも参考情報で、1本だとヨドバシ・ドット・コムの方が安いのでよく吟味されたし。エナージェルには替え芯が、トラディオ・プラマンにはカートリッジがある。

  

 こうして見ると、私は明らかにぺんてるファンのようだ。検索していたところ、「筆タッチサインペン」なるものを発見した。フーム、これは食指が動く。更に検索したところ「バレットジャーナル」というノート術に行き合った。簡単に紹介しておく。

 






【追記】甘薯丸氏が奨めてくれたサラサ1.0と、エナージェル1.0は必ず試してみたい。