・世界史対照年表の衝撃
・『科学と宗教との闘争』ホワイト:森島恒雄訳
・世界史の教科書
・必読書 その四
人名の表し方 世界には様々な人物が登場するが、その人名の由来や成り立ちがわかると、その歴史的背景も見えてくる。
1 ヨーロッパ圏
◆解説 英語・フランス語・ドイツ語など、各言語で表記は異なるが、キリスト教、古代ギリシア・ローマ文化、ゲルマン文化に由来するものが多い。
●キリスト教と名前の由来
●パウロ(イエスの弟子、「異邦人の使徒」)
→ポール(英)、パブロ(スペイン)
●ミカエル(天使の名)
→マイケル、マイク(英)
●ヨハネ(イエスの洗礼者)
→ジョン(英)、ジャン(仏)、イヴァン(露)
●ヤコブ(イエスの弟子)
→ジェームズ(英)
●ギリシア・ローマ文化と名前の由来
●ヒッポ(ポセイドンの別称・馬を意味する)
→フィリッポス(ギリシア)、フィリップ(英)、フェリペ(スペイン)
●ガイア(大地の神)
→ジョージ(英)、ゲオルク(独)、ジョルジュ(仏)
●ニケ(勝利の女神)
→ニコラス(英)、クラウス(独)、ニコライ(露)
●マルス(ローマの軍神)
→マーク(英)、マルコ(伊)、マルクス(独)
●ゲルマン文化と名前の由来
●Karl(「男」を表すゲルマン系の言葉)
→チャールズ(英)、シャルル(仏)、カール(独)カルロス(スペイン)
●Hluodowig(「高名な戦士」を表すゲルマン系の言葉)
→クローヴィス(仏)
→ルイ(仏)、ルートヴィヒ(独)、ルイス(英)
●Heinrich(「家の主」を表すゲルマン系の言葉)
→ヘンリ(英)、アンリ(仏)、ハンリヒ(独)
「~の子ども」という名
父祖の名に由来した名前や、それが姓として定着した例は、世界の各地に見られる。
【『ニューステージ 世界史詳覧』浜島書店編集部編(浜島書店、1998年)】
テーブルタグがわからないので先程慌てて写真を撮った次第である。多分中高生向けの副読本と思われるが、はっきり言って子供に読ませるのがもったいないほど(※飽くまでもレトリックね)の出来栄えだ。似たような副読本(いずれも1000円以下)を一通り読んだが本書が一頭地を抜いている。
若い頃から海外ミステリに親しんできたこともあって西洋人の名前に不思議な共通点があることは気づいてた。例えばマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)とミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)のファーストネームは綴りが同じだ。外国人名に興味が高まったのは堀堅士〈ほり・けんじ〉著『仏教とキリスト教 イエスは釈迦である』を読んでのこと。
また、仏教とキリスト教の酷似するキーワードが次々と示される。釈迦の母親・摩耶(Maya)=イエスの母・マリヤ(Maria:Mary)、釈迦の父・浄飯王(じょうぼんのう)は、イエスの父・ヨセフ(Ioseph:Joseph)と関係ないが、イエスの宗教上の父であるヨハネ(Ioannes:John)という名は、イタリア語で「ジョヴァンニ」(Giovanni)と発音する。
【依法不依人/『仏教とキリスト教 イエスは釈迦である』堀堅士】
よもや本書で長年にわたる疑問が氷解するとは思わなかった。宗教と神話の彩(いろど)りが強いのは根強い信仰の表れか。また父祖の名を名乗る文化が何となく男系天皇の正統性と重なる。
西洋人名の意味を知ればユダヤ系ミステリ作家が描くナチスものなどには必ずこうしたアイコン的要素が埋め込まれていることだろう。「名は体を表す」のではなくして、「名は宗教的正義を示す」のだ。
本書はどこを開いても目から鱗が落ちるのは確実で、一気に読もうとするよりはトイレに置いて少しずつ堪能するのがよかろう。巻頭の「世界史対照年表」で衝撃を受けるのは私一人ではあるまい。
日本は「世界最古の国」である。天皇制を巡る政治的な議論も「永き伝統を破壊しよう」と目論む勢力があることを見失ってはならない。週刊誌による皇室報道も同様で様々な国の諜報機関が情報提供していると囁かれている。天皇陛下がどの国へゆかれても丁重なもてなしを受けるのは、こうした歴史を世界が知っているからだ。
尚、ポツダム宣言に署名したのは米・英・中華民国であって中華人民共和国ではない。巷間指摘される通り「中国3000年の歴史」という言葉はデタラメなもので、中華人民共和国の歴史は70年にも満たない(1949年建国)。シナという地理的要件がたまたま一致しているだけで国家としての連続性はなく、王朝がコロコロ変わるのがシナの歴史であった。「中国」という幻想をしっかりと払拭しておく必要があろう。
【マッカーサーが恐れた一書/『アメリカの鏡・日本 完全版』ヘレン・ミアーズ】
また日本の領土の変遷も図示されており大東亜戦争で東南アジアにまで版図が拡大する。
ただし日本が戦ったのは白人帝国主義であって侵略・簒奪(さんだつ)を目的としわけではない。もちろん侵略的要素はあったが、宣戦布告をするしないはまだまだ曖昧で確固たる国際基準が成立していたわけではなかった。
参考までに私が目を通した世界史副読本を挙げておく。
成瀬 治 佐藤 次高 木村 靖二 岸本 美緒 桑島 良平
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最新世界史図説 タペストリー
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山川 詳説世界史図録 第2版: 世B310準拠
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