・体との対話
・身体革命
・必読書リスト その二
筋肉を伸ばすと、体にはいろいろな変化が起こります。いちばんの高価は、もちろん柔軟性の向上でしょう。ここで言う柔軟性の向上とは、筋肉が伸びやすくなるということです。筋肉がよく伸びることで、関節の動く幅も広がります。
また伸ばすことで、筋肉のこわばりが解きほぐせるという効果も。これによって血液循環が促され、コリや冷えなどの不調が解消し、筋肉と体を快適な状態へと導けます。さらにストレッチは本来、とても気持ちがいいもの。体がほぐれるだけでなく、精神的なリラックス効果もあるのです。
【『5つのコツで もっと伸びる カラダが変わる ストレッチ・メソッド』谷本道哉〈たにもと・みちや〉、石井直方〈いしい・なおかた〉(高橋書店、2008年)】
谷本道哉は『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系列)でお馴染みの人物で運動生理学・筋生理学という新しい分野を開拓する研究者だ。石井直方は元ボディビル日本チャンピオンで谷本の師匠である。この師弟コンビは翌年に『スロトレ』を刊行している。
私は30歳から酒を呑み始めた。しかもかなり遅い時間に。寝るのは深夜の2~3時というのが普通であった。40歳近くなるとウエストが92cmになっていた(20代では76cm)。精神の澱(よど)みを感じ、「これはまずい」と2~3日走ったりしたものの息が上がって長続きしなかった。それから40過ぎで自転車に乗り少し痩せた。
体のバランスが崩れ始めたのは45~48歳の頃である。まず床に積み上げていた本の山を引っくり返すようになった。続いて冷蔵庫などに爪先をぶつけることが多くなった。そして洗い物をしていると落とすことが目立ち始める。48歳で生まれて初めて肩凝りが出て、その後ぎっくり腰を数度経験した。
肩凝りを治すべく直ちにストレッチを行い、1週間で治した。「善は急げ」である。
本格的にストレッチを開始したのは2年前のこと。今年からバドミントンを始めたので筋トレも行っている。
ストレッチ本は基本を押さえるあまり広く浅い内容にとどまりがちで本書も例外ではない。ただし全体的なバランスを考慮して「必読書」に入れた次第である。YouTubeにアップされている多彩な動画の方がはるかに有効だ。
amazonに「腰痛から解放され、人生が救われました」という40代女性のレビューが掲載されている。私のように強い負荷を望むより、やはり基本から取り組むのがよかろう。
ストレッチは体との対話である。柔軟性が増すと実際に体を近くで見るため意識が劇的に変わる。2~3ヶ月前にふくらはぎの肉離れを起こしたが、筋肉が歪(いびつ)に変形していることに直ぐ気づいた。そのまま呼吸を意識すれば直ちに瞑想となる。個人的にはヨガよりも断然ストレッチの方が取り組みやすい。柔軟な身体(しんたい)に柔軟な魂が宿る。多分。
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