ラベル 庖丁 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 庖丁 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021-07-12

青紙2号割込「無銘」黒打和ペティ(柳)4.5寸焼栗柄


 新品の包丁は硬くもろいものです。日本鋼の包丁は使い込み、研ぎ込むことで、だんだん粘りが出てきて、刃に力が付いて切れ味の良い包丁になります。
 一気に研ぎ込まず少しずつこまめに研ぎ込んで下さい。

 同封されていた注意書きより。こういうちょっとした心遣いが嬉しい。Yahoo!オークションで2500円即決。ただ単に黒打ちの庖丁が欲しかったのと、青紙(あおがみ)の研ぎにくさを確認する目的で買った。



 本当は研ぎやすい白紙(しろがみ)2号の庖丁が欲しいのだが手頃な値段のものが見つからない。ま、青紙は刃が硬いので、山に行く際は熊対策のために持ち歩こうとも考えている。具体的には自分の左腕を噛ませた上で熊の喉を切り裂くのがよさそうだ。

2021-05-09

貝印 関孫六15000STが値崩れし10000CCが品切れ


家庭用のおすすめ庖丁

 ・貝印 関孫六15000STが値崩れし10000CCが品切れ



 15000STが値崩れしている。月寅次郎氏の解説によれば元々の価格は10000CC(定価11000円)の1.5倍だったというから16000円前後したものと思われる。それがどうだ。8582円まで下がっている。ほぼ半額である。15000STは「(V金10号よりもランクが高い)コバルトスペシャルを使用して、2万円以下に抑えているというだけで高く評価できます」との賛辞(関孫六15000ST 包丁おすすめランキング3位)。

 一方、私が密かに狙っている10000CCは品切れ状態となっている(貝印公式サイト)。



 ついこの間まで8000円台で売られていたのだ。ひょっとして廃番になるのか? 今時錆びる庖丁が売れるとも思えない。いい道具には手間が付いて回る。

「大した料理ができるわけでもあるまいし、どうして高い庖丁を選ぶのだ?」との声が聞こえてくる。正しい意見だ。しかし「いのち短し 恋せよ乙女」(「ゴンドラの唄」)である。余生の短さを思えば本物を追求するのが当然だ。まして庖丁は家庭用であれば軽く10年以上は使える。多分30年は大丈夫だ。

 もう一つ心惹かれているのは「安田刃物 源虎徹 本刃付け スウェーデン鋼 三徳包丁 180mm YS900」である(5692円)。



 19C27鋼は「サンドビック社のスウェーデン鋼。銀三鋼と同じ特性がある」(刃物鋼材 : Japonika Hamono)。銀紙3号はステンレスだが和包丁にも使われており、amazonレビューには「砥石の乗りがよい」「倍近い値段で買ったミソノよりも切れ味が良く刃もちもします」とある。

 静かな夜に庖丁を研いでいると集中力と狂気が交錯する瞬間がある。ひょっとすると悪人の頸動脈を裁断することがあるかもしれないし、はたまた重い責任を果たすべく自分の腹に突き立てるかもしれない。太い溜め息をついて私は呟く。「山姥」(やまんば)と。


はがね
包丁の材質
刃物鋼材 : Japonika Hamono

2021-05-05

貝印の旬シリーズ/『ゴースト・スナイパー』ジェフリー・ディーヴァー


『ボーン・コレクター』ジェフリー・ディーヴァー
・『コフィン・ダンサー』 ジェフリー・ディーヴァー
『エンプティー・チェア』ジェフリー・ディーヴァー
・『石の猿』ジェフリー・ディーヴァー
・『魔術師(イリュージョニスト)』ジェフリー・ディーヴァー
・『12番目のカード』ジェフリー・ディーヴァー
『ウォッチメイカー』ジェフリー・ディーヴァー
『ソウル・コレクター』ジェフリー・ディーヴァー
『バーニング・ワイヤー』ジェフリー・ディーヴァー

 ・貝印の旬シリーズ

・『スキン・コレクター』ジェフリー・ディーヴァー
・『スティール・キス』ジェフリー・ディーヴァー
・『ブラック・スクリーム』ジェフリー・ディーヴァー
・『カッティング・エッジ』ジェフリー・ディーヴァー

 後部座席に置いていたスーツケースから宝物の一つを取り出した。愛用の料理用ナイフ――貝印“旬”(しゅん)シリーズのスライスナイフ。刃渡り22センチ、日本の関(せき)市で鍛冶職人によって一つひとつ作られたもので、刃の部分にこのブランドの特徴的な槌目(つちめ)模様が入っている。刃の芯材はV金10号、そこにダマスカス鋼を32層重ねて作られたものだ。柄の材質はクルミ、価格は250ドル。同じ会社のさまざまな形状やサイズのナイフを何本も持っているが、なかでも気に入っているのはこのスライスナイフだ。我が子のように愛している。魚を下ろすのにも使うし、牛肉をカルパッチョ用に透けるほど薄く切るのにも、また人間にモチベーションを与える道具としても使う。

【『ゴースト・スナイパー』ジェフリー・ディーヴァー:池田真紀子訳(文藝春秋、2014年/文春文庫、2017年)】

 夢は断片的な情報がストップモーションで次々に現れるのだが目覚める直前に脳が物語化する。細切れの情報が脈絡のあるストーリーとして再構成されるのだ。記憶もまた同様で当てにはならない。『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』の後で本書を読んだと思い込んでいたのだが実は逆だった。

 いずれにせよ大した料理もできない私が庖丁を強く意識したのはこれら二つのテキストによるところが大きい。脳に刻印されたのは鋼(はがね)と貝印だ。そして最近、庖丁研ぎに目覚め、次に購入すべき庖丁を探していた時に、月寅次郎氏のサイトと出くわした(家庭用のおすすめ庖丁)。強く望めば歩むべき道を見出すことができる。

 では犯人が愛用している庖丁をご覧いただこう。


 月寅氏の旬シリーズ(貝印の海外向けブランド)に対する評価は「ロゴもダサい上、コストが悪い」と辛辣だ(関孫六・旬(貝印)- 包丁ブランドの解説(1))。

 驚くべきはジェフリー・ディーヴァーの見識だろう。ひょっとすると実際に使っているのかもしれない。最後の「人間にモチベーションを与える」という言葉が庖丁の切っ先のように突き刺さる。「痛めつける」でもなく、「従わせる」でもない。やる気を出させるのだ。

 最後に最近見つけた外国人掲示板の翻訳ページをいくつか紹介しよう。

外国人「日本の刀匠はこうやって包丁を削っていくらしいぞ」 : 海外の万国反応記@海外の反応
海外「日本製の包丁が好きな外国人、ちょっと集合してくれ」 : 海外の万国反応記@海外の反応
「間違いなく世界最高峰の職人芸」 岐阜県の刃物まつりに参加した外国人がクオリティに感嘆 : 海外の万国反応記@海外の反応

2021-04-28

鋼の庖丁を選べ/『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』キャスリーン・フリン


 ・鋼の庖丁を選べ

『ゴースト・スナイパー』ジェフリー・ディーヴァー

【「包丁を買うときに考えるべきふたつのキーポイント。それは、“鋼”(はがね)であること、そして“フィーリング”です。あなたに必要なのは、よい状態を保つことができる鋼の包丁なんです」】すべての鋼が同じ工程で作られているわけではない。より硬い鋼のほうが研ぎやすく、それによってより鋭い包丁になってくれる。でもとんでもなく硬い鋼は砕けやすいし、メンテナンスがややこしい。
 硬さを言いだすと複雑な指針があるが、【小売りされている包丁のほとんどについて注目しなければならないのは、実はカーボンの含有量だ。】「カーボンは鋼をより強くします。“高炭素鋼”(こうたんそこう)なんて言葉を探してみたら、すぐに見つかるわ」現状では、スイスのアーミーナイフで有名なヴィクトリノックスが高炭素鋼の包丁を製造しており、万能包丁はだいたい30ドルぐらいから手に入る。

【『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』キャスリーン・フリン:村井理子〈むらい・りこ〉訳(きこ書房、2017年)以下同】

「包丁」は“同音の漢字による書きかえ”で元々は「庖丁」だ。新字体は致し方ないとしても書き換えは許し難い。漢字を平仮名扱いするような真似だろう。

 私が庖丁を意識したのはこのテキストによる(読んだのは2年前)。「硬い鋼」の代表は日本刀の材料にもなっている安来鋼(やすきはがね/登録商標:YSSヤスキハガネ)の青紙スーパーや青紙1号が広く知られている。硬度の高さは耐久性につながっており切れ味も長く続く。ただし靭性(じんせい)がないため欠けたり折れたりしやすい。最大の問題は研ぎにくいことだ(切れ味と硬度)。そして錆(さ)びる。硬度最強はセラミック庖丁である。硬すぎて砥石で研ぐことができない(高硬度の包丁は、家庭では扱いづらい)。

 炭素鋼複合材の庖丁は少し前に紹介した。

家庭用のおすすめ庖丁

「包丁が手に馴染むかどうかは“フィーリング”がすべて。包丁を多く取りそろえている調理器具のショップとか、厨房器具を売る店に行ってみて。違いや重さ、ハンドルのグリップなんかを確かめてみてほしい。【使い勝手のよい包丁というのは、人それぞれなんです】」

 非力な女性であればともかく、26cmの鉄フライパンを振る私にとって目方は問題とならない。

「30ドルから50ドルぐらいで、ちゃんとした包丁は買える。安い包丁セットを買うよりもお得なんだから」と私は言った。「【正直に言わせてもらうと、もしキッチンの中のものに投資するぐらいだったら、そのお金でよい包丁を買うほうがいい。ちゃんと使えば20年から30年はもってくれるから】」

 1万円の庖丁を20年使用すると考えれば年間500円のコストに過ぎない。

「もうひとつ覚えて欲しいことがあります。【包丁は犬と同じです。定期的なグルーミングが必要です。】1年に一度はきちんと研いであげましょう。調理用品や刃物店にはこの様なサービスがありますし、メンテナンスに持ち込める場所を知っています。包丁1本につき数ドルはかかりますけれども、その価値は絶対にあります」と私は言った。

 庖丁と犬は違う。こういう表現に白人特有のがさつさが現れる。本来であれば自分で研ぐべきだが、そんな気になれない人には貝印のダイヤモンド&セラミックシャープナーをお勧めしよう。刃の減りは早くなるが切れ味の悪いストレスは回避することができる。尚、刃物専門店で研いでもらっても1000円程度である。私に頼めば500円でやってあげるよ(笑)。

2021-04-10

家庭用のおすすめ庖丁


 ・家庭用のおすすめ庖丁

貝印 関孫六15000STが値崩れし10000CCが品切れ



家庭用のおすすめ包丁(安い価格で、最良の切れ味を)

 素晴らしいサイトである。1000円ほど支払いたいくらいだ。推奨しているのは「関孫六 10000CC」「関孫六 安土」「関孫六 桃山」の3本である。炭素鋼複合材の庖丁は他にない模様。私はまだ研ぎ始めたばかりなので上達した暁にはどれかを買うつもりだ。



関孫六10000CL 包丁おすすめ1位/高コスパ・炭素鋼を彷彿させる切れ味



鋼の庖丁を選べ/『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』キャスリーン・フリン