2021-09-17

日本の家族制度崩壊を目論む左翼ネットワーク/『実子誘拐ビジネスの闇』池田良子


『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』福田ますみ
『証拠調査士は見た! すぐ隣にいる悪辣非道な面々』平塚俊樹
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹

 ・日本の家族制度崩壊を目論む左翼ネットワーク

「連れ去り」は無罪、「連れ戻し」は誘拐犯

 2005年12月6日の最高裁判決が、諸悪の根源と言われている。
 この判決では「母親の監護下にある2歳の子どもを別居中の共同親権者である父親が連れ去った行為は略取行為に該当し、違法性も阻却(そきゃく)されない」とし、子どもの父親に未成年者略取誘拐罪を適用した。
 それまで、夫婦の間で諍(いさか)いが起こった場合、子どもを果てしなくとりあうことが数多くあった。ある会社の社長は、幼少期、自分を取り戻そうと探し続ける父親から自分を奪い返されるのを恐れる母親により、転々と住居を変えさせられ、転校を何十回とさせられたと、涙ながらに語ってくれた。
 そのような終わりのない子どもの奪い合いに終止符を打つという意味では、2005年の最高裁判決は意味があるように見える。
 しかし、この最高裁判決は、とんでもない結果を引き起こした。「実子誘拐」ビジネスという世界に例を見ない醜悪(しゅうあく)なビジネスを、この国に根付かせてしまったのだ。
 どういうことか。
 冒頭で紹介した記事を注意深く見てもらえばわかるが、この最高裁判決に基づき「未成年者略取誘拐罪」が適用されるのは、子どもと別居している親が同居している親から子どもを取り戻そうとする「連れ戻し」の時のみ、ということである。
 言い換えれば、同居している親が子どもを連れて家を出る行為には、未成年者略取誘拐罪が適用されないということだ。そればかりか、裁判所は、「継続性の原則(別居した夫婦の間の子どもが、一定期間一方の親と同居し、安定した生活を送っている場合は、その現状維持が子どもの利益とみなす考え方)」に基づき、子どもを連れて家を出た親に親権を与える判決を下すのが常。しかし、このような原則は法律上どこにも規定がない。
 裁判所が自分たちの都合で考案したルールであり、そんな不条理なルールが裁判所で堂々と使われているのである。
 その結果、どうなったかと言えば「先に連れ去った者勝ち」という状況ができあがってしまった、ということだ。
  同居中に、一方の親の同意なく子どもを連れて家を出ても、誘拐罪は適用されず逮捕されることもない。そして、一度家を出てしまえば「別居状態」を作ることができる。その後もう一方の親が子どもを連れ戻しに来た際に警察に通報すれば、警察が「誘拐犯」としてもう一方の親を逮捕してくれる。

【『実子誘拐ビジネスの闇』池田良子〈いけだ・よしこ〉(飛鳥新社、2021年)】

 つまみ食いするつもりで開いたら一気に読了してしまった。当初、必読書に入れようと思ったのだが思いとどまった。筆致が福田ますみと似ていたためだ。福田本は事実を逆さまに書いているとの指摘がある。

福岡市立小学校教諭人種差別的児童いじめ事件 – 教育資料庫

 更にネット上では著者と教師が創価学会員であるという説まで浮上している。かような本を一度鵜呑みにしてしまうと、似たような文章に出会えば、そりゃ疑いたくなるというもの。しかも、本書では人権派(=左翼)弁護士~左翼知識人~裁判官のタッグが日本の家族制度崩壊を目論む様を鮮やかに描いているのだが、ものの見事に利用された公明党や創価学会系出版社にまで言及している。

 文章は絵筆と似ている。素晴らしい絵が現実を描写したものとは限らない。それと同様に文章は嘘をつける。

 いずれにせよ、左翼ネットワークの連携プレーを知る恰好の教科書であるのは確かだ。ただし、法律的な意味合いはよくよく吟味する必要があるだろう。

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