2021-10-19

農業の大規模化と個別化/『稼げる!新農業ビジネスの始め方』山下弘幸


『[農業]商売の始め方・儲け方』大森森介

 ・農業の大規模化と個別化

 オランダが先進的な農業国であることは知られていますが、それもICTIoTを活用しているからです。
 オランダの国土面積(3万7000平方キロ)は日本の国土面積(37万7900平方キロ)のおよそ10分の1しかありませんが、平坦な土地が多いため、耕地面積は日本の445万ヘクタールに対して、オランダの184万ヘクタールとおよそ4分の1程度です。
 また、総人口に対する農業者人口とその比率は、日本が3.7%で約290万人、オランダが2.8%で約15万人ですが、農家1戸あたりの農地面積は日本が2.8ヘクタールに対して、オランダは25.9ヘクタールとなっています。
 そのオランダの農業輸出は866億ドルと、1位のアメリカの1449億ドルにつぐ規模です。日本の農業輸出33億ドルの26倍にも相当します(輸出額の2012年の数値)。また、農業就業人口1人あたりの生産額は日本の14倍とも言われています。
 オランダ農業の特徴は、自国に強みのある品目に集中している点にあります。
 たとえばトマト、パプリカ、キュウリなどの施設園芸に特化しているのです。この農業モデルは、オランダが通商国家として発展する過程で培われたものだとされています。17世紀初頭のヨーロッパでは、オランダで栽培されるチューリップがたいへんな人気となり、球根の値段が高騰したあげく、チューリップバブルが発生したほどです。

【『稼げる!新農業ビジネスの始め方』山下弘幸〈やました・ひろゆき〉(すばる舎、2018年)】

 飛ばし読みしようと思ったのだが全部読んでしまった。よく勉強していて目配りが利いている。ビジネス書としてもおすすめできる。

 元々オランダは小規模農家が多かったがEU統合を契機に大規模化が進んだという。日本の農業は規制まみれで大規模化を妨げている。本書では安倍首相が風穴を空けた事実が紹介されているが、それでもまだ道半ばである。

 食糧安全保障という側面から考えれば大規模化せざるを得ない。私は国民兵農化が望ましいと考えているので、一人ひとりが何らかの作物を作ることを目指すべきであると主張したい。

 日本という国家には昔から戦略がない。常に行きあたりばったりである。その最たるものが大東亜戦争だった。各兵士は世界最強であったが指揮官が愚劣すぎた。現在の政治家を見ても、「私は日本をこうする!」という演説を聞いたことがない。細かい政策に終始している。

 まずは憲法改正である。「憲法を改正して中国共産党から日本を守ります!」という政治家を我々は必要としているのだ。次に官僚機構を再編成し、縦割り行政を解消する。更に文科省とNHKから左翼を一掃する。続いて農業革命である。農地と農家の流動化を図る。補助金行政も見直し、まともなインセンティブにすることが望ましい。

 コンビニ各社も地産地消の一翼を担うべきだろう。

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