2019-12-16

不自然な姿勢が健康を損なう/『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード


『悲鳴をあげる身体』鷲田清一
『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴

 ・不自然な姿勢が健康を損なう
 ・サンセベリアの植え替え

『ウォークス 歩くことの精神史』レベッカ・ソルニット
『クレイジー・ライク・アメリカ 心の病はいかに輸出されたか』イーサン・ウォッターズ
『アルツハイマー病は治る 早期から始める認知症治療』ミヒャエル・ネールス
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン
・『心を操る寄生生物 感情から文化・社会まで』キャスリン・マコーリフ
・『ナチュラル・ボーン・ヒーローズ 人類が失った“野生”のスキルをめぐる冒険』クリストファー・マクドゥーガル

身体革命

 固定された姿勢で座る人は、反復運動過多損傷(RSI)、眼精疲労、座骨神経痛、そのほか座った生活や労働に関連する多数の病気のどれかに苦しむことを避けられない。
 このライフスタイルが私の腰痛の原因である。私の身体が現代生活を送るには軟弱すぎたわけではなく、人体はそもそもこのような生活を送るようにできていないのだ。現在では、どのような姿勢であれそのまま動かないことが腰痛の原因の一つであることが知られている。

【『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』ヴァイバー・クリガン=リード:水谷淳〈みずたに・じゅん〉、鍛原多惠子〈かじはら・たえこ〉訳(飛鳥新社、2018年)以下同】

 勝間和代が推(お)していた本だ。確かウォーキングについて検索していてヒットしたのだと記憶している。

毎日1万歩を歩くため、とりあえず、スマートウオッチを新しいのにしました。Huaweiの最新のやつ。 - 勝間和代が徹底的にマニアックな話をアップするブログ

 序盤から中盤にかけての構成が悪いのだがそれ以降は一気読みだ。現代病や生活習慣病の原因は椅子に長時間坐っていることに由来する。もちろん椅子が悪いわけではない。「動かない」生活が問題なのだ。元々義務教育は軍隊の前段階として生まれた。学校教育は児童を椅子に坐らせるところから始まる。じっとしていることが規律なのだ。

 文明の発達は身体の自由を奪った。工場労働者、タイピストからプロスポーツ選手に至るまで殆どの人々が同じ動きを繰り返すことで体の調子を狂わせている。

 この本を読んでいる方々の多くは、自然死ではなくミスマッチ病による死を迎えるはずだ。だがそれは、正しい(あるいは誤った)DNAを持って生まれてきたからではない。ミスマッチ病は、身体とその身体が置かれた昨今の環境との緊張関係によって生じると考えられている。
 これらの病気はいずれも私たちにはなじみ深い。たとえば、2型糖尿病は人類の誕生時から存在したものの、旧石器時代のヒト族(ホミニン)の環境と食事ではこの病気の遺伝子が発現することはほとんどなかった。当時、この病気につながるような加工食品も甘い食品も存在しなかった。時を200万年下ると、同じ遺伝子が有害な環境にさらされている。いまや、アボカド1個よりジャム入りドーナツを一袋買うほうが安い。
 初期人類はおそらく1年に大さじ10杯ほどの糖を摂(と)ったと思われるが、現代の欧米諸国ではこれが毎日の糖摂取量だろう。


 2型糖尿病は生活習慣病と言われるが確かな原因は判っていない。ただ、食事+運動不足+マイクロバイオームの変調は確かだろう。個人的には炭水化物に傾いた食事が最要因と考えてきたが、昔の日本人は現代人よりもずっと多くのご飯を食べていた。だとすると飽食、特に砂糖、植物油、食品添加物、防腐剤、抗生物質などが複合した結果なのだろう。

 ヒトの骨格は立つようにできている。人類の特徴として二足歩行が挙げられるが、進化を生き抜いた最大の要素は二足走法にあった。ヒトは動物の中で最も長距離を移動できるのだ。そして走ることと投擲(とうてき)能力が狩猟に生かされた。我々の祖先は肉(タンパク質)を食べることで脳が一段と大きくなった。

 一般的な歩行速度は時速4kmとされる。これが時速8kmを超えるとランニングの方がエネルギー消費量が少なくなる。土踏まずのアーチは地面からの反力を利用するためのショックアブソーバーとして働く。つまり足の構造は走るようにできているのだ。

 私は先月からランニングを開始したが早速効果があった。40歳頃から無呼吸症候群を発症し、更に寝返りを打っていないことに気づいた。朝起きると長時間クルマの運転をした時のようなダルさが腰に溜まっていた。通常は左向きの姿勢で寝るのだが最近はなぜか仰向きになっていた。2~3回走ると自然に寝返りを打つようになっていた。これは驚きだ。寝返りの仕組みがよくわからないのだが、自律神経系にスイッチが入ったのだろうと考えている。少しばかり体が目覚めたと言ってよい。


口と手の形は、その主食の種類によって決められる/『『親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る』島泰三

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