・『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢博
・ナンバ歩きと古の歩術
・『表の体育・裏の体育』甲野善紀
・『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓
・『ナンバ走り 古武術の動きを実践する』矢野龍彦、金田伸夫、織田淳太郎
・「捻(ねじ)らず」「うねらず」「踏ん張らない」
・体幹を平行四辺形に潰す
・『ナンバ式!元気生活 疲れを知らない生活術』矢野龍彦、長谷川智
・『すごい!ナンバ歩き 歩くほど健康になる』矢野龍彦
・『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
・『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
・『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二
・『スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと』小田伸午
・『トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた』小山田良治、小田伸午
・『間違いだらけのウォーキング 歩き方を変えれば痛みがとれる』木寺英史
・『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか 生き物の「動き」と「形」の40億年』マット・ウィルキンソン
・身体革命
我々は、ナンバを「難場」と解釈し、それを切り抜けるための身体の動かし方を模索してきた。「難場」とは、外的には足元が不安定であったり暗闇の中にいるような状況、内的には身体に痛みがあったり疲れているような状況のことを指す。
そんな「難場」を切り抜けるには、できるだけ「捻(ねじ)らず」「うねらず」「踏ん張らない」古武術の身体の動き――西洋式の運動理論とは正反対の動き――が最適である。
結論から先にいえば、そういう動きを取り入れることで、全身を使って動くことになり、動きの効率性が高まり、動き自体が滑らかになって、身体の局部に負担がかからなくなる。
【『ナンバの身体論 身体が喜ぶ動きを探求する』矢野龍彦〈やの・たつひこ〉、金田伸夫〈かねだ・のぶお〉、長谷川智〈はせがわ・さとし〉、古谷一郎〈こや・いちろう〉(光文社新書、2004年)以下同】
著者の四人は桐朋(とうほう)高校バスケットボール部のコーチである。試行錯誤しながら前に進む様子が好ましい。我々は手探りの苦労をすることなく一冊の新書でノウハウやメソッドを学べるのだ。
「捻(ねじ)らず」「うねらず」「踏ん張らない」――これが基本である。胴体力の「捻る」は考え直した方がいいかもしれない。
ナンバで歩くことの一つの利点として、着物が着崩れないということが挙げられる(現代の洋服では、どのような動きをしても気崩れるということはほとんどない。洋服の作りそのものが、そういう構造になっているのだ)。
また、身体を捻ったり、うねったりすることが少ないので、内蔵の血流が悪くなったり、関節部分に負担がかかることなく長時間労働が可能になる。
労働の中でも、腰を落としながら行なう農作業などは、このナンバ的動きが不可欠だ。日が出てから暮れるまでの農作業において、一日中局所に負担をかけ続けるのは、即身体を壊すことにつながりかねないからである。
江戸時代の侍は帯刀していた。そのため右利きの人は左足が大きいと言われる。また歩行の際に手を振ることがなかったとも言われるが、荷物を持って歩くことが多かった。両手に荷物があれば体幹は正面を向いたままだ。極端に骨盤を振るモデル歩きもできない。
一番わかりやすいのは坂道である。アップダウンを繰り返し歩けば、妙な歩行法は通用しない。何も考えずに歩けばミッドフット着地になる。正しい歩行を身につけるためには踵クッションの厚い靴は避けた方がよい。理想は地下足袋である。次にルナサンダルや草鞋(わらじ)来るわけだが、前者は高価で後者は入手しにくい。ギョサンは長距離を歩くと足裏が痛くなるし踵がやや厚すぎる。私は履いたことがないのだがベアフットシューズでもいいと思う。ただしビブラムファイブフィンガーズは微妙だ。個人的には5本指よりも鼻緒タイプの方が望ましいと考えている(靴下も)。
昔を思えば多分ぬかるみが多かったことだろう。特に雨が多く、湿度の高い日本では道路が田んぼ状態になったことは用意に想像できる。砂浜を歩けばわかるが拇指球に力を入れることは無意味である。足全体を地面にしっかりつけて踵を推進力にするのが効率的だ。
ところがどっこい拇指球の力を抜くことは中々容易ではない。今、様々なトレーニング法を思案しているところである。
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