2019-10-31

無肥料栽培/『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか


『日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら』北野幸伯
・『日本の生き筋 家族大切主義が日本を救う』北野幸伯
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る』島泰三
『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子
『タネが危ない』野口勲

 ・無肥料栽培
 ・本物の野菜は腐らずに枯れる

『食は土にあり 永田農法の原点』永田照喜治
『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』ゲイブ・ブラウン
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

 僕は農作物を栽培することを生業のひとつとしています。僕の農法は、一般的には認知されていない無肥料栽培というものです。一見聞き慣れない無肥料栽培という言葉ですが、最近で言うところの自然農法とか自然栽培と呼ばれる農法が、無肥料栽培にあたります。無肥料栽培という言葉だけですと、化学肥料を使用せず、家畜排せつ物から製造した有機肥料を使用していると思われる方もいるようですが、僕は有機肥料を使用することもありません。
 自然農法や自然栽培という農法には、本来、定義というものはありませんが、広義では、無肥料、無農薬、無除草の栽培方法を指します。さらに不耕起、つまり畑を耕さない農法を自然農法と呼ぶことが多いと思います。

【『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか(フォレスト出版、2016年)】

 タイトルが命令形で、冒頭から「僕が、僕が」と書いてあるのを見ると「我こそは正義なり」との思い込みが見えてウンザリさせられる。つまみ食い程度の読書で済まそうと思いながらも最後まで読んでしまった。読ませられたと言ってよい。無農薬は聞いたことがあるが無肥料・無除草は初耳だ。

 普通に考えれば、野菜や穀物に肥料を与えることによって、作物は元気に育ち、健康にもなるという認識だと思います。人間も食事によって栄養をしっかり摂っていれば、病気になることは少ないでしょう。それは決して間違ってはいません。
 しかし、僕は無肥料栽培を始めて以来、その常識に疑問を感じはじめました。
 なぜかといえば、作物に肥料を与えるのを止めると、作物の病気や虫食いがどんどん減っていったからです。

 よく考えると別に不思議な話ではない。そもそも現在ある野菜は長い歴史を生き抜いてきた果てに存在するわけで、自然界に存在していた時は肥料や除草という人為は加えられていない。また移動できない植物は毒を発することで外敵から身を守ってきたのだ。調理の灰汁(あく)抜きとはその毒を除去する意味がある。

 土のなかの微生物は生き物ですから、当然食べものが必要です。それが、本来、草の根っこや枯れた草等です。作物の根っこ以外、草という草の根っこや落ち葉や枯草がなくなるので、微生物たちの餌(えさ)が足りなくなります。食べもののないところに生物が棲(す)むことはありません。そのため、微生物たちも立ち去っていってしまうのです。(中略)
 土壌中の微生物というのは、人間の腸内細菌と同じだと考えてもらっていいでしょう。土壌から微生物がいなくなると、植物は土の栄養を使えなくなります。なぜなら、植物は土壌中の微生物、特に菌根菌(きんこんきん)という菌の力を借りて、土壌中の栄養を取り込んでいるからです。

 つまり現代の野菜は狭い鶏舎に閉じ込められたブロイラーのような状態なのだろう。たとえ有機肥料であったとしても土壌中の微生物バランスは大きく変わってしまうという。

 人体もまた微生物との共生で成り立っている。腸管内だけで4000種、100兆個もの微生物が存在する。この腸内細菌なくして我々は生きてゆくことができない。

 土壌から微生物がいなくなってヒトの腸内環境も一変したのだろう。そして便利なテクノロジーが生活習慣病を生んだ。既に我々は本物の野菜を知らないのだ。

 具体的な土作りも書かれており、家庭菜園やプランターで野菜を育てている人は必読である。

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