2019-10-26

消費税は「消費行動についての罰金」/『「10%消費税」が日本経済を破壊する 今こそ真の「税と社会保障の一体改革」を』藤井聡


『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』中野剛志
・『全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】』中野剛志

 ・消費税は「消費行動についての罰金」

 そもそも消費税というものは、消費者にとっては、【「消費行動についての罰金」】のようなものだ。だから、消費税を上げれば、必然的に消費にブレーキがかかることとなるわけだ。
 いずれにせよ、私たちの世帯は平均で、消費増税によって実に年34万円(369万円→335万円)もの消費を削ることとなったのである。
 これは別の角度から言うなら、【消費増税のせいで、私達(ママ)は1世帯あたり年間34万円分も「貧しい暮らし」を余儀なくされるようになった】ことを示している。
 当たり前の話だが、年間34万円といえば、決して少なくない金額ではない。これは、消費増税の直前の消費水準からすれば実に9.2%もの水準に達する。つまり、【消費増税によって、私たちは、買えるモノが1割近くも少なくなってしまった、】というわけだ。

【『「10%消費税」が日本経済を破壊する 今こそ真の「税と社会保障の一体改革」を』藤井聡〈ふじい・さとし〉(晶文社、2018年)】

 わかりやすい話である。ただ如何せん文章が悪い。タイトルも冗長だ。藤井聡はチャンネル桜でもMMTの話になると甲高い声で感情的になる悪い癖がある。「我こそは正義」との思い込みがあればたちまち説得力を失う。本当に正しい態度は常に静かなものだ。

 髙橋洋一によれば安倍首相自体は消費税増税に賛成しているわけではないが、麻生財務大臣に配慮した結果であるという。で、麻生財務大臣がなぜ増税を推進するかといえば、「財務官僚と頭のレベルが違いすぎる」から。ただそれだけのことらしい。


 麻生の父・太賀吉〈たかきち〉は経済同友会の幹事を務めたので、麻生セメントとしての判断なのかもしれない。

 消費税増税、対中政策の甘さ、香港デモに対する無関心など安倍政権に対する風当たりが強くなっている。特に最近は保守層からの批判が目立ち、チャンネル桜に至っては「反安倍」に舵を切ったようにさえ見える。長期政権に対する飽きもあるのだろう。宿願だった憲法改正が遠のいてやる気がなくなったような印象も受ける。

 トランプ大統領の登場によってグローバリズムが終焉し、新たな帝国主義時代が幕を開けようとしている。アメリカが保護主義に走るのだから日本の覇権からも退くのは当然であろう。沖縄から米軍が撤退するのも時間の問題だと思われる。その時アジアの覇権を巡って中国が前に出てくる。これに対して日本が自国の防衛だけにとどまるのか、それとも台湾・ASEAN諸国と同盟を結ぶかどうかが問われる。

 マッカーサーが占領期のどさくさに紛れて制定した憲法を破棄することはおろか、改正すらできない国民が西太平洋の平和に責任を持てるはずがない。つまり新たな日中戦争の直前になし崩し的な格好で憲法は変えられる可能性が大きい。とすると、またぞろ大東亜戦争のように行きあたりばったりの戦闘が行われることだろう。

 愚民の常として私も偉大なリーダーを待望する者であるが、教育改革やメディア改革に大鉈を振るう人物でなければ、この国の国民はいつまで経っても無責任な平和主義者として戦争に反対を唱え続けることだろう。

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