1冊挫折。
『
音と文明 音の環境学ことはじめ』大橋力〈おおはし・つとむ〉(岩波書店、2003年)/安田喜憲著『
一神教の闇 アニミズムの復権』で世界的な評価を受けていると紹介されていた一冊。プロフィールを見てびっくりしたのだが、大橋は芸能山城組の主催者であった。映画『AKIRA』の音楽も手掛けている。定価4400円の大冊でよほど腰を据えてかからないとダメ。ビタミン同様、人間には「必須音」があるという。森で安らぎを感じるのは意識に上らぬ音が心地よいためであった。そして実は都会よりも森の方が音が賑やかであるとのデータには驚愕した。「音の環境学」の嚆矢(こうし)にして決定版といってよい。耳根得道(にこんとくどう)を考える上でも重要な資料だ。
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