2011-07-10

斎藤緑雨


 1冊読了

 46冊目『緑雨警語』斎藤緑雨〈さいとう・りょくう〉、中野三敏編(冨山房百科文庫、1991年)/文語体は情報を圧縮して香気を放つ。難解ではあるが、そのまま味わえばよい。寸鉄人を刺すというが、時折吹き出してしまうほどの諧謔(かいぎゃく)が効いている。特に政治へ向けられた筆鋒は鋭さを増す。毒をもって毒を制するのが社会時評の基本であろう。小田嶋隆はこの路線を目指すべきだと思う。狂歌や都々逸(どどいつ)の復興を私は希(こいねが)う。緑雨は36歳で死去。まさしく寸鉄の如き人生であった。

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