2011-07-01

技の優劣は人間の価値を決めるものではない


「兵法は死ぬまでが修行という。技の優劣は修行の励みでこそあれ、人間の価値を決めるものではないぞ。人の師範たる根本は『武士』として生きる覚悟を教えるもので、技は末節にすぎない。貴殿はその本と末とを思い違えておる。さようなことでは、今日までの御扶持(ごふち)に対しても申し訳はござらぬぞ」(『芋粥(いもがゆ)』)

【『一人ならじ』山本周五郎(新潮文庫、1980年)】

一人ならじ (新潮文庫)

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