8歳の子供特有のものの見方で、息子はこう語っている。「変だね、お父さん。悪(evill)っていう字のつづりは、生きる(live)っていう字のつづりと逆になっているんだね」。たしかに、悪は生に対置(たいち)されるものである。生命の力を阻(はば)むものが悪である。簡単に言うならば、悪は殺すことと関係がある。具体的には、悪は殺りく――つまり、不必要な殺し、生物的生存に必要のない殺しを行うことと関係している。
悪は殺しと関係があると言ったが、これは肉体的な殺しだけを言っているのではない。悪は精神を殺すものでもある。
【『平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学』M・スコット・ペック:森英明訳(草思社、1996年)】
・愛(amor)はローマ(Roma)の逆綴り
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