2012-02-12

有澤玲、佐藤俊樹、宮崎学


 2冊挫折、1冊読了。

面白いほどよくわかる世界の秘密結社 秘密のベールに隠された謎の組織の全貌』有澤玲〈ありさわ・れい〉(日本文芸社、2007年)/ちょっと当てが外れた。陰謀史観を斥けながらも胡散臭さを払拭できていない。記述が短いせいもあるのだろう。日本文芸社の「学校で教えない教科書」シリーズは当たり外れが大きい。

社会学の方法 その歴史と構造』佐藤俊樹(ミネルヴァ書房、2011年)/良書である。紙質もよく、ミネルヴァ書房の気合いが窺える。しかし残念なことに私の余生は限られている。一から社会学を学ぶ時間はないのだ。20代で社会学に興味のある人にとっては格好のテキストといってよい。

 10冊目『「正義」を叫ぶ者こそ疑え』宮崎学(ダイヤモンド社、2002年)/主旨には同意するが、論の進め方が拙いと思う。宮崎は左翼のイデオロギーから脱却できていない。多分、私よりもロマンチストなのだろう。明らかに読みが誤っている箇所もある。武闘派左翼、やくざ者の倅、解体屋、週刊誌記者といった過去の遍歴が妙に中途半端な視点となっている。左翼やリベラリストはどうしても部分的な政策について反対する姿勢が目立つ。グランドデザインが描けていないから、批判が形を変えた依存に見えてしまう。

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