2019-07-13
雨の牧馬峠
・牧馬峠に挨拶
・牧馬峠(道志みち側)を制覇
・地獄の牧馬峠(相模湖側)
・雨の牧馬峠
土山峠~宮ヶ瀬湖~道志みち~県道76号~雨の牧馬峠。二度目だが苦しさは相変わらずだ。ほんの少しも楽になっていない。そもそも幾度となく登っている土山峠すら苦しいのだ。自動車の多い道路が厭(いや)なので国道412号から牧馬(まきめ)峠を登るのは避けた。で、少しばかり距離を伸ばして県道76号からアクセスすれば主要な登坂は行える。
曇りの天気予報がまんまと外れた。小雨だったのでそのまま進む。
道志村(どうしむら)は山梨県だがここはギリギリ神奈川県である。
素晴らしい県道だ。私の誕生日を記念して作られたのだろうか? きっとそうに違いない。県道76号は緩やかなアップダウンが続き、温厚で優しい私の性格を示しているかのようであった。藤野南小学校の丁字路を右折すれば牧馬峠に出る。ゴルフ場付近の道が少しわかりにくいが、とにかくどんどん左側に進めばよい。
雨が強くなってきた。前輪の弾く水しぶきが顔に当たる。ペダルを強く踏みすぎると後輪がスリップする。そして既に見慣れた感のある真空コンクリートが現れた。「親の仇!」と声に出して輪っかを踏みつける。雨が煙(けぶ)る。ハンドルを握る手が時々滑る。ダンシングを休める唯一のカーブに差し掛かった時少し意識が薄れた。後ろから来たクルマが私を追い越した。そして停車した。クルマの脇にギフチョウの看板が見えた。親の仇は討(う)った。
降りしきる雨が止むことはなかった。帰りも通ったことのない道を走った。今日の走行距離は91km。
2019-07-09
馬渡大坂~半原越
馬渡大坂(まわたりおおさか)から半原越(はんばらごえ)にアタック。本当は牧馬峠(まきめとうげ)までも行くつもりだったのだが思った以上にきつくて帰ってきた。行きは愛川の水道みち(地図)から。
急斜面を駆け下りると里山に囲まれた田んぼが広がる。長閑(のどか)で心休まる場所だ。
馬渡大坂は大したことがなかった。ところが半原越まで行くとなると話が変わる。最初はナメてかかっていた。「半原越よ、スピンバイクで鍛えた私の足元にひざまずくがいい」くらいに思ってたんだよね。56歳になった私の前に半原越は傲然と立ち塞がった。
牧馬峠(相模湖側)に次ぐ苦しさであった。ペダルを踏みながら神仏に罰せられているような気分になってくる。ま、私としては70~80代で行うはずのリハビリを先んじて行っている自覚があるから苦しいのは望むところだ。
空気が湿っぽくなってきたので帰ることに。途中で前々から気になっていた道を確認する。Googleマップには載っていない(「Googleマップが劣化した」不満の声が相次ぐ ゼンリンとの契約解除で日本地図データを自社製に変更か - ITmedia NEWS)のだが航空写真だとはっきりわかる。ズザ沢湧水の脇にある道だ。
ゲートの向こうの林道は舗装されていなかった。
いつものようにJA県央愛川荒茶工場前を滑るように走り抜ける。時速57kmだ。そのまま来た道を戻る。スピンバイクの効果は平地でわかった。驚くほど足が回る。登坂で発揮できないのはどうしたことか? 筋力ではなく心肺能力の問題なのだろうか?
今月でロードバイクに乗り始めてからちょうど1年を迎える。ヤビツ峠に挑む前にもう少しトレーニングが必要だ。
日野晃の本を読んで思ったのだが、「背中を丸める」とか「肩甲骨を開く」というのは「胸骨を下げる」意識にすると、かなり楽になる。
2019-06-18
地獄の牧馬峠(相模湖側)
・牧馬峠に挨拶
・牧馬峠(道志みち側)を制覇
・地獄の牧馬峠(相模湖側)
・雨の牧馬峠
敢えて昨日一日を疲労回復のために空けて早朝5:00前に出発した。途中で太陽が顔を出したがまだ肌寒い。ペダルを踏む脚も何となく重かった。
ファミリーマート津久井宮が瀬店で補給。道路を登ってくるダンプカーが多い。しかも運転が荒っぽい。いつも食べているミニシュークリームが売り切れていたため気分が優れない。当初は意気揚々と牧馬峠を往復するつもりであったが道志みち側から攻めると明らかに形勢は不利だ。三ケ木(みかげ)から相模湖側を目指すことにした。
反対側の牧馬峠(まきめとうげ)は地獄と化した。「よもや彼女にこんな裏の顔があったとは……」――そんな気分になった。最初の厳しさはまだ受け容れられるものだった。そして恐れていた輪っか(真空コンクリート滑り止め舗装)が現れた。
急坂のドーナツ形の凹みのワケ そもそもなぜ坂道はコンクリート舗装ばかりなのか | 乗りものニュース https://t.co/0sLs4ZLHME pic.twitter.com/HfpdZlDlsT
— 小野不一 (@fuitsuono) June 18, 2019
それまで振るわれていたのは愛の鞭であったが、ここからはSMプレイの鞭に変わった。「さほど長くないはずだ」と思ったのは下り道の錯覚だった。速度は4km台前半。歩くスピードと変わらない。ちょっとよろめくと足を着いてしまうだろう。輪っかの振動が登坂を一層困難にする。ローソクを垂らされているような感覚に陥る。牧馬峠が「ひざまずいて私の足をお舐め」と囁いた。辛うじて呼吸法は保っているが酸欠で目眩(めまい)がした。と、その時、峠の看板が見えた。一羽の鳥が低い位置を滑空してきて道路に留まった。生まれて初めて見るオオルリだった。世一〈よいち〉が出迎えてくれたのだろうか(『千日の瑠璃』丸山健二)。私にとっては忘れ得ぬドラマとなった。
峠で止まることなく一気に下った。道志みち手前では長い上り坂が待ち構えている。
最後の坂は大したことがなかった。最近多いのだが峠道を走っているとサグ部で登りの勾配が急に見える。眼の錯覚だと思うが「あちゃー」とか「ドッヒャ~~っ」と口にする割には意外とすんなり走れてしまうのだ。
・神奈川県のヒルクライムランキング
私の実感とはかなり違う。折角なんで発表しておこう。
1位 牧馬峠(相模湖側)
2位 半原越往復(愛川町から)
3位 半原越(愛川町経由)
4位 牧馬峠(道志みち側)
5位 大山
6位 土山峠
7位 半原越(清川村経由)
8位 八菅神社
番外 相模野カントリークラブ(道路崩落のため途中までしか登れず)
断トツで牧馬峠(相模湖側)がきつい。帰宅後シャワーを浴びて横になったら2時間も寝ていた。腕には薄くじん麻疹が出ていた。疲労困憊というよりはボロボロである。何もする気が起きない。このまま廃人になるかもしれない。
・牧馬峠[相模湖]~勾配12%の看板に騙されてはいけない
2019-06-16
牧馬峠(道志みち側)を制覇
・牧馬峠に挨拶
・牧馬峠(道志みち側)を制覇
・地獄の牧馬峠(相模湖側)
何か食べてから出発しようと思ったのだが、卯の花(おから)しかなかった。冷凍にした魚と野菜はあるが調理をするのが面倒だ。朝食は卯の花とコーヒー2杯で終了。もちろん砂糖は多目に入れる。
今日はサイクリストが多かった。土山峠で30人ほどに抜かれた。みんな速いよね。まあ、いい。他人と競争しているわけではないのだから。脚が少し出来てきた実感はあるのだが、どうも土山峠が楽にならない。とにかく自分で編み出した呼吸法をしっかりと意識し、フォームを崩さず、蟻を踏まないよう細心の注意を払いながら登っていった。
ファミリーマート津久井宮が瀬店で補給をしようとしたところ物凄い人で賑わっていた。満員御礼だ。自転車ラックにはロードバイクがずらりとぶら下がり、外のテーブルではカラフルなサイクルウェアを身にまとったローディー達が歓談していた。人混みが苦手なので通り過ぎた。県道64号と道志みちの丁字路にある自販機コーナーも人で溢れていた。「確かこの先にセブン-イレブンがあったはずだ」と牧馬峠入口をやり過ごして道志みちを走った。
どんどん人里離れて周囲は明らかに山また山となった。
この橋を見て「まずいな」と呟いた。間もなく神奈川と山梨の県境に差し掛かる。しっかりと地図を確認しなかった私が悪い。何となく見た覚えはあったのだが(帰宅して確認したところ、もうちょっと先だった)。取り敢えず引き返した。補給しないと大変なことになる。通りすがりにチェックしていた自動販売機ですかさずコカ・コーラを飲んだ。
折角だから牧馬峠(まきめとうげ)を途中まで行ってみることにした。コカ・コーラには角砂糖10ヶ分ほどの糖分が入っているからハンガーノックにはなるまい。最初は緩い下りが続く。下り切ると結構な坂が立ちはだかる。慎重にゆっくりとペダルを踏む。左側はほぼ崖である。時折清流が見える。途中から下りとなった。「エ、もう終わり?」と思いきや、その先にまだ登りがあった。峠の位置がわからないので騙し討ちに遭う。
何とか登り切った。この峠はインターバルがあるのでトレーニングにうってつけだ。半原越よりも情けを感じた。峠から相模湖方面に向かった途端、輪っかのコンクリート舗装が続く。これは逆方向からの方がはるかにきつそうだ。
道路脇を篠原川が流れており涼風が肌を冷やしてくれる。ガードレールがないため少しハンドル操作を誤れば渓流の中に突っ込むことも可能だ。峠を越えた後もアップダウンが続く。
あまり綺麗に撮れてないのだが、どうもこういう景色に騙されてしまうんだよね。木々の隙間から空が見えたら普通は頂上だと思うわな。
国道412号に出ると正面にさがみ湖リゾート プレジャーフォレストの高速インターみたいな入口が見えた。国道を南下し最初に見つけたファミリーマートで補給をする。一息ついた途端、極度の疲労に襲われた。意を決してサドルにまたがる。
412号は無情にも登りで私を迎え入れた。一瞬だが生まれてきたことを後悔した。きつい、辛い、苦しい。「生きることは苦である」というのが仏教の命題である。「何のために走っているんだ?」と自分に問いかけながら、「走るために走ってんだよ!」と即答する自分がいる。
今日は6時間で85km。今はまだ距離よりも坂を優先したい。
・しおいんですけど : 峠超えたら雪国、 “ヒルクラわんこそば”の末に現れた牧馬峠に挑む!!
2019-06-14
牧馬峠に挨拶
・牧馬峠に挨拶
・牧馬峠(道志みち側)を制覇
・地獄の牧馬峠(相模湖側)
今日の成果は宮ヶ瀬湖まで一度も休憩しなかったこと。いやあ我ながら驚いた。
初めて水の郷大吊り橋に気がついた。歩行者専用の吊り橋だ。やまびこ大橋を渡って直ぐ右手にある。
下の画像は橋と反対側。
腹が減ったのでファミリーマートに入った。津久井宮が瀬店には自転車ラックがたくさんある。
こういう配慮はありがたい。今度から必ず寄ることを決意した。
流すつもりで走っていたところ道を間違えてしまった。左折するのを忘れて412号に出た。ここまで来たら背に腹は代えられない。遠回りして牧馬峠(まきめとうげ)を目指した。取り敢えず今日のところは挨拶までと思ったのだが、いきなり下り道になったので途中で引き返してきた。帰りにこの道は登りたくない(笑)。
走行距離は78km。今年はまだ15回しか乗っていない。合計距離は614km。7月26日で1年になるので何とか2000kmは達成できそうだ。
【追記】前回の半原越往復で自分なりの呼吸法をマスターした。やはり体の声に耳を傾ければ自ずと答えは見つかるものだ。
半原越往復
・初めての半原越
・越すに越されぬ半原越(愛川町経由)
・雪辱の半原越(愛川町経由)
・半原越往復
雨の合間を縫ってひとっ走りしてきた。半原越(はんばらごえ)が私を呼んでいるのだ。苦しむことはわかっていても得体の知れぬ胸のときめきがある。どこか高嶺の花のような女性に恋をした感覚と似ている。
かつてバドミントンで度重なるふくらはぎの肉離れという痛い目に遭っていた私は慎重にならざるを得なかった。自転車を手に入れた時、「最初の1年間は脚作り」と覚悟した。つまり私が行うのはサイクリングではなくトレーニングなのだ。
半原越を挟んで北に仏果山(ぶっかさん)が、南に経ヶ岳(きょうがたけ)がある。丸山健二の小説に出てきそうなネーミングだ。この峠を制覇すれば悟りを得られるかもしれない。
入口付近でまず補給をする。普段なら絶対に飲むことのない砂糖まみれの炭酸飲料水を飲んだ。自転車乗りが恐れなければならないのはハンガーノックである。長時間走っていると極度の低血糖状態に陥り、体が全く動かなくなるのだ。まさしく「hunger(飢え) knock(打撃)」である。私も15年ほど前に一度だけ経験したことがある。突然眼の前が暗くなるような意識となり、辛うじて辿り着いたコンビニストアの前で地べたに坐り込んでしまった。人里離れた山の中でハンガーノックになれば死ぬこともそれほど難しくはない。
愛川町経由は三度目の正直である。降り続いた雨のせいだろう。前回よりも落石が増えていた。逸(はや)る気持ちを抑えてゆっくりとペダルを踏む。斜度が急になるつづら折れに差し掛かると「あれ?」と不思議なことが起こった。この前はダンシングで登ったところがシッティング(坐った)のまま進めたのだ。確実に脚が出来てきているのだろう。苦もなく峠に至り、いつもなら一服するのだがそのまま下る。今まで見逃していた景色をいくつか撮った。
清川村側はしっぽ村の下にある自動販売機からにした。至るところから聴こえてくるせせらぎの音が背中を押してくれる。ウグイスのスタッカートの鳴き声も心地いい。そして静かに半原越往復を成し遂げた。「フム、やれば出来るものだな」と呟いた。登坂時間は愛川町経由も清川村経由も同じく37分であった。
変える道すがら馬渡大阪(まわたりおおさか)という短い坂を下っていった。次はここから登ろう。
適当に走っていたところ、水郷田名の坂に辿り着いた。去年は激坂だと思っていたのだが今回は坐ったままで登り切ってしまった。自分の脚に頬ずりしたい気分だ。
2019-06-08
雪辱の半原越(愛川町経由)
・初めての半原越
・越すに越されぬ半原越(愛川経由)
・雪辱の半原越(愛川町経由)
・半原越往復
雨の予報が13:00から15:00に変わった。私は脱兎(だっと)の如く家を飛び出た。一昨日の敗北は心に深刻なダメージを与え、寝ても醒めても半原越(はんばらごえ)を想った。私の口からは吐く息とともに「畜生」とか「くっそー」などという呪詛(じゅそ)が漏れた。
今日判ったのだが、愛川町(あいかわまち)経由だと半原越に辿り着くまでが結構大変なのだ。JA県央愛川荒茶工場がある道路は下ってゆくと時速55kmに達する。ダラダラと続く坂道を登りながら足の疲れが取れていないことに気づいた。因みに国道412号の信号で曲がらず直進した方向には「三増合戦(みませかっせん)みち」という恐ろしい名前の道路がある。
「三増峠の戦い(みませとうげのたたかい)とは、永禄12年(1569年)10月8日に武田信玄と北条氏により行われた合戦である」(Wikipedia)。「1569年(永禄12年)、甲斐の武田軍と小田原の北条軍が激戦を繰り広げた『三増合戦』を記念して、『三増合戦場碑』が400年後の1969年(昭和44年)に、建立されました」(三増合戦史跡/愛川町ホームページ)。
信玄と戦ったのは北条氏政(後北条家第四代当主)である。末弟に氏規〈うじのり〉がいて氏盛〈うじもり〉と続いているが、この末裔(まつえい)に創価学会の第四代会長を務めた北条浩がいる。しかも彼は伊達政宗の子孫(男系)でもあった。
話を戻そう。初めて登った前回とは異なり今日は各ポイントを把握していた。丸太がゴロゴロと転がっている→高低差50メートルのつづら折れ→水汲み場→白い花→樹木土砂崩れ→頂である。ゆっくりと登坂を始めたところ、「こんにちは」と後ろから声を掛けられた。私が挨拶を返す間に紳士のローディは力強く追い越していった。最初の曲がり角で姿は完全に消えた。恐るべきスピードである。
ここで慌ててはいけない。1ヶ月後には56歳となる我が身である。運悪く路面も濡れていて時折道を横切るグレーチング(溝蓋〈みぞふた〉)で後輪がスリップする。
あらん限りの脚力を振り絞り、急勾配では時速5km以下の速度でよろめきながらも私は半原越を制覇した。疲労のあまり地べたに坐り込むと、重なり合う樹木の葉から私の勝利を祝うかのように紙吹雪が舞った。「マジ?」と目をこすると、それはたくさんの白蝶であった。
雨を恐れて登ってきた道をそのまま降りた。水汲み場の側で草刈り鎌を持った老人が徘徊していた。半原越の入口付近で木漏れ日が差した。今日はいい日である。
【追記】今回工夫したのは呼吸法である。口呼吸で喘(あえ)いでいた時に思いつき、「スッ、スッ、スッ、ハッ、ハッ、ハァー」と6拍子で行い、それでも苦しくなると4拍子に変えた。
2019-06-06
越すに越されぬ半原越(愛川町経由)
・初めての半原越
・越すに越されぬ半原越(愛川経由)
・雪辱の半原越(愛川町経由)
・半原越往復
「神奈川県のヒルクライムランキング」では総合得点が清川村経由39.2、愛川町(あいかわまち)経由38.1となっているが、明らかに愛川町経由の方がきつい。最初はなだらかなのだが途中から勾配が急になる。先程帰ってきたのだが何と四度も足を着いてしまった。
まず入口付近で妙な水の音がする。塩ビ管から結構な勢いで水が出ていた。ずっと流れていたので生活排水ではないだろう。
で、最初に足を着いたところで撮った写真である。かなり上を見げているのだが中央上部にガードレールが映っている。多分50m程度の高さがあると思う。
引き返そうかなと20回くらい考えたのだが、休み休みでも登り切ることにした。老い先が短いので。やっと樹木が雪崩落ちているところまで辿り着いたら、間もなく頂上であった。いやあ、きつかった。
で、この間は登りの途中であったため撮影できなかった崩落現場が以下。
結構でかい石もゴロゴロ落ちていた。落石で死ぬようなことがあれば、その時はビンゴと叫べばいいだけのことだ。私の頭部を直撃する確率を思えば、それはそれで奇蹟と考えていいだろう。
2019-06-02
初めての半原越
・初めての半原越
・越すに越されぬ半原越(愛川町経由)
・雪辱の半原越(愛川町経由)
・半原越往復
・半原越まで歩く
午前5:00に家を出た。鳥たちの鳴き声が背中をそっと押してくれた。薄曇り。この間までの暑さはどこかへ行ってしまったようだ。紫陽花(あじさい)も色づいてきた。土山峠の手前、清川村方面から半原越(はんばらごえ)に向かう。「越」(こえ)とは峠のことである。
峠は、中国地方で垰あるいは乢とも書き、「たお」「とう」「たわ」「たわげ」などと呼ぶ地方があり、地名などにも見られる(岡山県久米南町安ケ乢など)。登山用語では乗越(のっこし)、または単に越(こえ、こし)などとも言い、山嶺・尾根道に着目した場合は鞍部(あんぶ)、窓、コル(col)とも言う。
かつて峠はクニ境であり、その先は異郷の地であった。そのため、峠は、これから先の無事を祈り、帰り着いた時の無事を感謝する場所でもあったことから、祠を設けている所が多い。この祠は、異郷の地から悪いものが入り込まないための結界の役割も果たしていたと考えられる。本来の意味から転じて、何らかの物の勢いが最も盛んな時期のことを峠という。
【Wikipedia】
清川虹子村からだと道路左側に看板があるので「しっぽ村」を目指せばよい。
かつては封鎖されていたようだ。やや道幅の広い林道と考えていいだろう。ところどころに土砂崩れや落石があり軽自動車でギリギリ通れるほどの幅員である。
実はナメてかかっていた。半原越という名前がよくない。「半ば越えたも同然」みたいな印象があった。私の脚力ではほぼ限界に近かった。辛うじて足は着かなかったが、単に着かなかったというだけのことだ。時折下を見ると標高が実感できて足に力が入る。静かな道で鳥の声も少ない。
下りは路面が荒れていてブレーキを握る指が痛くなる。これは愛川方面からの方がきつそうだ。
中年の男性ローディーが上り下(お)りを繰り返していた。同じ人物を三度も見たのだから間違いない。見上げたものだ。
トレーニングには格好の場所だ。ここを楽々と越えることができれば次に牧馬峠とヤビツ峠、それから和田峠を目指す予定である。
2019-05-19
牧馬入口(青野原)
土山峠から宮ヶ瀬湖を周遊して牧馬〈まきめ〉峠を目指したのだが入口で断念。昨夜行ったスクワットが意外なダメージとなって残っている。土山峠で既に「こりゃダメだな」と自覚した。宮ヶ瀬湖は先週以上に水位が低くなっていた。
明後日が大雨の予報なので水位が戻ればいいのだが。
県道64号伊勢原津久井線は木陰が涼しくとても走りやすい。交通量も比較的少ない。
山を見上げると筆を掃(は)いたような黄緑色がところどころに点在している。新緑の色は初々(ういうい)しく滴り落ちるような生気を湛(たた)えている。
登坂で私がダンシングをしていると、若いのがシッティングのまま軽く抜き去った。「マジ?」と唸(うな)り、唖然とした。その後女性にも抜かれた。我が愛車のコンポはSORA(2×9速)なのだがインナーのギアが結構重いのだ。この間なんか、格安フラットバーロードが私よりもはるかに軽々とペダルを回していてショックを受けた。ま、いいよ。回せるようになればこっちの方が速いわけだから。
あちこちで田植え前の田んぼが少し寂しそうに青空を映していた。
2019-05-12
八菅神社周辺(愛川町)
ラベルを自転車、自転車本、サイクリングと分けることにした。
ヒルクライマーを名乗るのはさすがに恥ずかしいので今後は「ゆるクライマー」を自称する。
八菅(はすげ)神社周辺は木陰が多く、川も流れていて爽やかな登坂(とうはん)を楽しむことができる。
八菅橋を渡って神社の正面に突き当たる。そこを左折し、八菅山いこいの森の手前左側にある橋を渡り左側を上ってゆく。で、上り切った場所が以下である。
左側は林道が続くが舗装されていない。
個人的な印象では土山峠(清川村)と同程度のレベルである。左側にガードレールがないので注意が必要だ。落ちてしまえば軽く二度か三度は死ねるほどの崖が続く。またハイカーもいるので下りはゆっくりと下りるのが望ましい。路面が荒いので自然と減速するだろう。
で、帰路の八菅橋~中津大橋が実は一番きつい。でもまあ55歳の脚力で足はつかなかったので初心者のトレーニングにはうってつけのコースだろう。
息が上がり鼻呼吸ができなくなると周囲の景色が目に入らない。そこで木の葉を見やり、口を閉じて鼻から静かに息を吸い込み、深々と吐き出す。これが自転車の瞑想である。
2018-09-29
チェーンとスプロケットの手入れ
・歩道を走る勇気を持て
・チェーンとスプロケットの手入れ
【宮ヶ瀬湖 2018年9月28日】
「そういや、チェーンの手入れをしないとな」と、私は家にあったバイク用のグリス使った。ついでなのでスプロケットにもグリススプレーを吹き付けた。これが失敗だった。まあ汚れること汚れること。しかもネット上を調べたところ、グリスではチェーンの結合部に浸透しないことが判った。
チェーンの手入れは「汚れを落とす」ことと「注油」の二つである。取り敢えず仕方がないので灯油で洗った。キッチンタオルだとボロボロになってしまうので穴の空いたリネンのシーツをウエス替わりにした。スプロケットは上手く掃除ができないので綿棒を使った。
注油に関してはミシン油でいいようだ。安いクリーナーを見つけたので一緒に買った。いやはやこれは凄いよ。とてつもない勢いでクリーナーが噴射され、黒々としたグリスが一瞬で落ちた。室内で行うのはかなり危険である。周囲に油が飛び散るため。更にミシン油の容器が欲しかったので安いチェーンオイルも購入した。AZ(エーゼット)様々である。チェーンは一コマに一滴ずつ注油してゆく。愛車の手入れを喜んで行わない者は自転車に乗る資格がない。月に一遍程度は手入れを行いたい。
ここのところ1週間があっという間に過ぎてゆく。そりゃそうだ。週に2回自転車に乗ったとしてもそれだけで10時間近くを費やしているのだから。私は一度に4~5時間、60~70km程度走り込む。今は体作りが中心なのでサイクリングというよりはペダリングを心掛けており、どこぞの目的地を目指すよりも一踏み一踏みのペダリングに意識を研ぎ澄ましている。
昨日は64km走った。折からの雨で山陰には冷気が漂い、水郷田名の岩盤には沢のような水がここかしこに流れていた。蝉の声はもう無い。去りゆく夏を惜しむ間もなく台風がやって来る。
【水郷田名の小さな滝 2018年9月28日】
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