3歳くらいの男の子が玄関先の地べたに座り込んでいた。「何してんの?」と訊ねると、笑いながら「すわっているの」と答えた。我々大人は常に意味を求める。だが彼は「ただ」座っていたのだった。座りながら「別の何か」をしていたのではなかった。私も隣に座るべきだった。
— 小野不一 (@fuitsuono) June 28, 2013
2013-06-28
目撃された人々 40
2013-06-26
2013-06-23
情報エントロピーとは/『シャノンの情報理論入門』高岡詠子
情報エントロピーとは、
「事前に分かっている情報がどれくらいあるかということを知るための尺度」
反対に言うと
「今、そのことについて自分がどれだけ無知かを表すための尺度」
ですから、【情報エントロピーが大きい状態】とは、
「なにか情報を得る前になにも分かっていない」
「今、そのことについて自分がなにも情報を持っていない」
ということです。つまり、
「結果の予測がつかないということであり、情報として曖昧であり、十分とはいえない」
ことを示しているのです。ということは【エントロピーが大きい状態とはこれから得る情報のありがたさが非常に大きい】ということになります。これから得る情報の期待値が高いというわけです。ですから【情報を受ける側としてエントロピーが大きい事象に関する情報はありがたい情報】なわけです。反対に【情報エントロピーが小さい】ということは、予測がしやすいことでもあり、すでに十分な情報が得られているので、これからそのことに関して情報を受け取ってもちっとも嬉しくないというわけです。 自然科学において、エントロピーというのは「システムの乱雑さの尺度」とか「偏りのほとんどない状態」とか表現されています。「体型の中の粒子の細かい多様性」「分からなさなの度合い」などとも言われており、式
S=klogW
で表されます。式の形も意味的にも、情報エントロピーと非常によく似ています。
【『シャノンの情報理論入門』高岡詠子(講談社ブルーバックス、2012年)】
すっきりしない説明だ。「情報として曖昧であり、十分とはいえない」が「情報のありがたさ」と結びつかない。つまり私が今置かれている状況は、情報エントロピーは大きいのだが本書の説明は決してありがたいものではない、ということになる。
・情報エントロピー 【 information entropy 】
・情報エントロピーとは
・情報エントロピー
・情報エントロピー 衝撃度(自己情報量)の期待値
・情報理論 - エントロピー
わからん。これだけ読んでもさっぱり理解できないよ。
・情報って何だろう?
少しだけわかったような気分だ。梅雨空の向こうに辛うじて夕焼けが覗いている。
さほど情報理論に興味があるわけではない。私が求めているのは、例えば「システィーナ礼拝堂天井画」のエントロピーであり、「マタイ受難曲」のエントロピーである。更に詩歌のエントロピーやマンダラ&マントラに至るエントロピーなのだ。
情報エントロピーが無限に大きい状態が多分「悟り」なのだろう。まだ悟っていないので、せめて期待値だけでも上げておくか(笑)。
情報理論の道を拓いたクロード・シャノンは一輪車に乗りながらジャグリングができた。なんと愛すべき人物なのだろう。
・情報理論の父クロード・シャノン/『インフォメーション 情報技術の人類史』ジェイムズ・グリック
2013-06-20
『国家破産 これから世界で起きること、ただちに日本がすべきこと』吉田繁治(PHP研究所、2011年)
2013-06-14
自民党が発信しているメッセージ
自民党が発信しているメッセージがマルチバインドすぎてわけわからん。「女も男も長時間働け」「子供作れ」「女は育休を三年取れ」「終電を気にせず働け」「日本文化を外国に売り込め」「眠らずに働けないやつは金やるから会社辞めろ」「生活保護は受けるな」「病気になるな」「死ぬな」「死ね」
— 冬樹蛉 Ray Fuyuki (@ray_fyk) June 2, 2013
2013-06-11
2013-06-10
2013-06-09
米国の無人爆撃機を操縦していた若者の回想
コンピュータースクリーンにはサーモグラフの映像が映っているんですが、そこに熱い血が広がっていくのが見えた/米国の無人爆撃機を操縦していた若者の回想が…すさまじい(TBSラジオ、北丸雄二。元はNBC) - 見えない道場本舗 d.hatena.ne.jp/gryphon/201306…
— 小野不一さん (@fuitsuono) 2013年6月9日
・北丸雄二の音声ファイル
・北丸雄二・宮台真司が語る【安倍首相がアメリカ議会で国粋主義者と呼ばれている件】
・殺人ロボット凍結、国連で討議へ 検討委開催も勧告
2013-06-08
被災小学生が発行した壁新聞/『宮城県気仙沼発! ファイト新聞』ファイト新聞社
2011年3月11日――東日本大震災は日本人の時間概念を変えた。時計が止まってしまったような感覚を覚える人も多いのではあるまいか。その後の管政権の対応を見て「ああ、日本は国家として終わったな」と私は感じた。人の命や苦しみを軽んじる国家が国家として成り立つわけがない。震災は今もなお原発問題などの形で日本を揺らしている。
五十近いオヤジが日本に愛想を尽かしていた頃、被災地の宮城県で壁新聞を発行した小学生がいた。
わたしは 手がみや えをかくことが大すきです。
パパやママにかくとよろこんでくれます。
ひなん所の人にも、あげたかったけど
かわいいびんせんがありません。
みんなしらない人だし、元気がないです。
白い、大きな かみがあったので、
新聞みたいに4コママンガや、ニュースをかいて、みなさんに、元気になってほしいとおもいました。
さいしょは吉田新聞にしよーとおもったけど
元気が出るよーに、ファイト新聞にきめました。
よんだ人から、ほめられたり、えがおではなしをしてくれたら、わたしも元気になりました。
吉田 りさ
【『宮城県気仙沼発! ファイト新聞』ファイト新聞社(河出書房新社、2011年)以下同】
偉いっ! 私はキリスト教を信じないが君こそ天使だと思うぞ。思わず頬ずりしたくなるほどだ。初代編集長のりさちゃんは当時7歳。きっと親御さんの心掛けがいいんだろうね。ファイト新聞の実物については以下を参照されよ。
・宮城県気仙沼発!ファイト新聞:河出書房新社
・こどもの日なので…気仙沼小学校体育館の「ファイト新聞」
しかし凄いよね、ネーミングが。目にした人々は心の中で「ファイト!」と読んでしまうわけだから。りさちゃんの一念が読者を通して次々と反響していったに違いない。「気合い」じゃダメだ。「根性」にも無理がある。「頑張ろう」だと暗い。どう考えても「ファイト」以外の適切な言葉が見つからない。「ファイト!」と呼び掛けられれば、「オー!」と応えるのが道理だ。「ファイト!」という文字を読めば、自然に自分が「オー!」と応じてしまう。
18日付で発行された紙面は翌日付から何とカラーになる。
昨日、えのもとかな子さまや大魔神で有名な佐々木さんなどが気小(※気仙沼小学校)に来ました。いっぱい写メをとったり、サインをもらったり、あくしゅをしたりしました!!(3月30日付)
なかなか本格的な記事である。時にはローカルねたも書かれている。
昨日の西村さん
・酒をのむ
・たくさんのむ
・さわぐ
・顔が赤い
・しつこい
・「しょせん おやじってそんなもんか」
・「○レ○チ学園」をすすめる
※酔いがさめたら ぜったいに こうかいする(4月13日付)
西村さんの赤面が目に浮かぶ。
編集部員の中には親御さんを喪った子供もいた。それでも尚、誰かのために何かを為したいという心に救われる思いがする。
君たちは多くの大人に勇気と希望を与えた。否、君たちの存在こそ希望そのものである。どうか日本を救ってください。お願いします。私は君たちについてゆきます。
子供たちの顔を見てもらいたいので大きな画像を貼りつけておく。
・大川小の行方不明者捜索自衛官に勇気を与えた小学生の手紙
マイケル・シャーマー「自己欺瞞の背後にあるパターン」
「脳の中には信用する仕組みがある」。疑似科学と擬似相関と宗教には親和性がある。相関関係を因果関係と誤読することで物語が生まれるのだ。「努力は必ず報われる」という論法も一緒だ。
・マイケル・シャーマーと疑似科学
・相関関係=因果関係ではない/『精神疾患は脳の病気か? 向精神薬の化学と虚構』エリオット・S・ヴァレンスタイン
・宗教の原型は確証バイアス/『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン
2013-06-07
目撃された人々 39
別荘地で早朝から年寄りが何人も歩いていた。ウォーキングだ。まるで健康雑誌に操られているように大きく腕を振って歩く人もいた。老人は歩く。墓場に向かって。
— 小野不一さん (@fuitsuono) 2013年6月7日
目撃された人々 38
中古ランドセル:アフガンの子の喜ぶ姿見て 写真集出版
内戦が続くアフガニスタンの子どもたちに、日本の中古ランドセルを届ける運動が今年で10年目を迎えた。ランドセルを大事にしながら勉強に励む子どもたちの姿を見てもらおうと、東京都杉並区在住の写真家、内堀タケシさん(57)が写真集「ランドセルは海を越えて」(ポプラ社、1470円)を出版した。内堀さんは「目を輝かせて喜ぶ子どもたちの姿を多くの人に見てもらいたい」と話している。
ランドセルは丈夫で、6年間使われた後も使用可能なものが多い。大手化学メーカーのクラレが、公益財団法人「ジョイセフ」(東京都新宿区)と協力し、「ボランティアとリサイクルにつながる」と2004年に運動をスタートした。ネットなどでランドセルを募集し、これまでに鉛筆やノートと一緒に10万個以上を届けてきた。
内堀さんは01年から毎年、アフガニスタンを訪れ、現地の市民生活を記録してきた。運動に携わっている知人から「送ったランドセルがどうなっているか見てきてほしい」と頼まれ、05年に東部の要衝ジャララバードを訪問。その後は自身も運動に加わり、毎年現地で子どもたちを撮り続けてきた。
写真集では、子どもたちが中古ランドセルをにこにこと見つめる様子や、軍用機が飛び交う中、「青空学級」でランドセルを机代わりに勉強する風景などを紹介している。内堀さんは「日本人にとって何でもないものが、現地の子にとっては一生の宝物になることを知ってほしい」と話している。
【毎日jp 2013-06-07】
・公式サイト
2013-06-04
青木健、天野統康、呉智英、スティーヴン・ホーキング、他
4冊挫折、3冊読了。
『古代オリエントの宗教』青木健〈あおき・たけし〉(講談社現代新書、2012年)/好著。ただ私の興味範囲ではなかった。青木は宗教学の新進気鋭。文章にもキレがある。
『世界を騙しつづける科学者たち(上)』ナオミ・オレスケス、エリック・M・コンウェイ:福岡洋一訳(楽工社、2011年)/構成が悪くスピード感を欠く。
『宇宙の起源』チン・ズアン・トゥアン:南条郁子訳(創元社「知の再発見」双書、1995年)/五十近くなると「知の再発見」双書はもう読めない。2倍の大きさにしないと無理だろう。アインシュタインの手稿あり。
『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上)』スティーグ・ラーソン:ヘレンハルメ美穂、岩澤雅利訳(早川書房、2008年/ハヤカワ文庫、2011年)/満を持して読んだのだがダメだった。翻訳の文体が肌に合わない。
19冊目『サヨナラ!操作された「お金と民主主義」 なるほど!「マネーの構造」がよーく分かった』天野統康〈あまの・もとやす〉(成甲書房、2012年)/ふざけたタイトルと成甲書房というだけで避ける人がいるに違いない。ところがどっこいマネーの本質に斬り込む良書である。時折筆が走りすぎるキライはあるものの、ファイナンシャルプランナーの強みを生かしてわかりやすい図を多用。宋鴻兵〈ソン・ホンビン〉を始めとする引用文献が説得力に磨きを掛けている。フランシス・フクヤマ著『歴史の終わり』も含まれる。信用創造に触れるのはどうやらタブーらしく、宋鴻兵〈ソン・ホンビン〉の著作はいずれも絶版となっている。岩本沙弓〈いわもと・さゆみ〉と天野統康に注目。
20冊目『つぎはぎ仏教入門』呉智英〈くれ・ともふさ〉(筑摩書房、2011年)/『知的唯仏論』を読めばやはり本書を避けては通れない。視点は面白いのだがこの人の頑迷な性格が文章に表れている。決めつけてしまえば、もう自由なものの見方はできなくなる。ま、仏教界に問いを突きつけているわけだから仏教関係者は読むべきだろう。宮崎哲弥の評価はチト甘いと思う。宮崎の知識と比べても拙劣な印象を拭えない。
21冊目『ホーキング、未来を語る』スティーヴン・ホーキング:佐藤勝彦訳(アーティストハウス、2001年/ソフトバンク文庫、2006年)/『ホーキング、宇宙を語る ビッグバンからブラックホールまで』の続篇。とにかく図が素晴らしい。図だけでも買いだ。アーティストハウス版をオススメしよう。性格が悪いことで知られるがやはりこの人の説明能力は抜きん出ている。佐藤御大の訳もこなれている。チンプンカンプンでもお経のように読めてしまうのだから凄い。で、順番からいうと本書の次にレオナルド・サスキンド著『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い』を読むといい。
2013-06-03
『歴史の終わり』フランシス・フクヤマ:渡部昇一〈わたなべ・しょういち〉訳(三笠書房、1992年/新装版、2005年)
2013-06-02
『豆腐屋の四季 ある青春の記録』松下竜一(講談社文庫、1969年/講談社文芸文庫、2009年)
2013-06-01
Kenyan High School High Jump (OFFICIAL)
若者よ跳べ。徹底して重力に抗(あらが)え。
Young Man - Mr. Israel - Kalenjin Song
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