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2021-08-11

重曹マジックでトマトが甘くなる/『「重曹+酢」で徹底おそうじ 知って得するキレイの知恵188』重曹暮らし研究会


 今、流行りの家庭菜園。もしトマトを育てるなら、ぜひ重曹を使ってみてください。害虫が近寄りにくくなり、トマトの酸度を下げてトマトの実が驚くほど甘くなります。

【『「重曹+酢」で徹底おそうじ 知って得するキレイの知恵188』重曹暮らし研究会(双葉社、2006年)】

 重曹とクエン酸で行う掃除は環境に負荷を与えないことで注目されている。「重曹は、水質汚染で問題とされるBOD・COD値がなく、環境ホルモンも含まれていないので、自然破壊を引き起こさない。また、食品添加物としても使用できるほど、人体に安全であることも売りとなっている」(Wikipedia)。

 水質汚染の原因は洗剤だ。また昔のように糞便を利用できないのは薬の成分が残っているためだ。ケミカル物質の循環についてはよくよく考慮する必要がある。

 重曹はクルマのシートやペットに振りかけて掃除をすることも可能であると紹介されている。

2020-02-26

歯磨きは朝晩の2回/『あなたの人生を変えるスウェーデン式歯みがき 1日3分・ワンタフトブラシでお口から全身が健康になる!』梅田龍弘


 ・歯磨きは朝晩の2回

『人は口から死んでいく 人生100年時代を健康に生きるコツ!』安藤正之

 歯垢は、食べてすぐにはできません。4~5時間経ってからできます。そして歯垢は、寝ている間に増えます(寝ている時には唾液の分泌が少ないからです。【唾液には殺菌抗菌作用があります】)だから【寝る前の歯みがきが一番大事で、時間をかける必要があります。】そして朝起きてすぐ(朝、口がねばつくのは細菌が増えているからです)はカンタンに。合計2回のみです。いつも食べかすが詰まる方は、必ずむし歯、歯周病になっています。

【『あなたの人生を変えるスウェーデン式歯みがき 1日3分・ワンタフトブラシでお口から全身が健康になる!』梅田龍弘〈うめだ・たつひろ〉(自由国民社、2013年)以下同】

 痛くなってから歯科医に行くのは雨漏りをしてから家の修理をするようなものだ。わかっている。わかってはいるのだが重い腰を上げるためには痛みに背中を押してもらう必要がある。歯周病と診断されたのは去年のことだ。私は潔く老人に仲間入りすることを決意した。痛む歯についてはややこしい説明を聞きながら、二つ三つの質問をして、「要は前の修理が手抜きってこと?」と訊くと、「手抜きではないのだが後のことを考えてないのは確かだ」という返答だった。

 歯科助手が歯磨きの仕方を教えようとした。「知ってるよ。小刻みに動かすんでしょ」。中年の歯科助手がマスク越しに微笑んだ。帰宅して直ぐ本書を取り寄せた。読書とは思考を上書きする行為だ。やり慣れた行動を変えることで私の可能性は広がることだろう。たとえそれが小刻みな幅であったとしても。

 食後の歯磨きは唾液の分泌を阻害するのでやめた方がいい。子供の頃、小さな傷を舐めた経験は誰にでもあるだろう。我々は本能で唾液に殺菌作用があることを知っているのだ。歯の内側が虫歯になりにくいのも唾液と接触しているためだ。

【なぜ「95%歯垢を取る除菌治療」で口呼吸が治る・鼻が通るのか?
 ――それは患者さんが教えてくれた】
 口と鼻は、すごく近い距離にあります。【口腔内の細菌(歯垢)が鼻粘膜に炎症をもたらしているのです。
 これが治ると必ず免疫力が上がります。】鼻が詰まっている(鼻炎がある)方の口の中を見てください。必ず歯垢だらけで、むし歯、歯周病になっています。

「口呼吸の人は猫背になる」とも書かれている。無呼吸症候群以外にも口呼吸の原因があったとは驚いた。鼻毛というフィルターを通さないのだから口呼吸が不健康なのは容易に想像できるだろう。更に口が乾くことで雑菌が繁殖しやすくなる。

 私の歯磨きはほぼ完璧となった。定期検診でも褒められている。歯と歯茎の間を磨くのがコツだ。歯茎の隙間に突っ込んでも構わない。丁寧に磨いてゆくと隙間がなくなる。尚、歯ブラシはありふれた柔らかめのデンタル歯ブラシ一択だ。先細である必要はない。



2020-02-16

いい急須とは/『日本茶の基本』


高血圧にプーアル茶

 ・いい急須とは

「いい急須とは、柄や注ぎ口が短くて軽いこと。形は平丸型が理想的です。茶葉が急須の中でよく動き、香りも味もやわらかいお茶になるんです」(岡本直也)

【『日本茶の基本』(エイ出版社、2011年)以下同】

 インスタントコーヒーを飲み過ぎて胸がむかついた。喫煙者はコーヒーを愛用するが如何せん体を冷ます作用がある。煎茶も体を冷ますようだがコーヒーよりは体に優しい。何と言っても口中がすっきりする。

 ルイボスティーと紅茶を飲んでみた。ま、決して悪くはない。安物なので香りは乏しいが温度が下がると食事にも合う。「世界!ニッポン行きたい人応援団」で日本茶を愛好する若者が登場した。彼は鉄瓶の効果まで知っていた。ふと、大東亜戦争末期に倒れつつあった兵士たちが日本茶を懐かしむエピソードが思い出された。早速、パック入りの緑茶を買ってきた。

 横手型急須は、世界で日本と韓国だけにしかない。中国から伝わった急須が、畳文化の生活様式に合わせて発展。現在は左利き用も。

 やはり餅は餅屋である。たった今気づいたのだが横手形急須でお茶を注ぐのが回内運動だ(『基礎からのバドミントン』中田稔監修)。

 前半はいいのだが後半との構成がちぐはぐで編集がまずい。興味のある人は図書館で借りればいいだろう。

2020-01-06

巧妙な脅し文句/『コミック版 たった1分で人生が変わる片づけの習慣』小松易


『「捨てる!」技術』 辰巳渚
『人生がときめく片づけの魔法』近藤麻理恵

 ・巧妙な脅し文句

『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』小松易
・『たった1分で人生が変わる片づけの習慣 実践編』小松易
『大丈夫!すべて思い通り。 一瞬で現実が変わる無意識のつかいかた』Honami
『人生を掃除する人しない人』桜井章一、鍵山秀三郎
『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』佐々木典士
『手ぶらで生きる。 見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法』ミニマリストしぶ

 片づけられないと生活だけでなく、心も体もうまくいかずに「詰まって」しまうのです。

 玄関が片づいていなければ、新しい出会いやチャンスに恵まれません。
 キッチンが片づいていなければ、余計な出費が多くなり食生活も安定しません。
 仕事場が片づいていなければ、残業が多いわりに良い仕事ができません。
 本棚が片づいていなければ、本当に欲しい情報がすぐに得られません……。

 片づけられないせいでうまくいっていない人生は、どんどん「負のスパイラル」に陥ります。その結果、さらに仕事や生活で失敗が続いたりします。

【『コミック版 たった1分で人生が変わる片づけの習慣』原作:小松易〈こまつ・やすし〉、脚本:青木健生、マンガ:小田ピンチ(KADOKAWA、2015年)】

 それは、ない。ただし人生が順調でない人はこの言葉を真に受けてしまうことだろう。巧妙な脅し文句である。

「コミック版」となっているが、マンガ+テキストなので活字が苦手な人はこちらを読むといいだろう。マンガの出来栄えは決してよくないが、内容はしっかりと踏襲している。

 ブッダの弟子で最も愚かなチューラパンタカ(周梨槃特)は拭き掃除で悟りを開いた。

 掃除という単純作業には、目の前のことだけに打ち込むという美点がある。最小限の努力で最大限の成果を得られる、進み続けるべき正道だ。

【『あなたに不利な証拠として』ローリー・リン・ドラモンド:駒月雅子訳(ハヤカワ・ポケット・ミステリ、2006年/ハヤカワ文庫、2008年】

 乱雑な部屋は風の通りが悪い。これが気に影響を与えることは理解できよう。神道のお祓(はら)いも埃(ほこり)のように積み重なった罪や穢(けが)れを払う営みだ。汚れは穢れに通じる。

 掃除をすれば気持ちがいい。これは真理である。気持ちがいいから掃除をするのだ。それでいい。

2020-01-05

モノが少ないほど人生は充実する/『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』小松易


『「捨てる!」技術』 辰巳渚
『人生がときめく片づけの魔法』近藤麻理恵
『コミック版 たった1分で人生が変わる片づけの習慣』小松易

 ・モノが少ないほど人生は充実する

・『たった1分で人生が変わる片づけの習慣 実践編』小松易
『大丈夫!すべて思い通り。 一瞬で現実が変わる無意識のつかいかた』Honami
『人生を掃除する人しない人』桜井章一、鍵山秀三郎
『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』佐々木典士
『手ぶらで生きる。 見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法』ミニマリストしぶ

必読書リストその一

 片づけるということは、過去に経験したことや体験したことに【「かたをつける」】ということです。過去に「かたをつける」と現在の自分が変わり、「自分の思い描いている未来」を手に入れることができるようになります。

 片づけは、あなたが思い描いている人生を実現させることのできる身近な方法です。片づけができている人とできていない人の差は徐々に広がっていきます。

【『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』小松易〈こまつ・やすし〉(中経出版、2009年/中経の文庫、2012年)】

 掃除が苦手である。もちろん全くしないわけではないが収納の仕方に戸惑い、考えながらも後回しにすることが殆どである。致命的なのは縦方向への意識を完全に欠いていることだ。引っ越した時の段ボールでまだ解いてないのがいくつもある。たぶん化石になっているか、ひょっとすると石油になっているかもしれない。

 200×60cmのパソコンデスクはマウスを動かすのも難儀するほど散乱しており、二つの観葉植物が机から落ちるのは時間の問題と思われる。当然ではあるが拭くことができない。っていうか拭くほどのスペースが残っていない。小ぶりのゴキブリにとっては逃げやすいジャングルと化し、壁に這い上がってくるのを待たねばならない。

 更に私は洗濯物を畳むのを省略する。「どうせ着るんだから畳もうが畳むまいが一緒だろ?」との言いわけが、いつしか確固たる信念となってしまった。でもって出番の少ない物は時折踏んづけてしまい、何度も踏んでいるうちにカンピョウや切り干し大根のような姿に朽ち果てる。

「片づけができている人とできていない人の差」は簡単明瞭だ。できている人は労力と時間が少なくて済む。そりゃそうだよ、だってきれいなんだからね。

 近藤麻理恵よりも文章が巧みで抽象度も高いため必読書を入れ替えた次第である。

「何を捨て」「何を残すか」で人生は決まる

 古本屋にとっては頂門の一針にしたいフレーズである。

 片づけないと「モノ」「スペース」「ヒト」が死んでしまう

 これは古本屋の常識。

 モノが少ないほど、人生は豊かで幸せで充実する

 出家僧が持つことを許されるのは三衣一鉢(さんねいっぱつ)とされる。私は今まで「最低限の所持品」と考えてきたが、「豊かな生のスペースを広げるための小道具」と思い直した。

 日本人が漂泊に対する憧れを抱くのも、物の豊かさが不幸につながることを心のどこかで自覚しているためか。工業製品は製造過程で原材料を必要とし、熱で加工するため必ず環境に負荷を与える。人類が最も森林を破壊したのは製鉄のためであり、硬貨の鋳造が更に拍車をかけた。つまり鉄(かね)とカネだ。

 時代を近代へと押し上げたのはイギリスの産業革命だが、同時に金融革命(ユダヤ資本の確立)・メディア革命(新聞~ラジオ)が起こったことも見逃せない。資本主義経済が高度に発達することで、それまでは欧州内部にとどまっていた戦争が世界に拡散され、やがて二度の大戦へとつながるのである。

「モノが少ないほど人生は充実する」のは真実だろう。ただし、「軍事力が少ないほど国家は侵略される」事実をどう考えるべきか。

2019-11-02

本物の野菜は腐らずに枯れる/『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか


『日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら』北野幸伯
・『日本の生き筋 家族大切主義が日本を救う』北野幸伯
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る』島泰三
『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子
『タネが危ない』野口勲

 ・無肥料栽培
 ・本物の野菜は腐らずに枯れる

『食は土にあり 永田農法の原点』永田照喜治
『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』ゲイブ・ブラウン
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

 野菜であっても、自分の役割を終え、次の世代に命をリレーするのであれば、自らが持っている栄養素である窒素やミネラルを水分とともに排出し、【枯れて】いくはずです。枯れてしまえば、植物は腐敗することはありません。野菜ももちろん同じです。腐敗せず、枯れていくのが自然界の掟なのです。
 しかし、なぜか野菜だけはキッチンで腐敗していく姿をよく見ます。これは大変不自然なことです。空気中にある真菌が野菜に付着し、黴が増え、腐敗臭を発しながら朽ちていくのは、実は不自然なのです。腐敗する原因はいったい何なのか。僕もこのことを色々と考えてきました。これに関しては、これぞ正解という答えはなかなか存在しません。でも、そのなかでもいくつか推測できることはあります。
 ひとつは水分量でしょう。水分量が多すぎると野菜は腐敗してしまいます。生ゴミが腐敗するのも水が原因です。水や湿気が真菌を増殖させるからです。ではなぜ水分量が多いのか。それはおそらく、化学肥料を吸収する時に、水分を一緒に吸収しているからではないかと想像しています。本来ならば、菌根菌が土壌中の必須(ひっす)元素を植物へと橋渡しするのですが、水に溶けた化学肥料は、水とともに植物のなかに侵入し、自由水を増やしてしまうのです。簡単に言えば水膨れです。それが腐敗への引き金になります。
 他にも、微生物バランスの狂いがあるのではないかと想像しています。特に未発行の家畜排せつ物を使用した肥料の場合、そのなかに棲む微生物は、決して自然界の森や林のなかの微生物バランスとは同じではありません。未発酵有機物や、化学薬品等を分解しようと、自然界ではあまり増えることのない微生物が増えている可能性があります。そうしたバランスの崩れた微生物群によって、想定外の腐敗へと進んでいきます。本来なら動物の排せつ物を朽ちらせ、分解する強い菌が、植物とうい緩(ゆる)やかな分解を好む有機物に取り付いて、通常の分解とは違った、腐敗という方向へと進んでいくのであろうと思います。

【『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか(フォレスト出版、2016年)】

 巻頭にカラー写真が配されている。その衝撃が本書を読む推進力となる。私は半世紀以上生きてきたが「枯れた野菜」を見たことがない。「実(み)は腐るもの」と思い込んでいた。この世界は腐敗と防腐剤の二色だけではなかった。ふと木乃伊(みいら)を思った。死を前にして食が細くなってゆくのも自然の摂理にかなっているのだろう。



 防腐剤は微生物を拒む文化といえよう。我々の味覚は既に腐敗を感知し得なくなっている可能性すらある。「鼻が利く」との言い回しはあっても実際は最も退化した感覚が嗅覚なのだ。感度の低い味蕾(みらい)が防腐剤や食品添加物を浴びてどんどん鈍くなってゆく。それどころか食品会社によって合成された味の刺激を好み、自然本来の味では物足りなさを覚えるようになってきた。

 私が子供の時分はまだ栗やクルミを取って食べていた。幼馴染の家にサクランボの大木があり、皆で登って枝に腰を掛けながら舌鼓を打った。上京してからは職人に食べさせてもらった銀杏(ぎんなん)やイチジクの味が忘れられない。イチョウの樹は工場の前にあり、イチジクは近隣のパチンコ店の駐車場からもぎ取ってきたものだった。

 腐敗を止める文明は正しいのだろうか? 老いて枯れるような生き方をすることが可能だろうか? そんなことを思わされる読書体験であった。



野菜の栄養素が激減している/『その調理、9割の栄養捨ててます!』東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修

2019-10-31

無肥料栽培/『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか


『日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら』北野幸伯
・『日本の生き筋 家族大切主義が日本を救う』北野幸伯
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る』島泰三
『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子
『タネが危ない』野口勲

 ・無肥料栽培
 ・本物の野菜は腐らずに枯れる

『食は土にあり 永田農法の原点』永田照喜治
『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』ゲイブ・ブラウン
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

 僕は農作物を栽培することを生業のひとつとしています。僕の農法は、一般的には認知されていない無肥料栽培というものです。一見聞き慣れない無肥料栽培という言葉ですが、最近で言うところの自然農法とか自然栽培と呼ばれる農法が、無肥料栽培にあたります。無肥料栽培という言葉だけですと、化学肥料を使用せず、家畜排せつ物から製造した有機肥料を使用していると思われる方もいるようですが、僕は有機肥料を使用することもありません。
 自然農法や自然栽培という農法には、本来、定義というものはありませんが、広義では、無肥料、無農薬、無除草の栽培方法を指します。さらに不耕起、つまり畑を耕さない農法を自然農法と呼ぶことが多いと思います。

【『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか(フォレスト出版、2016年)】

 タイトルが命令形で、冒頭から「僕が、僕が」と書いてあるのを見ると「我こそは正義なり」との思い込みが見えてウンザリさせられる。つまみ食い程度の読書で済まそうと思いながらも最後まで読んでしまった。読ませられたと言ってよい。無農薬は聞いたことがあるが無肥料・無除草は初耳だ。

 普通に考えれば、野菜や穀物に肥料を与えることによって、作物は元気に育ち、健康にもなるという認識だと思います。人間も食事によって栄養をしっかり摂っていれば、病気になることは少ないでしょう。それは決して間違ってはいません。
 しかし、僕は無肥料栽培を始めて以来、その常識に疑問を感じはじめました。
 なぜかといえば、作物に肥料を与えるのを止めると、作物の病気や虫食いがどんどん減っていったからです。

 よく考えると別に不思議な話ではない。そもそも現在ある野菜は長い歴史を生き抜いてきた果てに存在するわけで、自然界に存在していた時は肥料や除草という人為は加えられていない。また移動できない植物は毒を発することで外敵から身を守ってきたのだ。調理の灰汁(あく)抜きとはその毒を除去する意味がある。

 土のなかの微生物は生き物ですから、当然食べものが必要です。それが、本来、草の根っこや枯れた草等です。作物の根っこ以外、草という草の根っこや落ち葉や枯草がなくなるので、微生物たちの餌(えさ)が足りなくなります。食べもののないところに生物が棲(す)むことはありません。そのため、微生物たちも立ち去っていってしまうのです。(中略)
 土壌中の微生物というのは、人間の腸内細菌と同じだと考えてもらっていいでしょう。土壌から微生物がいなくなると、植物は土の栄養を使えなくなります。なぜなら、植物は土壌中の微生物、特に菌根菌(きんこんきん)という菌の力を借りて、土壌中の栄養を取り込んでいるからです。

 つまり現代の野菜は狭い鶏舎に閉じ込められたブロイラーのような状態なのだろう。たとえ有機肥料であったとしても土壌中の微生物バランスは大きく変わってしまうという。

 人体もまた微生物との共生で成り立っている。腸管内だけで4000種、100兆個もの微生物が存在する。この腸内細菌なくして我々は生きてゆくことができない。

 土壌から微生物がいなくなってヒトの腸内環境も一変したのだろう。そして便利なテクノロジーが生活習慣病を生んだ。既に我々は本物の野菜を知らないのだ。

 具体的な土作りも書かれており、家庭菜園やプランターで野菜を育てている人は必読である。

2019-03-03

タンパク質と鉄分を摂り、糖質を控える/『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美


『精神疾患は脳の病気か? 向精神薬の化学と虚構』エリオット・S・ヴァレンスタイン
『〈正常〉を救え 精神医学を混乱させるDSM-5への警告』アレン・フランセス
『クレイジー・ライク・アメリカ 心の病はいかに輸出されたか』イーサン・ウォッターズ
『コレステロール 嘘とプロパガンダ』ミッシェル・ド・ロルジュリル
『身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法』べッセル・ヴァン・デア・コーク

 ・タンパク質と鉄分を摂り、糖質を控える

『心と体を強くする! メガビタミン健康法』藤川徳美
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』溝口徹
『食事で治す心の病 心・脳・栄養――新しい医学の潮流』大沢博
『オーソモレキュラー医学入門』エイブラハム・ホッファー、アンドリュー・W・ソウル
・『自律神経どこでもリセット! ずぼらヨガ』崎田ミナ、福永伴子監修

「増やす編」のトップバッターはタンパク質を含む食品です。タンパク質の英語 Protein (プロテイン)は、ギリシャ語の「第一となるもの」に由来しています。いってみれば、生命活動の第一人者、まずもって増やす必要がある栄養素です。

【『うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!』藤川徳美〈ふじかわ・とくみ〉(方丈社、2018年)以下同】

 厚生労働省は22日、65歳以上の高齢者が1日に摂取するたんぱく質の目標量を引き上げる食品摂取基準に関する報告書案を示した。「フレイル」(虚弱)の発症予防を目的とした場合、65歳以上の高齢者は体重1キログラム当たり少なくとも1グラム以上のたんぱく質の摂取が望ましいとした。体重50キログラムの人ならば1日50グラム以上となる(日本経済新聞電子版 2019年2月22日)。

 たまたまプロテインに興味を持ち、あれこれ情報収集している時に見つけた書籍である。私の場合、今のところうつ病とは無縁である。基本的に精神的な落ち込みを感じることがほぼない。元々幼い頃から自己評価がそれほど高くないので軽んじられたところで「ま、仕方ないか」という程度に受け止めている。更に多少の修羅場をくぐり抜けてきたこともあり少々の苦労なら「これくらいはどうにでもなる」という心の余裕がある。ついでに言っておくと私には「寂しい」という感情が欠落している。30代で6人の後輩を喪った時に涙が涸(か)れ果ててしまった。

 そんな私ですら読んでいるのだから、うつ病あるいは気質のある人は直ちに実践するべきだ。食生活を変えるだけで精神疾患を乗り越えられるとすればこんな安上がりな方法はない。

 必須アミノ酸は、9種類のうち一つでも必要量に満たないものがあると、もっとも少ないアミノ酸に準じた量しかタンパク質がつくられません。偏って多量に摂取したアミノ酸は、すべて無駄になってしまうのです。
 このしくみは「桶の理論」として知られています。


 タンパク質はアミノ酸でできている。「桶の理論」は初耳であった。このように食事のバランスを具体的に指摘されると実に説得力がある。以下のアミノ酸スコアを冷蔵庫に貼っておくとよい。


 日本女性が鉄不足になる原因は食生活です。土壌のミネラルが減少したため、農作物から摂れる鉄分も減少してしまいました。
 一方、他国の女性、特に欧米の女性は日本女性のような鉄不足はありません。欧米では、鉄分を含む肉を日本人の3倍ほど食べます。また、欧米を中心とした50カ国以上の国では、小麦粉にあらかじめ鉄が添加されるなどの鉄補給対策がなされています。その理由は、1940年代に鉄欠乏性貧血が多く発症し、その対応に困ったという時代があったのです。この対策のおかげで、鉄不足の頻度は減少したということです。
 米国、英国、カナダ、トルコ、タイ、スリランカなどの国々で、同様の鉄不足対策がとられており、メキシコではとうもろこし粉、モロッコでは塩、フィリピンでは米、中国ではしょう油、東南アジア諸国ではナンプラーに、鉄が添加されています。

 そこはかとなく陰謀の臭(にお)いが漂ってくる。やがて訪れる高齢化社会の問題が介護であることを有吉佐和子が指摘したのは1972年のことであった(『恍惚の人』新潮社)。女性解放を謳(うた)ったウーマンリブ運動(1960年代後半から1970年代前半)をバックアップし資金提供したのはロックフェラー財団である。その目的は納税者を増やすことと、子供の教育を母親の手から学校に奪い家族を破壊することであった。これはアーロン・ルッソ監督が直接聞いた話として公言している。

 女性のための鉄分対策すら行おうとしない国家は何らかの意志で人口減少を目指しているのだろう。日本は食品に関する規制が甘くマーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸も野放し状態である。「我が家はバターだから大丈夫」というのは通用しない。飲食店や菓子類に含まれるマーガリンを避けることは不可能だ。

 よくよく振り返ってみよう。この国は自殺、交通事故死、拉致被害を漫然と見過ごし、古きよき会社制度を破壊して短期間で低賃金労働者という階層をつくることに成功した。主要上場企業の株式は外国資本に買い漁られ、会社は株主のものとなり、社長がべら棒な報酬をせしめ、従業員と家族は蔑(ないがし)ろにされてしまった。

 家族や会社内の関係性が断絶された頃から人権の名の下にステレオタイプの正義が先進国で声高に叫ばれるようになった。このポリティカル・コレクトネスを西尾幹二は「衛生思想」であり「消毒の思想」と喝破している(『国家と謝罪 対日戦争の跫音が聞こえる』2007年)。

 国家が国民を守る時代は終わった。自ら知恵を尽くして我が身を守れ。

2016-10-24

ストレッチで腰痛解消/『自分で治せる!腰痛改善マニュアル』ロビン・マッケンジー


 ・ストレッチで腰痛解消

『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』
サルコペニア肥満を恐れよ
『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』橋本馨
『5分間背骨ゆらしで体じゅうの痛みが消える 自然治癒力に火をつけて、首・肩・腰痛・ひざ痛を解消!』上原宏

 かつては腰痛や首の痛みに対しては、カイロプラクターやオステオパス(欧米の徒手療法士)による脊椎の徒手矯正がもっとも一般的な治療法であり、20世紀中ごろから理学療法士も徒手的脊椎矯正を活用するようになってきました。手による治療・徒手的脊椎矯正を主な治療手段として用いているのは、現在ではこの3つの職種です。
 しかし、ここ10年くらいの研究で、徒手的脊椎矯正の効果はあまりないことが明らかになっています(Koes の研究、1991年、1996年)。
 徒手療法は受け身の治療法で、患者の依存心を作り出してしまうことからも医療における価値は低下しています。現在注目されているのは、運動や姿勢の矯正で、これらは問題を自己管理し、治療の専門家からの自立を促してくれます。
 普通の腰痛であれば、約80パーセントの人たちは自分で矯正を行うことができ、専門家による脊椎矯正が必要な人は10パーセント程度にすぎません。

【『自分で治せる!腰痛改善マニュアル』ロビン・マッケンジー:銅冶英雄〈どうや・ひでお〉、岩貞吉寛〈いわさだ・よしひろ〉訳(実業之日本社、2009年)以下同】

 私の場合、48歳になってから明らかに体のバランスが崩れ始めた。最初に現れたのは肩凝りであった。これはネット情報を調べて1週間で治した。そして昨年、ぎっくり腰になった。前屈みにならないと歩くこともできなかった。腰痛は人類の業病である。先進国では国民の7割が腰痛になるといわれている。やはり座る時間が長いことと、その姿勢に問題があるのだろう。「ヒトがまだ二足歩行に慣れていないため」とする説まであると柔道整復師が語っていた。一番重い頭が上にあるってのが、そもそも間違いの元だ。

オステオパシーは効果がある。足の痛みがなくなった」と近所のご婦人から聞いたことがある。初耳だったのでテレパシーを使ったインチキ宗教かと勘違いした。オステオパシーは体を全体的に捉える手技療法である。

 著者のロビン・マッケンジーは理学療法士で、ある失敗からマッケンジー・エクササイズが生まれた。「徒手療法は受け身の治療法で、患者の依存心を作り出してしまう」という指摘には本音が滲み出ているように思う。

 ぎっくり腰二日目に私は38冊の書籍をピックアップした。その1冊目が本書で実に運がよかった。

 悪い姿勢が習慣となってしまっており、それが腰痛の原因となっていることに気づかなければ、根本的に解決するための方法がわからないということですから、一生腰痛から逃れられません。

 人は概念の中で生きている。ブレイクスルーとは自分の既成概念を打ち破ることを意味する。私は腰痛のメカニズムを解明し、腰痛博士となって腰痛に悩む人々を救うことを決意した。

 何分か一定の姿勢のままで座っていると、腰の筋肉は疲れてゆるんできます。
 すると体が椅子(いす)に沈んで、猫背になります。この猫背の姿勢で長時間座り続けると、靭帯(じんたい)が引き伸ばされて痛みが出てくるのです。猫背が習慣になり多くの時間を過ごすようになると、椎間板のゆがみを引き起こし、座っていなくても痛みを感じるようになります。
 事務仕事をしている人は、何時間も背中を丸めて座っているため腰痛になりやすく、姿勢を改めなければ、徐々に腰痛が悪化していくでしょう。

 つまり腰痛は「姿勢を改めよ」というサインなのだ。

 私の腰痛はマッケンジー法で解消した。同時に腰痛対策として一本歯下駄を購入した。こちらは大腰筋を鍛えるためである。どちらも効果はあったと思われるが、ストレッチを行ってから痛みは減少した。

 やり方は簡単である。俯(うつぶ)せになり、最初は肘をついて上体を起こす。そう、スフィンクスと同じ姿勢である。次に腕を伸ばして上体を反らす。主要なストレッチはこれだけである。あまりにも簡単すぎてやる気が起こらないと思うので、やはり本を買うべきだ。具体的なメソッド(方法)よりも概念を変えることが重要なのだ。

 以来、腰痛に悩まされることはなくなった。私の姿勢は正しい(←自慢)。

2016-07-23

修行としての掃除/『人生がときめく片づけの魔法』近藤麻理恵


『「捨てる!」技術』 辰巳渚
・『1週間で8割捨てる技術』筆子

 ・修行としての掃除

『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』小松易
『大丈夫!すべて思い通り。 一瞬で現実が変わる無意識のつかいかた』Honami
『人生を掃除する人しない人』桜井章一、鍵山秀三郎
『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』佐々木典士
『手ぶらで生きる。 見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法』ミニマリストしぶ

 このように、私自身が片づけについて真剣に向き合ってきた経験と、たくさんの「片づけられなかった人」たちを「片づけられる人」に導いてきた経験から、自信を持っていえることが一つあります。それは、【家の中を劇的に片づけると、その人の考え方や生き方、そして人生までが劇的に変わってしまう】ということです。

【『人生がときめく片づけの魔法』近藤麻理恵〈こんどう・まりえ〉(サンマーク出版、2010年/河出書房新社改訂版、2019年)以下同】

「そんな馬鹿な……」と思う人は掃除をしない。「そうなのか!」と受け止めた人は直ちに掃除を開始する。コンマリを「一時的にテレビで持てはやされた女だろ?」などと侮ってはならない。幼い頃から好きだった片づけで大学時代に起業し、2015年のアメリカ『TIME』誌で「世界で最も影響力のある100人」に村上春樹と共に選ばれたのである(近藤麻理恵さんってどんな人 TIME誌「世界で最も影響力のある100人」に選ばれる)。「芸は身を助く」を極めた人生といってよい。アメリカでも100万部を超えるベストセラーとなり、「ときめき片づけ法を使って片づけを実践することを“Komaring”“Kondoing”と表現するワードも浸透しているという」(「片づけで人生がときめく」で世界600万部超の大ヒット、その理由とは)。まるで「パレアナ現象」だ。

 では、なぜ家の中を片づけると、このように考え方や生き方が、つまりはその人の人生までもが変わってしまうと思いますか。
(中略)【ひと言でいうと、片づけをしたことで「過去に片をつけた」から。その結果、人生で何が必要で何がいらないか、何をやるべきで何をやめるべきかが、はっきりとわかるようになるのです。】

 近藤の「片をつける」という発想が、桜井章一の「間に合う」(『運に選ばれる人 選ばれない人』)を思わせる。一つひとつ小さな決着をつけてゆくことが、大きな判断を確かなものとするのだろう。

 片づけは目に見える形で必ず結果が表れます。【片づけはウソをつきません】。だから、私がお伝えしている片づけの極意は、【「片づけの習慣を少しずつつける」のではなく、「一気に片をつけることで、意識の変化を劇的に起こす」】ことにあります。

「塵も積もれば山となる」というが実際にできた山はない。地殻変動がマグマを噴火させることで山は生まれる。劇的な変化は一瞬で決まる。心の底にはヘドロが堆積している。怠惰という名のヘドロが。それを一掃することから掃除は始まる。

【「片づけは祭りです。片づけを毎日してはいけません」】

 蓋(けだ)し名言である。

【驚かれるかもしれませんが、私は自分の部屋の片づけを今ではまったくしていません。なぜなら、すでに片づいているからです】。

 掃除は修行なのだ。「行(ぎょう)を修める」とは行為を正しくする・整えることである。修行とは何かを単純に繰り返すことではない。心構え次第では日常生活の全てが修行となる。

【片づけを真剣にしていると、瞑想状態とまではいかないまでも、自分と静かに向き合う感覚になっていくことがあります。自分の持ちモノに対して、一つひとつときめくか、どう感じるか、ていねいに向き合っていく作業は、まさにモノを通しての自分との対話だからです】。

 ブッダの弟子にチューラ・パンタカ(周利槃特)がいる。双子の兄のマハー・パンタカは頭脳明晰であったが、チューラ・パンタカは愚かで3ヶ月かかっても一偈を暗誦することができない。自分の名前すら覚えられなかったとの説まで伝わる。出産の時刻が兄と隔たっているようなので何らかの障碍(しょうがい)があった可能性も高い。

 兄に連れられて出家したものの、あまりの愚かさゆえに弟を哀れんだ兄が還俗(げんぞく)を命じた。それを聞いたブッダがチューラ・パンタカを訪ねる。ブッダは1枚の布を渡し、心を込めて「塵や垢を除け」と唱えて掃除をすることを教えた。やがてチューラ・パンタカは「清浄な布が汚れていく」事実をありありと見て諸行無常を悟る。掃除はまさしく修行であった。(「悟りを開いた人たち A・スマナサーラ長老」を参照した)

 はたきを使っていると私の頭では「お祓(はら)い」の文字が明滅する。清浄・浄化を目指すのが宗教であれば、掃除が悟りにつながることは決して不思議ではない。「婦」の字も白川静によれば、「『帚』(ほうき)を持って宗廟(そうびょう)を清めるという大切な役割をする女」という字義がある(第21回 人の形から生まれた文字 5 女の人の姿 2「婦」 主婦が掃除する廟)。

 掃除は聖と俗を往来する道なのだろう。取り敢えず現段階では自分の部屋を振り返ることはしない。


2015-07-21

筋肉と免疫力/『「食べない」健康法 』石原結實


『「塩」をしっかり摂れば、病気は治る 病気の因を断つクスリ不要の治療法』石原結實

 ・筋肉と免疫力

 なぜ筋肉を鍛えるのかって? 筋肉を鍛えることは、体のあらゆる部分の健康を効率良く維持してくれるからです。
 筋肉は、男性で45%、女性で36%と、人間の体重の4割前後を占めています。さらに、筋肉の75%以上が下半身についています。ですから、下半身の運動をするのが最も効率が良いのです。
 また、筋肉を動かすと体温が上がります。体温が1度上がると免疫力が5倍になります。一方、体温が1度下がると免疫力が30数%下がります。
 他にもいいことはたくさんあります。筋肉を動かすと血管が拡張したり、収縮します。これにより心臓の働きが助けられて、循環器、高血圧、心臓系の疾病の予防になります。筋肉を動かすと骨も強化されるので、骨粗しょう症の予防にもなります。
 さらに、筋肉の細胞から男性ホルモンが分泌されるから、自信が出てきてうつ病にも効果的です。その上、脳の血流が活発になって記憶中枢をつかさどる海馬を刺激し、認知症の予防にもなるのです。(『日刊ゲンダイ』2006年10月6日掲載)

【『「食べない」健康法 』石原結實〈いしはら・ゆうみ〉(東洋経済新報社、2008年/PHP文庫、2012年)以下同】

 石原結實は学生時代にパワーリフティングの経験があり、九州大会で優勝したこともある。本書は「一日一食健康法」を広く世に知らしめた一冊だ。

 私は48歳の時に生まれて初めて肩凝りとなった。床に積み上げている本につまづくようになったのが一つの兆候であったと思う。体のバランスが崩れ始めたのだ。で、つい最近はぎっくり腰をやったばかりだ。若い頃にスポーツをやっていた自信が裏目に出た格好だ。反射神経はそれほど衰えていないのだが、きっと体幹が歪んでいるのだろう。パソコンに向かう姿勢も決してよくはない。

 40代も後半になると健康診断でも何かと引っかかるようになってくる。いわゆる生活習慣病の要素が顕著になってくるのだ。ま、そんなわけで自然と健康情報に目が止まってしまう。まったく嫌なこったよ(笑)。

「食べない」ことが体にいいのは知っていた。アンドルー・ワイル著『癒す心、治る力 自発的治癒とはなにか』(上野圭一訳、角川文庫ソフィア、1998年)に絶食の効用が書かれていた。週に一度の絶食を勧めている。ただし古本屋を侮っては困る。アンドルー・ワイルや石原結實に科学性を認めることはできない。

「一日一食は体によい」との経験則に石原は後から理窟(りくつ)を加えたのだろう。物語としては実によくできている。で、私もその物語に乗ってみせたまでだ。

 本書を読み、私は直ぐさま一日一食に取り組んだ。善は急げである。効果はみるみるうちに現れた。まず体重が減った。体重が減ると意識が鮮明になる。当然、体の動きにもキレが出てくる。私の場合、休日に限っては好きなものを好きなだけ食べているが、翌日にはすっかり出てゆく。抗い難い空腹に苛まれた時はチョコレートや黒糖を投入する。一時は80kgを超えた体重も現在は70kgを切っている。もう少し落とせば20代の頃と変わりがない。

 食事は、朝食は人参ジュース2杯と生姜紅茶1杯、昼食も生姜紅茶だけです。夕食は、たこ刺しを食べながらビールを飲んで、ご飯にみそ汁、納豆、明太子、イカの炒め物などを食べる。毎日これだけ。肉も魚も卵も牛乳もとりませんけれど、こんなに元気。全身筋肉質でゼイ肉はありません。90歳までこの生活を続けるつもりです。

 石原式一日一食はこれが基本である。人参は有機栽培のもの。生姜はチューブ入りの練り生姜でも構わない。ちょっと調べてみたところ、生姜パウダーがいいようだ。

 このあたりは神経質になることもあるまい。私はやっていない。一つだけ注意点を挙げるとタンパク質不足になりがちなので、納豆・豆腐・チーズ・ヨーグルトなどは意識的に摂るようにするべきだ。私は毎朝、ヨーグルトにシリアルを入れて食べている。厳密にいえば一日一食半だが、頗る体調はよい。



癌治療の光明 ゲルソン療法/『ガン食事療法全書』マックス・ゲルソン

2014-06-20

視力回復のトレーニング方法


 今日、免許証更新に行ってきたが、このトレーニングのおかげで眼鏡使用を免れた。



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