・『天空の舟 小説・伊尹伝』宮城谷昌光
・『太公望』宮城谷昌光
・『管仲』宮城谷昌光
・『重耳』宮城谷昌光
・『介子推』宮城谷昌光
・『沙中の回廊』宮城谷昌光
・『晏子』宮城谷昌光
・『子産』宮城谷昌光
・術と法の違い
・策と術は時を短縮
・人生の転機は明日にもある
・天下を問う
・傑人
・明るい言葉
・孫子の兵法
・孫子の兵法 その二
・人の言葉はいかなる財宝にもまさる
・『孟嘗君』宮城谷昌光
・『楽毅』宮城谷昌光
・『青雲はるかに』宮城谷昌光
・『奇貨居くべし』宮城谷昌光
・『香乱記』宮城谷昌光
・『草原の風』宮城谷昌光
・『三国志』宮城谷昌光
・『劉邦』宮城谷昌光
「たしかにいま子胥(ししょ)どのは流浪(るろう)の人ですが、やがて天下に大きな問いかけをなさる人であると推察しました。その天下を相手の事業に、わが子をくわえていただきたいのです」(三巻)
【『湖底の城 呉越春秋』宮城谷昌光〈みやぎたに・まさみつ〉(講談社、2010年/講談社文庫、2013年)】
伍子胥〈ごししょ〉という人物が、宮城谷昌光をしてこのような言葉を生ましめるのだ。「言葉の呪力」を思わずにはいられない。無論この場合は「祝う」義である(呪には二意ある。祝の字が生まれるのは後世のこと)。
褒氏〈ほうし〉は流浪の身である子胥に「偉業をなす力」を感じた。子の小羊〈しょうよう〉を預かった子胥であったが、将来を慮(おもんぱか)って孫武〈そんぶ〉のもとで訓育してもらうことにする。
楚の平王〈へいおう〉は伍子胥の父と兄を誅(ころ)した。そして後に楚の国は伍子胥によって滅ぼされる。たった一人の感情が歴史を変えたのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿