自転車が魔法の乗り物と化している。
2013-05-31
2013-05-29
目撃された人々 37
少女は傘を差しながら踊るように走ってきた。遮断機の前で止まると今度は傘をクルクル回し始めた。白い傘にカラフルな水玉があしらわれていた。よく見ると黒い半ズボンもカラフルな水玉模様。彼女の周辺だけ雨も楽しそうに降っていた。日に灼けた顔と手足。太陽も雨も風もきっと少女の味方だ。
— 小野不一さん (@fuitsuono) 2013年5月29日
少女が少女であることをやめた時、きっと傘を回さなくなるのだろう。電車が走り去ると少女は再び駆けて行った。輝かしい未来に向かって。
— 小野不一さん (@fuitsuono) 2013年5月29日
2013-05-28
Danang International Fireworks Competition 2013
微速度撮影の動画が好きだ。不思議なほど好きだ。人生の縮図と思えてならないからだ。「自我と反応に関する覚え書き」でも紹介した。まるで走馬灯のようだ。人の一生は花火みたいなものかもしれない。ってなわけで花火の動画を(笑)。これ、ズルいよね。効果音と音楽が絶妙だもの。わずか1分30秒でめくるめく変化を堪能できる。せわしないコマ送りの中で人々が悩んだり苦しんだり考えたり祈ったりしていることが信じられなくなる。
Danang International Fireworks Competition 2013 from Rob Whitworth on Vimeo.
藤原正彦
1冊読了。
18冊目『心は孤独な数学者』藤原正彦(新潮社、1997年/新潮文庫、2000年)/記憶に残る文章をいくつか見つけたのだが多分初めて読む。ひょっとしたら『天才の栄光と挫折 数学者列伝』と部分的に重複しているのかも。ニュートン、ハミルトン、ラマヌジャンの3人を取り上げたエッセイ。『天才』と比べると文章にムラがある。ま、それでも面白いのだけれど。藤原の特長は数学者としての合理性と日本人的感情の激しさにある。新田次郎と藤原ていを知る人であれば、彼の文章にご両親の面影を浮かべることだろう。性格はややお母さん似か。日本人であるがゆえにアウトサイドから偉人を見つめることが可能となった。そして数学者としての共感や羨望が絶妙なアクセントを奏で、旅情の色彩を濃いものにしている。
2013-05-27
「解放者」米兵、ノルマンディー住民にとっては「女性に飢えた荒くれ者」
第2次世界大戦(World War II)中の仏ノルマンディー(Normandy)上陸作戦に参加した米軍兵士たちは、フランスをナチスドイツ(Nazi)から解放した勇敢な英雄として描かれてきた。そうした「若いハンサムな米兵さん」のイメージに隠された負の側面を明らかにした研究書が来月、米国で出版される。
6月に刊行予定の「What Soldiers Do: Sex and the American GI in World War II France(兵士らは何をしたのか:第2次世界大戦中のフランスにおける性と米兵」は、米ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)のメアリー・ルイーズ・ロバーツ(Mary Louise Roberts)教授(歴史学)が、米仏で膨大な量の第2次大戦中の資料を研究してまとめた著作だ。
研究の趣旨についてロバーツ教授は、「GI(進駐軍兵士)はたくましい男で、常に正義に基づいて行動するとの典型的な『GI神話』の偽りを暴き出すことだった」と、AFPに語った。教授によると、米軍では当時「フランス人に対して優位に立つ」手段として性欲、買春、レイプが取り入れられていたという。
米兵たちは、ノルマンディーの人々から「性のアバンチュール」を求めてやってきた、セックスに飢えた荒くれ者と見られていた。これは地元ノルマンディーではよく知られていることだが、一般的な米国人にとっては「大きな驚きだ」とロバーツ教授は述べている。
◆「女性を隠せ」、街中いたるところで性行為
米メディアがノルマンディーに上陸した米兵について、キスをする米兵と若いフランス女性の写真を掲載するなどロマンチックな視点で解放者として描いていた間、地元の人々は「問題」に直面していた。地元には、「ドイツ人を見て隠れるのは男たちだったが、米兵の場合は女たちを隠さねばならなかった」という話が伝わっているという。
米兵たちの放蕩ぶり、不法行為、さらには組織的な人種差別などもあった。「GIはどこでも所かまわずセックスしていた」とロバーツ教授。
特に、ルアーブル(Le Havre)やシェルブール(Cherbourg)では米兵たちのマナーの悪さが目立ったという。米兵たちは、女性を見れば既婚女性でさえ公然とセックスに誘い、公園、爆撃を受けて廃墟と化した建物、墓地、線路の上など、街中いたるところが性行為の場となった。しかし、全てが両者の合意のもとで行われたわけではなく、米兵によるレイプの報告も数百件残されている。
ロバーツ教授が調べた資料によれば「セックスをしている男女を見かけずに街を歩くことは不可能」なほどで、当時のルアーブル市長が米駐留部隊の司令官に改善を求めたと記されていた。米軍の上官らは兵士たちの行為について公式な非難声明は出したが、改善の努力はしなかったという。
◆フランスは「売春宿」、口説き文句も紹介――米誌プロパガンダ
ロバーツ教授は、当時の米兵が勇気ある青年たちであり、その勇敢で英雄的な行為がフランスから感謝されている事実についても忘れずに触れている。一方で、米軍が未知の国で戦う若者たちを鼓舞する即効策として、意図的に米兵たちの性欲に訴えかけるプロパガンダを行ったとみられる点も指摘している。
例えば、写真ジャーナリズムの草分けである米誌「ライフ(Life)」は、フランスを「快楽主義者4000万人が住む巨大な売春宿」と表現した。また、米軍機関紙「星条旗新聞(Stars and Stripes)」は、フランス女性を口説くためのフランス語フレーズを連載。「きみ、とても可愛いね」「たばこをあげようか」「ご両親は今、家にいるの?」といった会話の糸口を紹介していた。
ロバーツ教授は「米兵の性欲は、いったん火が付くと手が付けられなかった」と記している。
さらにロバーツ教授の著書は、当時レイプ事件で訴えられた米兵は、黒人兵士が圧倒的に多かった事実にも踏み込んでいる。1944年10月の資料によれば、米兵が絡んだ強姦事件152件のうち130件で黒人兵が訴えられている。これについてロバーツ教授は、米軍内の根深い差別を示していると指摘した。フランス人も、すぐに黒人米兵を指さして非難するようになったという。
◆人類の経験として捉え直す
ノルマンディー上陸作戦から約70年たった今、同書を出版する理由についてロバーツ教授は、歴史を書き換えたいわけではなく、「フランス側から見た実態」を明らかにすることによって、ただの「空虚な英雄譚(たん)」にとどまらない「人類の経験の1つ」としてノルマンディー上陸作戦を捉え直すのが目的だと説明している。
【AFP 2013-05-27】
・ラス・カサスとフランシスコ・デ・ビトリア(サラマンカ大学の神学部教授)/『大航海時代における異文化理解と他者認識 スペイン語文書を読む』染田秀藤
・日米関係の初まりは“強姦”/『黒船幻想 精神分析学から見た日米関係』岸田秀、ケネス・D・バトラー
・日本にとって危険なヒラリー・クリントン/『この国はいつから米中の奴隷国家になったのか』菅沼光弘
・布教インペリアリズム/『みじかい命』竹山道雄
2013-05-26
殺人ロボット凍結、国連で討議へ 検討委開催も勧告
兵士に代わって敵を自動的に殺傷する「殺人ロボット兵器」の研究開発が米国などで進んでおり、戦争の形態が一変する時代が到来しかねないとして、開発凍結や検討委員会開催を求める勧告が国連に提出されたことが25日分かった。ジュネーブで27日から始まる国連人権理事会の通常会期で討議される。
遠隔操作式の無人機攻撃が広がる中、兵士を危険にさらさない装備が重宝され、いずれ殺人ロボット兵器の導入に踏み切る国が出てくるとの危機感が背景にある。人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチも4月、禁止キャンペーンに乗り出しており、国際社会の新たな課題となりそうだ。(共同通信)
【47NEWS 2013-05-26】
◆市民200人超死亡か 米の無人機攻撃 パキスタンとイエメン
米中央情報局(CIA)などが2002年以降、対テロ作戦の一環としてパキスタンとイエメンで実施している無人機による攻撃の巻き添えとなり、少なくとも235人の民間人が死亡したとみられることが8日、米英3民間団体の調査で明らかになった。民間人犠牲者はこの約4倍に上るとの推計もあり、パキスタンでは対米批判が拡大。国連も調査を進めている。
攻撃能力を備えたMQ1無人機プレデターなどを使ったパキスタンとイエメンでの攻撃は、ブッシュ前政権下で開始。米兵を危険にさらさずイスラム武装勢力を掃討できるためオバマ政権下で多用され、攻撃回数は6倍以上に増えた。米政府は死者数を含む包括的なデータを公表していない。
調査は、英非営利組織「調査報道協会(BIJ)」、米ウェブサイト「ロングウォー・ジャーナル(LWJ)」、米シンクタンク「新アメリカ財団」が実施。攻撃回数は3団体とも400回以上とみている。(共同)
【MSN産経ニュース 2013-05-08】
◆無人航空機、物議をかもすも、一般化は遠くない?
無人機を使って軍事作戦を実行するという発想は、第1次世界大戦のときからあった。当時は、「自動飛行機」と呼ばれていた。本格的に無人機の開発が進んだのは、1970年代初頭のべトナム戦争のときであった。
【IBTimes 2013-05-20】
◆米軍撤退後のアフガンを監視する「武装無人機」
アフガニスタン上空に展開する米国の無人機は、2012年に447回ミサイルを発射した。この攻撃回数は、パキスタンやイエメン、ソマリアなどほかの諸国で米無人機が行ったものよりもかなり多い。
だが米軍は最近、アフガニスタンでの無人機攻撃に関するデータを公式サイトから削除した。最近、アフガニスタンでの戦闘が下火になっているのと同時に、このような不透明性が増す傾向が見られている。
【WIRED.jp 2013-04-20】
◆無人機の魅力に取りつかれる米海軍
米海軍当局者や外部のアナリストは、空母搭載の無人機の登場で、空母戦闘群の攻撃範囲が広がるとみている。というのも、X-47Bは、有人機のステルス戦闘機F-35Cに比べ、ほぼ2倍の距離を飛行できるからだ。
米戦略国際問題研究所(CSIS)の軍事アナリスト、ジム・ルイス氏は「それは、海上戦のあり方を変える一歩だ」と話した。
【WSJ.com 2013-05-14】
◆無人機攻撃は合法だが節度必要、米大統領演説
オバマ米大統領は23日、ワシントンの国防大学で対テロ政策について講演し、無人機による攻撃は必要悪だとしながらも、状況の進展に応じて節度を持って使用しなければならないとの見解を表明した。
講演の中でオバマ大統領は、テロリストは拘束して尋問し、訴追することが望ましいとしながらも、到達困難な地に潜伏している国際テロリストは拘束できないこともあると説明した。
従って、中央政府の影響力が行き届かない国のテロリストによって米国が脅威にさらされた場合、無人機のみが唯一の選択肢だと強調。米国は国際テロ組織アルカイダやアフガニスタンの反政府勢力タリバーンと戦争状態にあるという理由から、無人機による攻撃は合法だと訴えた。
【CNN 2013-05-24】
◆パキスタン 米の無人機攻撃に反対
パキスタン政府は、24日声明を発表し「無人機による攻撃は無実の市民の命を奪い、人権を侵害しており逆効果だ。われわれの主権を侵害し国際法にも違反している」として改めて反対の立場を示しました。
【NHKニュース 2013-05-24】
無人機プレデター
輸送用ロボットのビッグドッグ
・米国の無人爆撃機を操縦していた若者の回想
2013-05-25
2013-05-23
J・カズヌーヴ、宮沢賢治、ヤスミナ・カドラ、ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー、福本伸行
3冊挫折、1冊読了。
『儀礼 タブー・呪術・聖なるもの』J・カズヌーヴ:宇波彰〈うなみ・あきら〉訳(三一書房、1973年)/良書。ただ私の興味から少しずれていた。文化人類学や宗教社会学を学ぶ学生は必読のこと。
『春と修羅 心象スケッチ』宮沢賢治(日本図書センター、1999年)/オホーツク挽歌を読むのが目的であった。
『カブールの燕たち』ヤスミナ・カドラ:香川由利子訳(早川書房、2007年)/『テロル』に比べて形容の冗長さが目につく。ちょっとまどろっこしい。
17冊目『量子が変える情報の宇宙』ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー:水谷淳〈みずたに・じゅん〉訳(日経BP社、2006年)/本の作りがよくてびっくり。2006年刊とは思えんな。終盤はかなり難しくて読むのがやっと。ジョン・ホイーラーが最近の本ではジョン・ウィーラーと表記されている。情報論はビットからキュビットへ向かう。量子コンピュータの困難な課題が理解できた。内容は文句なしだが、やや総花的。
番外『賭博黙示録カイジ 全13巻』福本伸行(ヤングマガジンコミックス、1996年)/再読。福本作品は心理描写が長くストーリー展開が遅い。それでも男の背中を鞭打つ言葉が心地よい。
2013-05-22
目撃された人々 36
小雨が降っていた。細い十字路の角で少年が茫洋とした表情で両手をポケットに突っ込み口笛を吹いていた。私がバイクの上から「風邪をひくなよ」と言うと、彼は高い音の口笛で答えた。振り返ると少年はオオルリになっていた――というのは作り話だ。少年は雨と戯れるように歩き去った。
— 小野不一さん (@fuitsuono) 2013年5月20日
口笛の少年と似ている。/under the big magic tree | Flickr - Photo Sharing! flickr.com/photos/ukke_ph…
— 小野不一さん (@fuitsuono) 2013年5月20日
2013-05-19
高耐水性で雨に強い! 登山やトレッキングに! MIZUNO レインウェア上下セット ベルグテック・ストームセイバーIV レインスーツ メンズ(送料無料)
・ミズノ公式サイト
バイクや自転車で合羽を着用していると、結局のところ1年でダメになる。5000円以下のモノだともともと透湿性は殆どないし、耐水性も限りなく劣化する。とはいうもののGORE-TEXは高価だ。つまり数年間の使用に耐え得るレインスーツとなると、やはり1万円台だろう。耐水圧約320kpa(32,640mm)以上/透湿性約16,000g/m2 - 24h以上という数値を見ればコストパフォーマンスのよさが理解できる。これより上のランクであればmont-bellがオススメ。
下のランクでは東レのエントラント。
新刊『スタンフォードの人生観が変わる特別講義 あなたのなかに、全世界がある』J・クリシュナムルティ
――あなたが努力も恐怖もなく、いかなる意味での制約もなく自分のなかに入っていき、本当に奥深くまで調べていけば、驚くべきものを見いだすでしょう。おまけに一冊の本も読む必要がありません。(中略)自分自身のなかに世界全体があるのです。そして、それをどう見るのか、どう学びとるのかを知れば、扉はそこにあり、鍵はあなたの手の中にあります――。
本書は「20世紀を代表する哲人」と言われるクリシュナムルティが、スタンフォードで行った4回の連続講演です。理想やあるべき姿を追求するのではなく、いまここにあるものをありのままに見ることが、ただそれだけが、精神の葛藤や苦しみを終わりにし、私たちを根本から変えていく、そしてその時こそ、世界は変わると静かに語りかけます。深い感動とともに、人はこの瞬間にも、根本的に変わりうるのだと感得する珠玉の講演録。
米国の不快な歴史/『人間の崩壊 ベトナム米兵の証言』マーク・レーン
・米兵は拷問、惨殺、虐殺の限りを尽くした
・米国の不快な歴史
・『動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか』ニック・タース
・『アメリカの国家犯罪全書』ウィリアム・ブルム
◆米報道官、慰安婦発言「不快だ」 橋下氏は反論
【ワシントン=共同】米国務省のサキ報道官は16日の記者会見で、従軍慰安婦は必要だったとした、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による発言について「言語道断で不快だ」と非難した。
橋下市長の発言をめぐっては、在日米軍に風俗業者の利用を求めたことに絡んで米国防総省のリトル報道官が、米軍が買春を拒否するのは「言うまでもない」と述べていたが、米政府当局者が公式の場で正面から批判したのは初めて。
これに対し、橋下市長は17日、「米国は日本占領期に日本人女性を活用した。(日本人を)特殊な人種と批判するが、それは違う」とツイッターで反論した。
サキ報道官は従軍慰安婦について「性を目的に人身売買された女性たちの身に起きた出来事は嘆かわしく、とてつもなく重大な人権侵害であることは明白だ。犠牲者に心から同情する」とも指摘した。
その上で報道官は「日本が過去に起因するこれらの問題の解決に近隣諸国と共に取り組み続け、前に進むことができるような関係を構築することを期待する」と述べ、日本が歴史認識問題を克服するよう促した。
報道官が強い表現で橋下市長の発言を批判した理由について、国務省当局者は「非常に不快な発言についてコメントを求められたからだ」と説明。「(国務省の)建物の中にいるみんなが腹を立てている」と述べた。
サキ氏はヌランド氏の後任の女性報道官で、13日に初の定例記者会見に臨んだ。
【日本経済新聞 2013-05-17】
更に同日付の日経にはご丁寧に「日米関係に詳しい米外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員」とのインタビュー記事も掲載した。「例えば、環太平洋経済連携協定(TPP)など米議会が関係する問題に影響が出てくるだろう。従軍慰安婦問題は米議会内でも関心が高い。この問題で第1次安倍政権の際には非難決議が可決された。こんな動きが出てくればTPP交渉に日本が参加することへの支持は得られないだろう」(日本経済新聞)
敗戦は70年前の歴史ではない。日本の現在と未来をも規定し続ける重力なのだ。アメリカ人の居丈高な調子は「歴史を規定するのは我々だ」と言わんばかりだ。シーラ・スミスの発言を読むと、日本の政治的前提や民意をも彼らが決めているように感じる。
ではアメリカの言語道断で不快な、あまりにも不快な歴史的事実を見てみよう。彼らはベトナムで何をしたか? いずれも米兵による証言である。
私が負傷する直前の10月の末に、われわれはカンボジア国境から約135マイルから140マイル離れた町にいた。町の名はドンタンで、私の分隊はそこの小さな村から18マイルほどはずれたところにあるトンネルに送りこまれた。
分隊には9人の者がいて、8人がトンネルの中に入った。中に入って、われわれは9人の北ベトナム軍の負傷兵と3人の北ベトナムの看護婦を発見した。分隊の7人の兵隊が担架から捕虜を追い出し、ギブスをはめていた捕虜をベッドからひっぱり出した。そして彼らをトンネルの片隅にほうり出した。
そのあと兵隊たちは3人の看護婦につかみかかった。看護婦は18歳から25~26歳ぐらいだったと思う。看護婦は殴られ、衣服をはがされた。娘たちがその場に崩折れると、彼らはその胸をつかんで引き起こし、また殴って、打ちのめした。
それから一人の娘が引き出された。2人の兵隊があとの2人の娘に銃を突きつけたので、その2人は動けなかった。ほかの5人の兵は最初の娘をマットの上に押し倒した。2人がその腕を身体のうしろにまわして押え、あとの2人が脚をひろげさせた。残りの1人がその娘を犯した。
その男が終わると、別の兵隊が彼女を犯した。娘は悲鳴をあげた。兵隊は彼女を殴り、おとなしくしろと言った。娘は「チュウホイ」と言いつづけた。つまり降伏したいという意味だ。
5人全部がその娘を犯すと、あとの2人が彼女を犯し、その間2人の者が残りの2人の娘に銃を向けて見張りをした。それから、その2人の娘についても同じことがくりかえされた。それぞれの娘が何度も強姦されたのだ。彼女らはその間ずっと泣き叫んでいた。
強姦がすむと、GIたちの3人が投擲照明弾を取り出し、娘たちの性器につっこんだ。彼女らはその時には意識を失っていた。どの1人ももはや押えつけておく必要がなかった。娘たちは口や鼻や顔、そして性器から血を流していた。
そのあと、彼らは照明弾の外の部分をたたき、それは娘たちの身体の中に入っていった。胃袋が急にふくれあがったと思うと、弾は身体の中で爆発した。胃袋が破裂し、内臓が身体の外に垂れ下った。
【『人間の崩壊 ベトナム米兵の証言』マーク・レーン:鈴木主税〈すずき・ちから〉訳(合同出版、1971年)以下同】
アメリカは建国以来、今日に至るまで虐殺に次ぐ虐殺を繰り返してきた。まさしく血塗られた国家といえよう。彼らはインディアンを殺し、黒人を殺し、朝鮮人を殺し、ベトナム人を殺し、イラク人を殺し、アフガニスタン人を殺した(アメリカの戦争と外交政策)。
しかもただ殺すだけではない。神に抑圧されたアメリカ人の精神は信仰の力で限りなく反動する。キリスト教こそ人類の業病(ごうびょう)だ。あいつらの正義はいかなる残虐行為をも正当化してしまう。すべては神のために行われるのだ。
答 一人の若い娘がベトナムのレインジャー兵に拷問された。その娘はきわめてゆっくりした拷問を受けていた。死ぬまでに3日を要した。
問 彼女はどんな拷問を受けたのか?
答 彼らはその娘の着物をはいだ。そのあと脚のかかとのうしろのあたりに鉤をひっかけ、脚をひろげて木にぶら下げた。肉屋につるされている豚のようにだ。鉤でひっかけて、そんなふうに股をひろげた格好のままつるしたわけだ。
それから彼らは長さ3フィートで、大人の手首ほどの太さがある竹の棒を取り出し、その娘の身体に突っこんだ──その性器に、さらに竹の切れ端を乳房や、身体のその他のあらゆる部分に突き刺した。腋の下とか胃にも。そのまま3日たって、彼女は死んだ。
アメリカは現在に至るまで日本に対して原爆使用の謝罪すらしていない。原爆資料館を見学したチェ・ゲバラがこう言った。「きみたち日本人は、アメリカにこれほど残虐な目にあわされて、腹が立たないのか」と(『チェ・ゲバラ伝』三好徹)。
敗戦で日本はたぶん去勢されたのだろう。日本政府はアメリカの宦官(かんがん)も同然だ。
合同出版
売り上げランキング: 70,099
・米国による拷問の歴史(前半):アルフレッド・W・マッコイ
・米国による拷問の歴史(後半):アルフレッド・W・マッコイ
・拷問:ウィリアム・ブルム(『アメリカの国家犯罪全書』)
・米帝国の血塗られた道 ウィリアム・ブルムとのインタビュー:デービッド・ロス
・アメリカン・ヒストリー
2013-05-18
虐殺の光景
どう見てもルワンダである。だが虐殺の光景は一様に酷似している。なぜなら虐殺は人間をモノとして扱うことで成立するからだ。その意味で人形には二重のメッセージが込められている。ルワンダでは80万人もの人々が虫けらのように殺され、ボロ雑巾のような骸(むくろ)とされた。白骨化した遺体の数々は今もなお叫び声を上げている。「殺すのが正義」と信ずることができれば、人は何人でも殺せるのだ。その事実が胸から離れない。
・『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』レヴェリアン・ルラングァ
・『生かされて。』イマキュレー・イリバギザ、スティーヴ・アーウィン
・強姦から生まれた子供たち/『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』写真、インタビュー=ジョナサン・トーゴヴニク
リサ・クリスティン:現代奴隷の目撃写真
ここまで横行する悪行にどうやって立ち向かえるでしょうか? 報酬もなく1日16~17時間も働かされているのに、中には自分が奴隷だと知らない人さえいます。生まれた時から同じ状況だからです。他と比べようがないのです。(7分8秒)
2013-05-15
ジェフリー・ディーヴァー
1冊読了。
16冊目『ロードサイド・クロス』ジェフリー・ディーヴァー:池田真紀子訳(文藝春秋、2010年)/キャサリン・ダンス・シリーズ。駄作。寝不足に陥った分だけ恨みが募る。ただし親子ものの短篇小説として読むことが可能。無理のあるストーリーに耐えながら、トラヴィスと父親が去ってゆく場面(467ページ)、ダンスと母親のやり取り(486ページ)を読むだけでも価値がある。
2013-05-13
長期監禁のオーストリア人女性、脱出から7年後の今を語る
「私はアマンダ・ベリー。誘拐されたんです。この10年行方不明だったんです」――10年前に16歳で誘拐され、今月6日に解放されたアマンダ・ベリー(Amanda Berry)さんが脱出直後に通報した際の言葉は、10歳で誘拐され、8年間の監禁生活から2006年に解放されたオーストリア人女性のナターシャ・カンプシュ(Natascha Kampusch)さんの最初の言葉を思い起こさせた。
「私の名前はナターシャ・カンプシュ。私のことを聞いたことがあるはずです」
カンプシュさんが懐疑的な警察官にこの言葉をかけたのは、誘拐されてから3000日以上が経ってからだった。
女性の長期監禁事件の中でも最も悪質なケースのひとつに数えられるカンプシュさんの事件は、1998年3月2日に発生。カンプシュさんは登校中に、失業中だった通信技術者のウォルフガング・プリクロピル(Wolfgang Priklopil)容疑者に拉致され、バンの中に押し込められた。
プリクロピル容疑者は、自宅のガレージの下に掘った6平方メートルに満たない地下室に彼女を閉じ込め、幼いカンプシュさんには「ドアや窓には爆弾が仕掛けてある」と伝えた。また、両親は彼女のことを忘れたとも言い聞かせたという。
その後数年間、容疑者はカンプシュさんを殴り、食べ物もごく少量しか与えなかった。何日も食べ物を渡さない日もあり、カンプシュさんが思春期を迎えた後は強姦を繰り返した。
現在25歳のカンプシュさんは、今年初めに当時の様子を振り返り、「叫ぶことはありませんでした。私の体が叫べなかったのです。でも無言で叫んでいました」と述べた。
2006年の夏、プリクロピル容疑者は携帯電話で、カンプシュさんを誘拐した時に使っていた白いバンを売却する話をしていた。その隙をついてカンプシュさんは逃げ出した。
プリクロピル容疑者はその日、線路に飛び込んで自殺した。44歳だった。
カンプシュさんのその後
6日に救助されたアマンダ・ベリーさんと2人の女性と同じく、カンプシュさんの名前は世界中のメディアを駆け巡った。自伝を出版し、複数のテレビのインタビューにも応じ、今年初めには自分の体験をベースにした『3096日』という映画もリリースされた。
しかしカンプシュさんは、まだ普通の日常に戻れないでいるように見える。両親とは「疎遠になった」という。現在はウィーンの自宅で蘭の花やペットの金魚と一緒に過ごす。テレビで好きなのは刑事ドラマだという。
教育も受けられなかったため、教育課程を終わらせ、金細工の技術を身につけようともしたが、続かなかった。
それでも2011年には、自伝の印税と寄付金を使ってスリランカに小児病院を建設した。
ドイツで今年放映されたインタビューによると、いま一番親しい人物は美容師だという。「いすに座って、彼女が私の髪を整えてくれているときが一番幸せ」
「自分に起きたことと共存していくために、毎日をポジティブに生きようと努力してる。気ままな10代の時間はもう取り戻せない。他の人と話をして、若いときの経験を共有してもらうのがせめてもの慰め」
カンプシュさんは、マザーコンプレックスを抱えていたプリクロピル容疑者への複雑な感情についても言及した。容疑者が自殺したと聞いたときには泣いたという。
「脱出することによって、私は自分を迫害していた人間から逃げることができた。それと同時に、いや応なく近くにいた人を失った」とカンプシュさんは自伝に綴っている。
「私を殴り、地下室に閉じ込め、餓死寸前まで追い込んだ男が求めていたものは、誰かに抱きしめてもらうことだった」
【AFP 2013-05-12】
ストックホルム症候群と指摘することはたやすい。彼女を自分と関係のない第三者と見れば。私は不思議な感動を覚えてならなかった。複雑さとは奥深さでもあろう。微にして妙なる人間心理の綾は時に善悪を軽々と超越するのだ。
彼女と比較して自分の幸福を計るような愚者は本当の意味で不幸なのだろう。彼女が不幸であったとしても我々が不幸でないと言い切ることができるだろうか?
ただありのままに不幸を背負う。ただありのままに不遇を生きる。すべての川が海を目指すように我々の生もまた死に至る。どのような流れであったとしても、太陽のきらめきを反射することは可能だろう。人は他の誰かになり得ない。彼女は彼女を生きる。私は私を生きる。
・幼児虐待という所業/『囚われの少女ジェーン ドアに閉ざされた17年の叫び』ジェーン・エリオット
・21世紀になっても存在する奴隷/『メンデ 奴隷にされた少女』メンデ・ナーゼル、ダミアン・ルイス
・両親の目の前で強姦される少女/『女盗賊プーラン』プーラン・デヴィ
・驚天動地、波乱万丈の人生/『3歳で、ぼくは路上に捨てられた』ティム・ゲナール
2013-05-11
エアハルト・ベーレンツ、フィリス・A・ティックル、瓜生中、渋谷申博、金岡秀友
4冊挫折。
『5分でたのしむ数学50話』エアハルト・ベーレンツ:鈴木直〈すずき・ただし〉訳(岩波書店、2007年)/意外と難しくてついてゆけず。半分ほどで挫ける。
『強欲の宗教史』フィリス・A・ティックル:屋代通子〈やしろ・みちこ〉訳(築地書館、2011年)/著名な女性キリスト教学者らしい。散漫。何を言いたいのかがさっぱりわからず。そもそも日本語に翻訳する必要があったのかどうかを疑う。
『呪術・占いのすべて 「歴史に伏流する闇の系譜」を探究する!』瓜生中〈うりゅう・なか〉、渋谷申博〈しぶや・のぶひろ〉(日本文芸社、1997年)/面白かった。文章も硬質。後半は私にとって不要なため読まず。なかなか勉強になった。
『密教成立論 阿含経典と密教』金岡秀友〈かなおか・しゅうゆう〉(筑摩書房、1981年)/姿勢はいいのだがアプローチの仕方がまずい。これでは断章取義の謗りを免れないであろう。金岡は最初に青写真を描いた上で、それに相応しい文献を集めているように見受けられる。最初は面白かったのだが徐々にイライラさせられる。で、「好い加減にしろや!」と本を閉じたのが半分を超えたあたり。
諸外国の憲法改正
他国の憲法改正回数が多いのは「市民の権利を拡大し、国家の権力を制限するための改正が何度も行われてきた」と言うべきなのだろう。単に「他国は何度も改正している」はむしろ逆イメージを抱きそう。他国の憲法改正の簡潔な調査。 ow.ly/kRPOx
— Yasuomi SAWAさん (@yasuomisawa) 2013年5月9日
2013-05-09
2013-05-08
シュリニヴァーサ・ラマヌジャン
中央に写っているのがラマヌジャンである。
「(数学者に点数をつけるとすれば)自分は25点、リトルウッドは30点、ヒルベルトは80点、ラマヌジャンは100点」(G・H・ハーディー)
・G・H・ハーディはラマヌジャンを警戒した/『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャン』ロバート・カニーゲル
・アインシュタインを超える天才ラマヌジャン/『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャン』ロバート・カニーゲル
・ラマヌジャンは千年に一人の天才
・ラマヌジャンの『ノート』
・ラマヌジャンの『ノート』
・シュリニヴァーサ・ラマヌジャン
陣痛促進剤の投与基準違反77% 出産の脳性まひ補償
出産時の事故で脳性まひになった子供に補償金を支払う「産科医療補償制度」の対象事案を分析した結果、陣痛促進剤を使用したケースの7割超で学会が設けた使用基準を守っていなかったことが8日、日本医療機能評価機構の調査で分かった。
産科医療補償制度は同機構が運営し、脳性まひになった子供について過失の有無にかかわらず補償金を支払う。2009年に始まり、12年末までに465件を審査、うち425件の補償が決まった。今回は188件の分析結果をまとめ、公表した。
同機構によると、出産時の何らかの事故によって子供が脳性まひになった188件のうち、陣痛促進剤が使われていたのは56件。うち77%に当たる43件で、日本産科婦人科学会が設けた指針に基づく用法などの基準を逸脱していた。
基準逸脱の内訳(複数回答)は「陣痛促進剤の初期投与量が基準より多かった」が34件で最も多く、「投与の増加量や間隔に問題があった」(32件)、「最大投与量が基準より多かった」(2件)と続いた。基準を守らないと、強すぎる陣痛や子宮の破裂を引き起こす恐れがある。
基準逸脱が脳性まひの直接の原因とされたのは1件で、他に影響を与えた疑いがあるケースが6件あった。
【日本経済新聞 2013-05-08】
2013-05-07
渇愛の原語は「好ましい」「いとおしい」/『知的唯仏論』宮崎哲弥、呉智英
・『つぎはぎ仏教入門』呉智英
・渇愛の原語は「好ましい」「いとおしい」
・『日々是修行 現代人のための仏教100話』佐々木閑
・『出家の覚悟 日本を救う仏教からのアプローチ』アルボムッレ・スマナサーラ、南直哉
宮崎●愛の問題はどうですか。たとえば「ダンマパダ」や「ウダーナヴァルガ」で、ブッダは繰り返し「愛する者に会うことなかれ」と戒めています。なぜかというと、「愛」もその対象も必ず変滅するからです。経典には「愛するものから憂いが生じ、愛するものから恐れが生ずる、愛するものを離れたならば、憂いは存在しない」とすら記されてある。
呉●トリシュナー(サンスクリットの「渇き」)だね。愛の問題はね、いろんなところで何度も言ってますが、日本人の中で愛がものすごく大きな原理になってきたのは1970年ぐらいからで、それまではそんなに愛っていうのは大きな原理ではなかった。
宮崎●ダンマパダの、この偈の“愛”はパーリ語のピヤで、渇愛というよりは単純に「好ましい」「いとおしい」ぐらいの語意なんですが、それでもこのように否定的に語られているのが興味深い。
【『知的唯仏論』宮崎哲弥、呉智英〈くれ・ともふさ〉(サンガ、2012年)】
宮崎哲弥が“評論家の師匠”と呼ぶ呉智英との対談。マンガネタも豊富。一日で読み終えた。
同様のテーマは『大パリニッバーナ経』でもアーナンダとのやり取りで「婦人を見るな」とブッダが断言する件(くだり)がある。
ここらあたりでつまずく人も多いと思われるので少々解説しておこう。
仏教の哲学性は万人に共通する「苦」を見つめることであった。仏典で仏は医師に喩(たと)えられる。マッサージ師ではない。つまり極言すればブッダの狙いは「抜苦」にあったわけで、最初から「与楽」を目指したものではない。
果たして苦はどこから生まれるのか? ブッダの瞳は「我」(が)を捉えた。更に我の構成要素をも見極め、瞑想の深度は時空を超えて遂に成道(じょうどう)する。
日本では愛と聞けば大半の人々が恋愛を思う。呉が1970年台からと指摘しているのは、ベトナム戦争反対運動のラブ&ピースや、ビートルズからフォークを経てニューミュージックに至るサブカルチャー・ムーブメントを指すのだろう。恋愛結婚が増えたのも戦後になってからのことだ。
恋愛は愛なのだろうか? 私の10代を振り返ってみよう。恋愛感情は断じて愛ではなかった。単なる欲望であった(笑)。それこそ渇愛そのものだ。ただただ相手を手に入れたいという衝動に駆られていた。恋愛が美しいのは、ま、そうだな、最初の1週間くらいだろうな。10年以上連れ添った夫婦を見てごらんよ。半分以上はそっぽを向いているから。
ブッダが明かしたのは苦と快楽が表裏一体であることだった。欲望がプラスに傾くと快楽で、マイナスに傾くと苦になるわけだ。愛憎もまた表裏一体だ。
美味しいものを食べれば食べるほど、日常の食事がまずくなるようなものだ。快楽が比較を生み、比較が不幸を感じさせる。比較には限度がない。欲望は更なる高みを目指す。
愛する者がいるゆえに悲哀が深まる現実を見失ってはなるまい。愛と喪失感は比例関係にある。だがこの愛は仏教的視座に立てば「自我の延長」と見ることが可能だ。
好き嫌いというのは反応である。道徳的な理由であろうと進化的な理由であろうと反応に過ぎない。生の本質は反応である。政治・経済・科学・宗教・文化といってもそこにあるのは反応だ。
我々の人生はビリヤードの球みたいなものだ。ある時は教育というキューでつつかれ、またある場合には他人が決めたコースを無理矢理走らせられる。そしてメディアは常に大衆の欲望を操縦する。
「好きこそものの上手なれ」とも言う。確かに技術においてはそうだろう。しかしこれが人生に反映されると機械的な生き方となってゆくことを避けられない。
欲望は現在性を見失わせる。満たされぬ渇(かわ)きに支配された人は荘厳な夕日の美しさに決して気づくことがない。彼の目は自分の将来しか見つめていないからだ。
2013-05-06
フレデリック・ルノワール、佐藤優、宮崎哲弥、呉智英、ほか
4冊挫折、3冊読了。
『シャノンの情報理論入門』高岡詠子(講談社ブルーバックス、2012年)/『インフォメーション 情報技術の人類史』の前に読んでおくべきだった。文章に締まりがない。
『ツァラトゥストラ 1』ニーチェ:手塚富雄訳(中公クラシックス、2002年)/満を持して臨んだが訳文が肌に合わず。岩波か筑摩で再チャレンジする予定。
『退屈 息もつかせぬその歴史』ピーター・トゥーヒー:篠儀直子訳(青土社、2011年)/期待外れ。というか私の予想が誤っていた。トム・ルッツの系統と思い込んでいた。
『人類の宗教の歴史 9大潮流の誕生・本質・将来』フレデリック・ルノワール:今枝由郎訳(トランスビュー、2011年)/前著と比べるとテーマが総花的すぎて散漫な印象を抱いた。こういうのは新書でやるべきだと思う。
13冊目『人間の叡智』佐藤優(文春新書、2012年)/これはオススメ。TPP賛成の理由も理解できた。既に書いた通り「新・帝国主義ノススメ」「マルクスから読み解く21世紀の政治学」「新たなるエリート主義」といった内容である。原発問題、橋下現象も取り上げている。一々ご説ごもっともなんだが、やはり佐藤の視線があまり好きではない。プラグマティックな保守主義といってよいだろう。
14冊目『フィボナッチ 自然の中にかくれた数を見つけた人』ジョセフ・ダグニーズ文、ジョン・オブライエン絵:渋谷弘子訳(さ・え・ら書房、2010年)/久々の絵本である。微妙。絵はいいのだが創作物語として読むべきだろう。毒が無さすぎて淡い。
15冊目『知的唯仏論』宮崎哲弥、呉智英〈くれ・ともふさ〉(サンガ、2012年)/面白くて一日で読んでしまった。博覧強記といえば佐藤優に次ぐのが宮崎哲弥。1日6冊、月に200冊は読破するというのだが凄い。まあとにかく知識が豊富で、創価学会のマンガにまで目が行き届いている。大変勉強になったが、宮崎の仏教アプローチは知に傾きすぎて人間から離れているように見える。つまり抜苦与楽(=慈悲)の実践が感じられない。
2013-05-05
Roberta - Bob James
「初めてのライフル」で妹を射殺、相次ぐ悲劇に揺れる米社会
5歳の男児が2歳の妹を誤ってライフルで射殺した事故は、米国でこれまで幾度となく繰り返されてきた銃についての議論を再燃させた。
米ケンタッキー(Kentucky)州カンバーランド(Cumberland)郡で4月30日に起きたこの事故を引き起こした22口径ライフルは、「マイ・ファースト・ライフル」のキャッチコピーで子ども向けに販売されていた「クリケット(Crickett)」というブランドだった。この銃は事故当時、兄妹の自宅の部屋の片隅に、弾丸一発が装填された状態で置かれていた。
今回が他の似たような事故と異なるのは、銃が男児のものであったという点だ。ライフルは昨年、プレゼントとして買い与えられていた。
「常軌を逸した事故の一つにすぎない」。カンバーランド郡検視官のゲイリー・ホワイト(Gary White)氏は、地元紙レキシントン・ヘラルドリーダー(Lexington Herald-Leader)にこう語った。「子ども向けの小型ライフルだった…男児は、この小さな銃を撃つことに慣れていた」
クリケットのメーカー側は、この件について今のところコメントを出していない。この銃はグリーンとブルーの他、女の子向けとしてピンク色のモデルも販売されている。
コネティカット(Connecticut)州ニュータウン(Newtown)のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)で子ども20人と大人6人が犠牲になった銃乱射事件の衝撃にいまだ揺れる米国で、今回の事故は新たな怒りの声を生み出した。
銃規制を呼びかけるロビー団体「Americans for the Protection of Children(子どもを守る米国人)」は、「クリケット、全米ライフル協会(National Rifle Association、NRA)とその支持者らが、われわれの子どもたちに向けて銃を販売するのを阻止する」ためのオンライン請願運動を立ち上げた。
一方、NRAはテキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)での年次総会に合わせ、子ども向け銃のメーカー各社を招いて「若者の日」を5日に開催する予定だ。請願運動はこれを「恐ろしいことだ」と批判している。
◆年間6万丁販売される子ども向けライフル
2日の時点ですでにアクセス不可能となっているクリケットのウェブサイトには、ライフルを扱う子どもたちの写真、数十枚が掲載されていた。中には迷彩柄のロンパースを着て、膝に置かれた銃をしっかりとつかむ赤ちゃんの写真もあった。
クリケットの製造元でペンシルバニア(Pennsylvania)州に本社を置くキーストーン・スポーティング・アームズ(Keystone Sporting Arms)は、同ブランドのライフルを販売初年の1996年に4000丁、2008年には約6万丁を販売したとしている。
同社は「銃を使う若者たちに安全性に対する意識を植え付け、狩猟や射撃に必要かつふさわしい知識と敬意を身に着けるよう奨励する」ことを目指しているとうたう。
重さわずか1.1キログラムで銃身40センチメートル、全長が76センチのクリケットは、一度に一発しか撃つことができない単発式で、引き金はロックすることができる。モデルごとに異なる価格は110~140ドル(約1万1000~1万4000円)で、大手小売店ウォルマート(Walmart)で簡単に購入できる。
銃に関する意見交換サイト「ファイアリング・ライン(The Firing Line)」には、わが子にライフルを買い与えた親たちが集まり、その経験について熱のこもった書き込みをしている。中には、3歳の子に銃を与えた親もいる。
「息子が私と一緒に銃声を聞きたがるのでワクワクしている。息子が何を撃とうが構わない。今の時点では、何でも『大当たり』だ」。ユーザー名「Saltydog235」さんは4歳の息子について、2010年にこう書き込んだ。「息子には今、銃の安全性と扱い方について教えている。今の時点では、正確さよりもその方が重要だ」
◆子どもは「新たな顧客層」
非営利組織(NPO)「バイオレンス・ポリシー・センター(Violence Policy Center)」のジョシュ・シュガーマン(Josh Sugarmann)事務局長は、米国には「さまざまな種類の」銃が幼い子ども向けに販売されていると指摘。米ABCニュース(ABC News)に対し、「ここ数十年にわたり銃の所有者数は減り、銃器産業は衰退を続けている。たばこ(産業)と同じように、銃産業には新たな顧客層が必要なのだ」と説明した。「子どもたちを将来の銃の消費者として取り入れるには、幼いうちが最も効果的だ」
米国児童青年精神医学会(American Academy of Child and Adolescent Psychiatry)によると、米国では年間、10代の若者と子ども合わせて3000人以上が銃により死亡し、1万5000人以上が負傷している。これはつまり、イラク戦争があった約9年間において、米兵の死者数を上回る子どもたちが犠牲になったということだ。
今年4月初めには、ニュージャージー(New Jersey)州で4歳の男児が一緒に遊んでいた6歳の男児の頭部を撃つ事件が、その2日前には、テネシー(Tennessee)州で家族とバーベキューをしていた4歳児が女性を撃ち死亡させる事件が起きている。
【AFP 2013年5月4日】
道徳を説いても無駄だ。需給関係の構造や概念を変える道筋を考えるべきだ。/「初めてのライフル」で妹を射殺、相次ぐ悲劇に揺れる米社会 写真2枚 国際ニュース : AFPBB News afpbb.com/article/disast…
— 小野不一さん (@fuitsuono) 2013年5月5日
2013-05-04
DV目撃で子どもの脳萎縮 福井大など発表
ドメスティックバイオレンス(DV)を日常的に目撃した子供は、目で見たものを認識する脳の視覚野の一部が萎縮する傾向があるという研究成果を、福井大子どものこころの発達研究センターの友田明美教授らがまとめた。2日までに米オンライン科学誌に発表した。
両親間の暴力や暴言を吐く場面など、DVの目撃が成長後も心の病といった形で影響を与えると心理学などで指摘されている。友田教授は「DVを見た嫌な記憶を何度も思い出すことで脳の神経伝達物質に異変が起き、脳の容積や神経活動が変化してさまざまな精神症状を引き起こすのではないか」と推測している。
友田教授は米ハーバード大と共同で、直接虐待を受けたことはないが、夫婦間のDVを目撃してきた18~25歳の男女22人と、目撃した経験がない同年代30人の脳を、磁気共鳴画像装置(MRI)を使い比較した。
その結果、右脳の視覚野にある一部は、目撃した経験がある男女が平均で約6.1%小さく、約6.5%薄かった。左脳の視覚野にある一部も約6%薄かった。
目撃した時期などの聞き取りから、脳が最も影響を受けやすい年齢は11~13歳で、身体的な暴力より暴言の方が子供の脳に深刻な影響を与えることも分かった
友田教授は「DVを目撃した子供には、早期にしっかりした心のケアをすることが必要だ」とし「幼少期の体験が脳を変えるメカニズムが明確になれば、治療などに生かせるだろう」と話している。
友田教授らは2005年に調査を開始。米マサチューセッツ州にある町の地下鉄やバス停に協力を呼び掛けるチラシを張り出し、集まった1662人から聞き取りなどをして52人を抽出、脳を解析した。〔共同〕
【日本経済新聞 2013-05-02】
分母が少なすぎる上、DV目撃と脳萎縮との因果関係を断定することには無理がある。
この実験が示唆していることは実はもっと凄い。発達障害やアスペルガー障害などの自閉傾向はひょっとすると拒絶という「意志的選択」の可能性がある。すなわち眼前の世界を拒否することで、内側の領域にとどまっていると考えることが可能だ。
また12歳前後から脳が思考に支配されることも明らかだろう。
飢餓に苛まれる子供たち
「暴力と欲望に安住する世界/『既知からの自由』J・クリシュナムルティ」で紹介した動画の全編を見つけた。飢餓に苛(さいな)まれ、立つこともできなかった二人の少年は死を免れた。子供らの笑顔と歌声に涙を禁じ得ない。
2013-05-02
ビルダーバーグ会議出席者、クリスティーヌ・オクレント氏に質問
2013年2月2日放送。クリスティーヌ・オクレントはジャーナリスト、フランス対外視聴覚グループの元代表でベルナール・クシュネル(元仏外相)の配偶者でもある。ビルダーバーグ会議に3回出席している。
・列強が利用する偽の人道主義者ベルナール・クシュネル」ミシェル・コロン
知事欠席 - メディアによる「沖縄問題」の演出
↓そんなことメディアは全く言わない。日本本土のメディアはほとんどが沖縄県知事の欠席と副知事の代理出席を報じているが、知事を出した都道府県が26しかなかったことに触れていない。反対しているのは沖縄だけのような印象を与え、この問題をまた「沖縄問題」として演出している。
— Satoko Oka Norimatsu (@PeacePhilosophy) 2013, 4月 28
2013-05-01
薄明の富士山
霊峰(れいほう)には人を寄せつけない厳しさがある。私は今でも富士山が苦手だ。中央高速を走り、突然現した姿にギョッとなったことをありありと覚えている。富士はあまりにも大きく美しい。山男でもある太郎先輩に話したところ、「なぜだかわかるか? あれはハゲ山なのだ。生き物を拒絶しているのだから怖くて当然だ」と教えられた。一度登ってみたい気もするが、どうも足で踏む気になれない。