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2014-02-12

日本の原発はアメリカの核戦略の一環/『原発洗脳 アメリカに支配される日本の原子力』苫米地英人


・日本の原発はアメリカの核戦略の一環
「原発稼働停止」の嘘

 なぜ、自民党は原発をやめることができないのでしょうか。
 それは、日本の原発がアメリカの核戦略の一環であることを自民党は熟知しているからです。
 第二次大戦後、アメリカは敗戦国日本を占領し、日本から徹底的に軍事力を奪う政策をとりました。そのアメリカが、何の理由もなしに、原爆製造につながりかねない原子力技術を日本に提供するはずがありません。
 日本は、アメリカの核戦略に全面的に協力することを条件に、見返りとして原子力技術を得たのです。
 アメリカとしては、日本に危険な技術を教える以上、日本を徹底的なコントロール下に置こうとするのは当然のことです。アメリカの意向を忠実に実現してくれる政党を支援し、アメリカの意向に沿った情報を流すメディアを育成しようとしました。
 その結果として、アメリカの意向に忠実な自民党が長年にわたって政権を握り続け、原発を推進してきたのです。
 また、アメリカは、電通などの広告代理店を通じて、日本の新聞・テレビの情報もコントロールしました。アメリカは、日本国民がアメリカに逆らわないように、政党支配とメディア・コントロールによって、日本国民を洗脳し続けてきたというわけです。

【『原発洗脳 アメリカに支配される日本の原子力』苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(日本文芸社、2013年)】

 敗戦の事実はこれほど重いのだ。1945年(昭和20年)8月15日に敗戦。9月2日、東京湾上のアメリカ戦艦ミズーリ前方甲板において降伏文書に調印。この日からサンフランシスコ講和条約(1951年9月8日調印)が発効する1952年(昭和27年)4月28日までの約7年間、日本はGHQの支配下にあった。そしてGHQの実体はアメリカを筆頭とするアングロサクソン人であった。

 占領を経て日本の何がどう変わったのか。戦後の日本は経済成長に酔う中で歴史の検証を怠ってしまった。沖縄の米軍基地問題、クロスオーナーシップ、慰安婦問題などは敗戦に根を下ろした問題であろう。

 大体、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の切実な訴えに耳を貸す政治家は当初いなかった事実を思えば、この国は国家の体(てい)を成していない。

 日本経済が発展したのはアメリカが戦争を行うたびに日本の外需が増えたからだ。決して自力で先進国入りしたわけではない。それが証拠に日本が購入した米国債やドルは自由に売ることができない。またゴールドを保有することも制限されているといわれる。いつまで経っても食料自給率が上昇しないのも同じ理由だと思われる。我が国はアメリカに急所という急所を握られているのだ。


「♪洗脳はつづくーよ、どーこまでーも」ってわけだ。東京都知事選の結果がそれを雄弁に物語っている。原発はなくならない。たとえ日本がなくなったとしても。

原発洗脳 アメリカに支配される日本の原子力
苫米地 英人
日本文芸社
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テレビ局と大手新聞社は原発利権の一部/『利権の亡者を黙らせろ 日本連邦誕生論 ポスト3.11世代の新指針』苫米地英人
官僚機構による社会資本の寡占/『独りファシズム つまり生命は資本に翻弄され続けるのか?』響堂雪乃

2013-09-01

消費を強制される社会/『浪費をつくり出す人々 パッカード著作集3』ヴァンス・パッカード


 ・消費を強制される社会
 ・機能の廃物化、品質の廃物化、欲望の廃物化

『メディア論 人間の拡張の諸相』マーシャル・マクルーハン
『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』デイミアン・トンプソン

 電通の戦略十訓は本書によって作られたという。

1.もっと使わせろ
2.捨てさせろ
3.無駄使いさせろ
4.季節を忘れさせろ
5.贈り物をさせろ
6.組み合わせで買わせろ
7.きっかけを投じろ
8.流行遅れにさせろ
9.気安く買わせろ
10.混乱をつくり出せ

Wikipedia

電通過労自殺事件/『自殺のコスト』雨宮処凛
小田嶋隆による『広告批評』批判 その一/『罵詈罵詈 11人の説教強盗へ』小田嶋隆
ハゲ頭に群がるカツラメーカー/『無資本主義商品論 金満大国の貧しきココロ』小田嶋隆

 その昔、味の素が売り上げを伸ばすために穴を大きくしたという都市伝説があった。同社公式サイトによれば「湯気による目詰まりを防ぐために、従来の“卓上瓶”に比べて口の面積を広くし、穴の数を増やしました。このことが、おもしろおかしく伝えられたものだと思われます」とのこと。

 戦略十訓は統治者の言葉遣いである。電通は消費者を「支配される者」として捉えている。広告代理店の仕事は大衆の欲望をコントロールすることなのだろう。

 生産をつづけるために消費を人工的に刺激しなければならないような社会は、屑やむだの上につくられた社会である。そして、そのような社会は砂上の楼閣である。
  ――ドロシー・L・セイヤーズ

【『浪費をつくり出す人々 パッカード著作集3』ヴァンス・パッカード:南博、石川弘義訳(ダイヤモンド社、1961年/原書、1960年)以下同】

Portrait Round Robin

 ドロシー・L・セイヤーズはただの推理小説作家ではなかった。キリスト教人道主義者だったらしい。とすると上の言葉は複雑度を増す。プロテスタントの労働倫理が絡んでいる可能性が高い。

 明日の世界は、どういうものになるのだろうか?
 この本で、われわれは現在の潮流から想像されるいくつかの可能性を検討することにしよう。産業界のスポークスマンたちは、とりわけ明日について空想したがる。彼らは地平線の彼方をのぞきこんで、マーケティングの専門家がわれわれのために考えてくれるすばらしい製品を眺めるように、われわれに呼びかけている。われわれは彼らと同じ夢をみるようすすめられる。そうして、音声タイプライター、壁いっぱいのテレビ・スクリーン、リモートコントロールでハイウェイをすべるように走る自動車等が使えるようになることをうずうずしながら待つようにさせられる。

 蝶が舞うような文章である。予測し得ない優雅な動きが視覚を快感へ導く。

 広告代理店は明日の青写真を提供する。現代においては戦争のシナリオまで書いている。

『ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争』高木徹
湾岸戦争へと導いたナイラの証言

 旧ソ連を始めとする社会主義国は滅んだわけだがプロパガンダは生き延びた。より強靭な体質となって。

 欲望がコントロール可能である事実は行動経済学でも明らかとなっている。

比較トラップ/『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー

 それどころか社会心理学の実験では人々の判断も容易にコントロール可能であることが判明している。

アッシュの同調実験/『服従の心理』スタンレー・ミルグラム
服従の本質/『服従の心理』スタンレー・ミルグラム
服従心理のメカニズム/『服従実験とは何だったのか スタンレー・ミルグラムの生涯と遺産』トーマス・ブラス

 アメリカ国民は、ある意味で、虎にまたがった国民になりつつある。彼らはますます消費することを学ばなければならない。さもないと、彼らの巨大な経済のからくりが、彼らに刃向い、彼らをむさぼり食らうかもしれないと警告されているのである。彼らは、もっともっと個人としての消費を高めるように要求され、しむけられなければならない。それは、彼らが商品にたいして差し迫った要求をもっているかどうかには関係ない。日に日に拡大する経済が、それを要求するのである。

 消費は加速することでしか満足を得られない。「日に日に拡大する経済」とは減ることのない利子によって構成される世界だ。

利子、配当は富裕層に集中する/『エンデの遺言 根源からお金を問うこと』河邑厚徳、グループ現代

 もっと意味を広げれば、大部分のアメリカ人が、「浪費をつくり出す人々」になりつつあると言ってもいいだろう。

 ここに環境破壊の根本要因がある。もともと硬貨を鋳造するためには膨大な樹木を燃やす必要があった。鉄鋼生産が更に拍車をかける。

 今日、アメリカの平均的な市民は、第二次大戦直前に比べると2倍の消費をしている。

 これが1960年のアメリカだ(原著刊行年)。既に半世紀以上が経っている。消費が行き着く先は金融と戦争である。そろそろ「地球環境を消費している」事実に気づいてもいい頃合いだろう。



図表で読み解く ニッポンのゴミ(PDF)
失業と破産こそ資本主義の生命/『小室直樹の資本主義原論』小室直樹
煩悩即菩提/『新板 マーフィー世界一かんたんな自己実現法』ジョセフ・マーフィー

2013-04-15

民意というのは電通と自民党が赤坂の料亭で決めることだ