2016-11-29

佐藤優、池内恵、ピーター・ミルワード


 3冊挫折。

ザビエルの見た日本』ピーター・ミルワード:松本たま訳(講談社学術文庫、1998年)/著者はイエズス会神父の大学教授。フランシスコ・ザビエルの手紙を抄録。薄っぺらい本だが3/4ほどでやめた。ミルワードの解説は蛇足というよりも、頭の悪さが目立ち、著書全体を台無しにしている。ザビエルも草葉の陰で泣いていることだろう。

サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』池内恵〈いけうち・さとし〉(新潮選書、2016年)/リベラル特有のどっちつかずの態度が煮え切らない。池内は既に中東研究の第一人者と目されているが、日本の歴史観が私とは相容れない。amazonレビューはおしなべて高い評価だが、私は読むに値しないと判断した。

いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編』安藤達朗著、佐藤優企画・編集・解説、山岸良二監修(東洋経済新報社、2016年)/佐藤優が巻頭の解説で安倍首相が主張する「戦後レジームからの脱却」を真っ向から否定している。しかも返す刀で公明党を持ち上げており、いかにも佐藤が指南しているように映る。佐藤の博覧強記と該博な知識は誰もが認めるところであるが、何を目指しているのかが全く見えてこない。ただし何となくではあるが沖縄を巡る何かなのは確かだろう。近頃は「私は反対だが」と前置きしながら琉球独立論をぶち上げたりしているようだ。結局のところ国際主義者であり左翼傾向が強い人物なのだろう。もちろん手嶋龍一も同類である。

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