・『我が心はICにあらず』小田嶋隆
・『安全太郎の夜』小田嶋隆
・『パソコンゲーマーは眠らない』小田嶋隆
・『山手線膝栗毛』小田嶋隆
・『仏の顔もサンドバッグ』小田嶋隆
・『コンピュータ妄語録』小田嶋隆
・『「ふへ」の国から ことばの解体新書』小田嶋隆
・『無資本主義商品論 金満大国の貧しきココロ』小田嶋隆
・『罵詈罵詈 11人の説教強盗へ』小田嶋隆
・襲い掛かる駄洒落の嵐
・カルロス・ゴーンと青い鳥
・『イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド』小田嶋隆
・『テレビ標本箱』小田嶋隆
・『テレビ救急箱』小田嶋隆
つまり、チルチルとミチルがお家の中で遊んでいると、ふらんすからごーんという名前のおじさんがやってきて、青い鳥を焼き鳥にして食ってしまうのである。
この場合、青い鳥は何の象徴だろう?
ブルーバード?
ははは。違うね。
ブルーカラーに決まってるだろ。
【『かくかく私価時価 無資本主義商品論 1997-2003』小田嶋隆(BNN、2003年)】
カルロス・ゴーンは青い鳥をたらふく食った挙げ句に勘定を誤魔化していたようだ。コストカッターが自分の税金もカットしていた模様である。
社員の首を切りまくり、工場の土地を売りまくり、経費を節減することで利益を出したゴーン社長をマスコミは手放しで称賛した。私は「フン、まるでマッカーサーだな」と業を煮やした。
ゴーンが行ったことは地域に根差した日産ファンや日産文化の破壊であった。それまでは経営者の禁じ手であった人員整理が以後当たり前の経営手法に格上げされた。派遣社員も企業側の要望から適用業種が拡大された。富国の要であった経済が今度は国を亡ぼそうとしている。まるで癌細胞だ。癌は人体と共生することを拒んで人体と共に亡ぶ。
ヨーロッパには「ノブレル・オブリージュ」(高貴なる者の義務)という観念があり、昔の戦争では貴族が先頭に立って出撃した。現代の高貴なる者は納税の義務すら回避しようと節税対策に余念がない。
かくかく私価時価―無資本主義商品論1997‐2003
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小田嶋 隆
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